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第五章 親愛なるものたちのために
第七百五十五話 統治された国を目指して
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ナチュカを休ませると、今一度中央のテントへ戻る。
テントへ入る前に一応声をかけたのだが、返事は無かったので仕方なくそのまま入った。
するとグレンさんも疲れていたのか、モジョコの傍で肘をついて寝ていた。
……起こすのも悪いが、時間をあまりかけてはいられない。
申し訳ないが起きてもらうか。
「あのー、グレンさん。グレンさん」
「……まだ、もう少し……はっ!? るる、ルイン殿? これは失礼した。
少しうとうとしていたようだ」
「いや。お疲れなんじゃないのか。この地へきてもう一週間は経つのだろう?
ちゃんと休んでいるのか?」
「ああ、大丈夫だ。それで……ナチュカには乗れたのか?」
「問題なく。あまり時間をかけられないので、そろそろ出発したいのだが」
「そうだな……道案内は私がする。今から出発すれば暗くなる前に到着できるかどうか
といったところだが、構わないか?」
「ああ。俺の騎乗するナチャカを入り口に待たせてある……モジョコ、起きてくれ。出かけるぞ」
「……実はもう、起きてたの。声かけてくれるのか、待ってたの」
「何だ、狸寝入りしていたのか」
「狸寝入りってなあに?」
「ははは、そういえばこの世界に狐は見ても狸は見た事が無かったな。
寝たふりをしてるってことだよ」
「狸ならこの辺りにもいるぞ。モジョコは見たことがないのか」
「うん。ないよ。モジョコ、ずっと家の中で暮らしてたから……」
「そうか……本当に可哀そうな子だ……いっそ私が……しかし」
「おーいグレンさん。他、持ってくものないのか?」
「そのランタンを四つ持ってきてくれ。とって来たマルクタイト鉱石を詰める」
「そうか、それなら俺たちがやろう。モジョコ。ランタンにマルクタイト鉱石を詰めるの、手伝って
くれないか? グレンさん。少し予備分ももらっておくぞ」
「わかった。よろしく頼む。私は急いで支度をしてくるから」
「モジョコ……上手く出来るかな」
「大丈夫。ちゃんと教えるから一緒にやってみよう」
「うん! モジョコ、頑張るの」
少しその場で待っているように告げると、パモと一緒にマルクタイト鉱石の置き場に行き、いくつかを
パモに預ける。原石は確かにランタンに入れるには大きすぎる。加工用と思われる
道具があり、それを手に持ち再びモジョコの前へと戻る。
モジョコを後ろから挟むようにして手を取り、道具を握らせた。
「これくらいの大きさの道具を使うんだ。鉱石はこれ。わかるか?」
「うん。ルインお兄ちゃんの手、大きいね」
「大人の手だからな。道具は使い方によって危険なものでもある。
だが使い方を間違えなければ非常に便利な物だ。こいつはノミみたいなものだな。
そしてこっちがハンマー。いいか、足で鉱石を俺が挟む。
ノミの先端を鉱石に当てて、ノミの後ろ……この部分をハンマーでゆっくり
叩くんだ。ハンマーは俺が支えているから」
「うん。やってみる……こう、かな」
「そうだ。もう少し力を入れてみろ」
「うん」
コンコンという音が次第に強くなり、ノミの先端からパキリという音がした。
うまくせん断面をとらえた様で、いい具合にランタンに入る大きさへ削り出す
事ができた。
「うまいぞ。いい感じだ。見えてないからこそこの程度でいいとわかる感覚、やっぱり
お前にもあるみたいだな。同じ要領でもう少し削ってみよう」
「うん。楽しい」
「それはよかった。ランタン四つ埋まるまで続けよう」
そのまま削り続け、ランタン四つ分をマルクタイト鉱石で埋める事が出来た。
グレンも途中から見ていたが、ホッとしているようだ。
「ルイン殿は本当に、優しいな。既にご家族がいるのだろう?」
「ああ。家族なら沢山いる。思い人は、会えないままだがな」
「そうか。あまり聞いてはまずかったかな。すまない……詮索するつもりじゃなかったんだ」
「別に構わないよ。互いに言えない、言いにくい事なんて、どの世界でもある。
だが俺の信念は変わらない。どんな不条理な世界でも、手の届く人は救ってやりたい。
そう思っているだけだ。でも俺は万能な全知全能の神じゃない。
救えない命だってあるのは理解している」
「まさかそんな考えの人物と偶然こんなところで出会うなんて、思ってもみなかった。
おじい様に紹介したらさぞ……」
「ん?」
「い、いや何でもないんだ。その……そろそろ出発しよう」
「そうだな。移動してる間、夜になったら大変だろう。いや、もしかしてナチュカは猫っぽいから
夜目が利いたりするのか……?」
「確かにナチュカは夜目も利くが、モンスターも沸きやすい。
なるべく早く町まで行くにこしたことはないだろう」
「わかった。それじゃモジョコ、行こうか。俺とモジョコの初めての冒険だな」
「うん。あの子も連れてってもいいの……?」
「当然だ。お前の家族だろ? そのスライム……そうだった!
名前を考えるため、モジョコには可愛いのなんたるかを教えてやらないとな。
そうだな……その小さいスライムと、ナチュカ。後はグレンさんも協力して欲しいな」
「えっ? わわ、私がか?」
「ああ。男よりは女性の意見を聞いた方が参考になるだろう?」
「それはその、そうなんだが、その……あまり可愛いものには詳しくない
というかうとくてだな……」
「それと、モジョコの布、うまくしばれてはいるけどこれだと少し寒そうだな……」
待てよ……そうだ! アメーダのエプロンがあった。これを着せよう。
大人のサイズだが、エプロンなら足下までの丈をカバーできるだろうし。
「これ、お洋服なの?」
「料理用戦闘服だ」
「戦闘服!? そのようなもの、モジョコに着せて戦わせるのか?」
「料理場ではな、これを着ると戦闘力があがる。これは俺の知ってる世界での常識なのさ」
「そ、そのような装備があるのか。後で私にも詳しく教えてくれ。その……料理の一つも出来ないと
レオにまた笑われそうでな……」
「ははっ。道中話す内容が増えたな。後はパモとナチュカのもふもふがあれば
寒くはないか。よし、行こう」
グレン、そしてモジョコを連れてベルゼレン奇石を取りに新たな町へと出発する。
戻った頃にはきっと、泉は開通しているだろう。
待っていてくれ、みんな――――。
テントへ入る前に一応声をかけたのだが、返事は無かったので仕方なくそのまま入った。
するとグレンさんも疲れていたのか、モジョコの傍で肘をついて寝ていた。
……起こすのも悪いが、時間をあまりかけてはいられない。
申し訳ないが起きてもらうか。
「あのー、グレンさん。グレンさん」
「……まだ、もう少し……はっ!? るる、ルイン殿? これは失礼した。
少しうとうとしていたようだ」
「いや。お疲れなんじゃないのか。この地へきてもう一週間は経つのだろう?
ちゃんと休んでいるのか?」
「ああ、大丈夫だ。それで……ナチュカには乗れたのか?」
「問題なく。あまり時間をかけられないので、そろそろ出発したいのだが」
「そうだな……道案内は私がする。今から出発すれば暗くなる前に到着できるかどうか
といったところだが、構わないか?」
「ああ。俺の騎乗するナチャカを入り口に待たせてある……モジョコ、起きてくれ。出かけるぞ」
「……実はもう、起きてたの。声かけてくれるのか、待ってたの」
「何だ、狸寝入りしていたのか」
「狸寝入りってなあに?」
「ははは、そういえばこの世界に狐は見ても狸は見た事が無かったな。
寝たふりをしてるってことだよ」
「狸ならこの辺りにもいるぞ。モジョコは見たことがないのか」
「うん。ないよ。モジョコ、ずっと家の中で暮らしてたから……」
「そうか……本当に可哀そうな子だ……いっそ私が……しかし」
「おーいグレンさん。他、持ってくものないのか?」
「そのランタンを四つ持ってきてくれ。とって来たマルクタイト鉱石を詰める」
「そうか、それなら俺たちがやろう。モジョコ。ランタンにマルクタイト鉱石を詰めるの、手伝って
くれないか? グレンさん。少し予備分ももらっておくぞ」
「わかった。よろしく頼む。私は急いで支度をしてくるから」
「モジョコ……上手く出来るかな」
「大丈夫。ちゃんと教えるから一緒にやってみよう」
「うん! モジョコ、頑張るの」
少しその場で待っているように告げると、パモと一緒にマルクタイト鉱石の置き場に行き、いくつかを
パモに預ける。原石は確かにランタンに入れるには大きすぎる。加工用と思われる
道具があり、それを手に持ち再びモジョコの前へと戻る。
モジョコを後ろから挟むようにして手を取り、道具を握らせた。
「これくらいの大きさの道具を使うんだ。鉱石はこれ。わかるか?」
「うん。ルインお兄ちゃんの手、大きいね」
「大人の手だからな。道具は使い方によって危険なものでもある。
だが使い方を間違えなければ非常に便利な物だ。こいつはノミみたいなものだな。
そしてこっちがハンマー。いいか、足で鉱石を俺が挟む。
ノミの先端を鉱石に当てて、ノミの後ろ……この部分をハンマーでゆっくり
叩くんだ。ハンマーは俺が支えているから」
「うん。やってみる……こう、かな」
「そうだ。もう少し力を入れてみろ」
「うん」
コンコンという音が次第に強くなり、ノミの先端からパキリという音がした。
うまくせん断面をとらえた様で、いい具合にランタンに入る大きさへ削り出す
事ができた。
「うまいぞ。いい感じだ。見えてないからこそこの程度でいいとわかる感覚、やっぱり
お前にもあるみたいだな。同じ要領でもう少し削ってみよう」
「うん。楽しい」
「それはよかった。ランタン四つ埋まるまで続けよう」
そのまま削り続け、ランタン四つ分をマルクタイト鉱石で埋める事が出来た。
グレンも途中から見ていたが、ホッとしているようだ。
「ルイン殿は本当に、優しいな。既にご家族がいるのだろう?」
「ああ。家族なら沢山いる。思い人は、会えないままだがな」
「そうか。あまり聞いてはまずかったかな。すまない……詮索するつもりじゃなかったんだ」
「別に構わないよ。互いに言えない、言いにくい事なんて、どの世界でもある。
だが俺の信念は変わらない。どんな不条理な世界でも、手の届く人は救ってやりたい。
そう思っているだけだ。でも俺は万能な全知全能の神じゃない。
救えない命だってあるのは理解している」
「まさかそんな考えの人物と偶然こんなところで出会うなんて、思ってもみなかった。
おじい様に紹介したらさぞ……」
「ん?」
「い、いや何でもないんだ。その……そろそろ出発しよう」
「そうだな。移動してる間、夜になったら大変だろう。いや、もしかしてナチュカは猫っぽいから
夜目が利いたりするのか……?」
「確かにナチュカは夜目も利くが、モンスターも沸きやすい。
なるべく早く町まで行くにこしたことはないだろう」
「わかった。それじゃモジョコ、行こうか。俺とモジョコの初めての冒険だな」
「うん。あの子も連れてってもいいの……?」
「当然だ。お前の家族だろ? そのスライム……そうだった!
名前を考えるため、モジョコには可愛いのなんたるかを教えてやらないとな。
そうだな……その小さいスライムと、ナチュカ。後はグレンさんも協力して欲しいな」
「えっ? わわ、私がか?」
「ああ。男よりは女性の意見を聞いた方が参考になるだろう?」
「それはその、そうなんだが、その……あまり可愛いものには詳しくない
というかうとくてだな……」
「それと、モジョコの布、うまくしばれてはいるけどこれだと少し寒そうだな……」
待てよ……そうだ! アメーダのエプロンがあった。これを着せよう。
大人のサイズだが、エプロンなら足下までの丈をカバーできるだろうし。
「これ、お洋服なの?」
「料理用戦闘服だ」
「戦闘服!? そのようなもの、モジョコに着せて戦わせるのか?」
「料理場ではな、これを着ると戦闘力があがる。これは俺の知ってる世界での常識なのさ」
「そ、そのような装備があるのか。後で私にも詳しく教えてくれ。その……料理の一つも出来ないと
レオにまた笑われそうでな……」
「ははっ。道中話す内容が増えたな。後はパモとナチュカのもふもふがあれば
寒くはないか。よし、行こう」
グレン、そしてモジョコを連れてベルゼレン奇石を取りに新たな町へと出発する。
戻った頃にはきっと、泉は開通しているだろう。
待っていてくれ、みんな――――。
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