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三部 主と突き進む道 第一章 海底の世界へ向けて
第二百七十五話 三層への道は
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無事に守護者を封印した俺は、ヘンテコな物が落ちているのに気づく。
木で出来た手形のようなものに見えるそれには、足と書かれていた。これ、なんだ?
あいつは足が沢山あったから、これで足を増やしていたのか? 封印か何かか……封印。
守護者で封印。まさか、これがココットの封印物? いやいや、ここ海底だぞ。
よくわからないけど一応持っていくか。メルザのポーチにでも入れておこう。
「なぁメルザ。もしかしたらこれ、ココットの封印アイテムかもしれないんだ。持っててくれるか?」
「え? ああ、わかった……なぁルイン。俺様も、カノンみたいに止められないのかな」
「何言ってるんだ、メルザ。リルを止めるのはカノンが一番だろう。見てみろあの熱々っぷりを」
「ち、ちげーよ! そうじゃなくて、ルインが暴れたら、俺様あんな風に止められるのかなって」
「あんな風には難しいだろ」
「やっぱそーだよな……はぁ」
「メルザは思い切り、メルザパンチしてくれ。そしたらきっと、止まるからさ。その方が俺たちらしいだろ」
「そーか? んじゃ、思い切りパンチするぜ! にはは」
いつもの笑顔に戻った。その笑顔を見ているだけでも、俺の心は安心する。
悲しみに染まったこいつの顔は見たくない。だからこそ、悲しませないよう
力のコントロールを頑張らないとな。
「ブレディー。守護者のビーエー倒したけど、これでどうするんだ? 進むのか?」
「違う。ここ、集まって。普通には、行けない。ここ、本来、外れ道。でも、当たりにできる」
「外れ道? 言われた通り進んだが」
「本当は、もっと、回る。右、下、右、上、上、右、下、右、右、上、上、上、左、下、左、上、上……」
「あ、ああ。なんとなくだがやばい迷宮ってのだけわかった。そんな進んでたらヘトヘトになってた」
「そう。これ、一番、近い。ただ、下に行くのに、闇の術、必要。主、抱えて」
「わかった。メルザ、背中に乗ってくれ。先生は平気?」
「誰に言っている。貴様に心配されるほど落ちぶれていない」
「で、ですよねー。いつも通り紐でくくりつけて……よし、いいぞブレディー」
「闇の支配領域。闇線状構造、展開」
無数の線が重なり合い、俺たちを包んでいく。どうなってるんだ、これ。闇に呑まれていく。
「ドルドー」
「わかってるっすよ! ここじゃ壁の光が強いっすからねぇ。闇の保護膜、闇域の塗壁」
「さようなら、ドルドー」
「何いってるっすか! ギリギリでちゃんと戻るっすよ!」
ドルドーが壁の光を遮断する。その影に飲み込まれるかのように、下へ下へと落ちだした。
視界が完全に闇へと消えると、感覚がおかしくなる。
見えないというより見せない。そんな空間だ。
「戻って来た。残念。惜しい」
「何がおしいんすか! あんなところに置いてかれたらひとたまりもないっすよ」
「大丈夫。クラークル。お友達、沢山」
「可愛くないあんな生物、勘弁っす……ファナちゃんやベルディアちゃんみたいな子がいいっす!」
「へぇ。私に喧嘩うってるわけ? それは」
「私、可愛くないのかな、リルさん」
「これは僕にも喧嘩を売られているようだね」
「ひーー、皆さんとてもかわいいっす! 胸を見ていってるわけじゃないっすよ!」
「ドルドー、死亡確定? 骨、拾う」
「シャドーダインに骨なんてないっす! あ、変身すればあるっすけどね!」
「沈んでるときは本当、みんな賑やかだな。嫌いじゃないけど」
「楽しい。好き、大好き。ブレディー、もっとみんなと、いる」
「だから先生も誘ったのに。のってこないんだもの」
「ブレディー、闇、無いと、生きられない。大変」
「……やっぱりそうなのね。それで三夜の町にずっといたんでしょう?」
「そう。シャドーダイン、本来、自由、無い。でもここ、自由。ブレディー、幸せ」
「まぁこの兄ちゃんの中じゃなく、ファナちゃんの中だったらもっと最高だったんすけどねぇ」
「やっぱりこの犬、ここに置いていくか」
「名案。快案。実行」
「だから、冗談っすよ! この兄ちゃんの中、最高っす!」
封印内でわいわい会話しているが、油断はしていない。なにせ地面から出てくる泥のような敵もいた。
ここだって襲われる可能性があるかもしれない。
もう油断はしない。いつ何時襲われても、主は守り通す。
そう考えながら、下へ下へと降りていった。
木で出来た手形のようなものに見えるそれには、足と書かれていた。これ、なんだ?
あいつは足が沢山あったから、これで足を増やしていたのか? 封印か何かか……封印。
守護者で封印。まさか、これがココットの封印物? いやいや、ここ海底だぞ。
よくわからないけど一応持っていくか。メルザのポーチにでも入れておこう。
「なぁメルザ。もしかしたらこれ、ココットの封印アイテムかもしれないんだ。持っててくれるか?」
「え? ああ、わかった……なぁルイン。俺様も、カノンみたいに止められないのかな」
「何言ってるんだ、メルザ。リルを止めるのはカノンが一番だろう。見てみろあの熱々っぷりを」
「ち、ちげーよ! そうじゃなくて、ルインが暴れたら、俺様あんな風に止められるのかなって」
「あんな風には難しいだろ」
「やっぱそーだよな……はぁ」
「メルザは思い切り、メルザパンチしてくれ。そしたらきっと、止まるからさ。その方が俺たちらしいだろ」
「そーか? んじゃ、思い切りパンチするぜ! にはは」
いつもの笑顔に戻った。その笑顔を見ているだけでも、俺の心は安心する。
悲しみに染まったこいつの顔は見たくない。だからこそ、悲しませないよう
力のコントロールを頑張らないとな。
「ブレディー。守護者のビーエー倒したけど、これでどうするんだ? 進むのか?」
「違う。ここ、集まって。普通には、行けない。ここ、本来、外れ道。でも、当たりにできる」
「外れ道? 言われた通り進んだが」
「本当は、もっと、回る。右、下、右、上、上、右、下、右、右、上、上、上、左、下、左、上、上……」
「あ、ああ。なんとなくだがやばい迷宮ってのだけわかった。そんな進んでたらヘトヘトになってた」
「そう。これ、一番、近い。ただ、下に行くのに、闇の術、必要。主、抱えて」
「わかった。メルザ、背中に乗ってくれ。先生は平気?」
「誰に言っている。貴様に心配されるほど落ちぶれていない」
「で、ですよねー。いつも通り紐でくくりつけて……よし、いいぞブレディー」
「闇の支配領域。闇線状構造、展開」
無数の線が重なり合い、俺たちを包んでいく。どうなってるんだ、これ。闇に呑まれていく。
「ドルドー」
「わかってるっすよ! ここじゃ壁の光が強いっすからねぇ。闇の保護膜、闇域の塗壁」
「さようなら、ドルドー」
「何いってるっすか! ギリギリでちゃんと戻るっすよ!」
ドルドーが壁の光を遮断する。その影に飲み込まれるかのように、下へ下へと落ちだした。
視界が完全に闇へと消えると、感覚がおかしくなる。
見えないというより見せない。そんな空間だ。
「戻って来た。残念。惜しい」
「何がおしいんすか! あんなところに置いてかれたらひとたまりもないっすよ」
「大丈夫。クラークル。お友達、沢山」
「可愛くないあんな生物、勘弁っす……ファナちゃんやベルディアちゃんみたいな子がいいっす!」
「へぇ。私に喧嘩うってるわけ? それは」
「私、可愛くないのかな、リルさん」
「これは僕にも喧嘩を売られているようだね」
「ひーー、皆さんとてもかわいいっす! 胸を見ていってるわけじゃないっすよ!」
「ドルドー、死亡確定? 骨、拾う」
「シャドーダインに骨なんてないっす! あ、変身すればあるっすけどね!」
「沈んでるときは本当、みんな賑やかだな。嫌いじゃないけど」
「楽しい。好き、大好き。ブレディー、もっとみんなと、いる」
「だから先生も誘ったのに。のってこないんだもの」
「ブレディー、闇、無いと、生きられない。大変」
「……やっぱりそうなのね。それで三夜の町にずっといたんでしょう?」
「そう。シャドーダイン、本来、自由、無い。でもここ、自由。ブレディー、幸せ」
「まぁこの兄ちゃんの中じゃなく、ファナちゃんの中だったらもっと最高だったんすけどねぇ」
「やっぱりこの犬、ここに置いていくか」
「名案。快案。実行」
「だから、冗談っすよ! この兄ちゃんの中、最高っす!」
封印内でわいわい会話しているが、油断はしていない。なにせ地面から出てくる泥のような敵もいた。
ここだって襲われる可能性があるかもしれない。
もう油断はしない。いつ何時襲われても、主は守り通す。
そう考えながら、下へ下へと降りていった。
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