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三部 主と突き進む道 第一章 海底の世界へ向けて

第二百八十六話 第八の間 三匹の竜、ルービック、サファール、ペリドー

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「おやおや、ここまでこれたのかい。仕方ないねぇ。そろそろ諦めてもらおうか」

 次に落ちた先は、今までで一番広い部屋。
 それもそのはずだ……そして諦めてもおうと言っている意味もわかる。

「……難易度高すぎだろ、ふざけんなよ!」

 先ほど受けていた矢の部分だってまだ痛む。それなのに……目の前にいるのは
赤、青、緑色の竜三匹。

「紹介しようかい。赤色のルービック。青色のサファール。緑色のペリード。
どれも本物の竜。倒さなければ先へは進めない。帰る方がいいと思うけどね。本当に死ぬからね」
「ここまで来て引き返せっていうのか? それこそ出来ない相談だね」
「一つだけ忠告する。真化は出来ない。封印されたモンスターも呼べないよ。それじゃ、頑張ってね」
『グオオオオオオオオオ!』
「変幻ルーニー。最初から全開でいく! 妖雪造形術、コウテイ、アデリー!」
「ホロロロー」
「ウェーイ!」
「ウェィ」
「ルーニー、ルービックを相手にできるか。アデリー、サファールを受け持ってくれ! 
コウテイ! 俺を乗せてペリードへ! みんな、頼む!」

 一斉に動き出す。一匹でも倒せるかわからない。道の戦いだ。グリーンドラゴン一匹でも
大変だった記憶がある。だが、あいつなら戦い慣れてる! 

「うおおお、剣戒! コラーダの一閃! ……くそ、動きが早い。コウテイ、回り込んでくれ!」

 飛行して簡単に回避された。普通のグリーンドラゴンより遥かに動きが早い。
 ぶっつけ本番だが……やるしかない! 

「先生、お力、お借りします。もっと後に使うと思ってたんだけどな。
ブラックアラート、解放。黒曜石の剣……いや、星のオブシディアンソード、エスティーナよ。
その力を解き放ち、俺に力をくれえーーーーー! ダブルクロス!」

 コラーダとエスティーナの斬撃がかさなりペリドーを切り裂き消滅させた。
 その間にアデリーは消滅させられ、ルーニーは弾き飛ばされている。

「ルーニー! すまない、もう少しだけお前に頼らせてくれ! いくぞ、コウテイ!」
「ウェーイ!」

 コウテイはくるくると回りサファールへと近づく……が、まずい! あの構えは! 

「すまないコウテイ。離脱する!」
「ウェーイ!」
 問題ないとばかりに手を振るコウテイ。生命体じゃないにしろ、お前がやられて消えるところだって
俺は見たくはないんだよ。
 飛び去った瞬間青いブレスがコウテイを消滅させた。なんて威力だ。まともにくらったらチリも残らない。
「妖雪造形術、ゴマキチ」
「ファウー」
「囮ですまない。だが、お前にも頼らせてくれ。今この難局、乗り切ってみせる! 
エスティーナ、力を貸してくれ……星の力をどうか、俺に」

 祈る様に一剣を正面に構え、ルービックへ対峙する。

「妖雪術、吹雪の剣」

 剣を上にあげ回転させていく。町で一度失敗した時に起こした現象をさらに強く起こす。
 
「妖氷術、ブリザード!」

 吹雪かせた雪を一気に氷漬けにした。ルービックが消滅する。
 その間にサファールがゴマキチを消滅させた。

「みんな、ありがとう。俺は諦めない。負けない!」
「グルオオオオオオオオ!」

 刹那、青いブレスが俺を包んだ。身体が焼けるように痛い。

「くそおおおおおお! 妖赤海星の術、濁流! 押し返せええええええええええ!」

 勢いよく噴射された海水でブレスを押し返す。負けてたまるか! 諦めないぞ、絶対! 

「まだまだあああ! 剣戒! 赤星、頼む! 赤閃!」
「グルオオオオオオオオ!」

 俺はついにコラーダへ赤星を乗せる事ができた。きっとエスティーナを手に入れたおかげなのだろう。
 サファールを消滅させた。

「倒しちゃったのかい。本当諦めないねぇ。何のためにそこまで諦めないのかね。
人は弱くもろい。今にも死にそうなその体。それでもまだ、力が欲しいのか」
「そうしないと、俺よりもっと弱い奴らを守れないだろうが! 出来てしまった大切を
守りたいんだよ! 失うのはもう嫌だ、手の届く範囲みんなとずっと、笑って生きていたいんだ……」
「だからこそ強くなれるのかい。信じてみよう、その諦めない心をさ」

 再びパリーンと割れる音がした。正面に道が出来る。身体を引きずりながら、先へ進んだ。
 まだ動く、動ける。
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