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第四章 シフティス大陸横断

第六百八十六話 組み合わせによる効果

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 絶対神についてどう思う……か。とても難しい質問だな。

「それを答えるにあたって、まず一つ。俺は絶対神が四人いて、そのうち二柱については多少知っている。
残りの二柱については全くしらない」

 それだけでも先ほどと同じく重たい空気となる。
 確実に言える……これは怒りの感情だろう。

「それで?」
「知っているのはイネービュとスキアラ。うち、恩義があるのはイネービュ。他の神とは
特に強い関係性は、俺自身にはない。それに神と人……いや妖魔か。考えが合うとは到底思えない。
しかし、助けられた恩義はある。こんなところだ」
「なぜ嘘をつかないんだ、君は」
「さっきも言っただろう。遊びとはいえこれから真剣勝負する相手だぞ」
「そうじゃない。人も魔族もよく嘘をつく。ゲンドールはいつしか嘘に塗れ、嘘で溢れかえっている。
なぜ君は……君たちは嘘をつかない。アメーダに言われたからか?」
「さぁ。言われた通り助言には従う事もある。名を別の呼び名に変える事だってあった。
しかし俺は、嘘をついているわけじゃない。別の呼び方、そう呼ばれていた呼び名に変えたりもした。
あんたかどうかはわからないけど、襲われるのを避けるために」

 一気に軽くなる空気。
 目の前のプリマは、黒いフードに身を包みながら――――腹を抱えて笑い出した。

「あっはっはっははははは……面白いね、君。いや、君が本当に面白いのは君の中にある物だね」
「中……ベリアル……いや、メルザのことか。そうかもしれないな」
「メルザ? ふぅーん。その名前は違うようだ……そろそろ続きをやろうか。
アタックピース、一枚目設置」

【流土の深淵に沈むがいい! 土巣死斗ドースシート

「土幻術最強術、土巣死斗。当てたピースを二ターン土に沈め、場から除外される。二ターン経過後復活時そのピースがアタックピースの場合、更に一ターン行動不能。この効果は一つの対象にのみ、効果を発動する。
沈めた対象がアーティファクトの場合、沈んでいる間、そのアーティファクトの効果は失われる。
土に沈める効果が二度発動すると、土巣死斗は消滅する」

 ……このアタックピースはまずい。当てられると、アタックピースの場合三ターンも行動不能。
 おまけにアーティファクト効果も場合によっては二ターン防がれるのか。

「二枚目設置」
 
【創世せよ。世界を支える大樹、ユグドラシル!】

「アタックピース、創世術、ユグドラシル。対象でアタックをする場合、ユグドラシルが動くその
方向へ大樹の枝を伸ばす。枝は直線にしか伸びないが、弾いた方向に伸びた枝は進路を妨害
し、貫通、衝撃、凍結、麻痺などのステータス異常を無効にするが、燃焼を受けると、全ての枝は
消滅する。自陣ピースはその影響を受けず、相手側のみが枝による妨害を受ける。
この効果はアタックにより消滅する」

 行動阻害に移動阻害……よく考えられた組み合わせだ。
 一方こちらは今のところ防御としてはロードピースの効果があるものの、弱い防御でしかない。

 しかし……「アタックピース一枚目設置だ」

【アアアァァァ! 幻魔獣クレルクラージャ、ミストラージャ、ユビルラージャ招来】

「幻魔界招来竜ラージャ。アタックと同時に三本の強烈なブレスを放つ。アタックの幅が
三倍となり、直線状の相手は燃焼、濃霧、混乱の影響を受ける。アタックを一度成功させると、一ターン
行動不能となり、行動を挟むまでこのピースは操作不能となる……のでございます」

「はぁ? 何だそのアタックピース。ずるいぞ、そんなの。燃焼持ちを手札に入れてるなんて、プリマの
心を読んだのか?」
「いいや。俺はピースの効果は知らない。予測しただけだ。あの崩落を起こしたのは
あんただと最初に会った時点で察した。崩落を起こしたあんたは原初の幻魔、死霊族で間違いない。
その紅色の瞳はメルザそっくりだ。そしてメルザは幻術の使い手。崩落を起こす術は土術の
類だろう。それならば木や鉱石に関わるものなども
あるかもしれないし、土術関連は一つは入るかもと思った。
それならば複数の効果を引き出すかもしれないアタックピースを予測でいれただけだ」
「……君、欲しいね。必ず勝つよ」
「負けるつもりはない。二枚目の設置を頼む」

【固有技ならできねえ道理はねえ! 全てを貫きやがれ! エグゼキューション!】

「固有技、エグゼキューション。条件を満たすと、固有効果が発動する。
効果が発動すると、相手ターン時、エグゼキューションは三倍のアタック効果で盤上を
自動で動き回り、相手側のピースにのみ影響を与え続ける。また、エグゼキューションは味方の
バフ効果を受け、相手側のデバフ効果を無効化する」
「なんだ、発動しなければ怖い効果じゃないじゃん。はずれのピースだろ、それ」
「発動条件は貫通のバフが付与された場合でございます」
「……はぁ?」

 そもそもティラーナの時に使った技だったが、こういう組み合わせ型のピースもあるんだな。
 本来なら使い方がわかってると組める構築の仕方だろうが、今回は勘だ。
 防御面はいまいちだが……「さぁ、そろそろ試合を始めようか。俺が経験はあるが初心者で
随分と時間をかけてしまってすまないな」
「ピースには随分驚かされたけど、どう見てもこちらの方が守りが固い。絶対勝つよ。
互いのピースを並べたら、勝敗ルールと地形の確定だ」
「勝敗ルールと地形の確定……? どういうことだ……」
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