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第二章 仲間
第五百九十九話 荒れ果てた国 アースガルズ
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下町へ向かったツイン・シーの仲間たちは、大混乱の下町にある酒場にて、ベニーたちと、メナスたち
以外合流していた。
外は喧噪であふれかえり、皆我先にと逃げ出していた。
ハクレイは大きなため息をつく。
それを見た女将さんが飲み物をハクレイの前においた。
「しかしあれだねぇ。このアースガルズももうおしまいかもしれないねぇ」
「女将。好ましい状況とは言えんのぅ。愛弟子が心配じゃ。わしは行くぞ」
「ダメよ! 絶対帰ってくるから。待ちましょう、ここで」
「いいや、待っているだけじゃだめだろう? ファニー。私たちは行動しないといけない。
闇のオーブを探さなければ」
「そういえばイーニー。闇の知識の手がかりはあったの?」
「そちらについて調べた結果、この大陸に来たんだよ」
「闇のオーブに関しては、王女が知っているという情報があったの。
それで王女を追っていたけど、その結果とんでもない事になったものね……肝心の王女は死の寸前。
追っていた旦那は動き出した城を止めるために戦って……私たちの旅はいつもそう。
無事ではすまないわね……」
深くため息をつくファニーは、酒場の入り口の方を見る。その席ではカチコチに固まったビーと
レナが、どちらも下を向いたまま話せずにいた。
そちらへ行こうとしているサニーの腕を固めているイーニー。
すっと動いたのはアネスタだった。
「二人とも。少し硬すぎるね。もう少し緊張を解いた方がいいよ」
「あ、あの。ごめんなさい。私、もう……」
席を立とうとするレナを、ドーニーが静止する。
机の傷を数え終わり、次はどこの傷を数えようか悩んでいるビーを、さすがに
見ていられなかったのか、念動力で手を動かし、レナの手の上に無理やり乗せた。
動かそうとしても動かない。
「ふう。ちみはわらの主より堅物だな。わらの主はしっかりと思いを遂げたぞ。
少しは男らしくするがいい。話さねばならない事がある。そんな顔をしている」
「話さなければならない……こと?」
レナが小首を傾げてビーを見た。
さすがのビーも目を反らせられず、顔が赤い。
真っすぐ、潤んだ美しい瞳を向けられて、ビーは下を向きたかった。
だがドーニーがそれを許さない。
「わらとアネスタはもういく。ここまで導いた我が主の意思、無駄にしてくれるな」
「……あなたは不思議な外見だが、とても頼りになる、しっかりした方ですね……お陰で
覚悟が決まりました。ありがとうございます」
「そういう素直なところは、彼と似ているな。わらは人間を憎んでいる。だが君は
主の大切な友らしい。しっかりな」
覚悟を決めたビーに、ファニーが飲み物を置いていく。
すぐさま戻り、今度は食事の準備を始めた。
――――本当にあいつの仲間は一人一人、誰かのために動いてくれる。
人はみな、自分が可愛くて……自分のために行動する。
でも彼らはみな、誰かのために一生懸命だ。
みんな……シーに似てしまったんだろうな。
一人一人、じっくりと話をしてみたい。
そう思った。
そのためにも今は……「レナさん、聞いてくれ。これから話す事は残酷な話だ。
俺の事を憎む事になるかもしれない。それでも、話さなきゃならないんだ。
俺は意気地無しで、ずっと君から逃げていた。逃げながら……見守っていた」
「そんな! 私がビーさんを嫌いになるなんて……」
「君は覚えていないかもしれないが、君と君の両親が襲われて君だけ助かった。
その君を保護したのは……俺だ」
「やっぱり……あの時の男性はビーさんだったんですね! 私、そうじゃないかと思……」
「その君の両親を殺したのは俺の友人だったんだ!」
辺り一面に静けさが漂う。酒場にいる全員が聞いていた。
レナの顔つきは、笑顔から悲壮感へ変わった。
「あの日偵察にいったルッツは……毒ガスか何かの影響でおかしくなった。
俺が駆け付けた時はもう、君の両親を殺していた。俺はルッツだと気付かず……親友である
ルッツをこの手で……殺したんだ。立った一人残った君を上司に預けた。
俺は部下殺しの汚名を被り、ノーブルトループからただのトループへ落ちた。
ずっと……言い出せなくてごめん。言うのが……認めるのが怖かったんだ。
だからずっと……君の視線から逃げていた。君が綺麗ってのもある。でも一番は……
責められるのが怖かったんだ。だから……」
ぎゅっとビーの手をつかむレナ。
目からは涙がこぼれ落ち、ビーを見ている。
「あなたが……あなたが助けてくれなければ私は、多分死んでいました。
ああなった他のトループに襲われている最中、父もおかしくなっていたんです。
その父が母を襲おうとして助けてくれたのが、そのルッツさんでした。
そのルッツさんもおかしくなって……私、もうダメだって思ってたんです。
私、私知ってて。ずっとずっと、お礼が言いたかった! でもあなたはあの時の事、覚えてない
んじゃないかって。忘れたいんじゃないかって。だからずっと言えなくて!」
前に身を乗り出し、ビーにとびつくレナ。
「ありがとうございます。助けて頂いて本当にありがとうございます。
ルッツさんもそうです。私もお母さんも、もう少しで本当の父親に殺されるところだった。
お父さんもお母さんも助からなかったけど、きっと助けようとしてくれたルッツさんにだって
感謝して死んだと思います……」
「……ああ。そうだったのか……ルッツ……あいつはさ。昔俺のパンを盗んでさ。
ずっと貧しく生きていたんだ。そうか……必死に助けようとして……か。
あいつの命を奪った事に変わりはない。俺はあいつの命の分まで、誰かを助けて生きようと
思う。あいつのためにも」
「私も、あなたの傍にいてはだめですか? 何ができるかわかりません。それでも、今度は
私があなたを助けたいんです」
「レナさん……いや、今度は手遅れにならないよう駆けつける。
だから一緒に、いてほしい……」
ぎゅっと手を握り返してこたえるビー。
ポロポロと落ちる涙をぬぐい、笑顔を見せるレナ。
「さぁ! アツアツのお二人さんにはアツアツの料理よ! よいしょっと!
本当、幸せそうでいいわね。妬いちゃうわよ、まったく!」
「サニー。もう少し丁寧におきなさいよね。手の上に」
「ええっ!? 火傷しちゃうよファニーさん?」
「あら、もう火傷してるでしょ、二人とも。痛いほどにね。
彼が見たらきっと喜んで笑ってくれるわ……早く、帰ってこないかなぁ……」
以外合流していた。
外は喧噪であふれかえり、皆我先にと逃げ出していた。
ハクレイは大きなため息をつく。
それを見た女将さんが飲み物をハクレイの前においた。
「しかしあれだねぇ。このアースガルズももうおしまいかもしれないねぇ」
「女将。好ましい状況とは言えんのぅ。愛弟子が心配じゃ。わしは行くぞ」
「ダメよ! 絶対帰ってくるから。待ちましょう、ここで」
「いいや、待っているだけじゃだめだろう? ファニー。私たちは行動しないといけない。
闇のオーブを探さなければ」
「そういえばイーニー。闇の知識の手がかりはあったの?」
「そちらについて調べた結果、この大陸に来たんだよ」
「闇のオーブに関しては、王女が知っているという情報があったの。
それで王女を追っていたけど、その結果とんでもない事になったものね……肝心の王女は死の寸前。
追っていた旦那は動き出した城を止めるために戦って……私たちの旅はいつもそう。
無事ではすまないわね……」
深くため息をつくファニーは、酒場の入り口の方を見る。その席ではカチコチに固まったビーと
レナが、どちらも下を向いたまま話せずにいた。
そちらへ行こうとしているサニーの腕を固めているイーニー。
すっと動いたのはアネスタだった。
「二人とも。少し硬すぎるね。もう少し緊張を解いた方がいいよ」
「あ、あの。ごめんなさい。私、もう……」
席を立とうとするレナを、ドーニーが静止する。
机の傷を数え終わり、次はどこの傷を数えようか悩んでいるビーを、さすがに
見ていられなかったのか、念動力で手を動かし、レナの手の上に無理やり乗せた。
動かそうとしても動かない。
「ふう。ちみはわらの主より堅物だな。わらの主はしっかりと思いを遂げたぞ。
少しは男らしくするがいい。話さねばならない事がある。そんな顔をしている」
「話さなければならない……こと?」
レナが小首を傾げてビーを見た。
さすがのビーも目を反らせられず、顔が赤い。
真っすぐ、潤んだ美しい瞳を向けられて、ビーは下を向きたかった。
だがドーニーがそれを許さない。
「わらとアネスタはもういく。ここまで導いた我が主の意思、無駄にしてくれるな」
「……あなたは不思議な外見だが、とても頼りになる、しっかりした方ですね……お陰で
覚悟が決まりました。ありがとうございます」
「そういう素直なところは、彼と似ているな。わらは人間を憎んでいる。だが君は
主の大切な友らしい。しっかりな」
覚悟を決めたビーに、ファニーが飲み物を置いていく。
すぐさま戻り、今度は食事の準備を始めた。
――――本当にあいつの仲間は一人一人、誰かのために動いてくれる。
人はみな、自分が可愛くて……自分のために行動する。
でも彼らはみな、誰かのために一生懸命だ。
みんな……シーに似てしまったんだろうな。
一人一人、じっくりと話をしてみたい。
そう思った。
そのためにも今は……「レナさん、聞いてくれ。これから話す事は残酷な話だ。
俺の事を憎む事になるかもしれない。それでも、話さなきゃならないんだ。
俺は意気地無しで、ずっと君から逃げていた。逃げながら……見守っていた」
「そんな! 私がビーさんを嫌いになるなんて……」
「君は覚えていないかもしれないが、君と君の両親が襲われて君だけ助かった。
その君を保護したのは……俺だ」
「やっぱり……あの時の男性はビーさんだったんですね! 私、そうじゃないかと思……」
「その君の両親を殺したのは俺の友人だったんだ!」
辺り一面に静けさが漂う。酒場にいる全員が聞いていた。
レナの顔つきは、笑顔から悲壮感へ変わった。
「あの日偵察にいったルッツは……毒ガスか何かの影響でおかしくなった。
俺が駆け付けた時はもう、君の両親を殺していた。俺はルッツだと気付かず……親友である
ルッツをこの手で……殺したんだ。立った一人残った君を上司に預けた。
俺は部下殺しの汚名を被り、ノーブルトループからただのトループへ落ちた。
ずっと……言い出せなくてごめん。言うのが……認めるのが怖かったんだ。
だからずっと……君の視線から逃げていた。君が綺麗ってのもある。でも一番は……
責められるのが怖かったんだ。だから……」
ぎゅっとビーの手をつかむレナ。
目からは涙がこぼれ落ち、ビーを見ている。
「あなたが……あなたが助けてくれなければ私は、多分死んでいました。
ああなった他のトループに襲われている最中、父もおかしくなっていたんです。
その父が母を襲おうとして助けてくれたのが、そのルッツさんでした。
そのルッツさんもおかしくなって……私、もうダメだって思ってたんです。
私、私知ってて。ずっとずっと、お礼が言いたかった! でもあなたはあの時の事、覚えてない
んじゃないかって。忘れたいんじゃないかって。だからずっと言えなくて!」
前に身を乗り出し、ビーにとびつくレナ。
「ありがとうございます。助けて頂いて本当にありがとうございます。
ルッツさんもそうです。私もお母さんも、もう少しで本当の父親に殺されるところだった。
お父さんもお母さんも助からなかったけど、きっと助けようとしてくれたルッツさんにだって
感謝して死んだと思います……」
「……ああ。そうだったのか……ルッツ……あいつはさ。昔俺のパンを盗んでさ。
ずっと貧しく生きていたんだ。そうか……必死に助けようとして……か。
あいつの命を奪った事に変わりはない。俺はあいつの命の分まで、誰かを助けて生きようと
思う。あいつのためにも」
「私も、あなたの傍にいてはだめですか? 何ができるかわかりません。それでも、今度は
私があなたを助けたいんです」
「レナさん……いや、今度は手遅れにならないよう駆けつける。
だから一緒に、いてほしい……」
ぎゅっと手を握り返してこたえるビー。
ポロポロと落ちる涙をぬぐい、笑顔を見せるレナ。
「さぁ! アツアツのお二人さんにはアツアツの料理よ! よいしょっと!
本当、幸せそうでいいわね。妬いちゃうわよ、まったく!」
「サニー。もう少し丁寧におきなさいよね。手の上に」
「ええっ!? 火傷しちゃうよファニーさん?」
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