上 下
414 / 1,085
第三章 舞踏会と武闘会

第三百六十話 続第三試合 巻き込まれた戦い 

しおりを挟む
「大臣の休出に失敗した王子と姫と馬。しかし洞窟の騒動で手薄になったところを運よく逃げた
大臣、バルンバルンバベロベロバース三十二世は無事、あなたたちと合流することを成し遂げる。
彼の話によると、この所業はサンドラ国とムンドラ国の仲を裂こうとする、サンドラ国側の大臣による
計略だと判明した」
「……おい。絶対当たらないだろ、大臣の名前」
「ばる……なんだっけ? 俺様おぼえれねーよ」
「きっと前世の三十一世までは叩きのめされたのよ」
「王子、助けにきてくれたんじゃな! わしゃもうだめかと思ったわい」
「うわ、突然現れたよ……違う意味でダメだろあんたは! ……その恰好でメルザとか、俺でも怒るぞ」
「ふん!」
「ぐえ! これはまた随分とファーフナーも機嫌が悪いですな」
「なぁなぁ爺さん。どーしたらあの三人とまともにやりあえるんだ? 俺様腹減ったよー」
「何を言っておりますやら。さぁ姫様の国に参りましょうぞ」
「おい、ちょっといいか、大臣」
「何ですかな、王子」
「いや、どうやって俺たちを見定め、行動を監視してるのか気になってさ」
「どういうこと? 物語を進めれば私たちの勝ちじゃないの?」
「それって結局この大臣の言う事を全て聞くってことしか方法ないよな」
「あー、そういえばそうだな。つまりその爺さんに……勝てばいいのか?」

 メルザらしいといえばらしいがそうじゃないだろ! 

「そうじゃなくてこの爺さんにあの三人と戦わせるように言わせればいいんじゃないか?」
「そうか、物語をこの爺さんに作らせればいいってことね」
「何を言ってるのじゃ? 王子、ちゃんと話してくれませんと」
「決着をつけたい。サンドラ国とムンドラ国の運命を三対三の試合で」
「ほかならぬ王子の頼みであれば……ええと、なんでしたかのう。サンドラ国と
ムンドラ国の運命を三対三対三で正式な試合をし、決めたい……と。使者を送りますじゃ」
「おい! それはまずいだろ! なんで三が一個多いんだよ!」

「あなたたちは大臣を救い出したが、捕まっていた大臣の提案により
サンドラ国とムンドラ国の運命を試合という形で決める選択を提案され、それを承諾する。
本来姫を送り届けるべきサンドラ国側から、屈強な兵士たちがやってくる。
これら六人を見事打ち倒せば、姫との結婚を即座に行い、両国を一つの国とする……と」

  再び声が鳴り響いた。ディオの声だ。

「俺様、もう結婚したぞ?」
「作中でも結婚するってこと? 私馬よ? 酷くない?」

「このようナ道ヲ選ぶとハ。お前たちの勇気に敬意ヲ表ス」
「おい! ディオ! それにトゥリスか!? そんなのありか!」
「いいんじゃねーか。わかりやすいし」
「さっさと倒してこの茶番終らせてやりましょう!」
「しかしな。リーサスレデクすら使っちゃったしなぁ。少し休憩したいんだけど」

 多少は休めたが大技を使い過ぎた。これで強敵だったらと思うと……はぁ。
 それでもメルザやファナは温存されてるし、どうにかなるか。

 ふっと場面が変わり……あれ、武闘会に戻った? 周りのみなも突然現れた俺たちに
かなり驚いている。

「やっと戻って来たわ! 一体どこいってたの? 対戦者も見当たらないし!」
「司会の意味が全くなかったではないか。ちみらは本当にもう」
「ふふふ。そうなったか。いいね」
「マミムメモマミムメモ、ヤ、ユ、ヨー! 物語の結末は、こ、ち、ら!」

 エーナが指をぱちりとすると……俺たちの目の前に六人が現れる。これもまだ、物語の続きの効果か。
 そして……俺たちがいる側に太陽のようなマークの国旗が、そして相手側には三日月のような国旗がある。
 ゲンドールに月はない。俺以外はよくわからないマークに見えるだろうな。
 そして対戦相手を……みたくなかった。

「なぁ。やっぱり俺様たちやばいかも」
「そうね。やばいわ。とってもやばいわね。今からでも遅くないから取り消しましょう」
「……頼むよディオ。取り消してくれーーーー!」

 俺たちの目の前には……Cチームのイーファ、ベルディア、ジェネストそして……
Dチーム、ハーヴァル、イビン、シーザー師匠がいた。

「マミムメモマミムメモヤ、ユ、ヨーし! 三対三対三、三つ巴の戦いがはっじまっるよー!」
「このバトルロイヤル、本当にやるつもりか!?」

 嬉しそうなエーナの声と辺り一面から驚きの声が沸き上がっていた。
 本当にやるの? ていうかエーナたち、戦ってなくないか!? 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

クラス転移、異世界に召喚された俺の特典が外れスキル『危険察知』だったけどあらゆる危険を回避して成り上がります

まるせい
ファンタジー
クラスごと集団転移させられた主人公の鈴木は、クラスメイトと違い訓練をしてもスキルが発現しなかった。 そんな中、召喚されたサントブルム王国で【召喚者】と【王候補】が協力をし、王選を戦う儀式が始まる。 選定の儀にて王候補を選ぶ鈴木だったがここで初めてスキルが発動し、数合わせの王族を選んでしまうことになる。 あらゆる危険を『危険察知』で切り抜けツンデレ王女やメイドとイチャイチャ生活。 鈴木のハーレム生活が始まる!

錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成! この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。 戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。 これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。 彼の行く先は天国か?それとも...? 誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。 小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中! 現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

処理中です...