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第三章 知令由学園 後編
間話 神話級アーティファクト カルンウェナン
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ルインたちがイーファの体を戻す素材を探している頃――――
「見つけたぞ、ライデンよ」
「……ミディか。何しに来た」
「貴様がトリノポートの王を……許せぬ!」
「……どういうことだ?」
「とぼけても無駄だ! この竜眼からは逃れられぬ!
ドラゴニックデルト」
ミディがカーディナルドラゴンと重なり合体した!
「さすが古竜騎士団に属し連なるもの。老いてもなお、共有化可能とは」
「貴様を野放しには出来ん! ここで屠ってやろう。
カーディナルエンド」
ライデンを中心に円を描くよう赤黒い炎が放たれる。
「うぐおおおおお! この程度、はじき返してくれる!」
マントを振り払うと、ライデンを襲っていた赤黒い炎はミディへ浴びせられる。
だがミディにはまるで効いていない。
「くっはじき返してきおるとは……これならばどうだ!
ドラゴニックスタンプ!」
空中に飛翔したミディの片足が、巨大なドラゴンの足に変わる。
ライデンを踏み潰し、地面に凄まじい足跡をつけた。
だがライデンは左手一本で持ちあげ、右手で片手斧を取りミディの足を切り裂く。
激痛を我慢して後方へ後退するミディ。
「貴様、なぜそれほどの力を保持して尚、力を欲する」
「力とは己の肉体、そして武具双方あってこそだ。
トリノポートやキゾナ、ドラディニア大陸より
余程危険な地域がこの世界にはあるだろう。
より強くならねば国の安全など保てはせぬ。
力無くして誰かを従える事などできぬ。イーファウルトリノは
理解を示さなかった」
「貴様は他者を犠牲にしてでもそんな力を得たいというのか?」
「当然だ。奪い取ろうが自ら鍛えようが、同じ力だ!
真の力とはどんなものか、冥土の土産に見せてやろう。我がカルンウェナンの力の一端を」
ライデンが手を上げると空中に無数の短剣が出現する。
それらはミディを取り囲むようにして静止した。
「まずい、ドラゴニックディフ……」
「カウントレスハートレス」
ミディが防御する前に、全ての短剣が一斉にミディへと突き刺さる。
一つ一つは小さいが、恐ろしい程の貫通力と殺傷力を持つ。
無数の無情が致命傷を与え続け、ミディはカーディナルドラゴンとの
共有化が切れる。
「こ、これはまさか神話級アーティファクトの力か? ……これほどの物をどうやって」
「アーティファクトを集めるのもまた力……そのためのガーランドだ。
死流七支という名前で多くの優秀な者を集め、価値
もわかっておらぬ者、どんな装備かわからずに頼っているだけの
無能から金で引き取っていった。
何級かを見定めるのは困難だからな。随分と苦労したものだ」
不敵な笑みを浮かべるライデン。
「このカルンウェナンですらまだ力は開かれん。私自身の修行が必要だ。
自らに適合する真なるアーティファクトでなければ、例え神話級といえど最大限の
効果は出せぬ……死にゆく貴様には関係ないか。
クックック、さらばだ、ミディよ」
「おのれーーー! ぬぐわあああああああああ!」
再びカルンウェナンが現れ、ミディとカーディナルドラゴンを貫いた。
「う、ミ……リル……先立つ父を……ゆる……せ」
「ふん、口ほどにもない。さて……いでよブラックオリナス。どうやら
どこからか私の情報が漏れたようだ。一度トリノポート地下城に向かうぞ」
そう呼びかけると、目の前に巨大な黒いスズメのような生物が現れた。
ライデンの腕をつかむと、どちらの姿も消えていなくなってしまった。
「見つけたぞ、ライデンよ」
「……ミディか。何しに来た」
「貴様がトリノポートの王を……許せぬ!」
「……どういうことだ?」
「とぼけても無駄だ! この竜眼からは逃れられぬ!
ドラゴニックデルト」
ミディがカーディナルドラゴンと重なり合体した!
「さすが古竜騎士団に属し連なるもの。老いてもなお、共有化可能とは」
「貴様を野放しには出来ん! ここで屠ってやろう。
カーディナルエンド」
ライデンを中心に円を描くよう赤黒い炎が放たれる。
「うぐおおおおお! この程度、はじき返してくれる!」
マントを振り払うと、ライデンを襲っていた赤黒い炎はミディへ浴びせられる。
だがミディにはまるで効いていない。
「くっはじき返してきおるとは……これならばどうだ!
ドラゴニックスタンプ!」
空中に飛翔したミディの片足が、巨大なドラゴンの足に変わる。
ライデンを踏み潰し、地面に凄まじい足跡をつけた。
だがライデンは左手一本で持ちあげ、右手で片手斧を取りミディの足を切り裂く。
激痛を我慢して後方へ後退するミディ。
「貴様、なぜそれほどの力を保持して尚、力を欲する」
「力とは己の肉体、そして武具双方あってこそだ。
トリノポートやキゾナ、ドラディニア大陸より
余程危険な地域がこの世界にはあるだろう。
より強くならねば国の安全など保てはせぬ。
力無くして誰かを従える事などできぬ。イーファウルトリノは
理解を示さなかった」
「貴様は他者を犠牲にしてでもそんな力を得たいというのか?」
「当然だ。奪い取ろうが自ら鍛えようが、同じ力だ!
真の力とはどんなものか、冥土の土産に見せてやろう。我がカルンウェナンの力の一端を」
ライデンが手を上げると空中に無数の短剣が出現する。
それらはミディを取り囲むようにして静止した。
「まずい、ドラゴニックディフ……」
「カウントレスハートレス」
ミディが防御する前に、全ての短剣が一斉にミディへと突き刺さる。
一つ一つは小さいが、恐ろしい程の貫通力と殺傷力を持つ。
無数の無情が致命傷を与え続け、ミディはカーディナルドラゴンとの
共有化が切れる。
「こ、これはまさか神話級アーティファクトの力か? ……これほどの物をどうやって」
「アーティファクトを集めるのもまた力……そのためのガーランドだ。
死流七支という名前で多くの優秀な者を集め、価値
もわかっておらぬ者、どんな装備かわからずに頼っているだけの
無能から金で引き取っていった。
何級かを見定めるのは困難だからな。随分と苦労したものだ」
不敵な笑みを浮かべるライデン。
「このカルンウェナンですらまだ力は開かれん。私自身の修行が必要だ。
自らに適合する真なるアーティファクトでなければ、例え神話級といえど最大限の
効果は出せぬ……死にゆく貴様には関係ないか。
クックック、さらばだ、ミディよ」
「おのれーーー! ぬぐわあああああああああ!」
再びカルンウェナンが現れ、ミディとカーディナルドラゴンを貫いた。
「う、ミ……リル……先立つ父を……ゆる……せ」
「ふん、口ほどにもない。さて……いでよブラックオリナス。どうやら
どこからか私の情報が漏れたようだ。一度トリノポート地下城に向かうぞ」
そう呼びかけると、目の前に巨大な黒いスズメのような生物が現れた。
ライデンの腕をつかむと、どちらの姿も消えていなくなってしまった。
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