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第三章 舞踏会と武闘会

第三百五十三話 第三試合 メルザ、ルイン、ファナ対エーナ、ディオ、トゥリス戦開始

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「……この盛り上がりの無い終わり方、どう払しょくしてくれるのかしらね」
「そうだな。最後があまりにも悲しい終わり方であった。ベルドと……武闘会場にいる兄弟たちが
心配であろう」
「それにベルディアもね。大丈夫かしら……けれど司会をやってる以上次にいかなくちゃ! 
もう少しでベルディスの試合だし!」
「いや、その前にルインの試合があるのだぞ」
「そうだったわね! ちゃちゃっと終わらせてベルディスの舞台を温めておきなさいよ!」

 無茶ぶりのライラロさんの司会で俺たちは対戦場所へ上がる。
 負けてしまった三人に声をかけても、今は辛くなるだけだ。
 メルザとファナはミリルにしばらく抱き着いていたが、男の俺はやることが決まっている。

 勝つことだ。それだけで十分応えられる。

「こっからは遠慮しなくでいいだろ。二振りで一つの剣。ティソーナとコラーダ。
その力を見せてもらおうか」
「眠いでごじゃろ」
「……お前、一体何時間寝たら眠くなくなるんだ?」
「しょうがないでごじゃろ? 麿が覚醒するほどの相手が使用者じゃないでごじゃろ」
「つまり、俺のせいでこんなに寝こけてるってのか?」
「そうでごじゃろ」
「……どうしたらうまく使えるんだ、これ。イーファか……ブレディーにでも聞きたいな」

 今のところまるで使い方がわからないティソーナ。ブネにも聞いたが答えは一言。
 自分で考えろ。ですよねー。

「さて、それじゃ第三試合! ルイン、メルザ、ファナ対エーナ、ディオ、トゥリス!」
「まぁ、みんなで、難しく考えず、滅多うちにして、悶えさせてあげよう。ヤ、ユ、ヨろしくね!」
「対話こそ全て。人が定め~逃れるには途方もない変革が必要だ」
「律すルは自ラの理なリ。敗北シ学ベ。ヌシの奥底ニ眠ルべき力ヲ」

 三者三用独特な喋り方だが、第一、第二、第三の試練。戦闘はしなかったから、どんな戦い方かまるで
わからない。試練の内容から予測するしかないので、メルザとファナには試練内容を伝えたが、さっぱり
わからないといった感じだった。

「なぁなl、俺様にはむずかしくてよくわからねーけどよ。あの姉ちゃん可愛いな」
「そうね。ちょっとだけ雰囲気メルザみたいね。変な喋り方だけど」
「エーナか。そーいやティソーナも可愛いとか言ってたな……しかし恐らくどいつも油断ならない
相手だろう」
「前の試合、見てた限りでは、どれも特殊な行動をとるわね。とはいっても、それは私たちも一緒かな」
「俺様もすげーがんばるぞ! いいか?」
「できれば二人の実力は伏せておきたいんだよな。ここで勝ったら多分、シーザー師匠
たちか、ジェネストたちとの勝負だろう?」
「そーいやそうだな。あのジェネストって相当強いだろ? 俺様あんま多くはみてねーけどよ」
「新しい仲間よね。仮面をつけてて表情はわからないけど。佇まいが美しいわね」
「俺はあいつにほぼ敗北したようなものだ。あいつはブレディーが造ったらしく、絶対的な忠誠を
ブレディーに誓っていた。シーザー師匠やベルローゼ師匠並みだろうけど……神魔解放した今、恐らく
ベルローゼ先生の方がシーザー師匠より上をいってるかもしれない。
とはいっても俺はシーザー師匠の本気を引き出せていないが」
「そういえば私たち、ベルディスとは別行動ばかりしていたものね」
「なぁ、もう始まりそうだぞ。ライラロ師匠が待ちきれなさそうだ」

 メルザが司会席を指さすので見てみると、自分も戦いたくなってきてしまったのか、ウズウズしている
のが見える。

「もうだめ、これ以上待てないわ! いいわよね? 言いに決まってるわね! それじゃ
試合開始よ!」
「全然よくないと思うのだが。選手全員がまだ準備中に見えるぞ」
「ふふふ、いつ攻撃し始めても構わないさ。何せ彼らは言葉を最大限利用する神の遣いたちなのだから」
「な、なんか始まっちゃったぞ! いーのか、攻撃しても」
「メルザ待て! どうみてもおかしい。あれじゃ攻撃してくれって言ってるようなものだ!」
「ルイン、それじゃ言ってた通り少し私たちは控えめにいくから。先手は任せたわ!」

 俺は相手をよくみて対峙する。
 こちらをまるで見ていないままだが、戦いを開始する雰囲気だけはある。

「剣戒! ……さて、ティソーナ戦闘初公開といこうか! 封剣! 出てこいティソーナ!」
「いやでごじゃろ」
「……」
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