219 / 1,085
第二章 知令由学園 前編
第百九十二話 新たな仲間の歓迎会をしたい
しおりを挟む
俺たちは訓練を終えた後、これまでの経緯をベルドとベルディアに話した。
あの時常闇のカイナに襲われた事やギルドグマの事。
キャットマイルドの事などは父親のバルドスから聞いていたようだ。
「まさか君が妖魔だったとは。一度力を失ったってのは本当かい?
その割にはどう見ても強いんだけど」
「何せ俺には指導してくれるシーザー師匠や、術などを指導してくれる
ベルローゼ先生がいるからな」
「そうか。いい師に恵まれているんだね。僕は父上に教わったが
今では忙しい身の上。こうしてはるばるこの学園に強さを求めて来ているんだけど
相手になる人がほとんどいなくてね」
「それなら二人とも、うちの傭兵団に入らないか? 戦う相手に困ることは無いと
思うぞ」
「いいのかい? 僕ら二人とも?」
「本当っしょ? うちらまだまだ強くなれる?」
「ああ。メルザなら直ぐ了承してくれると思う。幻妖団メルの一員として」
「それは願ったりだね。ハーヴァルさんにも傭兵団に誘われて迷っていたんだけど
君の所なら安心だ。
その前にちゃんと身の上話とか僕とベルディアが安心できる人物なのかは
君に知っておいてもらいたいな」
「当然っしょ。あんた簡単に人信用しすぎ」
痛いところを突かれた。その通りだ。今イーファの事で色々人に話せない
状況でもある。バルドスが信用なる人物かはベルドを
見てればなんとなくわかるが……誰が敵になるかわからないし、ちゃんと確認をしよう。
「なぁルイン。二人の歓迎会をしないかい? できればその……カノンも入れて。
どうにか出来ないかな」
「俺も考えていたんだ。ドーグルもカノンもイーファも。それにベルドやベルディア。
本当はシュウさんも入れたいんだけどな。この旅で仲間が凄く増えた。
一人捨てられたあの頃には、こうなるなんて考えもしなかったな」
「そういえば僕らは君の事をよく知らない。宿は同じだろう? 向かいながら色々教えてくれないか」
「ああ。そんな面白い話じゃないけどいいか?」
そういうと、俺の生い立ちを宿に向かいながら話した。メルザとの面識がない二人でも
メルザの優しさは十分伝わったようだ。
「そうか。ビスタが初戦で負けたと聞いて驚いたが、君の主だったんだね。
ブルネイもギリギリ倒せたと言っていた。余程の術使いなんだろうな」
「今じゃ飛んでもない怪物だろう。臨戦状態で対峙したら俺でも勝てる自信はない。
まぁその辺は俺たちと行動するようになればわかるさ」
会話しながら歩いていると目的地にあっという間に着いた。
宿に着くとライラロさんもいたのでちょうどいい。
「あら、ベルドちゃんにベルディアちゃんじゃない! 大きくなったわね!」
「ら、ライラロさん。お久しぶりです。ベルディアです。あの、お元気ですか?」
ん? 誰だ? このキラキラしているベルディアっていう女性は。知らない人です。
「相変わらず可愛いわね。名前がいいものね。ベルディスと一文字違いだなんて。
綺麗にもなるわよ。うふふ」
「ええ。光栄ですわ。ベルディス様はこちらには?」
「来てないわ。今頃どこで何してるのかしら、まったくもう」
「妹は大のライラロさんファンでね。話し言葉を変えてしまうくらい好きなんだよ。
変わってる自覚はないらしいんだけどね」
ああ、突撃していく感じを見習ったのか。そこは見習わないで欲しかったな。
「んで、あんたたちはここで何してるわけ?」
「実は俺たちの団に勧誘したんですよ。ライラロさん、今日はこちらに?」
「へぇ、いいじゃない。また賑やかになるわね。バルドスとメディルの子供は平気よ。
それと今日は宿でゆっくりするつもりよ」
「それなら、二人……いや大勢の歓迎会をしたいと思ってるんです。何か方法はないでしょうか?」
「ああ……あるわ。というよりフェドラートと話して試したい事が出来たのよ。
全員で古代樹の図書館裏に来てもらえるかしら。今すぐ」
「全員で、今すぐ? まぁライラロさんとフェドラートさんお二人の案なら」
「私だけの案でもちゃんと来なさいよね!」
「それはちょっと……ガルドラ山脈の件が」
「あ、うん。そうね。わ、わかったわ。おほほほ」
俺は再びトラウマを思い出していた。
そうだな。そろそろあの物語を語ってもいいのかもしれない。
あの時常闇のカイナに襲われた事やギルドグマの事。
キャットマイルドの事などは父親のバルドスから聞いていたようだ。
「まさか君が妖魔だったとは。一度力を失ったってのは本当かい?
その割にはどう見ても強いんだけど」
「何せ俺には指導してくれるシーザー師匠や、術などを指導してくれる
ベルローゼ先生がいるからな」
「そうか。いい師に恵まれているんだね。僕は父上に教わったが
今では忙しい身の上。こうしてはるばるこの学園に強さを求めて来ているんだけど
相手になる人がほとんどいなくてね」
「それなら二人とも、うちの傭兵団に入らないか? 戦う相手に困ることは無いと
思うぞ」
「いいのかい? 僕ら二人とも?」
「本当っしょ? うちらまだまだ強くなれる?」
「ああ。メルザなら直ぐ了承してくれると思う。幻妖団メルの一員として」
「それは願ったりだね。ハーヴァルさんにも傭兵団に誘われて迷っていたんだけど
君の所なら安心だ。
その前にちゃんと身の上話とか僕とベルディアが安心できる人物なのかは
君に知っておいてもらいたいな」
「当然っしょ。あんた簡単に人信用しすぎ」
痛いところを突かれた。その通りだ。今イーファの事で色々人に話せない
状況でもある。バルドスが信用なる人物かはベルドを
見てればなんとなくわかるが……誰が敵になるかわからないし、ちゃんと確認をしよう。
「なぁルイン。二人の歓迎会をしないかい? できればその……カノンも入れて。
どうにか出来ないかな」
「俺も考えていたんだ。ドーグルもカノンもイーファも。それにベルドやベルディア。
本当はシュウさんも入れたいんだけどな。この旅で仲間が凄く増えた。
一人捨てられたあの頃には、こうなるなんて考えもしなかったな」
「そういえば僕らは君の事をよく知らない。宿は同じだろう? 向かいながら色々教えてくれないか」
「ああ。そんな面白い話じゃないけどいいか?」
そういうと、俺の生い立ちを宿に向かいながら話した。メルザとの面識がない二人でも
メルザの優しさは十分伝わったようだ。
「そうか。ビスタが初戦で負けたと聞いて驚いたが、君の主だったんだね。
ブルネイもギリギリ倒せたと言っていた。余程の術使いなんだろうな」
「今じゃ飛んでもない怪物だろう。臨戦状態で対峙したら俺でも勝てる自信はない。
まぁその辺は俺たちと行動するようになればわかるさ」
会話しながら歩いていると目的地にあっという間に着いた。
宿に着くとライラロさんもいたのでちょうどいい。
「あら、ベルドちゃんにベルディアちゃんじゃない! 大きくなったわね!」
「ら、ライラロさん。お久しぶりです。ベルディアです。あの、お元気ですか?」
ん? 誰だ? このキラキラしているベルディアっていう女性は。知らない人です。
「相変わらず可愛いわね。名前がいいものね。ベルディスと一文字違いだなんて。
綺麗にもなるわよ。うふふ」
「ええ。光栄ですわ。ベルディス様はこちらには?」
「来てないわ。今頃どこで何してるのかしら、まったくもう」
「妹は大のライラロさんファンでね。話し言葉を変えてしまうくらい好きなんだよ。
変わってる自覚はないらしいんだけどね」
ああ、突撃していく感じを見習ったのか。そこは見習わないで欲しかったな。
「んで、あんたたちはここで何してるわけ?」
「実は俺たちの団に勧誘したんですよ。ライラロさん、今日はこちらに?」
「へぇ、いいじゃない。また賑やかになるわね。バルドスとメディルの子供は平気よ。
それと今日は宿でゆっくりするつもりよ」
「それなら、二人……いや大勢の歓迎会をしたいと思ってるんです。何か方法はないでしょうか?」
「ああ……あるわ。というよりフェドラートと話して試したい事が出来たのよ。
全員で古代樹の図書館裏に来てもらえるかしら。今すぐ」
「全員で、今すぐ? まぁライラロさんとフェドラートさんお二人の案なら」
「私だけの案でもちゃんと来なさいよね!」
「それはちょっと……ガルドラ山脈の件が」
「あ、うん。そうね。わ、わかったわ。おほほほ」
俺は再びトラウマを思い出していた。
そうだな。そろそろあの物語を語ってもいいのかもしれない。
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説

実験施設から抜け出した俺が伝説を超えるまでの革命記! 〜Light Fallen Angels〜
朝日 翔龍
ファンタジー
それはある世界の、今よりずっと未来のこと。いくつもの分岐点が存在し、それによって分岐された世界線、いわゆるパラレルワールド。これは、そ無限と存在するパラレルワールドの中のひとつの物語。
その宇宙に危機を及ぼす脅威や魔族と呼ばれる存在が、何度も世界を消滅させようと襲撃した。そのたびに、最強無血と謳われるレジェンド世代と称されたデ・ロアーの8人集が全てを解決していった。やがては脅威や魔族を封印し、これ以上は世界の危機もないだろうと誰もが信じていた。
しかし、そんな彼らの伝説の幕を閉ざす事件が起き、封印されていたはずの脅威が蘇った。瞬く間に不安が見え隠れする世界。そこは、異世界線へと繋がるゲートが一般的に存在し、異世界人を流れ込ませたり、例の脅威をも出してしまう。
そんな世界の日本で、実験体としてとある施設にいた主人公ドンボ。ある日、施設から神の力を人工的に得られる薬を盗んだ上で脱走に成功し、外の世界へと飛び出した。
そして街中に出た彼は恐怖と寂しさを覆い隠すために不良となり、その日凌ぎの生き方をしていた。
そんな日々を過ごしていたら、世界から脅威を封印したファイター企業、“デ・ロアー”に属すると自称する男、フラットの強引な手段で険しい旅をすることに。
狭い視野となんの知識もないドンボは、道中でフラットに教えられた生きる意味を活かし、この世界から再び脅威を取り除くことができるのであろうか。

【スキルコレクター】は異世界で平穏な日々を求める
シロ
ファンタジー
神の都合により異世界へ転生する事になったエノク。『スキルコレクター』というスキルでスキルは楽々獲得できレベルもマックスに。『解析眼』により相手のスキルもコピーできる。
メニューも徐々に開放されていき、できる事も増えていく。
しかし転生させた神への謎が深まっていき……?どういった結末を迎えるのかは、誰もわからない。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
アーティファクトコレクター -異世界と転生とお宝と-
一星
ファンタジー
至って普通のサラリーマン、松平善は車に跳ねられ死んでしまう。気が付くとそこはダンジョンの中。しかも体は子供になっている!? スキル? ステータス? なんだそれ。ゲームの様な仕組みがある異世界で生き返ったは良いが、こんな状況むごいよ神様。
ダンジョン攻略をしたり、ゴブリンたちを支配したり、戦争に参加したり、鳩を愛でたりする物語です。
基本ゆったり進行で話が進みます。
四章後半ごろから主人公無双が多くなり、その後は人間では最強になります。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる