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第四部 主と共鳴せし道 第一章 闇のオーブを求め
第五百四十二話 急襲! シフティス大陸初のモンスター襲来
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男爵たちと共に行動するシーたち。レッツェルは薬が効いてきたようで、体調こそ優れないものの、少し
症状は和らいだようだ。レッジは同行しようとしたが、男爵は首を縦には振らなかった。
現在の目的地は二十領区。
この道のりは、以前シーたちが通った二十三領区へ向かう道とは異なり、険しい道だ。
これはオズワル伯爵が自らかってでた土地だからだそうだ。
英雄オズワル。その名はこの地域一帯に轟く程。
相当な人物であることに間違いはない。
「そろそろ十二領区を出る。ここからは山道となるので気を付けてほしい」
「馬車は全部で三台ですよね」
「こちらの馬車はソアンとフェンが見張り台から確認するので、君たちの方も担当を決めておいてくれるか?」
「こちらは私が。本来ビーも適任ですが、より遠くを確認する術があるので」
「ツイン君。君はかなり特殊な術を使用すると聞いている。道中よろしく頼む」
「ええ。少し驚かせるかもしれませんが、頑張ります」
馬車は上部に座る場所があり、見晴らしもいい。
貴族御用達の馬車なだけあり、しっかりとした造りだ。
「それじゃ、出発するじゃん。へへっ。面白い旅じゃん!」
「この先そうも言ってられないだろう。ブシアノフ男爵の話では、モンスターの出現も多い
領区らしい。街中でモンスターは出ないなんてのは、そもそもあり得ない話だしな」
「当然じゃん。そんな都合のいい町あるわけないじゃん」
「だからこそ町には兵士が常駐している。そしてこの一帯は特に、強力で凶悪なモンスターが多い」
「ただのトループは、いつも死に物狂いぞ」
「そんなに大変っしょ? うちらの町はモンスター出ないからわからないっしょ」
全員一時シーンとなる。おい! ベニー! その発言はまずい!
「……今のなしっしょやっぱりモンスターわんさか出る」
「そりゃそうだろ。そんな町あるわけない。あったら人で溢れかえってるだろ、そこは」
「その通りぞ。どのような地域でもモンスターはおろう」
「それより全員用心しろ! 早速どころか……なんだ、あのモンスターの群れは」
シーが目にしたもの。それは、こちらを狙うわけではない、飛空しているモンスターの群れ。
パッと見ただけでも百程の飛空モンスターが視界に入った。
「道理で護衛が必要なわけだ。数匹まとまって現れるだけでも厄介そうなモンスターがこんなに」
色からして毒持ちの飛空モンスターもいる。
さらにはそれぞれのモンスターが統一されておらず、群れのボスもいない。
考えにふけっていると、シーの座っている部分から声が聞こえてきた。
「こちらソアンだ。聞こえるかな? シー君。トキシックエイヴィアンが複数いる。
事前に毒防の魔術を展開する!」
「聞こえます! でも待ってください! あなたたちもエビルイントシケートに感染しているかも
しれません。ですから魔術を行使するのは控えてください! 薬がどう考えても足りないんです!」
「しかし、我々の任務は男爵を守る事だ。そのためなら危険など考えている暇はない!
あの数のトキシックエイヴィアンを無傷で突破など不可能だ!」
「不可能? いえ、可能でしょう。不可能を不可能だと決めつけてしまえば、確かに不可能となる。
しかし、出来ると信じれば道はみえてくるものです。
ここは、我々に任せて極力離れていてください。
もし打ち損じがそちらに向かった時だけ、防毒の魔術を!」
「だが! それでは君たちが……」
「ビー、聞こえてたよな? トループの鉄則、声を大きく頼む!」
「ああ! 戦場には身分も差別も、ルールすらもない」
『あるのは強さのみ!』
「先行してくれ。俺とベニーで半分はやる」
「今度こそ私も戦おうぞ」
「俺っちも壁くらいは作れるじゃんよ。でも魔術は行使しない方がいいじゃん?」
「ああ。ジェイクはいつでも馬車を動かせるようにしといてくれれば十分。
危険だと判断したら放れていても構わない」
「冗談じゃないじゃん。俺っちもトループだぜ。びびって逃げたら務まらないじゃん」
「シー。馬車の上、代わってくれ。ここから狙い撃つ。ジェイク、合図通り動いてくれ」
「わかったじゃん」
「ふう。前言撤回だ。俺たち全員で、全部倒す」
『ああ!』
症状は和らいだようだ。レッジは同行しようとしたが、男爵は首を縦には振らなかった。
現在の目的地は二十領区。
この道のりは、以前シーたちが通った二十三領区へ向かう道とは異なり、険しい道だ。
これはオズワル伯爵が自らかってでた土地だからだそうだ。
英雄オズワル。その名はこの地域一帯に轟く程。
相当な人物であることに間違いはない。
「そろそろ十二領区を出る。ここからは山道となるので気を付けてほしい」
「馬車は全部で三台ですよね」
「こちらの馬車はソアンとフェンが見張り台から確認するので、君たちの方も担当を決めておいてくれるか?」
「こちらは私が。本来ビーも適任ですが、より遠くを確認する術があるので」
「ツイン君。君はかなり特殊な術を使用すると聞いている。道中よろしく頼む」
「ええ。少し驚かせるかもしれませんが、頑張ります」
馬車は上部に座る場所があり、見晴らしもいい。
貴族御用達の馬車なだけあり、しっかりとした造りだ。
「それじゃ、出発するじゃん。へへっ。面白い旅じゃん!」
「この先そうも言ってられないだろう。ブシアノフ男爵の話では、モンスターの出現も多い
領区らしい。街中でモンスターは出ないなんてのは、そもそもあり得ない話だしな」
「当然じゃん。そんな都合のいい町あるわけないじゃん」
「だからこそ町には兵士が常駐している。そしてこの一帯は特に、強力で凶悪なモンスターが多い」
「ただのトループは、いつも死に物狂いぞ」
「そんなに大変っしょ? うちらの町はモンスター出ないからわからないっしょ」
全員一時シーンとなる。おい! ベニー! その発言はまずい!
「……今のなしっしょやっぱりモンスターわんさか出る」
「そりゃそうだろ。そんな町あるわけない。あったら人で溢れかえってるだろ、そこは」
「その通りぞ。どのような地域でもモンスターはおろう」
「それより全員用心しろ! 早速どころか……なんだ、あのモンスターの群れは」
シーが目にしたもの。それは、こちらを狙うわけではない、飛空しているモンスターの群れ。
パッと見ただけでも百程の飛空モンスターが視界に入った。
「道理で護衛が必要なわけだ。数匹まとまって現れるだけでも厄介そうなモンスターがこんなに」
色からして毒持ちの飛空モンスターもいる。
さらにはそれぞれのモンスターが統一されておらず、群れのボスもいない。
考えにふけっていると、シーの座っている部分から声が聞こえてきた。
「こちらソアンだ。聞こえるかな? シー君。トキシックエイヴィアンが複数いる。
事前に毒防の魔術を展開する!」
「聞こえます! でも待ってください! あなたたちもエビルイントシケートに感染しているかも
しれません。ですから魔術を行使するのは控えてください! 薬がどう考えても足りないんです!」
「しかし、我々の任務は男爵を守る事だ。そのためなら危険など考えている暇はない!
あの数のトキシックエイヴィアンを無傷で突破など不可能だ!」
「不可能? いえ、可能でしょう。不可能を不可能だと決めつけてしまえば、確かに不可能となる。
しかし、出来ると信じれば道はみえてくるものです。
ここは、我々に任せて極力離れていてください。
もし打ち損じがそちらに向かった時だけ、防毒の魔術を!」
「だが! それでは君たちが……」
「ビー、聞こえてたよな? トループの鉄則、声を大きく頼む!」
「ああ! 戦場には身分も差別も、ルールすらもない」
『あるのは強さのみ!』
「先行してくれ。俺とベニーで半分はやる」
「今度こそ私も戦おうぞ」
「俺っちも壁くらいは作れるじゃんよ。でも魔術は行使しない方がいいじゃん?」
「ああ。ジェイクはいつでも馬車を動かせるようにしといてくれれば十分。
危険だと判断したら放れていても構わない」
「冗談じゃないじゃん。俺っちもトループだぜ。びびって逃げたら務まらないじゃん」
「シー。馬車の上、代わってくれ。ここから狙い撃つ。ジェイク、合図通り動いてくれ」
「わかったじゃん」
「ふう。前言撤回だ。俺たち全員で、全部倒す」
『ああ!』
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