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第四章 シフティス大陸横断

第六百五十五話 多くの仲間たち

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 アースガルズ、下町に戻った夜。
 女将さんたちが俺のために、休憩時間を利用して数多くの食事を用意してくれた。
 そのため今夜は再会を祝して盛大なパーティーを開催することに。
 まだもろ手をあげて喜べる状況ではないが、皆に心配かけたのは事実。
 受け入れる事にした。

 料理などをジェイクやエーが運んでくれた。エーはアネさんがいないのであまり元気は
無かったが、俺を見てとても喜んでくれた。今はマーサル隊長の許で再び任務をこなしているらしい。
 しかも各領区がなくなったため、再編成された組では、ジェイクもエーも同じトループをしているようだ。

 領域に戻ったのはアネさん、ライラロさん、セーレ、シュイオン先生、スピア、レウスさん、ウォーラス。
 イーファやドーグルは瓦礫撤去で存分に力を振るっていたらしい。
 サラ、ファナ、レミは大きなお腹のまま、メナスに地下で捕らわれていた時
見つけたアイリスというシマエナガに似たパモ並みに可愛い生物と酒場で手伝いをし、ベルディアは落ち込むメナスを励ましながら、ブネから各地の情報を得ていた。
 レッジやレッツェルはブシアノフ男爵の消息を掴めず、結局酒場で雇われて仕事をしていたそうだ。
 ビーはノーブルトループに戻り、レナと結婚するための資金稼ぎ中、任務をオズワルの息子と請け負い
戻ってきていない。レナはブネに楽器をならいつつ、夜のみ酒場で仕事をしている。
 ハクレイ老師は結構きつい重労働をして、腰をやらかしているため現在は病院に。
 お見舞いにいかないと。

 コーネリウスやメイズオルガと会い、王女の話をしたら、皆驚いていた。

 これがシフティス大陸に向かった皆との話だ。
 そしてこちら側の仲間の話をした。
 まずナナー。一番小さい女の子で、角眼鬼族という種族。
 外見は黒髪ボブの、一本だけ額から角が生える可憐な少女だ。
 語尾はだがつく癖がある。
 そして四幻。ビュイ、白丕、サーシュ、リュシアン。
 それぞれ特徴が強いが、半数は現在ビーの許へ向かわせている。ジェネストも一緒だ。
 そして白丕の部下であった沖虎、彰虎。沖虎もビーの許へ。
 さらに猫眼鬼族のルジリト。ここまでが白丕の部下だったもの。
 そして……ミレーユ王女とアメーダ。こちらは説明するのが困難だったが理解してもらえたようだ。

「……以上がこれまでの旅で仲間になった者たち。凄い数だがこれでもまだ全員じゃないんだ」
「飲み物とってほしいだ、ビュイ」
「モグモグ、モググ、モググ」
「食ぅてから喋らねど、舌ぁかむぞぉ」
「ぶふっ……みみ、水!」
「……聞いてるのか? いや、八割がた聞いてないよな」
「シーの人望には驚くばかりでありますが、アネスタさんはいつ戻るでありますか?」
「すげーいるけどみんな強そうじゃんよ。本当おっかないじゃん。ゴンザレスなんかまったく勝てそうに
ないじゃんよ」
「これは少々多すぎるのでございますね。ブネとのやり取りに関しては後日お話しするのでございます」
「そうだな。今日は紹介だけにして、みんなゆっくり食べてくれ。相性とかもあるだろうし」
「やだー、私の子供も大きくなったらビュイやナナーみたいに可愛くなるのかなー」
「なんであんたの子供が既に女だって決まってるわけ?」
「そんな予感がするしー。でもルインみたいな強い男の子ってのもありね。私との子供なら美男子間違い無しよ!」
「女だったらペチャパイ間違いないから、男の方がいいわね」
「何よ!」
「その通りでしょ!」
「お腹の子……お父さんみたいな人がいいっしょ。ね? ルイン」
「バルドスさんだったよな。あったことないから何とも言えないぞ」
「そうだったっしょ……」
「ああ、すまない……そういうつもりじゃ」
「ううん、いいの。気にしないでほしいっしょ。よーし私も食べるっしょ!」

 凄い人数が一斉に喋るので、とてつもない賑やかな状況だ。
 こういうときにフェドラートさんがいてくれたらなぁと思うのだが、彼は元気にしているのだろうか。
 そういえばサラにアルカーンさんの事を聞かないと。
 ……いや、今日はやめておこう。
 今のこの時間、誰一人見ても、幸せそうな顔をしている。
 メナスも少しだが笑顔を見せてくれた。
 ここにブレディーやメルザがいたら……そう思うだけでも、とても明るい気持ちになれた反面、いない
悲しみも強まってしまった。
 
「おい、ちょっといいか」
「エプタか。どうした?」
「少しだけサシで話がしてぇ。二階に来い」
「……わかった」
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