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第二章 仲間
第五百八十四話 置き土産を君に
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ギリギリと手元から放出されたコラーダは、偽王女が出した盾の覆えない部分を抜け、深々とターレキフに
突き刺さった。
それを見た王女は上空で歓喜に震えている。
異常な程の笑顔を見せ、手を叩いて喜んでいた。
「……不覚。あのような攻撃を持っていようと……は」
「神話級固有技を同時に四発……凄い、凄いよ。人の身でありながらまっとうに戦い、神兵を
打ち倒す。ああ、やっぱりこうでなくちゃ。ただ平穏に暮らす人間の様なんて望んでない。
変化を、争いを、恐怖を、どう猛さを……野蛮な君たちこそ美しい。戦いに見せるその切磋琢磨の姿が
何よりも興奮する。ああ……君が欲しい。君が欲しくてたまらないよ。ああ……もうこんな格好、していられない!」
上空にいた偽王女は髪をかきむしり甲高い笑い声をあげながら、姿が徐々に変わっていった。
ハクレイと斬り結んでいたリトラベイが慌てて後退する。
こちらも一度仕切り直しが必要で、ハクレイに後退するよう告げた。
「一体なんだ、あれは。どう見ても、人には見えない」
「恐らく、神じゃろう。悪神……しかも低位の神などではない。明らかに上位神じゃ」
「くっ……ブネの許へ一度戻るか……いや、そんな暇、与えてくれるはずないか」
「やれやれ、こりゃとんでもない大物に目をつけられたのかもしれんのう」
「絶対神だけでもう十分すぎるくらいだってのに。イネービュがどうにかできないものなのか?」
「絶対神は象徴のようなものじゃ。神々に深く干渉することはない。目的がはっきりせん以上、過ぎた干渉は
するまい」
「おいシー。無茶しすぎだぜ。しかしようやく……偽王女だってことがはっきりしたな」
「……ああ。ビー、引き続きサポートを頼む。部下が二人だけならよかったんだが……援軍だな」
姿の変わった偽王女の横にもう一人、別の人物が突如現れた。
険しい顔をした男。背中には禍々しい雰囲気を放つ刀を背負っている。
「主殿。準備が整いました……まさかターレキフが倒されるとは」
「うふふふふ。楽しかった、楽しかったよ。でも彼は本気を出せない状態みたい。
もっと見たかったなぁ。別の彼とも会話をもっとしたかったなぁ。ねえミストラ。
代わりに僕が遊んでいいと思う?」
「お諫めする立場から申しますと、主殿が遊べば、感づかれる可能性がございます。それは好ましくない
でしょう」
「やっぱりそうだよねえ。早く領域を造らないと。それで、キゾナ大陸の掌握は終わったのかい?」
「滞りなく。領域を構築する支度も整っております」
「ここでの遊びも終わりかな。この国は大分混乱させたし、もう収拾はつかない。
楽しかったけど、あとは勝手に混沌となるだろう。もういいよね。
はぁ……彼、欲しかったけど、もっと熟れて美味しくなるまでの我慢」
「あのものはそれほどまでの者なのですか?」
「君たちには魂魄の何たるかが見えないからわからないだろうけど、彼は……うふふふふ……
ねえツイン・シー君。君に僕の名前を教えるよ。
僕の名前はラーナ・ロプト・トリックスター。神々からは……そうだね。
ロキ……そう呼ばれている。いつか君を手に入れるため、再び会う事もあるだろう。
それまでは……イネービュの寵愛を受けているといい。うふふ、うふふふふ。
君たちのサーカス。楽しかったよ。ご褒美にいい置き土産を置いていくから、楽しんでね」
「待て! ふざけるなよ! お前は一体何がしたいんだ! ロキだと? 何を考えている!
くそっ。言いたい放題、やりたい放題やって逃げるとか、ふざけきってる」
「落ち着くんじゃ。今のお主では到底勝てぬ相手じゃった。お主……再度魔を深く覗くつもり
じゃったろう」
「……ですが老師!」
「シー。それより王女やメイズオルガ様の状態が心配だ。それに、これだけの騒ぎをおこしていて
トループ一人現れやしない。この王城どうなってるんだ?」
「一度、馬車に戻ろう。あれは……ほんの挨拶代わりだってことかよ。くそっ……」
あっという間に姿を消した偽王女……いや、ロキと名乗っていた。
あいつの目的は一体なんなんだ……そう考えていた時だった。
「置き土産だと? ……冗談じゃない」
「城が……動いてる。魔導兵器だとでもいうのか……」
突き刺さった。
それを見た王女は上空で歓喜に震えている。
異常な程の笑顔を見せ、手を叩いて喜んでいた。
「……不覚。あのような攻撃を持っていようと……は」
「神話級固有技を同時に四発……凄い、凄いよ。人の身でありながらまっとうに戦い、神兵を
打ち倒す。ああ、やっぱりこうでなくちゃ。ただ平穏に暮らす人間の様なんて望んでない。
変化を、争いを、恐怖を、どう猛さを……野蛮な君たちこそ美しい。戦いに見せるその切磋琢磨の姿が
何よりも興奮する。ああ……君が欲しい。君が欲しくてたまらないよ。ああ……もうこんな格好、していられない!」
上空にいた偽王女は髪をかきむしり甲高い笑い声をあげながら、姿が徐々に変わっていった。
ハクレイと斬り結んでいたリトラベイが慌てて後退する。
こちらも一度仕切り直しが必要で、ハクレイに後退するよう告げた。
「一体なんだ、あれは。どう見ても、人には見えない」
「恐らく、神じゃろう。悪神……しかも低位の神などではない。明らかに上位神じゃ」
「くっ……ブネの許へ一度戻るか……いや、そんな暇、与えてくれるはずないか」
「やれやれ、こりゃとんでもない大物に目をつけられたのかもしれんのう」
「絶対神だけでもう十分すぎるくらいだってのに。イネービュがどうにかできないものなのか?」
「絶対神は象徴のようなものじゃ。神々に深く干渉することはない。目的がはっきりせん以上、過ぎた干渉は
するまい」
「おいシー。無茶しすぎだぜ。しかしようやく……偽王女だってことがはっきりしたな」
「……ああ。ビー、引き続きサポートを頼む。部下が二人だけならよかったんだが……援軍だな」
姿の変わった偽王女の横にもう一人、別の人物が突如現れた。
険しい顔をした男。背中には禍々しい雰囲気を放つ刀を背負っている。
「主殿。準備が整いました……まさかターレキフが倒されるとは」
「うふふふふ。楽しかった、楽しかったよ。でも彼は本気を出せない状態みたい。
もっと見たかったなぁ。別の彼とも会話をもっとしたかったなぁ。ねえミストラ。
代わりに僕が遊んでいいと思う?」
「お諫めする立場から申しますと、主殿が遊べば、感づかれる可能性がございます。それは好ましくない
でしょう」
「やっぱりそうだよねえ。早く領域を造らないと。それで、キゾナ大陸の掌握は終わったのかい?」
「滞りなく。領域を構築する支度も整っております」
「ここでの遊びも終わりかな。この国は大分混乱させたし、もう収拾はつかない。
楽しかったけど、あとは勝手に混沌となるだろう。もういいよね。
はぁ……彼、欲しかったけど、もっと熟れて美味しくなるまでの我慢」
「あのものはそれほどまでの者なのですか?」
「君たちには魂魄の何たるかが見えないからわからないだろうけど、彼は……うふふふふ……
ねえツイン・シー君。君に僕の名前を教えるよ。
僕の名前はラーナ・ロプト・トリックスター。神々からは……そうだね。
ロキ……そう呼ばれている。いつか君を手に入れるため、再び会う事もあるだろう。
それまでは……イネービュの寵愛を受けているといい。うふふ、うふふふふ。
君たちのサーカス。楽しかったよ。ご褒美にいい置き土産を置いていくから、楽しんでね」
「待て! ふざけるなよ! お前は一体何がしたいんだ! ロキだと? 何を考えている!
くそっ。言いたい放題、やりたい放題やって逃げるとか、ふざけきってる」
「落ち着くんじゃ。今のお主では到底勝てぬ相手じゃった。お主……再度魔を深く覗くつもり
じゃったろう」
「……ですが老師!」
「シー。それより王女やメイズオルガ様の状態が心配だ。それに、これだけの騒ぎをおこしていて
トループ一人現れやしない。この王城どうなってるんだ?」
「一度、馬車に戻ろう。あれは……ほんの挨拶代わりだってことかよ。くそっ……」
あっという間に姿を消した偽王女……いや、ロキと名乗っていた。
あいつの目的は一体なんなんだ……そう考えていた時だった。
「置き土産だと? ……冗談じゃない」
「城が……動いてる。魔導兵器だとでもいうのか……」
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