異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー

紫電のチュウニー

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第三章 舞踏会と武闘会

第三百四十五話 第一試合 決着! 勝者は? 

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 サラが突如真化して、本来の妖魔としての姿を現す。
 美しくもエロい形態となったサラ。とても新婚がさらす恰好ではない。
 いや……エロいというより怖いです。
 さすがの遺伝子力……どことなくフェルドナージュ様に似ているからだ。

「余の妹よ。我が力となり敵を滅ぼせ」
「断る。童は夫の頼みしかきかぬ」
「……」
「……」
「これはどうしたのかしら? 変身したと思ったら、二人共硬直してにらみ合っているわ! 
危ない! 危ないって!」
「どうやら仲たがいしているように見えるぞ? 仲のいい兄妹に見えたのだが」


 おーい二人共何やってんだ!? 前! 前見ろ! って言っても黒星の鎌を余裕で躱してるぞ。
 リルは邪眼で見てるとしても、サラは何で回避できるんだ? 
 サラの真化は初めて見る。一体どんな能力があるのか。


「ちっ。この女の能力に関しては情報がないな。こいつでも知らん能力者か。こんな隠し玉
まで用意しているとは」
「五月蠅いのう。おとなしくしておれ。邪妖術混合、透技糸術縛りの舞」

 美しく舞い始めたサラ。洗練された動きに思わずみな見とれてしまう……が、その
サラと目があった。

「く……見えない術だと? 何かに縛られて動けん」
「余を縛るとは、一体何を考えている、妹よ」

 おいおい、どっちも縛っちゃったよ! 何してるの、ほんと! 
 でもこれで相手を落とせばリルたちの勝ち……と胸をなでおろしていた俺の目の前に
サラがいた。

「童の夫! 童の舞に見とれていたであろう! さぁ熱い抱擁とご褒美をたもれ!」
「あああああああーーー! 場外! なんで場外出てくるの! サラ! うぉい!」
「……あの子、真化してもルインばっかりね。やらかしたわ。確実に」
「この場合はどうなるのであろう。闘技場には縛られた者が二名。そして縛った本人は
場外であるな」

 だが、サラの新術をいち早く解き放ったのはリルだった! 
 術の仕組みを理解しいち早く見えない糸から離脱して一気にベルローゼ先生と化した
ペンデに近づいた。

「手間を取らせおって……はぁっ」
「ぐっ……神格化できれば……貴様なんぞに……」

 リルに拳を叩き込まれ、崩れ落ちた。


「これは、勝負ありね! ありよね?」
「ああ。勝者はリル、サラ、カノンたちだ。よく戦ったね」
「……足りぬ。余はまだ満足しておらぬ」
「やばい。神魔解放してないから暴走するんじゃないか、これ」
「さぁ早く次の者と戦わせろ。余は……」
「リルさん!」
「……まぁ後でよいか」

 あれ? 真化したリルを手名付けた? カノン、さすがだよ! 
 これで安心して真化出来るじゃないか。

「ところでサラ。いつまでそうしてるんだ? 多分兄にめちゃくちゃ怒られるぞ?」
「やーじゃやーじゃー!  ずっとこうしておるの! 童はもう真化を解かない!」
「疲労で死ぬって。滅茶苦茶疲れるだろ、その形態」
「だいたいそんなエロいのルインが好むと思えないっしょ」
「それもそうね。いくらスカートの丈を短くしても、見もしないんだから」

 やっぱり狙ってんだろお前ら! 目のやり場に困るんだよ! メルザを見習って
長いワンピースにしろってんだ! 

「ルインはこーいうのが好きみたいだぞ? 知らねーのか? ほら」

 メルザがそう言って俺は意表を突かれて赤くなる。
 確かにそうです。そういうのが好きです。メルザだからだけどな! 

「ふふふ、さて。次の試合に移ろうか。一試合目から随分と白熱してしまったからね。
ただ……次の試合はカードが悪い。持ってくれればよいのだが」
「……おいおい、随分な言われようだな。俺たちも決して弱くはないとおもうぞ」
「そうですわ。血のにじむような特訓に耐えてきたのよ」
「まぁ実力で証明しようじゃないか」
「そういう意味じゃないと思うんだが……多分あいつがいるからだ、気を付けろよ、三人共」

 そう、次の試合には……エプタ。あいつがいる。残忍ささえ見せた、人をどこか
憎んでいる神の遣い。要注意だ。
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