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第二章 仲間
第五百五十五話 楽器の才能者
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酒場に到着した俺たちは、扉を開いて中に入る。
ここへ来るのは二回目。今日は昼の仕事もあったのだろう。
客はもういないようだが、片付けをしていたサニーが目に付く。
あちらも気付いて皿を糸で操りながらこちらへ突っ込んできた!
「ばっ……お皿が割れる!」
「ちょっと! 何で本名言うのよ!」
「お皿だ、お皿!」
「そんなに連呼して! 会いたかったのね! 私もよ!」
仕方ないので妖楼術でサニーを回避し、お皿をキャッチした。
割れたら掃除も弁償も大変だぞ……。何せ今の俺たちは借金五千レギオン金貨もあるんだ。
「さすがダーリン。ナイスキャッチね! おかえりなさい」
「相変わらずこっちの奥さんは凄いな……」
「あら。レナの未来の旦那もいたのね! お帰り!」
「なな、何言ってるんだお前の奥さん! あの子は……ホッ。いなかった……」
「もう、だらしないわねぇ。男ならがばーっといってブチューってしてくればいいのよ!」
「それはサニー以外できないだろう……世の中の男が全員そうならこの世界は混沌だぞ……」
「えー!? ツインだって、初対面で胸をもんできたじゃない!」
「えっ?」
「お前な! えん罪をまき散らすなよ!」
「だってだってぇー。最近ちっとも構ってくれないんだもーん! これくらい当然よ!」
「はぁ……今日はこれからの話をしに来たんだ。今度は連れていくから」
「あら、連絡役はいいの?」
「それどころじゃなくなったんだよ。ファニーもいるか?」
「いるわよ。洗い物してるわ。それ、持って行ってくれる?」
「ああ」
「私はテーブル拭くから、そっちのお兄さんも手伝ってよね。ダーリン、ついでにレナも連れてきてねー」
「あ、ああ。わかった」
レナと聞くと飛び上がって一番入り口側のテーブルを拭き始めるビー。
それ、絶対隠れられないから!
ファニーの許へお皿を持っていくと、少し曇った顔つきをしている。
必死に洗い物をしている姿は素敵だが、疲れが色濃く見える。
「ファニー。ただいま。疲れているようだが、大丈夫か?」
「あら、お帰りなさいツイン。大丈夫よ。少し肩が重くて」
「少し押してやるからそのまま洗い物しててくれ」
「ありがとう。嬉しいわ。そうそう、アイリス連れてきちゃってるの。見て、ほら」
「やめておこう。どこに入れたか老師から聞いてるし」
「ふふっ。相変わらずね」
「きゅうーー!」
「おお、元気になったみたいでよかったよ。名前はイオナって言うんだろ?」
「もう! せっかく私が一番に教えようとしてたのに、あの爺さん!」
「老師も来てるぞ。入り口で一人構ってもらえなくてしょげてるけど」
「そう。後で足でも踏んづけてやろうかしら……ところで、その様子だとうまくいかなかったようね」
「ああ。すまない……事情を話す。ブネは?」
「あっちでレナちゃんに楽器を教えてるわ。あの子、凄い楽器の才能があるわ」
ファニーに言われた部屋へ行くと、熱心に指の当て方を教わっているブネとレナがいた。
こちらへ気づくとにっこりと微笑み、会釈する。ブネは相変わらず無表情だが、こくりと頷いて見せた。
「この娘、人にしておくには惜しい」
「ちょ、おい! 最初の一言目がそれかよ!」
「ツイン…さん。大丈夫です。色々、聞いていますから。その……私、この町から離れたいんです。
それで楽器の練習をお願いして。どこでも生活できるようにしたいなって」
「殊勝な心掛けだ。才覚はこのブネが知りえた中で一番」
「それは凄い……けど全然よくないな。旅? 吟遊詩人になりたいってことか?」
「いえ、どこか安全な場所で、歌と楽器で暮らしたいんです。どうしても、この地にはなじめなくて。
軍隊が、怖いんです……だから」
「だからビーも怖いのかい?」
「いえ! あの人は優しくて、他の男性とは違います! あ……私ったら……ごめんなさい」
「いや、いいんだ。全く同感だよ。あっちにビーも来てる。顔を、出してあげてくれないか。
約束、してたんだろう? 内容は知らないけどさ」
「っ! はい。自信無いけど、行ってきます」
「おっと。一つだけいいかな。今すぐビーにトループをやめて旅に出ようというなら、それは俺のせいで
出来ない。だが断言しよう。ことの一件全て片付くまで待ってくれたなら、モンスターが襲ってこない
安全な場所へ、二人を連れて行く。約束しよう」
「シーの言う事に偽りはない。あの領域はイネービュ様により保護された。
以前のように侵入を許したものも、即時排除可能だ」
「本当……ですか? モンスターが襲ってこない? そんな場所、本当にあるんですか?」
「襲ってはこないが……牧場に一応いるな。可愛いのが沢山」
「襲ってこないモンスター?」
「俺の、仲間だからな。目標は百匹! なんてな。夢物語のようだが、信じて欲しい」
「はい。ブネ様もこう仰ってますし。私、彼に伝えてきます!」
駆け足で店の入り口方面へ行くレナ。少しお節介だったかもしれない。
それでも……俺のせいでビーが幸せになれないのなら、後押しは必要だろう。
「あの娘は両親をモンスターに殺されたようだ。それもまた神にとっては自然なこと。
どのように逃げても運が悪ければ死は伴うというに」
「ブネにはわからないかもしれないが、人は過去に受けた影響を強く引きずるんだ。
その出来事が何かを事象にフラッシュバックする。風の音、雨の音、呼吸の音、どれでも引き金になるんだよ。
そしてそれは、そのものを強く縛り付け、苦しめる。誰でも、逃れたいと思うものさ」
「苦しむことはないというに。それぞれが思いの中で生きるのではないのか? このブネの思いにも宿る
ファルクとランスのように。だが……そうか。今は中にいるこやつの影響で、少しわかるかもしれんな……」
「なぁ。また腕を、触っていいか」
「構わぬ。好きなだけ思いをこめるがいい」
ブネの腕に触れ、主を思う。頭の中に浮かぶ、あいつの笑顔。
それだけで俺は、強く頑張れる気がした。
ここへ来るのは二回目。今日は昼の仕事もあったのだろう。
客はもういないようだが、片付けをしていたサニーが目に付く。
あちらも気付いて皿を糸で操りながらこちらへ突っ込んできた!
「ばっ……お皿が割れる!」
「ちょっと! 何で本名言うのよ!」
「お皿だ、お皿!」
「そんなに連呼して! 会いたかったのね! 私もよ!」
仕方ないので妖楼術でサニーを回避し、お皿をキャッチした。
割れたら掃除も弁償も大変だぞ……。何せ今の俺たちは借金五千レギオン金貨もあるんだ。
「さすがダーリン。ナイスキャッチね! おかえりなさい」
「相変わらずこっちの奥さんは凄いな……」
「あら。レナの未来の旦那もいたのね! お帰り!」
「なな、何言ってるんだお前の奥さん! あの子は……ホッ。いなかった……」
「もう、だらしないわねぇ。男ならがばーっといってブチューってしてくればいいのよ!」
「それはサニー以外できないだろう……世の中の男が全員そうならこの世界は混沌だぞ……」
「えー!? ツインだって、初対面で胸をもんできたじゃない!」
「えっ?」
「お前な! えん罪をまき散らすなよ!」
「だってだってぇー。最近ちっとも構ってくれないんだもーん! これくらい当然よ!」
「はぁ……今日はこれからの話をしに来たんだ。今度は連れていくから」
「あら、連絡役はいいの?」
「それどころじゃなくなったんだよ。ファニーもいるか?」
「いるわよ。洗い物してるわ。それ、持って行ってくれる?」
「ああ」
「私はテーブル拭くから、そっちのお兄さんも手伝ってよね。ダーリン、ついでにレナも連れてきてねー」
「あ、ああ。わかった」
レナと聞くと飛び上がって一番入り口側のテーブルを拭き始めるビー。
それ、絶対隠れられないから!
ファニーの許へお皿を持っていくと、少し曇った顔つきをしている。
必死に洗い物をしている姿は素敵だが、疲れが色濃く見える。
「ファニー。ただいま。疲れているようだが、大丈夫か?」
「あら、お帰りなさいツイン。大丈夫よ。少し肩が重くて」
「少し押してやるからそのまま洗い物しててくれ」
「ありがとう。嬉しいわ。そうそう、アイリス連れてきちゃってるの。見て、ほら」
「やめておこう。どこに入れたか老師から聞いてるし」
「ふふっ。相変わらずね」
「きゅうーー!」
「おお、元気になったみたいでよかったよ。名前はイオナって言うんだろ?」
「もう! せっかく私が一番に教えようとしてたのに、あの爺さん!」
「老師も来てるぞ。入り口で一人構ってもらえなくてしょげてるけど」
「そう。後で足でも踏んづけてやろうかしら……ところで、その様子だとうまくいかなかったようね」
「ああ。すまない……事情を話す。ブネは?」
「あっちでレナちゃんに楽器を教えてるわ。あの子、凄い楽器の才能があるわ」
ファニーに言われた部屋へ行くと、熱心に指の当て方を教わっているブネとレナがいた。
こちらへ気づくとにっこりと微笑み、会釈する。ブネは相変わらず無表情だが、こくりと頷いて見せた。
「この娘、人にしておくには惜しい」
「ちょ、おい! 最初の一言目がそれかよ!」
「ツイン…さん。大丈夫です。色々、聞いていますから。その……私、この町から離れたいんです。
それで楽器の練習をお願いして。どこでも生活できるようにしたいなって」
「殊勝な心掛けだ。才覚はこのブネが知りえた中で一番」
「それは凄い……けど全然よくないな。旅? 吟遊詩人になりたいってことか?」
「いえ、どこか安全な場所で、歌と楽器で暮らしたいんです。どうしても、この地にはなじめなくて。
軍隊が、怖いんです……だから」
「だからビーも怖いのかい?」
「いえ! あの人は優しくて、他の男性とは違います! あ……私ったら……ごめんなさい」
「いや、いいんだ。全く同感だよ。あっちにビーも来てる。顔を、出してあげてくれないか。
約束、してたんだろう? 内容は知らないけどさ」
「っ! はい。自信無いけど、行ってきます」
「おっと。一つだけいいかな。今すぐビーにトループをやめて旅に出ようというなら、それは俺のせいで
出来ない。だが断言しよう。ことの一件全て片付くまで待ってくれたなら、モンスターが襲ってこない
安全な場所へ、二人を連れて行く。約束しよう」
「シーの言う事に偽りはない。あの領域はイネービュ様により保護された。
以前のように侵入を許したものも、即時排除可能だ」
「本当……ですか? モンスターが襲ってこない? そんな場所、本当にあるんですか?」
「襲ってはこないが……牧場に一応いるな。可愛いのが沢山」
「襲ってこないモンスター?」
「俺の、仲間だからな。目標は百匹! なんてな。夢物語のようだが、信じて欲しい」
「はい。ブネ様もこう仰ってますし。私、彼に伝えてきます!」
駆け足で店の入り口方面へ行くレナ。少しお節介だったかもしれない。
それでも……俺のせいでビーが幸せになれないのなら、後押しは必要だろう。
「あの娘は両親をモンスターに殺されたようだ。それもまた神にとっては自然なこと。
どのように逃げても運が悪ければ死は伴うというに」
「ブネにはわからないかもしれないが、人は過去に受けた影響を強く引きずるんだ。
その出来事が何かを事象にフラッシュバックする。風の音、雨の音、呼吸の音、どれでも引き金になるんだよ。
そしてそれは、そのものを強く縛り付け、苦しめる。誰でも、逃れたいと思うものさ」
「苦しむことはないというに。それぞれが思いの中で生きるのではないのか? このブネの思いにも宿る
ファルクとランスのように。だが……そうか。今は中にいるこやつの影響で、少しわかるかもしれんな……」
「なぁ。また腕を、触っていいか」
「構わぬ。好きなだけ思いをこめるがいい」
ブネの腕に触れ、主を思う。頭の中に浮かぶ、あいつの笑顔。
それだけで俺は、強く頑張れる気がした。
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