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第四章 メルザの里帰り
第三百八十六話 メロン味のプリン その名もメリン 商品ルートの確保
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ルインが畑にいる頃――――海底第四層。
「置いていかれてしまった……一体俺に何かようか? オクトにエンネア……だったか」
「これから先、少々今のままでは厳しそうであったのでな。お主にはこの刀を授けてやろうと思った」
「我らを見事出し抜いた褒美……といったところだ。実にいい作戦であった」
「いいのか? 結果的に俺は負けてしまった。貰う資格など……」
「よいのだ。我らもまたエプタにしてやられた。今回の闘い、よき勉強になった。
スキアラの許へは我々がちゃんと送り届けよう。それよりどうだ、少し我らとも特訓せぬか?」
「一つだけ願いはある。聞くか聞かぬかはお主が判断するがよい」
「わかった。俺もそのまま向かえば足手まといとなるかもしれん。こちらからお願いしたいくらいだ」
そう告げると、二本の刀……それぞれ燃えるような赤と大地のような土色の刀を受け取る。
「ルービック、トパージオの刀。うまく使いこなして見せよ。その鎮めの一振りとやらはもう」
「ああ。師匠に貰った物だ。今までよく助けてくれたが限界のようだ。刀よ、感謝する」
「十分喜んでおるだろう。道具もまた使い手を選ぶものだ。あやつはまだティソーナに遊ばれておる
よづあがな」
「くっ。はっはっは。違いない。けどな。ルインならきっと使いこなすさ。今度会うまでに必ず……な」
――――――――
一方その頃ルインは……。
カカシの畑でかなりおいしそうなメロンが手に入ったので、それを使って菓子作りをすることにした。
前世では料理が趣味の一つだったため、様々な創作料理を作った。
中でも好きだったのがプリン。次いでパイ、さらに次いでティラミスだった。
材料が牛乳、卵、砂糖と簡単すぎるプリンのようなものはこの世界にもある。
というかどの世界にもあるか。
だが、メロン味のプリンぽいものはこの世界で見たことがない。
前世でも売ってはいるが、そうそう見かけなかった。
これはメロンが高級だからというのもあるだろう。
他にもカボチャプリンや抹茶プリン、イチゴプリンも悪くない。
魔法を筋肉とシュークリームでどうにかするキノコっぽい人とは別の方向性だ。
彼のように懐からいつでも取り出したら戦闘にならないので、ちゃんとアーティファクトの中に
収容しようと思う。俺の氷造形術もあるから保存は完璧だ!
「ぱーみゅ!」
「お、味見第一号はお前かパモ。メルザ好みの味かどうかは、散々一緒に食べてきたお前なら
わかるだろう。よーし、頼むぞ」
「ぱむー、ぱみゅぅ!」
「なんだって、もうちょっと甘味が欲しい? そうか、わかった。確かにメロンは甘味感が薄い。
そのまま食べると十分甘味もあるんだが、皮の方は苦みも強いんだよな。
だからお子様向けに作れず商品化が難しいってのはあるのか。うーん。こっちの妖牛クリームも若干
本物の牛よりは味が劣るし……さて、どうするか」
「あら、お菓子作ってるの? いい心がけじゃないのよ。どれどれ……」
ライラロさんが突如背後から来て味見をする。ほんとどっから鍵つけてくるんだあなたは。
ちょっと魔女っぽい恰好だとは思うけど。
ユニコーン魔女……いや悪くない。
魔法を使う女性はある意味みんな魔女なのか? つまり男は魔男。あまり聞かないフレーズだ。
「どうですか? メロン味のプリンでメリンって名前にしようと思うんですけど」
「……世界展開よ」
「はい?」
「これは世界に放出しなければならない商品だわ! ルーンの町名産にするのよ! いえ、ここは隠れた
秘境。ジャンカ村の名産にしましょう!」
「そうするとメロンの作成料をもっと増やさないと……ジャンカ村にメロンを作る場所を設けないと……」
「行ってくるわ!」
「ちょ、ライラロさん?」
あっという間にいなくなる。余程気に入ったのか。確かに美味しいけどまだ開発段階なんだよなー。
それに食べさせたいのはメルザなんだけど。あいつお腹空かせて起きてくるだろうし。
一応いくつかできたから、冷やしておいて俺も寝るとしよう。
片付けを終えてルーンの安息所を出ようとしたら、息せき切ってサラとライラロさんがやってくる。
「ぜぇ、ぜぇ。行って来たわ……手配は完璧。まずはカッツェルの町に下ろす事になったわよ……」
「これで……美味しいお菓子……取引……」
「二人とも、そんな短時間で色々手配してきたのか? 海底から戻ったばかりで疲れてそうなのに」
「甘い物ってのはね」
「女子にとっては特別なのよ!」
「……さっき物凄く争ってたのに仲よさそうだな……まぁいいか。ありがとう二人とも。俺ちょっと
休みに行くから。冷やしてあるの食べていいよ。メルザたちのは残しておいてくれ」
『やったー!』
喜ぶ二人を後にして、南側の宿屋街へ。戻るのが久しぶりで部屋の状況が危惧されるので、せっちゃん
のところへ泊めてもらうつもりだ。
メルザたちもこっちにいるのか? 寝るから覗くなって言われたけど、どこにいるか知らない。
この辺りは温泉もあるため、後々人の往来が増える事になる。今はまだこの町も多くの人は住んでいない。
だが今後もっと仲間が増えれば繁盛するだろうな。
「ふふっ食いしん坊メルザの、メリン王国……なんてのも、悪くないかもな」
「あーらいい男! いらっしゃーい。メルザちゃんの王国ですって? もうすでにここは天国だって
いうのに!」
「やぁせっちゃん。相変わらずだな。そう思ってもらえてるなら嬉しいよ。殆どムーラやカカシの
おかげだけどな」
「何言ってるのよ。あなたが考えた設計でしょ、これは! こんな町作りなんて、そうそう行えないわよ」
「ここはそもそも住んでいる者がいなかったから作りやすいんだよ。道の幅とか建物間隔なんかは
想定しやすいんだ。なんせここは権力や権欲に塗れた社会じゃない。形だけ平等をうたっている国じゃ
こうはいかないからな」
「そうね。私たちも三夜の町以外じゃとても暮らせなかったわ。だからここは天国なのよ。絶対に
守り抜いて見せるわ! それで、泊まってくのかしら? お金はいらないわよ」
「そうしよう。お金もちゃんと少しはもってる。そろそろ幻妖団メルの活動をして稼がないといけない。
ライデンのその後も含めてレンズに顔出ししたいところだが……地上の情報をルシアにお願いして
探っておこう」
「あら、ルシアちゃんは出かけたわよ。ドラディニア大陸にある拠点へ何か取りに行くって」
「そうか……後やらないといけないのは、ニーメとマーナに頼んで武具の調整と、ココットに
お土産を渡して、それからマァヤに魔術基礎を習い……メルザの里帰りかな。
はぁ……やること多いな、俺」
「そうね。だから今日はゆっくり休むといいわ。そうお願いされてるし……」
「ん? 何か言ったか?」
「何でもないわ! 部屋は二階の一番奥。食事、用意しておくわね」
「ありがとうせっちゃん。これ、少ないけどお金」
「多いわよ! 金貨じゃない、これ」
「いいんだよ。金なんてただの引換券だ。必要になればまた稼げばいい。ここには招来の不安やら
搾取される仕組みなんてない。本当はそういう世の中こそ、普通であるべきなんだ」
「それじゃ、もらっておくわね。セシルに頼んであなたの本当のお部屋の方は掃除させておくから」
「ああ、助かるよ。こういうさりげないフォローがあるからこそ、お金ってのは支払う価値が生まれて
くるんだよな……それじゃ」
部屋に入ると、相変わらずセサミの宿は綺麗だった。
「軋轢を生まない社会か……そんなの、一からよーいドンで始めないと難しいよな。
長く続けば続くほど、支配体制は軋轢を生みだしていく。教育でストレスを与え耐性をつけさせて
社会へ放出し、ねたんでも我慢できる社会つくり……か」
「そんな社会は嫌だよねぇ」
「ああ、そうだな……」
あれ、何か声が聞こえたような。
「置いていかれてしまった……一体俺に何かようか? オクトにエンネア……だったか」
「これから先、少々今のままでは厳しそうであったのでな。お主にはこの刀を授けてやろうと思った」
「我らを見事出し抜いた褒美……といったところだ。実にいい作戦であった」
「いいのか? 結果的に俺は負けてしまった。貰う資格など……」
「よいのだ。我らもまたエプタにしてやられた。今回の闘い、よき勉強になった。
スキアラの許へは我々がちゃんと送り届けよう。それよりどうだ、少し我らとも特訓せぬか?」
「一つだけ願いはある。聞くか聞かぬかはお主が判断するがよい」
「わかった。俺もそのまま向かえば足手まといとなるかもしれん。こちらからお願いしたいくらいだ」
そう告げると、二本の刀……それぞれ燃えるような赤と大地のような土色の刀を受け取る。
「ルービック、トパージオの刀。うまく使いこなして見せよ。その鎮めの一振りとやらはもう」
「ああ。師匠に貰った物だ。今までよく助けてくれたが限界のようだ。刀よ、感謝する」
「十分喜んでおるだろう。道具もまた使い手を選ぶものだ。あやつはまだティソーナに遊ばれておる
よづあがな」
「くっ。はっはっは。違いない。けどな。ルインならきっと使いこなすさ。今度会うまでに必ず……な」
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一方その頃ルインは……。
カカシの畑でかなりおいしそうなメロンが手に入ったので、それを使って菓子作りをすることにした。
前世では料理が趣味の一つだったため、様々な創作料理を作った。
中でも好きだったのがプリン。次いでパイ、さらに次いでティラミスだった。
材料が牛乳、卵、砂糖と簡単すぎるプリンのようなものはこの世界にもある。
というかどの世界にもあるか。
だが、メロン味のプリンぽいものはこの世界で見たことがない。
前世でも売ってはいるが、そうそう見かけなかった。
これはメロンが高級だからというのもあるだろう。
他にもカボチャプリンや抹茶プリン、イチゴプリンも悪くない。
魔法を筋肉とシュークリームでどうにかするキノコっぽい人とは別の方向性だ。
彼のように懐からいつでも取り出したら戦闘にならないので、ちゃんとアーティファクトの中に
収容しようと思う。俺の氷造形術もあるから保存は完璧だ!
「ぱーみゅ!」
「お、味見第一号はお前かパモ。メルザ好みの味かどうかは、散々一緒に食べてきたお前なら
わかるだろう。よーし、頼むぞ」
「ぱむー、ぱみゅぅ!」
「なんだって、もうちょっと甘味が欲しい? そうか、わかった。確かにメロンは甘味感が薄い。
そのまま食べると十分甘味もあるんだが、皮の方は苦みも強いんだよな。
だからお子様向けに作れず商品化が難しいってのはあるのか。うーん。こっちの妖牛クリームも若干
本物の牛よりは味が劣るし……さて、どうするか」
「あら、お菓子作ってるの? いい心がけじゃないのよ。どれどれ……」
ライラロさんが突如背後から来て味見をする。ほんとどっから鍵つけてくるんだあなたは。
ちょっと魔女っぽい恰好だとは思うけど。
ユニコーン魔女……いや悪くない。
魔法を使う女性はある意味みんな魔女なのか? つまり男は魔男。あまり聞かないフレーズだ。
「どうですか? メロン味のプリンでメリンって名前にしようと思うんですけど」
「……世界展開よ」
「はい?」
「これは世界に放出しなければならない商品だわ! ルーンの町名産にするのよ! いえ、ここは隠れた
秘境。ジャンカ村の名産にしましょう!」
「そうするとメロンの作成料をもっと増やさないと……ジャンカ村にメロンを作る場所を設けないと……」
「行ってくるわ!」
「ちょ、ライラロさん?」
あっという間にいなくなる。余程気に入ったのか。確かに美味しいけどまだ開発段階なんだよなー。
それに食べさせたいのはメルザなんだけど。あいつお腹空かせて起きてくるだろうし。
一応いくつかできたから、冷やしておいて俺も寝るとしよう。
片付けを終えてルーンの安息所を出ようとしたら、息せき切ってサラとライラロさんがやってくる。
「ぜぇ、ぜぇ。行って来たわ……手配は完璧。まずはカッツェルの町に下ろす事になったわよ……」
「これで……美味しいお菓子……取引……」
「二人とも、そんな短時間で色々手配してきたのか? 海底から戻ったばかりで疲れてそうなのに」
「甘い物ってのはね」
「女子にとっては特別なのよ!」
「……さっき物凄く争ってたのに仲よさそうだな……まぁいいか。ありがとう二人とも。俺ちょっと
休みに行くから。冷やしてあるの食べていいよ。メルザたちのは残しておいてくれ」
『やったー!』
喜ぶ二人を後にして、南側の宿屋街へ。戻るのが久しぶりで部屋の状況が危惧されるので、せっちゃん
のところへ泊めてもらうつもりだ。
メルザたちもこっちにいるのか? 寝るから覗くなって言われたけど、どこにいるか知らない。
この辺りは温泉もあるため、後々人の往来が増える事になる。今はまだこの町も多くの人は住んでいない。
だが今後もっと仲間が増えれば繁盛するだろうな。
「ふふっ食いしん坊メルザの、メリン王国……なんてのも、悪くないかもな」
「あーらいい男! いらっしゃーい。メルザちゃんの王国ですって? もうすでにここは天国だって
いうのに!」
「やぁせっちゃん。相変わらずだな。そう思ってもらえてるなら嬉しいよ。殆どムーラやカカシの
おかげだけどな」
「何言ってるのよ。あなたが考えた設計でしょ、これは! こんな町作りなんて、そうそう行えないわよ」
「ここはそもそも住んでいる者がいなかったから作りやすいんだよ。道の幅とか建物間隔なんかは
想定しやすいんだ。なんせここは権力や権欲に塗れた社会じゃない。形だけ平等をうたっている国じゃ
こうはいかないからな」
「そうね。私たちも三夜の町以外じゃとても暮らせなかったわ。だからここは天国なのよ。絶対に
守り抜いて見せるわ! それで、泊まってくのかしら? お金はいらないわよ」
「そうしよう。お金もちゃんと少しはもってる。そろそろ幻妖団メルの活動をして稼がないといけない。
ライデンのその後も含めてレンズに顔出ししたいところだが……地上の情報をルシアにお願いして
探っておこう」
「あら、ルシアちゃんは出かけたわよ。ドラディニア大陸にある拠点へ何か取りに行くって」
「そうか……後やらないといけないのは、ニーメとマーナに頼んで武具の調整と、ココットに
お土産を渡して、それからマァヤに魔術基礎を習い……メルザの里帰りかな。
はぁ……やること多いな、俺」
「そうね。だから今日はゆっくり休むといいわ。そうお願いされてるし……」
「ん? 何か言ったか?」
「何でもないわ! 部屋は二階の一番奥。食事、用意しておくわね」
「ありがとうせっちゃん。これ、少ないけどお金」
「多いわよ! 金貨じゃない、これ」
「いいんだよ。金なんてただの引換券だ。必要になればまた稼げばいい。ここには招来の不安やら
搾取される仕組みなんてない。本当はそういう世の中こそ、普通であるべきなんだ」
「それじゃ、もらっておくわね。セシルに頼んであなたの本当のお部屋の方は掃除させておくから」
「ああ、助かるよ。こういうさりげないフォローがあるからこそ、お金ってのは支払う価値が生まれて
くるんだよな……それじゃ」
部屋に入ると、相変わらずセサミの宿は綺麗だった。
「軋轢を生まない社会か……そんなの、一からよーいドンで始めないと難しいよな。
長く続けば続くほど、支配体制は軋轢を生みだしていく。教育でストレスを与え耐性をつけさせて
社会へ放出し、ねたんでも我慢できる社会つくり……か」
「そんな社会は嫌だよねぇ」
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