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第三章 舞踏会と武闘会
第三百五十七話 第三試合 捕まった大臣とハイエンドリッチー、アンビルスコーピオ、シャーマンソレム
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「地図を見た感じ……ここか?」
「けれど、洞窟っぽいのが三つあるわよ」
「ほんとだ。二個ぶっ壊せばいーのか?」
「そこに大臣いたら死ぬだろ……」
「けどよ、これってあいつの術なんじゃねーのか? さっきのやつらもなんか実体なかったし」
「……だめだ、さっきから何度も伝えようとしてたことがあるんだが、どうしても頭がぼやける。
これもエーナの力か……ある意味恐ろしい力だな」
「ルイン、大丈夫? あの女になにかしかけられたの?」
「いや、これは領域に近いものなんだろう。この空間にいる間、情報への制限がかかっている
に違いない」
「それは困ったわね。それで……ルインはどうしたらいいと思うの? 放っておくとメルザが
何でも壊してしまうわよ? あの子、暴れたりないみたいだし」
「俺様ぜんぜん活躍してないからな! さっさと倒して優勝しちゃおーぜ!」
「それはごもっともだ。何かヒントになるようなものは……洞窟に名前が書いてあるぞ」
よく見ると一つ一つ、名前が掘られている。これをヒントにして選べばいいのか。
「バルンバルンバベロベロバース三十二世の洞窟、ペロリーノ三世の洞窟、マミムメモ
ヤユヨ一世の洞窟……よしこれだ。これにしてファナにでも一発殴ってもらおう」
俺たちはマミムメモヤユヨ一世の洞窟に突撃した。
そもそも大臣の名前なんて知らない。二番目の洞窟が妥当とは思うが、あの大臣も大概だったので
もうここでいいことにした。
洞窟に踏み入ると、久しぶりに声が聞こえだす。
「大臣を助けに向かう三人。洞窟に入るとすぐ、おかしな三人組を見かける。
その三人はみるみる魔物の姿へと変貌した。そこから先へ進むには、魔物を倒すしか道はない」
「くそ、選択を間違えると強制的にディオの制裁を受けるのかよ……二人とも、ここは
俺がやる」
現れた魔物は見たことが無いやつらだ……こちらにはまだ気づいていない。
……あれはもしかして、リッチーか!? だとしたら相当手ごわい。
それに残る二匹は……毒をもっていそうな巨大なサソリ型とすばしっこそうな小さい奴だ。
「……思ったより強敵かもしれない。二人とも下がってろ!」
「俺様も一緒に……いや、わかったよ。あっちで見てるから」
「そうね。頼れる旦那様の姿、みたいわよね、うふふ」
「そう言われるとちょっと照れるんだが……いい加減こいつを使ってみないと
実感わかなくてな。封剣! 出てこいティソーナ!」
「にゅいーん。てぃーちゃん登場でごじゃろ。てぃーちゃんと呼べと言ったでごじゃろ」
人差し指と薬指で右手から引き出した伝説の剣。
いよいよこいつの出番だが……もしかするとこいつは、戦闘経験が豊富だろうし
相手の力量もわかるのでは? アナライズするのも手だが、情報がもらえるならありがたい。
「ティソーナ。あの魔物の名前とか、わかるか?」
「当然でごじゃろ? ハイエンドリッチー、アンビルスコーピオ、シャーマンソレムでごじゃろ」
「ハイエンドリッチーだと!? かなりの強敵だよな……」
「それでも一人で戦うつもりでごじゃろ? それなら一つだけ技を教えるでごじゃろ。
今の御前に使いこなせるかわからないでごじゃろ」
「構わない……というのも今後の試合、お前の力無くして勝てるとは思えない。それに
勝ったらどうしてもイネービュに願いたいことがあるんだ」
どうしても勝たないといけない理由がある。そのために武闘会へ出場しているようなものだ。
みんな戦闘好きというのもあるかもしれないが、もしかしたら何人かはそれぞれの願いがある
のではと思う。相手は絶対神。どこまでできるのかはわからないが、それ相応の力がある
神であることは間違いないだろう。
「それじゃ、あいつらが動き出す前に教えてやるでごじゃろ。
加護は受けたでごじゃろ? コラちゃんとの共鳴はまず……」
「……わかった。試してみるよ。剣戒!」
二本の剣を携えて、初めてのティソーナを振るう準備が整った。
「けれど、洞窟っぽいのが三つあるわよ」
「ほんとだ。二個ぶっ壊せばいーのか?」
「そこに大臣いたら死ぬだろ……」
「けどよ、これってあいつの術なんじゃねーのか? さっきのやつらもなんか実体なかったし」
「……だめだ、さっきから何度も伝えようとしてたことがあるんだが、どうしても頭がぼやける。
これもエーナの力か……ある意味恐ろしい力だな」
「ルイン、大丈夫? あの女になにかしかけられたの?」
「いや、これは領域に近いものなんだろう。この空間にいる間、情報への制限がかかっている
に違いない」
「それは困ったわね。それで……ルインはどうしたらいいと思うの? 放っておくとメルザが
何でも壊してしまうわよ? あの子、暴れたりないみたいだし」
「俺様ぜんぜん活躍してないからな! さっさと倒して優勝しちゃおーぜ!」
「それはごもっともだ。何かヒントになるようなものは……洞窟に名前が書いてあるぞ」
よく見ると一つ一つ、名前が掘られている。これをヒントにして選べばいいのか。
「バルンバルンバベロベロバース三十二世の洞窟、ペロリーノ三世の洞窟、マミムメモ
ヤユヨ一世の洞窟……よしこれだ。これにしてファナにでも一発殴ってもらおう」
俺たちはマミムメモヤユヨ一世の洞窟に突撃した。
そもそも大臣の名前なんて知らない。二番目の洞窟が妥当とは思うが、あの大臣も大概だったので
もうここでいいことにした。
洞窟に踏み入ると、久しぶりに声が聞こえだす。
「大臣を助けに向かう三人。洞窟に入るとすぐ、おかしな三人組を見かける。
その三人はみるみる魔物の姿へと変貌した。そこから先へ進むには、魔物を倒すしか道はない」
「くそ、選択を間違えると強制的にディオの制裁を受けるのかよ……二人とも、ここは
俺がやる」
現れた魔物は見たことが無いやつらだ……こちらにはまだ気づいていない。
……あれはもしかして、リッチーか!? だとしたら相当手ごわい。
それに残る二匹は……毒をもっていそうな巨大なサソリ型とすばしっこそうな小さい奴だ。
「……思ったより強敵かもしれない。二人とも下がってろ!」
「俺様も一緒に……いや、わかったよ。あっちで見てるから」
「そうね。頼れる旦那様の姿、みたいわよね、うふふ」
「そう言われるとちょっと照れるんだが……いい加減こいつを使ってみないと
実感わかなくてな。封剣! 出てこいティソーナ!」
「にゅいーん。てぃーちゃん登場でごじゃろ。てぃーちゃんと呼べと言ったでごじゃろ」
人差し指と薬指で右手から引き出した伝説の剣。
いよいよこいつの出番だが……もしかするとこいつは、戦闘経験が豊富だろうし
相手の力量もわかるのでは? アナライズするのも手だが、情報がもらえるならありがたい。
「ティソーナ。あの魔物の名前とか、わかるか?」
「当然でごじゃろ? ハイエンドリッチー、アンビルスコーピオ、シャーマンソレムでごじゃろ」
「ハイエンドリッチーだと!? かなりの強敵だよな……」
「それでも一人で戦うつもりでごじゃろ? それなら一つだけ技を教えるでごじゃろ。
今の御前に使いこなせるかわからないでごじゃろ」
「構わない……というのも今後の試合、お前の力無くして勝てるとは思えない。それに
勝ったらどうしてもイネービュに願いたいことがあるんだ」
どうしても勝たないといけない理由がある。そのために武闘会へ出場しているようなものだ。
みんな戦闘好きというのもあるかもしれないが、もしかしたら何人かはそれぞれの願いがある
のではと思う。相手は絶対神。どこまでできるのかはわからないが、それ相応の力がある
神であることは間違いないだろう。
「それじゃ、あいつらが動き出す前に教えてやるでごじゃろ。
加護は受けたでごじゃろ? コラちゃんとの共鳴はまず……」
「……わかった。試してみるよ。剣戒!」
二本の剣を携えて、初めてのティソーナを振るう準備が整った。
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