205 / 1,085
第二章 知令由学園 前編
第百七十八話 青銀色のスライム
しおりを挟む
しばらく道なりに進むと、少し開けた場所に出た。
レウスさんがいない今、地上を歩く事になるので罠などがあれば回避出来ず踏んでしまう。
一歩一歩慎重に一定の速度で進まねばならない。。
この道はどう見ても人工的に造られたものだと確信するものが、先の道にあった。
左手側の岩と岩の間にスイッチのようなものがあったのだ。
押すかどうか悩む。先を急ぐべきか、それとも……そうだ。
「泥槍」
俺はマッドサハギンの泥槍の先端でスイッチを押した。
トラップは……発動していないように思える。
何が起きたんだろう? 俺が辺りを見回すと、先ほどまで岩だった右手側が
無音で下り階段になっている。
ただの人工物じゃなさそうだが、念のため調べよう。
明かりが付く階段を降りて行くと、また広い部屋に出る。
そこには……檻に入った青銀色のスライムがいた。
こんな色のスライムは初めて見る。不思議だ。
これも封印すれば少し戦力に繋がるか? 珍しいし。
ただスライムって敵対行動をあんまり取らないから気が引けるんだよな。
「待て。あのスライムはおかしい。意思を持ち行動しているようだ」
「スライムと通じ合えるのか? 会話も?」
「わらには可能だ。少し話を聞く。待っていろ」
「ああ、頼む。階段の方を警戒しておくから」
こんな隠し階段の下にスライム一匹檻の中なんて怪しすぎるしな。
希少で捕らえられているとか? だったら何のために。
この大陸がトリノポートと比べて危険地域というのはわかるが、明らかにおかしい。
「わかった。こいつは王だ」
「スライムキングだっていうのか?」
「違う、トリノポートの王、イーファ・ウルトリノという人物のようだ」
「人物だと? どう見てもスライムだぞ。俺とは何も意思疎通出来ない」
「ライデンという者に姿を変えられて、封印されその後常闇のカイナという集団に
攫われたらしい。ライデンも探しているはずとの事だ」
「情報が複雑過ぎる。どうにか会話できる術はないか……」
「可能だ。我が意思を通せる。しばし待て」
リルもそういえば念通っていうのやってたなよな。あれは模倣技か?
「話を聞き状況がひっ迫していると判明した。ルインよ。青銀スライムを封印するのだ。
見回りが来る可能性もある」
「っ! そもそも常闇のカイナに連れられたっていってたな。
迷ってる暇はないか!」
俺は牢に近づき鍵を見る。破壊するしかないか。
「妖赤星の突」
鍵穴にカットラスをねじこみ破壊したその瞬間だった。
地面からそいつらが現れた! トラップだ! くそ、あるかもとは思ったが
どうにもならない。
「念動力、小石つぶて」
「ミミック戦で封印が十分馴染んだな……麻痺撃!」
俺は道中で襲われたワイバーンの麻痺撃を放つ。
ゾンビみたいなやつが痺れて動けなくなるすきに、カットラスでしとめる。
封印も忘れない。
ミミックに比べれば大したことはないやつだ。といってもドーグルの小石が
複数をはじいてくれるおかげで一匹ずつ確実に仕留められるのだが。
「赤星の針!」
「……」
こいつらも無言だな。騒ぎ立てられるよりはいいか。
全てのゾンビもどきを仕留め終え、改めて檻に触れる。
「ルインよ……いや何でもない」
「どうしたんだ? またトラップがありそうか?」
「その檻にも強い呪いがかかっていた。まるで効いていない。
ちみは何者なんだ」
「またちみって……まぁいいや、俺には呪いが効かないのか? それなら助かるんだが」
「呪いが効かない者など特殊モンスターか神に近しい存在以外聞いた事はない」
「ふーん……よくわからないが今は急ごう。王様、失礼するよ」
俺は封印場所を指定して青銀スライム王を封印した。
「モンスタートラップが終わった後、油断したところに二重トラップの呪いね。
念入り過ぎてドン引きする」
「同感だ。この場所でさえ滅多に人など踏み入らぬ場所というに」
「全くだ。ハーヴァルさん達がいくら探しても見つからないわけだ。とにかくばれないうちに先を急ごう」
俺は階段を上り、もう一度スイッチを押してみた。
階段が元の岩に戻るのを確認して先を急ぎながら
王様との意思疎通を
開始した。
レウスさんがいない今、地上を歩く事になるので罠などがあれば回避出来ず踏んでしまう。
一歩一歩慎重に一定の速度で進まねばならない。。
この道はどう見ても人工的に造られたものだと確信するものが、先の道にあった。
左手側の岩と岩の間にスイッチのようなものがあったのだ。
押すかどうか悩む。先を急ぐべきか、それとも……そうだ。
「泥槍」
俺はマッドサハギンの泥槍の先端でスイッチを押した。
トラップは……発動していないように思える。
何が起きたんだろう? 俺が辺りを見回すと、先ほどまで岩だった右手側が
無音で下り階段になっている。
ただの人工物じゃなさそうだが、念のため調べよう。
明かりが付く階段を降りて行くと、また広い部屋に出る。
そこには……檻に入った青銀色のスライムがいた。
こんな色のスライムは初めて見る。不思議だ。
これも封印すれば少し戦力に繋がるか? 珍しいし。
ただスライムって敵対行動をあんまり取らないから気が引けるんだよな。
「待て。あのスライムはおかしい。意思を持ち行動しているようだ」
「スライムと通じ合えるのか? 会話も?」
「わらには可能だ。少し話を聞く。待っていろ」
「ああ、頼む。階段の方を警戒しておくから」
こんな隠し階段の下にスライム一匹檻の中なんて怪しすぎるしな。
希少で捕らえられているとか? だったら何のために。
この大陸がトリノポートと比べて危険地域というのはわかるが、明らかにおかしい。
「わかった。こいつは王だ」
「スライムキングだっていうのか?」
「違う、トリノポートの王、イーファ・ウルトリノという人物のようだ」
「人物だと? どう見てもスライムだぞ。俺とは何も意思疎通出来ない」
「ライデンという者に姿を変えられて、封印されその後常闇のカイナという集団に
攫われたらしい。ライデンも探しているはずとの事だ」
「情報が複雑過ぎる。どうにか会話できる術はないか……」
「可能だ。我が意思を通せる。しばし待て」
リルもそういえば念通っていうのやってたなよな。あれは模倣技か?
「話を聞き状況がひっ迫していると判明した。ルインよ。青銀スライムを封印するのだ。
見回りが来る可能性もある」
「っ! そもそも常闇のカイナに連れられたっていってたな。
迷ってる暇はないか!」
俺は牢に近づき鍵を見る。破壊するしかないか。
「妖赤星の突」
鍵穴にカットラスをねじこみ破壊したその瞬間だった。
地面からそいつらが現れた! トラップだ! くそ、あるかもとは思ったが
どうにもならない。
「念動力、小石つぶて」
「ミミック戦で封印が十分馴染んだな……麻痺撃!」
俺は道中で襲われたワイバーンの麻痺撃を放つ。
ゾンビみたいなやつが痺れて動けなくなるすきに、カットラスでしとめる。
封印も忘れない。
ミミックに比べれば大したことはないやつだ。といってもドーグルの小石が
複数をはじいてくれるおかげで一匹ずつ確実に仕留められるのだが。
「赤星の針!」
「……」
こいつらも無言だな。騒ぎ立てられるよりはいいか。
全てのゾンビもどきを仕留め終え、改めて檻に触れる。
「ルインよ……いや何でもない」
「どうしたんだ? またトラップがありそうか?」
「その檻にも強い呪いがかかっていた。まるで効いていない。
ちみは何者なんだ」
「またちみって……まぁいいや、俺には呪いが効かないのか? それなら助かるんだが」
「呪いが効かない者など特殊モンスターか神に近しい存在以外聞いた事はない」
「ふーん……よくわからないが今は急ごう。王様、失礼するよ」
俺は封印場所を指定して青銀スライム王を封印した。
「モンスタートラップが終わった後、油断したところに二重トラップの呪いね。
念入り過ぎてドン引きする」
「同感だ。この場所でさえ滅多に人など踏み入らぬ場所というに」
「全くだ。ハーヴァルさん達がいくら探しても見つからないわけだ。とにかくばれないうちに先を急ごう」
俺は階段を上り、もう一度スイッチを押してみた。
階段が元の岩に戻るのを確認して先を急ぎながら
王様との意思疎通を
開始した。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?
夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。
気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。
落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。
彼らはこの世界の神。
キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。
ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。
「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる