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第四部 主と共鳴せし道 第一章 闇のオーブを求め
第四百九十八話 トループ対ノーブルトループ 後半戦 コーネリウスVSシー
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「コーネリウス様ぁ! まだ、まだあたいは戦えますっ! だからもう一度……」
「黙れ」
「そんなっ。あたいがただのトループなんかに負けるわけが……」
「私が黙れと言ったら黙れぇーーーー!」
あたり一面に強い衝撃波が走る。闘技場内部が歪み、ところどころがへこんでいった。
「ひっ……すす、すみません……」
「二度も同じ事を言わせるな。これ以上私を怒らせれば、潰すぞ」
「それは穏やかじゃないな。戦闘にならなくなる」
「すまなかった。君には敬意を払っているつもりだよ。まさかお手洗いで出会ったやつに我々が苦汁をなめさせられるとはね。準備がよければ始めようか」
「今の出アイアンソードが使い物にならなくなったんだが、武器を変えていいか?」
「ふふふ、本当にただのアイアンソードだったとはね……あの一撃はどうやっていたのか気になるが……
こちらは構わないよ」
シーはぽいっとひしゃげたアイアンソードを放り投げ、懐からおかしな形状の格闘武器を取り出した。
それは腕までを覆う盾であり、格闘武器でもある。先端にはやや尖った部分があるが、その部分は
青くうごめく渦のようなものが蠢いている。
「……また不思議な武器を使うな。いいだろう、最大限警戒をしよう」
「まだ実験段階なんだよ。いかんせん格闘は封印していたんでな。それとこれだけじゃない」
シーは腰のベルトあたりに手をあて、何もないと思われる場所から一本の剣を引き抜いた。
一瞬「ホロロロー」と泣くような音とともに引き抜かれた剣は、鋭い紅色の目を映し出すかのように
見えるその武器は、刀身は光沢のある黒色で、先端は嘴のように黒と白の縦じま模様が入る。
どうみても普通の剣ではなく、何らかの付加降下があるのは、コーネリウスでも見て取れた。
「……なんだその武器は。支給品の域を超えている。自前のものか」
「まぁ、そんなところだ。ここまでは必要だと判断した」
「つまりはこのコーネリウス相手に手加減をしていた……と」
「いいや。使いたくない奥の手を使わされたって言って欲しいな」
「ふふふ、物は言いようだな。いいだろう。それなら私も使いたくない奥の手を見せよう」
そう告げると、空中に浮かび上がるコーネリウスの両手には、弾ではなく
短剣が八本、指の間に挟まれていた。
それぞれが美しい光沢をもつ金色の短剣で、メッキなどではない。ほぼ間違いなく金で出来ている。
「なるほどね。あんたの能力、少しわかってきたよ。プラズマだな、恐らく」
「これを見ただけでそんなことがわかる……君はただのトループではないな。いや、今はどうでもいいか。
シー。名前を聞かせてくれないか。本当の名前を」
「……ツインだ。それ以外の何者でもない」
「ツイン・シーとでも言えばいいのか。偽名だとしても今はそれでいい。私の技、防ぎきれるかな」
「そろそろ十分な準備が整ったろ? いいぞ、いつでも」
「本当に恐ろしい相手だな、君は!」
コーネリウスから解き放たれた金の剣のうち二本がシーへと勢いよく迫る。
それは弾丸どころの速さではない程の速度でシーの右肩と左肩をかすめる。
かすめた部分から重力がのしかかり、シーの体制を崩す。
「かすっただけで押しつぶされるような力をもらうのか。なるほど、受けてみるとやばさが
よくわかる」
低姿勢になったシーに更なるコーネリウスの攻撃が襲い掛かった!
「黙れ」
「そんなっ。あたいがただのトループなんかに負けるわけが……」
「私が黙れと言ったら黙れぇーーーー!」
あたり一面に強い衝撃波が走る。闘技場内部が歪み、ところどころがへこんでいった。
「ひっ……すす、すみません……」
「二度も同じ事を言わせるな。これ以上私を怒らせれば、潰すぞ」
「それは穏やかじゃないな。戦闘にならなくなる」
「すまなかった。君には敬意を払っているつもりだよ。まさかお手洗いで出会ったやつに我々が苦汁をなめさせられるとはね。準備がよければ始めようか」
「今の出アイアンソードが使い物にならなくなったんだが、武器を変えていいか?」
「ふふふ、本当にただのアイアンソードだったとはね……あの一撃はどうやっていたのか気になるが……
こちらは構わないよ」
シーはぽいっとひしゃげたアイアンソードを放り投げ、懐からおかしな形状の格闘武器を取り出した。
それは腕までを覆う盾であり、格闘武器でもある。先端にはやや尖った部分があるが、その部分は
青くうごめく渦のようなものが蠢いている。
「……また不思議な武器を使うな。いいだろう、最大限警戒をしよう」
「まだ実験段階なんだよ。いかんせん格闘は封印していたんでな。それとこれだけじゃない」
シーは腰のベルトあたりに手をあて、何もないと思われる場所から一本の剣を引き抜いた。
一瞬「ホロロロー」と泣くような音とともに引き抜かれた剣は、鋭い紅色の目を映し出すかのように
見えるその武器は、刀身は光沢のある黒色で、先端は嘴のように黒と白の縦じま模様が入る。
どうみても普通の剣ではなく、何らかの付加降下があるのは、コーネリウスでも見て取れた。
「……なんだその武器は。支給品の域を超えている。自前のものか」
「まぁ、そんなところだ。ここまでは必要だと判断した」
「つまりはこのコーネリウス相手に手加減をしていた……と」
「いいや。使いたくない奥の手を使わされたって言って欲しいな」
「ふふふ、物は言いようだな。いいだろう。それなら私も使いたくない奥の手を見せよう」
そう告げると、空中に浮かび上がるコーネリウスの両手には、弾ではなく
短剣が八本、指の間に挟まれていた。
それぞれが美しい光沢をもつ金色の短剣で、メッキなどではない。ほぼ間違いなく金で出来ている。
「なるほどね。あんたの能力、少しわかってきたよ。プラズマだな、恐らく」
「これを見ただけでそんなことがわかる……君はただのトループではないな。いや、今はどうでもいいか。
シー。名前を聞かせてくれないか。本当の名前を」
「……ツインだ。それ以外の何者でもない」
「ツイン・シーとでも言えばいいのか。偽名だとしても今はそれでいい。私の技、防ぎきれるかな」
「そろそろ十分な準備が整ったろ? いいぞ、いつでも」
「本当に恐ろしい相手だな、君は!」
コーネリウスから解き放たれた金の剣のうち二本がシーへと勢いよく迫る。
それは弾丸どころの速さではない程の速度でシーの右肩と左肩をかすめる。
かすめた部分から重力がのしかかり、シーの体制を崩す。
「かすっただけで押しつぶされるような力をもらうのか。なるほど、受けてみるとやばさが
よくわかる」
低姿勢になったシーに更なるコーネリウスの攻撃が襲い掛かった!
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