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第四章 メルザの里帰り
第四百三十三話 活火山爆発す
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クアドロプルドラゴンを担いで帰る途中のこと。
「ん? 何か凄い揺れてないか。地震か?」
「ルイン、よくないカベ。この揺れ、恐らく……」
「下が面白い事になってるぞ? 俺がいてよかったなルイン? な?」
「下……うおお、まじかよ! 亀裂が走ってる! おいおい、冗談じゃない!
レウスさん。悪いが一旦戻す……神魔解放! 妖真化! 一気にいくぞ!」
全力で飛翔し一気にメルザたちの許へ戻る。よかった、全員神の空間の場所にいた。
「あれ、ルインどうし……」
「話は後だ! 先生、メルザ、レミ。それからジェネスト、セーレは封印に戻れ! 後で飛んでもらうかもしれないからな!」
「うん? どうしたの? そんなに慌てて。わかったー、戻るよ。ヒヒン!」
「時間がないようですね。わかりました」
「急げぇーーー!」
俺は全員を両手に抱えてめい一杯に走る。さすがに四人抱えるのはきつい! メルザは
なれてるからいいものの、この竜と先生が目も当てられない状況だ。
しかし気にしてはならない。状況が状況だ。
「まさか……活火山の噴火ですか!?」
「そうだ先生! 喋ってると舌噛むぞ! バネジャンプ!」
「きゃーーーー! 服、服ーー!」
「レミも黙ってろ! どうせここには俺と先生しか男はいないんだ!」
「こらーー! ルイン、みちゃだめだぞー!」
「そんな余裕あるか!」
―――――ドオオオオオオオオオオオオオオオン!
かなり激しい音とともに大爆発する。相当な距離まで離れたが、とてつもない爆発の威力だ!
斜め上空に相当な高さへ飛翔したが、それでもなお吹き飛ばされる!
「いまだセーレ、頼むぞ! 一人増えちまったけど!」
「ヒヒン! 任せてよ! 大ピンチだね! この勢い、上手く殺せるかな? ヒヒン!」
「任せるカベ。前方に壁を作るカベ。一瞬だけ宙に出るから反動を殺してほしいカベ」
「頼む! ウォーラス!」
ウォーラスが空中に壁を展開し、足を一瞬つける。凄い衝撃だが前方へ押し出される感覚はかなり
弱めることが出来た。
「ヒヒン! 十分だよ。さすがだねウォー君! ヒヒン!」
「任せるカベ。壁の事なら任せるカベ」
「いや、まだだ! 氷塊のツララ! メルザ、後押ししてくれ!」
巨大な爆炎石がいくつも降り注いでくる。とんでもない勢いの爆発だ。
「氷刃斗! わわっ、数が多いぞルイン! 俺様ちょっと試してみていいか?」
「あ、ああ。ほどほどにな……」
セーレにまたがるメルザを支えると、片腕で術を行使し始めた。そういえば……これを見るのは
久しぶりだな。
「主として権限を重ねて行使。氷の斗。改元せし百つの理。
氷流出乃を我が元に」
「な!? 百? 百だと!?」
上空に百もの氷エレメンタルが浮遊して現れ、一斉に氷幻術を行使し始める。
こちらへ飛翔してきた爆炎石を尽く落としていく。
「信じられないような光景を見ました。メルザさん、あなたは一体……」
「何……それ。そんなの、ありえない!」
「やー、なんか。できるんじゃねーかなと思って。俺様はすごいのだ! にはは!」
「我が主ながら背筋が凍るようだ。あんなの行使された日には絶望を覚えるぞ……」
味方でよかったと本当に思う。敵があんなエレメンタルの大群を呼んだ日には気が遠くなる。
しかも今はあえて氷属性だけだが、殆どの属性どころか秘術まで交えてくる。
邪流出乃を百体出されたら、素直に墓標へ埋まる。
「ふう。メルザのおかげでどうにか切り抜けられたな。しかしなんで突然爆発したんだ?」
「そーれーよーりー! ルインさん! 誰ですかこの女性! どこでナンパしてきたんですか!」
「ルインはすぐ女ひっかけてくるから注意してってファナたちに言われたんだけどなー。あーあ」
「ルインさんはそういう方だったんですね……」
全員にジト目で見られる俺。おい待て! 今は危機回避して喜ぶ場面だ!
「ん? 何か凄い揺れてないか。地震か?」
「ルイン、よくないカベ。この揺れ、恐らく……」
「下が面白い事になってるぞ? 俺がいてよかったなルイン? な?」
「下……うおお、まじかよ! 亀裂が走ってる! おいおい、冗談じゃない!
レウスさん。悪いが一旦戻す……神魔解放! 妖真化! 一気にいくぞ!」
全力で飛翔し一気にメルザたちの許へ戻る。よかった、全員神の空間の場所にいた。
「あれ、ルインどうし……」
「話は後だ! 先生、メルザ、レミ。それからジェネスト、セーレは封印に戻れ! 後で飛んでもらうかもしれないからな!」
「うん? どうしたの? そんなに慌てて。わかったー、戻るよ。ヒヒン!」
「時間がないようですね。わかりました」
「急げぇーーー!」
俺は全員を両手に抱えてめい一杯に走る。さすがに四人抱えるのはきつい! メルザは
なれてるからいいものの、この竜と先生が目も当てられない状況だ。
しかし気にしてはならない。状況が状況だ。
「まさか……活火山の噴火ですか!?」
「そうだ先生! 喋ってると舌噛むぞ! バネジャンプ!」
「きゃーーーー! 服、服ーー!」
「レミも黙ってろ! どうせここには俺と先生しか男はいないんだ!」
「こらーー! ルイン、みちゃだめだぞー!」
「そんな余裕あるか!」
―――――ドオオオオオオオオオオオオオオオン!
かなり激しい音とともに大爆発する。相当な距離まで離れたが、とてつもない爆発の威力だ!
斜め上空に相当な高さへ飛翔したが、それでもなお吹き飛ばされる!
「いまだセーレ、頼むぞ! 一人増えちまったけど!」
「ヒヒン! 任せてよ! 大ピンチだね! この勢い、上手く殺せるかな? ヒヒン!」
「任せるカベ。前方に壁を作るカベ。一瞬だけ宙に出るから反動を殺してほしいカベ」
「頼む! ウォーラス!」
ウォーラスが空中に壁を展開し、足を一瞬つける。凄い衝撃だが前方へ押し出される感覚はかなり
弱めることが出来た。
「ヒヒン! 十分だよ。さすがだねウォー君! ヒヒン!」
「任せるカベ。壁の事なら任せるカベ」
「いや、まだだ! 氷塊のツララ! メルザ、後押ししてくれ!」
巨大な爆炎石がいくつも降り注いでくる。とんでもない勢いの爆発だ。
「氷刃斗! わわっ、数が多いぞルイン! 俺様ちょっと試してみていいか?」
「あ、ああ。ほどほどにな……」
セーレにまたがるメルザを支えると、片腕で術を行使し始めた。そういえば……これを見るのは
久しぶりだな。
「主として権限を重ねて行使。氷の斗。改元せし百つの理。
氷流出乃を我が元に」
「な!? 百? 百だと!?」
上空に百もの氷エレメンタルが浮遊して現れ、一斉に氷幻術を行使し始める。
こちらへ飛翔してきた爆炎石を尽く落としていく。
「信じられないような光景を見ました。メルザさん、あなたは一体……」
「何……それ。そんなの、ありえない!」
「やー、なんか。できるんじゃねーかなと思って。俺様はすごいのだ! にはは!」
「我が主ながら背筋が凍るようだ。あんなの行使された日には絶望を覚えるぞ……」
味方でよかったと本当に思う。敵があんなエレメンタルの大群を呼んだ日には気が遠くなる。
しかも今はあえて氷属性だけだが、殆どの属性どころか秘術まで交えてくる。
邪流出乃を百体出されたら、素直に墓標へ埋まる。
「ふう。メルザのおかげでどうにか切り抜けられたな。しかしなんで突然爆発したんだ?」
「そーれーよーりー! ルインさん! 誰ですかこの女性! どこでナンパしてきたんですか!」
「ルインはすぐ女ひっかけてくるから注意してってファナたちに言われたんだけどなー。あーあ」
「ルインさんはそういう方だったんですね……」
全員にジト目で見られる俺。おい待て! 今は危機回避して喜ぶ場面だ!
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