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第五章 親愛なるものたちのために
第七百八十九話 四人の出産
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俺を抱き締めていたファナが急に熱くなる。
どうしたんだろうか。
もしかしてこのタイミングで……出産か?
「ルイン。お腹が暖かい……これ、産まれるんじゃないかしら」
「私もっしょ……」
「急いで横になれるところへ!」
全員まだ歩けるようだったので、直ぐに個室の部屋へ移動させる。
といっても、全員一つの部屋にだが……。
何せメルザの子供は直接ブネに渡されたようなものだ。
前世のように産まれてくるはずがない。
――四人のお腹は光に包まれ、そして――その後は全員子供を抱えていた。
これが……絶対神の力か。
恐ろしい力だと思うし、今では十分畏怖の象徴だと感じている。
「私たちの子供……」
「ようやく会えたね」
「めるちゃんの子供、預かってもらっていい?」
「ああ。ありがとうベルディア。皆、それじゃ名前を」
産まれてきた四人の子供。それぞれへの思いを考えた子供たちだ。
「ファナとルインの子供。女の子。影から見守ってくれる優しい子。
エイナ。ルインのイと私のナが入っているのも特徴的ね。影から見守るって、本当私みたい」
「サラカーンとルインの子。クウカーン。男の子。私とお兄ちゃんがふわりと飛んでる
とこ、今でも忘れられないってのが決め手ね。女の子じゃなかったかぁ。でも可愛い」
「ベルディアとルインの子。女の子。ルティア……これでお母さんも喜ぶっしょ。男の子だったら
バルディアだったんだよね。お父さんの名前を入れる事まで考えてくれてたのには驚いたっしょ」
「レミニーニとルインの子。男の子。将来有望なアイドル、レイン。
いい名前。少し寂しさも感じるけど、レニは好き」
「そして俺と……メルザと、ブネの子。カカシからも一文字もらった。名はカルネ。
女の子だ。クウとレイン以外は女の子だな。皆……俺の子供か……」
大切な者を失ったと同時に、かけがえのない大切なものを得た。
これからは親として、この子らを守らねばならない。
そしてもう、誰も失わないように俺自身が気をつけねばならない。
――全員、子供をずっと撫でている。
「一人ずつ、よく顔を見せてくれないか? 全員眠ってる?」
「うん。メルちゃんの子供も良く眠ってるね。メルちゃんもまだ起きないっしょ?」
「ああ。凄く……良く眠ってる」
「メルちゃん戻って来たのに、そんな顔、してちゃだめっしょ」
「その、通りだよな。俺は……もっとしっかりしないといけない。
子供たちの顔、見せてくれ」
エイナからよく見てみる。髪色はかなり黒に近い。俺の血を濃く受け継いだのだろう。
ファナの髪色は藍色だ。どちらでも似合ったかもしれない。
お母さんに似れば、きっとモテるだろう。
次はサラの子、クウカーン。サラはいたずら好きで、何度もハニートラップを食らった。
この子はリルみたいに育ってくれると嬉しいな。クウカーンのクウは、空を意味する。
ちょうど廃鉱で空に打ち上げられた時思いついたんだった。懐かしいな。
この子は黒が入った銀髪だな。完全なる妖魔の血だ。サラに似れば、美男子は
間違いないと思いたい。
ベルディアの子、ルティア。この子は人魚の血が混じっている事になる。
美しい人魚にもなれたりするのかな。髪の色は俺の要素が全くない、綺麗な金色だ。
そしてレミニーニの子、レイン。物悲しさがあると言っていたが、陽気過ぎる
レミにはちょうどいいだろう。
お母さんを抑制してやって欲しい。この子は俺と同じ髪色で、青黒い髪色だ。
一番俺の血を濃く受け継いだのかもしれない。
「全員、可愛いな」
「でもねぇ」
「やっぱりめるちゃんの子が」
「可愛いなぁ……何でこんな可愛いわけぇ?」
「それはきっと……皆がメルザを好きだからそう思うんだろう。ずっと……会いたかった。
会えなくて悲しくて、でもメルザがいるだけで温かくなる。それが……この場所だろう」
この領域はメルザのものだ。
いくら改変してもそれは変わらない。
そして……俺はメルザという主を取り戻した。
まだ目は覚ましていないけど、今はゆっくり休んでいて欲しい。
沢山、話さなければならないことがある。
そして――メルザが目を覚ますその前に、もう一つだけやることがあるのだから。
どうしたんだろうか。
もしかしてこのタイミングで……出産か?
「ルイン。お腹が暖かい……これ、産まれるんじゃないかしら」
「私もっしょ……」
「急いで横になれるところへ!」
全員まだ歩けるようだったので、直ぐに個室の部屋へ移動させる。
といっても、全員一つの部屋にだが……。
何せメルザの子供は直接ブネに渡されたようなものだ。
前世のように産まれてくるはずがない。
――四人のお腹は光に包まれ、そして――その後は全員子供を抱えていた。
これが……絶対神の力か。
恐ろしい力だと思うし、今では十分畏怖の象徴だと感じている。
「私たちの子供……」
「ようやく会えたね」
「めるちゃんの子供、預かってもらっていい?」
「ああ。ありがとうベルディア。皆、それじゃ名前を」
産まれてきた四人の子供。それぞれへの思いを考えた子供たちだ。
「ファナとルインの子供。女の子。影から見守ってくれる優しい子。
エイナ。ルインのイと私のナが入っているのも特徴的ね。影から見守るって、本当私みたい」
「サラカーンとルインの子。クウカーン。男の子。私とお兄ちゃんがふわりと飛んでる
とこ、今でも忘れられないってのが決め手ね。女の子じゃなかったかぁ。でも可愛い」
「ベルディアとルインの子。女の子。ルティア……これでお母さんも喜ぶっしょ。男の子だったら
バルディアだったんだよね。お父さんの名前を入れる事まで考えてくれてたのには驚いたっしょ」
「レミニーニとルインの子。男の子。将来有望なアイドル、レイン。
いい名前。少し寂しさも感じるけど、レニは好き」
「そして俺と……メルザと、ブネの子。カカシからも一文字もらった。名はカルネ。
女の子だ。クウとレイン以外は女の子だな。皆……俺の子供か……」
大切な者を失ったと同時に、かけがえのない大切なものを得た。
これからは親として、この子らを守らねばならない。
そしてもう、誰も失わないように俺自身が気をつけねばならない。
――全員、子供をずっと撫でている。
「一人ずつ、よく顔を見せてくれないか? 全員眠ってる?」
「うん。メルちゃんの子供も良く眠ってるね。メルちゃんもまだ起きないっしょ?」
「ああ。凄く……良く眠ってる」
「メルちゃん戻って来たのに、そんな顔、してちゃだめっしょ」
「その、通りだよな。俺は……もっとしっかりしないといけない。
子供たちの顔、見せてくれ」
エイナからよく見てみる。髪色はかなり黒に近い。俺の血を濃く受け継いだのだろう。
ファナの髪色は藍色だ。どちらでも似合ったかもしれない。
お母さんに似れば、きっとモテるだろう。
次はサラの子、クウカーン。サラはいたずら好きで、何度もハニートラップを食らった。
この子はリルみたいに育ってくれると嬉しいな。クウカーンのクウは、空を意味する。
ちょうど廃鉱で空に打ち上げられた時思いついたんだった。懐かしいな。
この子は黒が入った銀髪だな。完全なる妖魔の血だ。サラに似れば、美男子は
間違いないと思いたい。
ベルディアの子、ルティア。この子は人魚の血が混じっている事になる。
美しい人魚にもなれたりするのかな。髪の色は俺の要素が全くない、綺麗な金色だ。
そしてレミニーニの子、レイン。物悲しさがあると言っていたが、陽気過ぎる
レミにはちょうどいいだろう。
お母さんを抑制してやって欲しい。この子は俺と同じ髪色で、青黒い髪色だ。
一番俺の血を濃く受け継いだのかもしれない。
「全員、可愛いな」
「でもねぇ」
「やっぱりめるちゃんの子が」
「可愛いなぁ……何でこんな可愛いわけぇ?」
「それはきっと……皆がメルザを好きだからそう思うんだろう。ずっと……会いたかった。
会えなくて悲しくて、でもメルザがいるだけで温かくなる。それが……この場所だろう」
この領域はメルザのものだ。
いくら改変してもそれは変わらない。
そして……俺はメルザという主を取り戻した。
まだ目は覚ましていないけど、今はゆっくり休んでいて欲しい。
沢山、話さなければならないことがある。
そして――メルザが目を覚ますその前に、もう一つだけやることがあるのだから。
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