異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー

紫電のチュウニー

文字の大きさ
上 下
392 / 1,085
第三章 舞踏会と武闘会

第三百三十九話 武闘会開幕

しおりを挟む
 舞台が整い、第一試合前。
 ルーンの町から来た人たちも、かなり楽しみにしているようだ。
 町には訓練場もある。激しい特訓を目にする機会も多いのだろう。
 守ってくれるのが当たり前の世界ではない。だからこそ強くありたいと思う者は多い。
 大切な者を守りたい。そんな気持ちは誰もが持つ物だろうから。

「始まるわよ。楽しみね! 第一試合はBチーム、リル、サラ、カノン対
Gチーム、テーセラ、ペンデ、エークシよ。ほらレウスも司会しなさいよ」
「いいのか? リル坊やは真魔化すると強いぞ! サラはだはっ!」
「ねたばらししてどうすんのよもう! あっちが不利になるように話なさい!」

 ……司会がえこひいきしてどうするんだよ……はぁ、この抜擢はいささか失敗じゃなかろうか。
 けれど他に開設向きなやつが……ドーグルじゃだめだったのか? あっちでお茶すすってるな。
 
 ドーグルの許へ行き、司会に加わるように交渉してみた。
 先ほどの内容を聞いて、一つため息をついて、ドーグルは司会に加わってくれた。
 本当にいつもいつもすまない……ドーグルと出会えた俺は幸運だったよ。
 なにせうちのメンバーはボケ担当が多い。つっこみに回れるドーグルは貴重な戦力だ。

「コホン。ではわらが司会に混ざらせてもらう。いい試合が見れそうで何よりだったのだが、出来れば
ゆっくりみたかったのが本音だ」
「それはそうね。でも……喋りながらベルディスの試合が見れるなら本望よね!」

 レウスさんがちょっとしょげているが、すぐ立ち直るだろう……リル、サラ、カノンは準備が整った
ようだ。対するは……追いかけ続けたテーセラ。足が速い……のか? 後ろ姿が
メルザ瓜二つなのは相変わらずだ。
 そして……リルとサラ二人に変化しまったく同じに見える技を使用したペンデ。
 それに、死の連鎖を見せたエークシ。実力はまるで不明だ。

 だが全員神の遣い。普通の戦いにはならないだろう。

 リルとサラは格闘と術。カノンは遊魔術をメインに戦う。
 特にリルとサラは守護者を封印している。その実力は言うまでもないだろう。

「よろしくね。ここなら死んでも平気なんでしょ? めいいっぱいやれるのはありがたいな」
「めいいっぱいやれるなら、ルインとやりたいわね。全力をぶつけてやれるのに」
「それでもなるべくリルさんに怪我してほしくはないかな」
「君たちは、諦めるかな? 諦めないかな?」
「へぇ。彼と戦いたいって? いいね、その願い叶えてあげるよ」
「人の子よ。死の中に生を見出すがよい」

 なんか遠目に見ていると、少し険悪なムードに見える。
 サラとかちょっとビキビキしているように見えるんだが……一体何を話したんだ、あいつら。

 そう思ってみていたら、ペンデが俺の姿へと変貌した! 
 ありかよ、あんなの。でもあいつ、リルとサラ二人に変化してたんだよな。
 あの恰好で俺っぽく喋ったら確実に間違えるだろう。

「……これは、このまま始めてもいいのかしらね」
「わらも驚いた。瓜二つである」
「似てるだけじゃないさ。能力もだいたい使えるからね。おっと、ティソーナとコラーダは使えないよ」
「本当に似すぎていて、どうしようかと思うね。平気かい、サラ」
「へへへ、平気に決まってるじゃない。へ、へっちゃらよー!」
「凄い。声まで同じだわ。絶対間違えるわよ、これ」
「それじゃ、戦意喪失して諦める前に始めよっか。僕の速さについて来れるかなー」
「なぁなぁ、ルインもそうだけどあいつ、俺様に似てるぞ?」
「まるでメルザとルインに対峙してる気分になるわね、きっと。でも傍らに知らないおじいちゃんがいる
って不自然ね」
「おい! おじいちゃんと呼ぶでない! 神の遣いに年齢の差異はないのだ!」

 なんか物凄く気にしている事が聞こえたようで、エークシが怒鳴っている。その怒鳴り声に合わせて
ビリビリと雷がほとばしっている。こいつは雷の術を使用するのか。いいぞ、ナイス引き出しだファナ! 

「では、そろそろ開始しようか。司会さん、合図はあなたたちにお願いするよ。
上からゆっくり見させてもらおう」
「それじゃ、試合開始よ!」

 ライラロさんの合図と共に、両者それぞれ一斉に動き出した!
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

大国に囲まれた小国の「魔素無し第四王子」戦記(最強部隊を率いて新王国樹立へ)

たぬころまんじゅう
ファンタジー
 小国の第四王子アルス。魔素による身体強化が当たり前の時代に、王族で唯一魔素が無い王子として生まれた彼は、蔑まれる毎日だった。  しかしある日、ひょんなことから無限に湧き出る魔素を身体に取り込んでしまった。その日を境に彼の人生は劇的に変わっていく。  士官学校に入り「戦略」「戦術」「武術」を学び、仲間を集めたアルスは隊を結成。アルス隊が功績を挙げ、軍の中で大きな存在になっていくと様々なことに巻き込まれていく。  領地経営、隣国との戦争、反乱、策略、ガーネット教や3大ギルドによる陰謀にちらつく大国の影。様々な経験を経て「最強部隊」と呼ばれたアルス隊は遂に新王国樹立へ。 異能バトル×神算鬼謀の戦略・戦術バトル! ☆史実に基づいた戦史、宗教史、過去から現代の政治や思想、経済を取り入れて書いた大河ドラマをお楽しみください☆

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

【スキルコレクター】は異世界で平穏な日々を求める

シロ
ファンタジー
神の都合により異世界へ転生する事になったエノク。『スキルコレクター』というスキルでスキルは楽々獲得できレベルもマックスに。『解析眼』により相手のスキルもコピーできる。 メニューも徐々に開放されていき、できる事も増えていく。 しかし転生させた神への謎が深まっていき……?どういった結末を迎えるのかは、誰もわからない。

本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。

なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。 しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。 探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。 だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。 ――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。 Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。 Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。 それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。 失意の内に意識を失った一馬の脳裏に ――チュートリアルが完了しました。 と、いうシステムメッセージが流れる。 それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!

伯爵家の三男は冒険者を目指す!

おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました! 佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。 彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった... (...伶奈、ごめん...) 異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。 初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。 誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。 1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。

処理中です...