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第六章 強くなる
第百四十話 幻妖団メルの設立
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映像を見終わった俺達に少し沈黙が走る。
あまりにも規模が違う。想像を絶する蹂躙といった内容だった。
フェルドナージュ様にあれほど従属するのも頷ける話だ。
俺も到底逆らう気などない。
リルもサラも映像を見ている最中うっとりとしていたし。
どれだけ好きなんだ全く。
『凄かったな。味方で本当よかったよ。
リルもサラも近くでフェルドナージュ様が戦うのは見てたんだろ?」
「いや、そもそも戦争事態起こった事がない。どう見てもあれは
ベルータスの失敗だね。真正面からフェルドナージュ様に挑んで
勝てるわけがない。それは兄上であるフェルドナーガ様も一緒だよ」
「そう言えばさっき来てた援軍てのはその兄か?」
「いや、あのお方が直接会いに来ることはあり得ないね。
ただの使者だと思うよ。一軍だったけど」
つまり兄妹仲は悪いのか。この辺りは今度聞いてみないとな。
「なぁメルザ。師匠やライラロさん達は俺が留守の間来なかったか?」
「んー?ライラロ師匠?来てないぞ」
「ええ、来てないわよ」
「そうか、なら会いにいか……えっ?」
俺の背後から声が聞こえたので振り返ると、ライラロさんがいつの間にか後ろをとっていた。怖いよ。
「奇遇ね。ちょうど今来たところよ。私のアップルパイはまだなの?」
「そもそも作ってませんけど!?」
「何よ早く作りなさいよね。この後ベルディスも来るんだから。
あら新しいお客さん?」
「リルとサラですよ。無事救い出してきました」
「そう、よかったわね。あんたまた一皮向けたような顔になったじゃない。うちのバカ弟子もだけど」
「ところでライラロさんと師匠はなぜ突然?」
「あんたが戻ったら傭兵団の話をしようと思ってたからよ」
あっ!帰ったら真っ先にやらなきゃいけない事、思い出した!
凄まじい戦闘の後でうっかりしていたな……。
「その顔は忘れてましたって顔ね。まぁいいわ。
あんたたち、妖魔の国と地上両方で活動するんでしょ?
ガーランドとしては別に構わないわ。
私とベルディスもあんたらのとこに加わるから。
しばらくここで二人きりの部屋を作って暮らすわね。
部屋はもう場所とっておいたから。勝手に入らないでね」
この人相変わらず無茶苦茶だ!
師匠の部屋をちゃんと用意してあげよう……。
もしかしたらベルローゼさんとシーザー師匠両方の特訓を
受けれるのか?すげーありがたいんだが身体持つかな……。
「それで、なんて名前の傭兵団にするか決めたの?バカ弟子」
「えーっと……今度こそいい名前つけるって決めてちゃんと
考えたんだ!俺様とルインから一文字ずつ取って
幻妖団メルだ!ど、どうかなダメか……?」
上目遣いでこっちを見るのでドキっとしてしまった。
トンヌラとかじゃなくてよかったよ。本当に。
「いいんじゃないか?わかりやすいし素敵じゃないか」
「へぇ。ちょっとだけ見直したよ。主の名付けはいまいちだったから」
「私は異論ないわ!ルインの文字が入ってるのが気に入ったわ!」
「私もいいと思うな。二人の意志が感じられるもの」
「うんうん!」
「じゃあ決まりね。登録はしといたげるから。後でまた来るわ。
アップルパイ用意しといてね!じゃあね!」
そう言うとライラロさんはあっという間にいなくなった。
あれ?師匠が来るんじゃなかったのか?
本当、鉄砲玉みたいな人だな。そこがいいとは思うけど。
師匠もいい加減覚悟を決めるしかないと思うんだよなー……。
「じゃあサラと僕は少し温泉てやつと、休める部屋っていうのに行ってみるよ。
少々草臥れた。色々あったしね」
「私が温泉まで案内してあげるわ。せいぜい感謝することね」
「ふーんだ。一人でもいけますよーだ!」
「僕は鍛冶作業に戻るね!まだ作りたいものもあるし!いこ、マーナ!」
「うん。ここちゃんも一緒にいこうねー」
「ここっと!」
「メルザとパモはどうする?」
「俺様、久しぶりにスッパムがくいてーんだ。取りに行こーぜ!」
「ぱみゅ、ぱみゅ!」
「そっか、パモもストックはないか。じゃあ三人で取りにジャンカの森へ行こう」
俺たちはメルザの領域側から泉に飛び込み久しぶりの森に来た。
俺はするすると木に登る。メルザは義手を外していた。
「ほら、メルザ」
「ありがと、ルイン。……んー、やっぱ美味いな、ルインがとってくれたスッパムは」
「いくつか持って帰ろう。パモ、頼むよ。パモも食べていきな」
「ぱみゅー!」
嬉しそうにスッパムを食べるパモ。
俺達は泉のほとりに座ると、リルとサラを助けに行ったときの事を話す。
サラの話をすると、ちょっと不機嫌になるメルザがいた。
「そのサラって子の方は危険だな!危ない!危険が危ない!」
「同じ意味を連呼するなって……まぁあの子もいい子だとは思うぞ」
むすーっとするメルザの頭を立ち上がり撫でる。
「さてそろそろ領域に戻るか。やる事もまだまだあるしな」
「……もうちょっとこうしてちゃダメか?」
「ん?構わないけど皆心配するぞ」
「ルインちょっとここ座って」
「ああ。わかった。じゃあもうちょっとだけ……ん」
メルザは俺に抱き着いてキスをした。
俺もそのままメルザを抱きしめしばらくそうしていた後
そのまま泉へと飛び込んでいった。
皆を救えた喜びを胸に。我が主に感謝を込めて。
俺達の領域に帰ろう。
あまりにも規模が違う。想像を絶する蹂躙といった内容だった。
フェルドナージュ様にあれほど従属するのも頷ける話だ。
俺も到底逆らう気などない。
リルもサラも映像を見ている最中うっとりとしていたし。
どれだけ好きなんだ全く。
『凄かったな。味方で本当よかったよ。
リルもサラも近くでフェルドナージュ様が戦うのは見てたんだろ?」
「いや、そもそも戦争事態起こった事がない。どう見てもあれは
ベルータスの失敗だね。真正面からフェルドナージュ様に挑んで
勝てるわけがない。それは兄上であるフェルドナーガ様も一緒だよ」
「そう言えばさっき来てた援軍てのはその兄か?」
「いや、あのお方が直接会いに来ることはあり得ないね。
ただの使者だと思うよ。一軍だったけど」
つまり兄妹仲は悪いのか。この辺りは今度聞いてみないとな。
「なぁメルザ。師匠やライラロさん達は俺が留守の間来なかったか?」
「んー?ライラロ師匠?来てないぞ」
「ええ、来てないわよ」
「そうか、なら会いにいか……えっ?」
俺の背後から声が聞こえたので振り返ると、ライラロさんがいつの間にか後ろをとっていた。怖いよ。
「奇遇ね。ちょうど今来たところよ。私のアップルパイはまだなの?」
「そもそも作ってませんけど!?」
「何よ早く作りなさいよね。この後ベルディスも来るんだから。
あら新しいお客さん?」
「リルとサラですよ。無事救い出してきました」
「そう、よかったわね。あんたまた一皮向けたような顔になったじゃない。うちのバカ弟子もだけど」
「ところでライラロさんと師匠はなぜ突然?」
「あんたが戻ったら傭兵団の話をしようと思ってたからよ」
あっ!帰ったら真っ先にやらなきゃいけない事、思い出した!
凄まじい戦闘の後でうっかりしていたな……。
「その顔は忘れてましたって顔ね。まぁいいわ。
あんたたち、妖魔の国と地上両方で活動するんでしょ?
ガーランドとしては別に構わないわ。
私とベルディスもあんたらのとこに加わるから。
しばらくここで二人きりの部屋を作って暮らすわね。
部屋はもう場所とっておいたから。勝手に入らないでね」
この人相変わらず無茶苦茶だ!
師匠の部屋をちゃんと用意してあげよう……。
もしかしたらベルローゼさんとシーザー師匠両方の特訓を
受けれるのか?すげーありがたいんだが身体持つかな……。
「それで、なんて名前の傭兵団にするか決めたの?バカ弟子」
「えーっと……今度こそいい名前つけるって決めてちゃんと
考えたんだ!俺様とルインから一文字ずつ取って
幻妖団メルだ!ど、どうかなダメか……?」
上目遣いでこっちを見るのでドキっとしてしまった。
トンヌラとかじゃなくてよかったよ。本当に。
「いいんじゃないか?わかりやすいし素敵じゃないか」
「へぇ。ちょっとだけ見直したよ。主の名付けはいまいちだったから」
「私は異論ないわ!ルインの文字が入ってるのが気に入ったわ!」
「私もいいと思うな。二人の意志が感じられるもの」
「うんうん!」
「じゃあ決まりね。登録はしといたげるから。後でまた来るわ。
アップルパイ用意しといてね!じゃあね!」
そう言うとライラロさんはあっという間にいなくなった。
あれ?師匠が来るんじゃなかったのか?
本当、鉄砲玉みたいな人だな。そこがいいとは思うけど。
師匠もいい加減覚悟を決めるしかないと思うんだよなー……。
「じゃあサラと僕は少し温泉てやつと、休める部屋っていうのに行ってみるよ。
少々草臥れた。色々あったしね」
「私が温泉まで案内してあげるわ。せいぜい感謝することね」
「ふーんだ。一人でもいけますよーだ!」
「僕は鍛冶作業に戻るね!まだ作りたいものもあるし!いこ、マーナ!」
「うん。ここちゃんも一緒にいこうねー」
「ここっと!」
「メルザとパモはどうする?」
「俺様、久しぶりにスッパムがくいてーんだ。取りに行こーぜ!」
「ぱみゅ、ぱみゅ!」
「そっか、パモもストックはないか。じゃあ三人で取りにジャンカの森へ行こう」
俺たちはメルザの領域側から泉に飛び込み久しぶりの森に来た。
俺はするすると木に登る。メルザは義手を外していた。
「ほら、メルザ」
「ありがと、ルイン。……んー、やっぱ美味いな、ルインがとってくれたスッパムは」
「いくつか持って帰ろう。パモ、頼むよ。パモも食べていきな」
「ぱみゅー!」
嬉しそうにスッパムを食べるパモ。
俺達は泉のほとりに座ると、リルとサラを助けに行ったときの事を話す。
サラの話をすると、ちょっと不機嫌になるメルザがいた。
「そのサラって子の方は危険だな!危ない!危険が危ない!」
「同じ意味を連呼するなって……まぁあの子もいい子だとは思うぞ」
むすーっとするメルザの頭を立ち上がり撫でる。
「さてそろそろ領域に戻るか。やる事もまだまだあるしな」
「……もうちょっとこうしてちゃダメか?」
「ん?構わないけど皆心配するぞ」
「ルインちょっとここ座って」
「ああ。わかった。じゃあもうちょっとだけ……ん」
メルザは俺に抱き着いてキスをした。
俺もそのままメルザを抱きしめしばらくそうしていた後
そのまま泉へと飛び込んでいった。
皆を救えた喜びを胸に。我が主に感謝を込めて。
俺達の領域に帰ろう。
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