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第四章 シフティス大陸横断
第六百三十七話 雪中のコテージ
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上空から偵察を行ったサーシュの話により、コテージを敷設している場所を確認した
ジェネスト。
人とコンタクトを取るのは危険だが、近づいて何か情報を得るべきというルジリトの
意見に従い、その場所へ向かう事となった。
大陸の位置としてはシフティス大陸であることは間違いなく、向かうべき目的地
としてもコテージの方角であっている。
「同じ大陸とは思えないほど気温が低いですね。この辺りには町も見当たらない。
少し衣類などの補充をしたいところなのですが……」
「もしそちらのコテージに商人がいたら、譲ってもらえばよいのでは?」
「幻魔界と違い、こちらでは多額の金貨が必要です。おいそれと買い物ができるほど
所持金があるわけではありませんから」
「でしたら……こちらの宝石類をお使いください。白丕様より預かっているものです。
主殿へお渡しする予定でしたが、あなたであれば信頼して任せられます。
我々は外見が魔族。この見た目ではあまり地上をうろつけませんからな」
「ルジリトさん。有難く頂戴しておきましょう」
「いえいえ。白丕殿や沖虎殿のように私も獣の姿に変えられればよかったのですが……」
「いえ、安心してください。不要な争い事は極力避けるつもりですから。
それに私も仮面をつけて行動する身。そういった意味では十分不審者ですよ」
「ご謙遜を。あなたは美しい女性です。それではご武運を」
丁寧にお辞儀をすると、ルジリトは封印内に戻っていった。
パモを肩に乗せ、ルインを背中に乗せた白丕、それを守る様に後を追従する青白い虎を
伴い、ジェネストはコテージを目指した。
――――暫くしてコテージ前に着くと、護衛が数人入り口を囲んでいるのが目に入る。
コテージの数は全部で八つ。
暫くこの辺りに滞在しているのか、しっかりと敷設されている。
「あまり穏やかな雰囲気ではありませんね。護衛者の武器、手入れが行き届いていない。
見直す暇もない程戦闘しているといったところでしょうか……白丕、沖虎、一度戻ってください。
ここからは私が彼を抱えて話をしてみます」
「グォ」
二人が封印に戻ると、肩にルインを担いで雪道を歩くジェネスト。
そのままゆっくりとコテージへ向けて歩いて行った。
直ぐに護衛が気づき、近づいてくる。
入り口には入らず立ち止まり、ルインを支えながら手を上げる。
「そのまま動かないように。ここへ何しに来た?」
「そちらの男性は随分ボロボロだが、けが人か?」
「遭難してモンスターと戦い傷つきました。現在はある国で役目があり
そちらを目指しています」
「失礼、あなたではなくそちらの男性……少々顔を見せてはもらえませんか?」
「彼の……ですか?」
しまったと思うジェネスト。もしかしたら城で散々暴れたのを目にした
人物がいたかもしれない。
しかしここで見せなくても不審に思われるだけ。
なら見せてから反応を見て退避してもいい。
「わかりました。ただ怪我が酷いため少しだけ……」
「……間違いない。コーネリウス殿が探していた人物画と一致する! 急ぎ知らせろ!
すみません。恐れ入りますがそちらの方に大変お世話になった方がいらっしゃいます。
ご案内しますのでどうぞこちらへ」
「コーネリウス殿?」
「あなたはご存知ありませんか? 伯爵の息子さんです。いえ、現在は侯爵のご子息と言った方が
よいでしょうか」
「侯爵の……息子さんですか。私が同行して構わないのであればお伺いします」
「ええ勿論です。危害を加えるような事があれば我々全員押し潰されますから。
お急ぎください。ここは危険だ」
警戒心を強めながら、ジェネストはゆっくりと案内されたコテージへ向かった。
ジェネスト。
人とコンタクトを取るのは危険だが、近づいて何か情報を得るべきというルジリトの
意見に従い、その場所へ向かう事となった。
大陸の位置としてはシフティス大陸であることは間違いなく、向かうべき目的地
としてもコテージの方角であっている。
「同じ大陸とは思えないほど気温が低いですね。この辺りには町も見当たらない。
少し衣類などの補充をしたいところなのですが……」
「もしそちらのコテージに商人がいたら、譲ってもらえばよいのでは?」
「幻魔界と違い、こちらでは多額の金貨が必要です。おいそれと買い物ができるほど
所持金があるわけではありませんから」
「でしたら……こちらの宝石類をお使いください。白丕様より預かっているものです。
主殿へお渡しする予定でしたが、あなたであれば信頼して任せられます。
我々は外見が魔族。この見た目ではあまり地上をうろつけませんからな」
「ルジリトさん。有難く頂戴しておきましょう」
「いえいえ。白丕殿や沖虎殿のように私も獣の姿に変えられればよかったのですが……」
「いえ、安心してください。不要な争い事は極力避けるつもりですから。
それに私も仮面をつけて行動する身。そういった意味では十分不審者ですよ」
「ご謙遜を。あなたは美しい女性です。それではご武運を」
丁寧にお辞儀をすると、ルジリトは封印内に戻っていった。
パモを肩に乗せ、ルインを背中に乗せた白丕、それを守る様に後を追従する青白い虎を
伴い、ジェネストはコテージを目指した。
――――暫くしてコテージ前に着くと、護衛が数人入り口を囲んでいるのが目に入る。
コテージの数は全部で八つ。
暫くこの辺りに滞在しているのか、しっかりと敷設されている。
「あまり穏やかな雰囲気ではありませんね。護衛者の武器、手入れが行き届いていない。
見直す暇もない程戦闘しているといったところでしょうか……白丕、沖虎、一度戻ってください。
ここからは私が彼を抱えて話をしてみます」
「グォ」
二人が封印に戻ると、肩にルインを担いで雪道を歩くジェネスト。
そのままゆっくりとコテージへ向けて歩いて行った。
直ぐに護衛が気づき、近づいてくる。
入り口には入らず立ち止まり、ルインを支えながら手を上げる。
「そのまま動かないように。ここへ何しに来た?」
「そちらの男性は随分ボロボロだが、けが人か?」
「遭難してモンスターと戦い傷つきました。現在はある国で役目があり
そちらを目指しています」
「失礼、あなたではなくそちらの男性……少々顔を見せてはもらえませんか?」
「彼の……ですか?」
しまったと思うジェネスト。もしかしたら城で散々暴れたのを目にした
人物がいたかもしれない。
しかしここで見せなくても不審に思われるだけ。
なら見せてから反応を見て退避してもいい。
「わかりました。ただ怪我が酷いため少しだけ……」
「……間違いない。コーネリウス殿が探していた人物画と一致する! 急ぎ知らせろ!
すみません。恐れ入りますがそちらの方に大変お世話になった方がいらっしゃいます。
ご案内しますのでどうぞこちらへ」
「コーネリウス殿?」
「あなたはご存知ありませんか? 伯爵の息子さんです。いえ、現在は侯爵のご子息と言った方が
よいでしょうか」
「侯爵の……息子さんですか。私が同行して構わないのであればお伺いします」
「ええ勿論です。危害を加えるような事があれば我々全員押し潰されますから。
お急ぎください。ここは危険だ」
警戒心を強めながら、ジェネストはゆっくりと案内されたコテージへ向かった。
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