488 / 1,085
第四章 メルザの里帰り
第四百三十話 喋る竜種
しおりを挟む
レェンがロブロードを覚えている頃、ドラグア山脈活火山にて――――。
「レウスさん。外出ても平気なら浮遊、久しぶりに頼めるか?」
「もちろんだ! 任せとけ! ルイン、あちこち友達がいそうだ! 後で行ってきていいか?」
「ここはやめておいた方がよさそうだぞ。レウスさんといえど手こずりそうな相手がいそうだ」
「壁の身魔族も熱さには強いカベ。熱いカベでも操れるカベ」
「そいつは凄いな。ウォーラスには驚かされてばかりだよ。二人とも、頼むぜ!」
この活火山は地面もそれなりの熱を帯びている。溶岩地帯というわけではないが、地中はマグマと
なっている可能性が高い。
浮遊できるレウスさんの能力は、こういった地形効果をほぼ無効化できる。
最初こそドン引きしたが……いや、最初に使用した死霊の館でも十分すぎるほど便利だったな。
「山頂で小休止できるとこまで加速するぞ! 神魔開放!」
「以前より随分速くなったな? 大分その形に慣れてきたんだな? さすが相棒だ。ダッハッハ!」
「そうだな。この神魔開放って状態にも慣れてはきた。けど何かひっかかりのようなものを感じるんだ。
留め金が引っかかってるみたいな。うーん……リミット制限でもあるのかな」
「ブネに聞いてみたらわかるぞきっと! 俺はよくぶっとばされてるけどな? な?」
「そりゃレウスさんはブネの顔面近くでなーなー言ってるから……っと、妖赤星の矢・速!」
鳥型のモンスターが高速で走る俺めがけて突っ込んできた。
さすがに仕留められないが、警戒させるにはこれで十分。今は先を急ごう。
さすがにモンスターも高速で動き回る獣型の燃えるやつにそうそう攻撃はしかけないだろう。
今の鳥型のモンスターも飛翔途中でぶつかってしまいそうになっただけだ。
「ルインが速いからモンスターも動きに目で追えないカベ。凄いカベ」
「上には上がいるもんだよ。速度に関しちゃ多分、エプタやシュウの方が上だ。
跳躍ではミリルが、腕力ではベルドに圧倒される。俺の持ち味は万能的行動と多様な技だな」
「それぞれ特徴がある者がいるカベ? あってみたいカベ」
「直ぐにとはいかないが会えるさ。ウォーラスも俺の頼れる仲間だからな」
「面白い友達ばっかりだぞ? な? ルイン」
「面白いで言うなら間違いない。さて、ここらへんだな……それらしき竜は見当たらないが?」
辺りを見渡すが、竜どころかモンスター一匹見当たらない。どうなっているんだ?
相手は確か火竜。今まで戦った事のある竜の中では上位種にあたるだろう。
壁しかないけどな……。うん?
「ルイン。それ、壁じゃないカベ」
「うおお、これ、竜かよ!」
俺が壁だと思っていたそれは、竜だった。かなりのサイズだ。
レミはこんなサイズの竜を俺なら倒すのが簡単だとでも?
一体俺を何だと思っているんだ。
その竜をバネジャンプでよく見てみると……直列に四種の頭がある変わった形をした
全長五十メートルはあろうかという竜だった。
「これが クアドロプルドラゴン……だよな。トウマより大きいとは。こりゃ強敵だぞ……」
「人間がここに、何をしにきた!」
「喋る個体か。相当知識が高い。だが……それならば話し合いを……」
「ぐわぁおぁーーーー!」
いきなり炎のブレスで先制攻撃をしてくる! しかも四首全てから直線に高さをずらしての攻撃。
一直線の分厚さは十メートル以上ある。まずい!
「切り裂け! 黒星の鎌!」
剣戒をする暇がなかったので、慌てて黒星の鎌で切り裂く。ギリギリ間に合って
回避することが出来たが、危なかった。
「おい待て。少し話をさせろ!」
「人間如きと対話して何になる。全て滅べばよいのだ」
「落ち着け。なぜ人間を滅ぼす。なぜ人間の居住地を荒らす」
「ぐわぁおぁーーーー!」
「くそ、聞く耳持たないか。剣戒! 赤閃!」
今度はブレスの予測が出来たので、コラーダを出し、斬撃で凌ぐ。
気性が荒いし相当な人間への敵対心っぷりだ。
どうにか鎮めないと……。
「レウスさん。外出ても平気なら浮遊、久しぶりに頼めるか?」
「もちろんだ! 任せとけ! ルイン、あちこち友達がいそうだ! 後で行ってきていいか?」
「ここはやめておいた方がよさそうだぞ。レウスさんといえど手こずりそうな相手がいそうだ」
「壁の身魔族も熱さには強いカベ。熱いカベでも操れるカベ」
「そいつは凄いな。ウォーラスには驚かされてばかりだよ。二人とも、頼むぜ!」
この活火山は地面もそれなりの熱を帯びている。溶岩地帯というわけではないが、地中はマグマと
なっている可能性が高い。
浮遊できるレウスさんの能力は、こういった地形効果をほぼ無効化できる。
最初こそドン引きしたが……いや、最初に使用した死霊の館でも十分すぎるほど便利だったな。
「山頂で小休止できるとこまで加速するぞ! 神魔開放!」
「以前より随分速くなったな? 大分その形に慣れてきたんだな? さすが相棒だ。ダッハッハ!」
「そうだな。この神魔開放って状態にも慣れてはきた。けど何かひっかかりのようなものを感じるんだ。
留め金が引っかかってるみたいな。うーん……リミット制限でもあるのかな」
「ブネに聞いてみたらわかるぞきっと! 俺はよくぶっとばされてるけどな? な?」
「そりゃレウスさんはブネの顔面近くでなーなー言ってるから……っと、妖赤星の矢・速!」
鳥型のモンスターが高速で走る俺めがけて突っ込んできた。
さすがに仕留められないが、警戒させるにはこれで十分。今は先を急ごう。
さすがにモンスターも高速で動き回る獣型の燃えるやつにそうそう攻撃はしかけないだろう。
今の鳥型のモンスターも飛翔途中でぶつかってしまいそうになっただけだ。
「ルインが速いからモンスターも動きに目で追えないカベ。凄いカベ」
「上には上がいるもんだよ。速度に関しちゃ多分、エプタやシュウの方が上だ。
跳躍ではミリルが、腕力ではベルドに圧倒される。俺の持ち味は万能的行動と多様な技だな」
「それぞれ特徴がある者がいるカベ? あってみたいカベ」
「直ぐにとはいかないが会えるさ。ウォーラスも俺の頼れる仲間だからな」
「面白い友達ばっかりだぞ? な? ルイン」
「面白いで言うなら間違いない。さて、ここらへんだな……それらしき竜は見当たらないが?」
辺りを見渡すが、竜どころかモンスター一匹見当たらない。どうなっているんだ?
相手は確か火竜。今まで戦った事のある竜の中では上位種にあたるだろう。
壁しかないけどな……。うん?
「ルイン。それ、壁じゃないカベ」
「うおお、これ、竜かよ!」
俺が壁だと思っていたそれは、竜だった。かなりのサイズだ。
レミはこんなサイズの竜を俺なら倒すのが簡単だとでも?
一体俺を何だと思っているんだ。
その竜をバネジャンプでよく見てみると……直列に四種の頭がある変わった形をした
全長五十メートルはあろうかという竜だった。
「これが クアドロプルドラゴン……だよな。トウマより大きいとは。こりゃ強敵だぞ……」
「人間がここに、何をしにきた!」
「喋る個体か。相当知識が高い。だが……それならば話し合いを……」
「ぐわぁおぁーーーー!」
いきなり炎のブレスで先制攻撃をしてくる! しかも四首全てから直線に高さをずらしての攻撃。
一直線の分厚さは十メートル以上ある。まずい!
「切り裂け! 黒星の鎌!」
剣戒をする暇がなかったので、慌てて黒星の鎌で切り裂く。ギリギリ間に合って
回避することが出来たが、危なかった。
「おい待て。少し話をさせろ!」
「人間如きと対話して何になる。全て滅べばよいのだ」
「落ち着け。なぜ人間を滅ぼす。なぜ人間の居住地を荒らす」
「ぐわぁおぁーーーー!」
「くそ、聞く耳持たないか。剣戒! 赤閃!」
今度はブレスの予測が出来たので、コラーダを出し、斬撃で凌ぐ。
気性が荒いし相当な人間への敵対心っぷりだ。
どうにか鎮めないと……。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
女王直属女体拷問吏
那羽都レン
ファンタジー
女王直属女体拷問吏……それは女王直々の命を受けて、敵国のスパイや国内の不穏分子の女性に対して性的な拷問を行う役職だ。
異世界に転生し「相手の弱点が分かる」力を手に入れた青年セオドールは、その能力を活かして今日も囚われの身となった美少女達の女体の弱点をピンポイントに責め立てる。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる