873 / 1,085
第五章 親愛なるものたちのために
第七百八十六話 歓迎の仕方
しおりを挟む
二人の名前を聞いて、とても嫌な予感がしたが……考えていても仕方ないので
泉の前まで向かうと――「オラァ! もう一発いくぞ! 風牙撃衝連刃!」
「一度に三つも出しやがって! ちっとは余力考えろ。そろそろ来るかもしれないだろ!」
「知った事か! 来たら来たでまた気合入れればいいだけだろうがよ!」
……俺は来るべきではないところに来てしまったようだ。
泉の上空では、ばかでかい師匠の顔をしたでかい三つの何かが、筋骨隆々のでかい男を
襲っている。三つ首のケルベロスならぬケルウルフだ。
そんなものを見たかと思えば、ギオマの骨かと思うほどでかくなった剣で、ほこりを払う
ようにそのケルウルフをかき消す男。
……あんたら泉の前で何してるんですか?
このまま気付かれないように泉に入れないかな。
「お師匠様! 凄すぎて近づけないんんですけど、お師匠様ならまざれ
ますよね? あの戦いに!」
「あら。それはいい案だわエンシュ。師匠として私たちに戦いのお手本を見せて
くれるのよね?」
……おいおい。この弟子二人は何を言い出すんだ。冗談はよしてくれ。
二人の男のおりなす熱いララパルーザにおれを混ざろとでも? それはよくない。
俺までララパルーザになってしまう。
そう、ララパルーザとは異常なものを指す言葉だ。
よくない。断じてよくない。
「おい! ちょっと待て……ルイン! 戻ったかぁ、いや待ってたぜ! ちょうどいい汗
かき終わったところだ」
「おうおう。随分とぬるい顔してるじゃねえか。また小僧戻りか? こりゃいけねえな」
「え?」
二人はこちらを見ながらそう叫んでいる。
エンシュとミレーユ王女は既に俺の傍から離れていた。
「おらちゃんと打ち返せよ!」
「まずは手始めの挨拶代わりだぜ」
「うわ! 封剣! 赤閃!」
いきなり斬撃を飛ばす二人に、大慌てでティソーナを出し、応戦した。
二人がかり!? 冗談じゃない。しかも真剣だ。
やらないと殺られる勢い。
くそ、こうなったら……俺は早速新しく手に入れた伝書の力を試してみる事にした。
そっちが真剣ならこっちもだ! 久しぶりに師匠への挨拶、しっかりやらないとな!
「えーっと……そういやランスロットさんみたいに俺も地面に這わせるように出来ないか……」
「おいおい何だその手のやつ……また新しい力手に入れたのか、お前さん。見てみようぜ」
「カッハー! こいつはいいぜ。やっぱおめえはそうじゃねえと。おいおい、早く
見せてみろ。俺たちのは遠目に先に見てやがったんだろ?」
「いや、まだ覚えたてで使い方がよく……こうか?」
最初にやった時と同様、両腕に文字がいきわたるのを確認する。
これを前方に突き出しつつ叫ぶと、正面に青白い渦の炎が飛んでいった。
それなら、地面に向けて発したらどうなるんだ?
「二人とも、どうなるかわからないけど、覚悟してくださいよ! ラモト!」
俺は地面に突き刺す感じでラモトを発動した。
当然地中に埋まるただの文字だと困る。
だが……文字は地を這いずり、師匠とハーヴァルさんの真下から突き出る渦の炎となった!
「うお! あぶねえ……小せぇが、奇襲になりやがるな」
「おいおい、青い炎だぜ。しかも渦巻いてやがる。殺傷力も高そうだな。どこで
こんな技身に着けたんだ?」
「伝書ってやつらしいです。お二人とも知ってます?」
「伝書? 聞いた事はあるがおめえ、そりゃ外れ引くと最悪なのもあるって聞くぞ。
ライデンでもびびって手を出さなかった奴に手をだしたのか」
「まぁ、お前さんは俺と違って呪いが効かない体質だからな。案外いいのかもしれん」
「そうだった。小僧は異常体質だったな」
「呪いですか……呪いと言えば……セフィアさんやイビン、シュウさんは?」
「セフィアはほれ、その泉のほとりで大人しくしてるだろ。イビンはルーンの町で
浮かんでるぞ。シュウは……あれ、シュウはどうしたんだっけ?」
「さぁな。見てねえぞ」
「はい? どこにいるんですか? ……イビンが浮かんでる? えっと、どうしよう。
俺はどこから突っ込んだらいいんでしょうか」
泉の傍にいるのは、兎耳をした獣人ぽい人だ。俺の知らない人に違いない。
決してセフィアさんはあのような物を装着するタイプではない。
外見が似ていても本人であることなどあり得るはずがないのだ。
しかもイビンは町で浮かんでいる? どんな修業したんだろう。
「ちょっとよくわからないんですが……その人が本当にセフィアさん?」
そう言う前に、こっちをくるっと見るセフィアさんでなさそうな人。
……確かにセフィアさんを兎っぽくするとこうなるよな。
「わらしはぁーー、セフィアれすぅなんれすかぁ、ちっとも気付いてくれないなんて
わらしが怒るなしたよぉ」
「げっ。酔っ払いバージョンのセフィアさんじゃないですか!」
「いや、それがよぉ。通常がこれになっちまったんだよ。酔っぱらうと怖い奴になる。
しかも勝手に酒ひっつかんで飲むから手に負えねえ」
「なんれすか! 人を無視してずっと暴れてらしたらいいんれすかぁ!?」
「ちょっと何言ってるかよくわからな……これはこれで大変そうですね」
「はぁ……まぁそういうわけだ。スキアラもおかしな事してくれるぜ」
「そういえば何でお二人はここで戦ってるんですか? 町の訓練場は?」
「あっちは今いっぱいなんだよ。お前さん随分と仲間が増えたな。
四幻だったか? いい仲間を持ったもんだな」
「そっか。ルジリトが指揮を……そうですね。俺にも仲間が増えましたから。
もう二度とベッツェンのような光景はみたくないので」
俺はルジリトにお願いをして、組織的な戦闘が行える訓練を依頼していた。
指導を受けるのは勿論、町にいる住民で、訓練を望むもの。
家族や故郷を追われた者が多かったから、賛同した者が多かったのだろう。
ジャンカの村だって、今のままでいいはずはない。
いつ何時、何が起こってもいいように準備を進めていた。
「さぁ町に戻ってやれ。皆心配して待ってるぜ」
「俺たちはもうちょっと遊んでいくからよ。そういやさっき、変な姉ちゃんが腰抜かして
伸びてたけど、置いといていいのか?」
「変な姉ちゃん……あ!」
そして俺は、散策に向かったカーィが再び失神しているのを見つけてしまった。
……仕方ない。担いで領域へ連れて行くか。
泉の前まで向かうと――「オラァ! もう一発いくぞ! 風牙撃衝連刃!」
「一度に三つも出しやがって! ちっとは余力考えろ。そろそろ来るかもしれないだろ!」
「知った事か! 来たら来たでまた気合入れればいいだけだろうがよ!」
……俺は来るべきではないところに来てしまったようだ。
泉の上空では、ばかでかい師匠の顔をしたでかい三つの何かが、筋骨隆々のでかい男を
襲っている。三つ首のケルベロスならぬケルウルフだ。
そんなものを見たかと思えば、ギオマの骨かと思うほどでかくなった剣で、ほこりを払う
ようにそのケルウルフをかき消す男。
……あんたら泉の前で何してるんですか?
このまま気付かれないように泉に入れないかな。
「お師匠様! 凄すぎて近づけないんんですけど、お師匠様ならまざれ
ますよね? あの戦いに!」
「あら。それはいい案だわエンシュ。師匠として私たちに戦いのお手本を見せて
くれるのよね?」
……おいおい。この弟子二人は何を言い出すんだ。冗談はよしてくれ。
二人の男のおりなす熱いララパルーザにおれを混ざろとでも? それはよくない。
俺までララパルーザになってしまう。
そう、ララパルーザとは異常なものを指す言葉だ。
よくない。断じてよくない。
「おい! ちょっと待て……ルイン! 戻ったかぁ、いや待ってたぜ! ちょうどいい汗
かき終わったところだ」
「おうおう。随分とぬるい顔してるじゃねえか。また小僧戻りか? こりゃいけねえな」
「え?」
二人はこちらを見ながらそう叫んでいる。
エンシュとミレーユ王女は既に俺の傍から離れていた。
「おらちゃんと打ち返せよ!」
「まずは手始めの挨拶代わりだぜ」
「うわ! 封剣! 赤閃!」
いきなり斬撃を飛ばす二人に、大慌てでティソーナを出し、応戦した。
二人がかり!? 冗談じゃない。しかも真剣だ。
やらないと殺られる勢い。
くそ、こうなったら……俺は早速新しく手に入れた伝書の力を試してみる事にした。
そっちが真剣ならこっちもだ! 久しぶりに師匠への挨拶、しっかりやらないとな!
「えーっと……そういやランスロットさんみたいに俺も地面に這わせるように出来ないか……」
「おいおい何だその手のやつ……また新しい力手に入れたのか、お前さん。見てみようぜ」
「カッハー! こいつはいいぜ。やっぱおめえはそうじゃねえと。おいおい、早く
見せてみろ。俺たちのは遠目に先に見てやがったんだろ?」
「いや、まだ覚えたてで使い方がよく……こうか?」
最初にやった時と同様、両腕に文字がいきわたるのを確認する。
これを前方に突き出しつつ叫ぶと、正面に青白い渦の炎が飛んでいった。
それなら、地面に向けて発したらどうなるんだ?
「二人とも、どうなるかわからないけど、覚悟してくださいよ! ラモト!」
俺は地面に突き刺す感じでラモトを発動した。
当然地中に埋まるただの文字だと困る。
だが……文字は地を這いずり、師匠とハーヴァルさんの真下から突き出る渦の炎となった!
「うお! あぶねえ……小せぇが、奇襲になりやがるな」
「おいおい、青い炎だぜ。しかも渦巻いてやがる。殺傷力も高そうだな。どこで
こんな技身に着けたんだ?」
「伝書ってやつらしいです。お二人とも知ってます?」
「伝書? 聞いた事はあるがおめえ、そりゃ外れ引くと最悪なのもあるって聞くぞ。
ライデンでもびびって手を出さなかった奴に手をだしたのか」
「まぁ、お前さんは俺と違って呪いが効かない体質だからな。案外いいのかもしれん」
「そうだった。小僧は異常体質だったな」
「呪いですか……呪いと言えば……セフィアさんやイビン、シュウさんは?」
「セフィアはほれ、その泉のほとりで大人しくしてるだろ。イビンはルーンの町で
浮かんでるぞ。シュウは……あれ、シュウはどうしたんだっけ?」
「さぁな。見てねえぞ」
「はい? どこにいるんですか? ……イビンが浮かんでる? えっと、どうしよう。
俺はどこから突っ込んだらいいんでしょうか」
泉の傍にいるのは、兎耳をした獣人ぽい人だ。俺の知らない人に違いない。
決してセフィアさんはあのような物を装着するタイプではない。
外見が似ていても本人であることなどあり得るはずがないのだ。
しかもイビンは町で浮かんでいる? どんな修業したんだろう。
「ちょっとよくわからないんですが……その人が本当にセフィアさん?」
そう言う前に、こっちをくるっと見るセフィアさんでなさそうな人。
……確かにセフィアさんを兎っぽくするとこうなるよな。
「わらしはぁーー、セフィアれすぅなんれすかぁ、ちっとも気付いてくれないなんて
わらしが怒るなしたよぉ」
「げっ。酔っ払いバージョンのセフィアさんじゃないですか!」
「いや、それがよぉ。通常がこれになっちまったんだよ。酔っぱらうと怖い奴になる。
しかも勝手に酒ひっつかんで飲むから手に負えねえ」
「なんれすか! 人を無視してずっと暴れてらしたらいいんれすかぁ!?」
「ちょっと何言ってるかよくわからな……これはこれで大変そうですね」
「はぁ……まぁそういうわけだ。スキアラもおかしな事してくれるぜ」
「そういえば何でお二人はここで戦ってるんですか? 町の訓練場は?」
「あっちは今いっぱいなんだよ。お前さん随分と仲間が増えたな。
四幻だったか? いい仲間を持ったもんだな」
「そっか。ルジリトが指揮を……そうですね。俺にも仲間が増えましたから。
もう二度とベッツェンのような光景はみたくないので」
俺はルジリトにお願いをして、組織的な戦闘が行える訓練を依頼していた。
指導を受けるのは勿論、町にいる住民で、訓練を望むもの。
家族や故郷を追われた者が多かったから、賛同した者が多かったのだろう。
ジャンカの村だって、今のままでいいはずはない。
いつ何時、何が起こってもいいように準備を進めていた。
「さぁ町に戻ってやれ。皆心配して待ってるぜ」
「俺たちはもうちょっと遊んでいくからよ。そういやさっき、変な姉ちゃんが腰抜かして
伸びてたけど、置いといていいのか?」
「変な姉ちゃん……あ!」
そして俺は、散策に向かったカーィが再び失神しているのを見つけてしまった。
……仕方ない。担いで領域へ連れて行くか。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
妹と歩く、異世界探訪記
東郷 珠
ファンタジー
ひょんなことから異世界を訪れた兄妹。
そんな兄妹を、数々の難題が襲う。
旅の中で増えていく仲間達。
戦い続ける兄妹は、世界を、仲間を守る事が出来るのか。
天才だけど何処か抜けてる、兄が大好きな妹ペスカ。
「お兄ちゃんを傷つけるやつは、私が絶対許さない!」
妹が大好きで、超過保護な兄冬也。
「兄ちゃんに任せろ。お前は絶対に俺が守るからな!」
どんなトラブルも、兄妹の力で乗り越えていく!
兄妹の愛溢れる冒険記がはじまる。
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
18禁NTR鬱ゲーの裏ボス最強悪役貴族に転生したのでスローライフを楽しんでいたら、ヒロイン達が奴隷としてやって来たので幸せにすることにした
田中又雄
ファンタジー
『異世界少女を歪ませたい』はエロゲー+MMORPGの要素も入った神ゲーであった。
しかし、NTR鬱ゲーであるためENDはいつも目を覆いたくなるものばかりであった。
そんなある日、裏ボスの悪役貴族として転生したわけだが...俺は悪役貴族として動く気はない。
そう思っていたのに、そこに奴隷として現れたのは今作のヒロイン達。
なので、酷い目にあってきた彼女達を精一杯愛し、幸せなトゥルーエンドに導くことに決めた。
あらすじを読んでいただきありがとうございます。
併せて、本作品についてはYouTubeで動画を投稿しております。
より、作品に没入できるようつくっているものですので、よければ見ていただければ幸いです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる