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第四章 メルザの里帰り
第三百九十七話 キンキドゥ洞窟内
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俺たちはゆっくり洞窟内に入っていく。中は結構暗いが、見渡せないというほどじゃない。
「ふうむ、少し日が沈みかけている影響でだいぶ暗い。ここは一つ……」
「光斗! 俺様またこの役かよー」
「何ぃ! 娘よ! 貴様そのような術を!? わてと結婚しろ!」
「俺様もう結婚したぞ?」
「ああ、言い忘れてた。メルザは俺の嫁になったんだ。こないだだけど」
「何ぃ! 弟よ! それはめでたい! 兄であるわての嫁も探すのだ!」
「えーっと、善処します。それより……ターゲットに反応があるってことは、モンスターだよな。
こんなとこで常闇のカイナに奇襲でもされたらきつい」
「それは大丈夫だろう。この洞窟は比較的見晴らしがいい! 悪さをするには向かん洞窟だぞ!」
「前方……きます。ここは私がやりましょう。前方を埋め尽くすほどの斬撃であれば相手が何でも関係
無い。アニヒレーションズ!」
六剣による無数の斬撃。あの技、俺にも出来ないかな……クリムゾンもあれを使っていた。
幻魔人の特殊技か何かか?
「む……これは参りましたね。どうやら居たのは厄介な相手だったようです」
「な……あれは! ターフスキアーか!?」
闇に蠢いていたのは小さいターフスキアー。そう、俺の仲間でいうところのター君ぽい奴だ。
厄介なんてもんじゃない。何せ物理攻撃がほぼ無効化される相手だ。
エレギーたちはよく抜けてこれたな。ターフスキアーだから光には弱い……からか?
そうすると発光する電気にも弱い……か。
「ジェネスト。下がれ。相性的にはメルザ、やレウスさんの方がいい。だが……洞窟内で可燃性の
技は使いたくないな……さて、どうするか。ター君なら氷塊のツララも使用するだろう。
手強いぞ。油断するなよ」
「火は使っちゃだめなのか?」
「相手が使用するのを確認してからだ。ガスなんかがたまってる事はないだろうが、他のモンスターを
呼び寄せる可能性が一番高いのも火だ。封剣!」
「にゅいーん。てぃーちゃん参上でごじゃろ」
「ティソーナ。ああいうやつ相手だとお前って役立たずか?」
「何を言うでごじゃろ! 役立たずなわけないでごじゃろ! 失敬でごじゃろ! 御前が
もっとも苦手とする雷撃。このてぃーちゃんに使わせる算段でごじゃろ?」
「勘が鋭い。あおってもダメか。エレギー、雷撃系魔法、使えたりしないか?」
「弟よ! 準備は出来ている! いくぞ! わての最大扇、雷斗!」
「ばっ、いきなり打つな! 後追いできるわけないだろ!」
「……」
「仕方ありません。囮は任せなさい。深淵、シャル、E、テトラ!」
エレギーがぶっ放した雷斗により、エレギーを攻撃対象として認識した三匹のターフスキアーが
エレギーに向かって迫ろうとするが、その行く手を初手で攻撃したジェネストが阻む。
ナイトのように構えてはいるが、盾などがあるわけではないし、ジェネストは物理よりのアタッカー
だろう。
「メルザ。光の矢みたいな幻術、放てたりしないか?」
「光の矢って、あのエプタってやつが使ってた見えない矢みえないで突き刺さってた矢みたいなやつか?」
「そうだ。そんな都合がいい幻術、さすがにないか……俺、ター君倒せたのってたまたま持ってた
モンスターの影響なんだよなぁ」
シャドウ系統のモンスター相手へ行える攻撃手段が乏しい。
あの時は確か爆発系のモンスターだった。こんな洞窟で爆発系統を使用すれば生き埋めは確実。
ジェネストが引き付けてくれてはいるが、このままじゃジリ貧だ。
「やっぱここはエスパーダケマルとか、最悪リーサルレデク・ルージュか……」
「だめだぞルイン。まだ洞窟に入って全然たってねーじゃねーか」
「わてにいい考えがある。弟よ! こっちへきてわてを後ろからつかめ!」
「ちょっと嫌なんですけど」
「何を言っている! 早くしろ! あの仮面の娘がモンスターの嫁になる前に!」
「ならんだろ……あいつはブレディー一筋だぞ……人形だけど」
とりあえず言われた通りエレギーに近づき背後に回る。
肩にぽんと手をおいてみた。
「こうでいいか?」
「よし、いくぞ! 兄弟合体! ブラザートルネードーーー!」
「ちょ、まわ、回る? うおーー、気持ち悪」
「さぁ娘よ! 我らに更なる強風を与え敵に打ち付けるのだ!」
「気持ち悪ーーー、目が回るってこんな感じかーー!」
「ルインーーー! よし、風臥斗……一、二、三層風臥斗!」
グルグルと竜巻を上げながら俺とエレギーが相手へと突進していく。
とっさに気付いたジェネストは、メルザの方まで後退する。
ターフスキアーたちは竜巻に向けて術を放つがまったく効果がでない。
そのままターフスキアー三体に向けて突撃して吹き飛ばした!
……そして俺とエレギーも吹き飛んでいった。
「もっと後先考えて技を使えーーーーー!」
「弟よぉーーーーー! すまんーーーー!」
「ふうむ、少し日が沈みかけている影響でだいぶ暗い。ここは一つ……」
「光斗! 俺様またこの役かよー」
「何ぃ! 娘よ! 貴様そのような術を!? わてと結婚しろ!」
「俺様もう結婚したぞ?」
「ああ、言い忘れてた。メルザは俺の嫁になったんだ。こないだだけど」
「何ぃ! 弟よ! それはめでたい! 兄であるわての嫁も探すのだ!」
「えーっと、善処します。それより……ターゲットに反応があるってことは、モンスターだよな。
こんなとこで常闇のカイナに奇襲でもされたらきつい」
「それは大丈夫だろう。この洞窟は比較的見晴らしがいい! 悪さをするには向かん洞窟だぞ!」
「前方……きます。ここは私がやりましょう。前方を埋め尽くすほどの斬撃であれば相手が何でも関係
無い。アニヒレーションズ!」
六剣による無数の斬撃。あの技、俺にも出来ないかな……クリムゾンもあれを使っていた。
幻魔人の特殊技か何かか?
「む……これは参りましたね。どうやら居たのは厄介な相手だったようです」
「な……あれは! ターフスキアーか!?」
闇に蠢いていたのは小さいターフスキアー。そう、俺の仲間でいうところのター君ぽい奴だ。
厄介なんてもんじゃない。何せ物理攻撃がほぼ無効化される相手だ。
エレギーたちはよく抜けてこれたな。ターフスキアーだから光には弱い……からか?
そうすると発光する電気にも弱い……か。
「ジェネスト。下がれ。相性的にはメルザ、やレウスさんの方がいい。だが……洞窟内で可燃性の
技は使いたくないな……さて、どうするか。ター君なら氷塊のツララも使用するだろう。
手強いぞ。油断するなよ」
「火は使っちゃだめなのか?」
「相手が使用するのを確認してからだ。ガスなんかがたまってる事はないだろうが、他のモンスターを
呼び寄せる可能性が一番高いのも火だ。封剣!」
「にゅいーん。てぃーちゃん参上でごじゃろ」
「ティソーナ。ああいうやつ相手だとお前って役立たずか?」
「何を言うでごじゃろ! 役立たずなわけないでごじゃろ! 失敬でごじゃろ! 御前が
もっとも苦手とする雷撃。このてぃーちゃんに使わせる算段でごじゃろ?」
「勘が鋭い。あおってもダメか。エレギー、雷撃系魔法、使えたりしないか?」
「弟よ! 準備は出来ている! いくぞ! わての最大扇、雷斗!」
「ばっ、いきなり打つな! 後追いできるわけないだろ!」
「……」
「仕方ありません。囮は任せなさい。深淵、シャル、E、テトラ!」
エレギーがぶっ放した雷斗により、エレギーを攻撃対象として認識した三匹のターフスキアーが
エレギーに向かって迫ろうとするが、その行く手を初手で攻撃したジェネストが阻む。
ナイトのように構えてはいるが、盾などがあるわけではないし、ジェネストは物理よりのアタッカー
だろう。
「メルザ。光の矢みたいな幻術、放てたりしないか?」
「光の矢って、あのエプタってやつが使ってた見えない矢みえないで突き刺さってた矢みたいなやつか?」
「そうだ。そんな都合がいい幻術、さすがにないか……俺、ター君倒せたのってたまたま持ってた
モンスターの影響なんだよなぁ」
シャドウ系統のモンスター相手へ行える攻撃手段が乏しい。
あの時は確か爆発系のモンスターだった。こんな洞窟で爆発系統を使用すれば生き埋めは確実。
ジェネストが引き付けてくれてはいるが、このままじゃジリ貧だ。
「やっぱここはエスパーダケマルとか、最悪リーサルレデク・ルージュか……」
「だめだぞルイン。まだ洞窟に入って全然たってねーじゃねーか」
「わてにいい考えがある。弟よ! こっちへきてわてを後ろからつかめ!」
「ちょっと嫌なんですけど」
「何を言っている! 早くしろ! あの仮面の娘がモンスターの嫁になる前に!」
「ならんだろ……あいつはブレディー一筋だぞ……人形だけど」
とりあえず言われた通りエレギーに近づき背後に回る。
肩にぽんと手をおいてみた。
「こうでいいか?」
「よし、いくぞ! 兄弟合体! ブラザートルネードーーー!」
「ちょ、まわ、回る? うおーー、気持ち悪」
「さぁ娘よ! 我らに更なる強風を与え敵に打ち付けるのだ!」
「気持ち悪ーーー、目が回るってこんな感じかーー!」
「ルインーーー! よし、風臥斗……一、二、三層風臥斗!」
グルグルと竜巻を上げながら俺とエレギーが相手へと突進していく。
とっさに気付いたジェネストは、メルザの方まで後退する。
ターフスキアーたちは竜巻に向けて術を放つがまったく効果がでない。
そのままターフスキアー三体に向けて突撃して吹き飛ばした!
……そして俺とエレギーも吹き飛んでいった。
「もっと後先考えて技を使えーーーーー!」
「弟よぉーーーーー! すまんーーーー!」
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