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第三章 舞踏会と武闘会
第三百七十話 第三第四試合混合 バトルロイヤル 幻神魔対妖神魔対野生
しおりを挟む俺たちの状況を見て、ドーグルが解説を始めた。
「わら一人になってしまったが解説を続けよう。三者三用独特の形態だ。
わらの知る限りの知識と、冷静に手助けをしてくれるブネ殿の知識を借りて説明していこう」
「本当にあの娘は仕方のない。乱入などと……まぁよい。
まずジェネストからだ。あれは幻魔人形。海星神様とは別の絶対神により創造されたディーンが
生み出したもの。過去の幻魔人をベースに構築されている。現形態は幻神魔。
神魔の神とは神経構造の神の事だ。間違えるでないぞ。とはいえ神に近しい力であり、神格として
位がわけられるがな」
「つまり神経構造に大幅な改変を行い、能力を飛躍的に向上させるということか」
「そうだ。お主、飲み込みがはやいな。次にベリアールであるルイン。
あやつの形態は神魔及び妖魔の真化を兼ね合わせ、更に獣落ちした能力を合わせおった。
実に器用なやつだ。ときにお主、魔族とは何なのかを知っておるか」
「わらの記憶では、神から落ちた者、或いは神としての暮らしを嫌い人の血を分けたもの、或いは
突然変異、或いは実験のなれの果てという認識だが」
「おおむねあっている。魔と悪を混合するものも多いが、魔とは悪ではない。
悪だくみに長けるのは人も神も魔もその者の性格次第だろう」
「それは理解できるが、人は悪が多いとわらは認識しているが?」
「それに関しては何も言うまい。話がそれたな。それであのウェアウルフだが……あやつ
は間違いない。神の力が宿る者。以前何か契約をしたに違いない」
「それであんな姿になったのか。ルインの師と聞いているが只者ではないな。
既に全員姿が違う。一番原型を留めているのがジェネスト。ルインとベルディス殿はもはや別人だ」
「特にあのベルディスという者。あの毛並み、実に美しい。一本一本が銀色で逆立ち、まるで波を
うっているようだ」
「ルインは真っ赤に燃えるようだな。あの形態ではまるで炎の化身のようだ」
「ベリアールはそもそもが炎を身にまとう者だ。しかし本来のあやつが得意とするのは水や氷などの
術だろう。一体どういう攻撃を繰り出すのか、楽しみではないか」
――――俺たちの状況を客観的に見てドーグルとブネが解説する。
師匠の新形態には参った。俺もこの形態になって日が浅く、また、なれる時間も短い。
対するジェネストはどう考えても神魔解放なれしている。
状況を見てのオンオフがスムーズだ。
それより……おっかないのは師匠。どこ攻撃してもあの銀色の体毛がはじいてしまいそうだな。
さて、様子見したいところだが……そうも言ってられないな!
「よそ見とは余裕ですね! 終焉に見舞え! シャル・イー・テトラ!」
「悪いな。レピュトの手甲もあるんでね! 手数じゃ負けないぜ!
エスパーダケマル!」
「ちっ。厄介な技を習得している。以前とは別人か」
「おい二人とも。おめぇらで潰し合う前によ……まずは俺を狙いやがれやー--!」
「うおおおー-! 赤星の吸盾!」
「く……何という衝撃。咆哮しただけでここまで……」
師匠の全身からバチバチと稲妻のようなものが見える。間違いなくあの形態はやばい。
俺は剣を師匠へ向けて構え直し、いつでも動けるようにした……はずだったが!
「ぐ……あ、速……」
「おらぁ! まだまだいくぜぇ!」
「深淵、シャル、ディー、ヘキサセイ……」
「おせぇ! 牙重激雷掌!」
「ああああー---!」
俺の腹に一撃決めた師匠を後ろから狙ったジェネスト。だが、斧を下ろし反対の手を振るった
だけで電撃が放出されジェネストを貫く。
なんて強さだ。今まででも反則的な強さだったのに、桁違いだ。
しかしジェネストが攻撃をしかけたおかげでどうにか多少の隙ができ、その際に獣戦車形態となり
その場を離脱する。
「へぇ、おもしれぇ形だな。それもおめぇの新しい技かよ。一撃で倒れんじゃねえぞ!
牙重破力掌砕!」
「うおおお、この戦車形態が圧される! あああ! カタストロフィ!」
「おっと、斧重烈撃! ……危ねぇ技も備えてるじゃねえか」
「負けません! アニヒレーションズ!」
「連斬はいいが雷撃に弱ぇぇ! 牙重雷包破!」
俺のカタストロフィを斧重裂撃で方向をそらし、ジェネストの無数の連撃を電撃が走る。
それはかみ砕く牙のように広がる電で、斬撃を包み込むようにかき消した。
威力、数のせめぎ合いだが、俺とジェネストの攻撃タイミングが合わさっても防がれてしまう。
やはり師匠は凄まじく強い! だが……負けるわけにはいかない。決着をつけよう。
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