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第四部 主と共鳴せし道 第一章 闇のオーブを求め
第四百九十六話 トループ対ノーブルトループ 中半戦その壱
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怒りに震えるフィルミナとは対象に冷静なコーネリウスは身動きせず分析を続けている。
逆上したフィルミナは毛を逆立たせ、後方上空へと飛翔していき、シーをにらみつけた。
シーは深追いせず、感触を確かめるようにしながらアイアンソードを握りこんでいた。
「まぁ、ただのコモンウェポンだから殴るか斬るか、弱い斬撃を飛ばすくらいしか
出来ないもんな」
「シー、来るであります!」
追随させまいとエルゲンがルインへと突撃していく。それを狙い撃ちするかのように
ビーが援護射撃を放つが、素早い身のこなしで回避していく。
速度に自信ありと言った動きで少し笑いを見せながら、シーへと距離をつめていく。
フィルミナは後方上空で術を詠唱し始めた。
「……雄大なる魔の世界より這い出て力となれ。我に追随する矛となり、我が意思を持ち
我に従え。アリージャンスパイク!」
四つの矛のようなものがフィルミナの周りへ展開される。
魔術の中でも難易度が高い従魔術であり、己の意思で行動する便利な魔術だ。
「へっ。なかなかいい跳躍だったが所詮のろまのすることだ。フィルミナを
倒せるチャンスを逃して残念だったな僕ちゃん」
「僕ちゃんねぇ。これでも結婚してるんだけどな」
散々挑発してきているが、まったく乗ってこない彼らにいらつきを覚えているエルゲン。
一気に踏み込み近づいて拳を放った。さらにフィルミナの矛も飛翔してシーへ向け放たれる。
「アストニッシングブロウ!」
鋭く放った拳からは緑色のツルのようなものが飛び出て伸びだしてくる。
シーは拳を叩き込もうとした時点で何かあるのは察していたが、あえて
受けようとしていた。
「モード、炎水、水炎の氾濫」
シーの右腕が水色から流れるような炎と切り替わり、伸びてきた
ツルを焼き切ると同時に、放たれた拳へ水がかかるように炎がふりかかる。
「ぐああっ、熱っ! なんだこいつは。本物の火? くそ、おかしな術使いやがって! ……ぐっ、くそ!」
エルゲンがひるんだところへ足元に射撃が貫通して負傷するエルゲン。
後方へ大きく飛びのいたところにコーネリウスの玉が飛翔して、分厚い壁となる
土が形成された。
「土術も使えるのか、あの玉。厄介だな」
飛翔してきた矛をアイアンソードで打ち払うと、矛は激しく吹き飛び動かなくなり消滅する。
普通にアイアンソードを振るっているだけでは、こうはならない。
「なんなの、アイツ! あたいの矛がたった一撃で破壊されるなんて!」
「シー、気を付けるであります! 上空の女の子が何かしようとしてるであります!」
十分に警戒しながらエーが大きな声を上げる。ビーも慎重に辺りを見渡していた。
「射程外だ……シー。随分と手加減しているように見えるが、それでも十分勝てる
相手だっていうのか?」
「いや、コーネリウスを警戒している。他の二人は相手じゃなさそうだ」
どちらも重要なポイントは同じ。
コーネリウスを基準に動くエルゲンとフィルミナ。
シーを基準に動くビーとエー。
しかしコーネリウスはここまでの戦いだけでもかなりいらついていた。
明らかに連携が取れている彼らと違い、こちらはまるで連携がとれていない。
ノーブルトループとしての誇りを強く持つ彼にとって、ただのトループに劣る状況と
いうのが許せなかった。
「お前たち、この私に恥をかかせるなぁーーーーーーーーー!」
コーネリウスの辺り一面にズゥーーーンと重い衝撃が走り、空気が振動するかのような
波動が生まれた。
逆上したフィルミナは毛を逆立たせ、後方上空へと飛翔していき、シーをにらみつけた。
シーは深追いせず、感触を確かめるようにしながらアイアンソードを握りこんでいた。
「まぁ、ただのコモンウェポンだから殴るか斬るか、弱い斬撃を飛ばすくらいしか
出来ないもんな」
「シー、来るであります!」
追随させまいとエルゲンがルインへと突撃していく。それを狙い撃ちするかのように
ビーが援護射撃を放つが、素早い身のこなしで回避していく。
速度に自信ありと言った動きで少し笑いを見せながら、シーへと距離をつめていく。
フィルミナは後方上空で術を詠唱し始めた。
「……雄大なる魔の世界より這い出て力となれ。我に追随する矛となり、我が意思を持ち
我に従え。アリージャンスパイク!」
四つの矛のようなものがフィルミナの周りへ展開される。
魔術の中でも難易度が高い従魔術であり、己の意思で行動する便利な魔術だ。
「へっ。なかなかいい跳躍だったが所詮のろまのすることだ。フィルミナを
倒せるチャンスを逃して残念だったな僕ちゃん」
「僕ちゃんねぇ。これでも結婚してるんだけどな」
散々挑発してきているが、まったく乗ってこない彼らにいらつきを覚えているエルゲン。
一気に踏み込み近づいて拳を放った。さらにフィルミナの矛も飛翔してシーへ向け放たれる。
「アストニッシングブロウ!」
鋭く放った拳からは緑色のツルのようなものが飛び出て伸びだしてくる。
シーは拳を叩き込もうとした時点で何かあるのは察していたが、あえて
受けようとしていた。
「モード、炎水、水炎の氾濫」
シーの右腕が水色から流れるような炎と切り替わり、伸びてきた
ツルを焼き切ると同時に、放たれた拳へ水がかかるように炎がふりかかる。
「ぐああっ、熱っ! なんだこいつは。本物の火? くそ、おかしな術使いやがって! ……ぐっ、くそ!」
エルゲンがひるんだところへ足元に射撃が貫通して負傷するエルゲン。
後方へ大きく飛びのいたところにコーネリウスの玉が飛翔して、分厚い壁となる
土が形成された。
「土術も使えるのか、あの玉。厄介だな」
飛翔してきた矛をアイアンソードで打ち払うと、矛は激しく吹き飛び動かなくなり消滅する。
普通にアイアンソードを振るっているだけでは、こうはならない。
「なんなの、アイツ! あたいの矛がたった一撃で破壊されるなんて!」
「シー、気を付けるであります! 上空の女の子が何かしようとしてるであります!」
十分に警戒しながらエーが大きな声を上げる。ビーも慎重に辺りを見渡していた。
「射程外だ……シー。随分と手加減しているように見えるが、それでも十分勝てる
相手だっていうのか?」
「いや、コーネリウスを警戒している。他の二人は相手じゃなさそうだ」
どちらも重要なポイントは同じ。
コーネリウスを基準に動くエルゲンとフィルミナ。
シーを基準に動くビーとエー。
しかしコーネリウスはここまでの戦いだけでもかなりいらついていた。
明らかに連携が取れている彼らと違い、こちらはまるで連携がとれていない。
ノーブルトループとしての誇りを強く持つ彼にとって、ただのトループに劣る状況と
いうのが許せなかった。
「お前たち、この私に恥をかかせるなぁーーーーーーーーー!」
コーネリウスの辺り一面にズゥーーーンと重い衝撃が走り、空気が振動するかのような
波動が生まれた。
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