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第二章 仲間
第五百五十七話 不思議な張り紙
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「ここだよな。サーカス団の場所って。サーカス団って言うほどの規模か? これ」
「間違えたかな。動物とかも見当たらないし」
「いや、ここで間違いないはずだ。ほら、あの張り紙だよ」
【イーグルサーカス団団員募集中。モンスター使いで青黒い髪をした男性や
胸が凄く大きく足の不自由な女性、銀白色のいたずら大好き女性や物まねが好きなアイドルっぽい女性】
「……」
「どうだ? 該当しそうか? しないまでも話くらい聞いてくれるかもしれない。行ってみよう」
「間違いなく、知り合いだ……」
「え? サーカス団にも知り合いがいたのか? それはちょうどいい」
どう見てもこの情報は俺たちへのメッセージだろう。はてさて、一体誰なのか。
行ってみればわかる。正直、今ここで仲間が増えるのはとても助かる。
しかしサーカス団か……。
作られたコテージのようなものはきちんと飾り付けがしてある。豆な証拠だ。
そして余計なものはあまりない。
外にある練習用の的には的確に何かが刺さっている。
コテージは閉められており、中の様子は全くわからない。
「これ、勝手に開けて入ったらまずいよな」
「呼んでみたらどうだ? 朝早いから迷惑かもしれないけど」
「そうだな。ここでこうしていてもしょうがない。おーい! 誰かいませんかー?」
「そうじゃなくて、団員の張り紙を見ました! じゃないか?」
「……どうぞ」
「お、入っていいみたいだ。よかったな」
コテージの中に入ると、ピエロの恰好をしたぬいぐるみの者、鎧に身を包む者が二人いた。
これが俺の仲間? そんなばかな。俺の仲間に全身鎧で満たされている者やぬいぐるみでできた
者なんて……いやぬいぐるみでできた者はマーナがいるが、こんなサイズじゃない。
「あれ? おかしいな。俺の仲間の誰かだと思ったんだけど」
「ようこそ。イーグルサーカス団へ! 団長のイーニーです」
「副団長のドーニーだ。よろしく頼む」
「え、ええ」
「確かに青黒い髪だ。モンスター使いで間違いないかい?」
「はい。小さいのだとホー君しか出せないけど」
「見せてもらえるかな?」
「ホー君! 頼む!」
封印からホー君を出すと、炎の揺らめきが強くなっていた。以前より随分とレベルアップ
してくれているようだ。
「よろしい。それと……本当に大きな胸の女性だね。足は……うん。そちらのお嬢さんは……あまり
元気がないようだが、ほぼ間違いないようだ」
「そのようであるな」
「え? 一体どういうことだ?」
「エプタ。もういいよ。今度は本物のようだ」
「見りゃわかるだろ。お前らもいたずらが過ぎるぜ。久しぶりだなブネ」
「エプタ? うわ!?」
背後に突然現れ、後ろから押すエプタ。相変わらず俺を見る目つきが鋭すぎる。
嫌われたままかな、これは。
「ということは、二人は……ああいや。名前のこと、知ってるんだな。よかった」
「エプタから聞いたよ。それにしても……会いたかった」
「ふふふ、ちみは元気そうだな。いや、少し変わったか。そして寂しそうだ」
「二人とも……無事でよかった。一体どうやってここまで?」
「話せば長くなる。それよりもエプタから色々聞いている。あちらは繋がっているようだ」
「もう大丈夫。強力な助っ人の私たちが来たんだ。これからは」
『共に行こう』
大きなぬいぐるみと全身鎧は親指を立てて応じる。
俺も親指を立てると、ビーやレッジたちもそれに続いた。
「それにしてもイーニー。なんでぬいぐるみなの? どうやって入ってるわけ?」
「うん? 私の能力、忘れたのかな? ほら、こうだよ」
中から出てくるのは青銀色のスライム。そしてドーグルも鎧の頭部分を外す。
どちらも外見は魔の者だ。サーカス団なら確かに、潜り込むにはもってこいのようだ。
「間違えたかな。動物とかも見当たらないし」
「いや、ここで間違いないはずだ。ほら、あの張り紙だよ」
【イーグルサーカス団団員募集中。モンスター使いで青黒い髪をした男性や
胸が凄く大きく足の不自由な女性、銀白色のいたずら大好き女性や物まねが好きなアイドルっぽい女性】
「……」
「どうだ? 該当しそうか? しないまでも話くらい聞いてくれるかもしれない。行ってみよう」
「間違いなく、知り合いだ……」
「え? サーカス団にも知り合いがいたのか? それはちょうどいい」
どう見てもこの情報は俺たちへのメッセージだろう。はてさて、一体誰なのか。
行ってみればわかる。正直、今ここで仲間が増えるのはとても助かる。
しかしサーカス団か……。
作られたコテージのようなものはきちんと飾り付けがしてある。豆な証拠だ。
そして余計なものはあまりない。
外にある練習用の的には的確に何かが刺さっている。
コテージは閉められており、中の様子は全くわからない。
「これ、勝手に開けて入ったらまずいよな」
「呼んでみたらどうだ? 朝早いから迷惑かもしれないけど」
「そうだな。ここでこうしていてもしょうがない。おーい! 誰かいませんかー?」
「そうじゃなくて、団員の張り紙を見ました! じゃないか?」
「……どうぞ」
「お、入っていいみたいだ。よかったな」
コテージの中に入ると、ピエロの恰好をしたぬいぐるみの者、鎧に身を包む者が二人いた。
これが俺の仲間? そんなばかな。俺の仲間に全身鎧で満たされている者やぬいぐるみでできた
者なんて……いやぬいぐるみでできた者はマーナがいるが、こんなサイズじゃない。
「あれ? おかしいな。俺の仲間の誰かだと思ったんだけど」
「ようこそ。イーグルサーカス団へ! 団長のイーニーです」
「副団長のドーニーだ。よろしく頼む」
「え、ええ」
「確かに青黒い髪だ。モンスター使いで間違いないかい?」
「はい。小さいのだとホー君しか出せないけど」
「見せてもらえるかな?」
「ホー君! 頼む!」
封印からホー君を出すと、炎の揺らめきが強くなっていた。以前より随分とレベルアップ
してくれているようだ。
「よろしい。それと……本当に大きな胸の女性だね。足は……うん。そちらのお嬢さんは……あまり
元気がないようだが、ほぼ間違いないようだ」
「そのようであるな」
「え? 一体どういうことだ?」
「エプタ。もういいよ。今度は本物のようだ」
「見りゃわかるだろ。お前らもいたずらが過ぎるぜ。久しぶりだなブネ」
「エプタ? うわ!?」
背後に突然現れ、後ろから押すエプタ。相変わらず俺を見る目つきが鋭すぎる。
嫌われたままかな、これは。
「ということは、二人は……ああいや。名前のこと、知ってるんだな。よかった」
「エプタから聞いたよ。それにしても……会いたかった」
「ふふふ、ちみは元気そうだな。いや、少し変わったか。そして寂しそうだ」
「二人とも……無事でよかった。一体どうやってここまで?」
「話せば長くなる。それよりもエプタから色々聞いている。あちらは繋がっているようだ」
「もう大丈夫。強力な助っ人の私たちが来たんだ。これからは」
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俺も親指を立てると、ビーやレッジたちもそれに続いた。
「それにしてもイーニー。なんでぬいぐるみなの? どうやって入ってるわけ?」
「うん? 私の能力、忘れたのかな? ほら、こうだよ」
中から出てくるのは青銀色のスライム。そしてドーグルも鎧の頭部分を外す。
どちらも外見は魔の者だ。サーカス団なら確かに、潜り込むにはもってこいのようだ。
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