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第六章 強くなる
第百三十八話 残虐のベルータス
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ルインがメドゥーサリアに到着する少し前。
ああ、いらつきが止まらねぇ。
七柱のうち二柱も失った。あの蛇一族共はぶち殺すだけじゃすまねえ。
何度も死の淵まで落としてを繰り返してやる。
まぁあいつの懐刀二匹を捕縛したのはでけぇ。
こっちが攻めるにお誂え向けの条件を用意するたぁ
蛇女も間が抜けたもんだぜ。
タルタロスのくそ野郎にも使者を出し済みだ。
最悪に仲のわりぃフェルドナーガの野郎は動かないだろ。
ビノータスのあほ以外は連れて来た。
負ける要素はねえはずだ。
今から楽しみだぜぇ。蛇女の顔が歪んでいく様を見るのがよぉ。
「クックックッ。はぁーっはっはっは!」
「ご機嫌ですかな。ベルータス様」
「あぁ? 機嫌わりぃに決まってるだろうが。リベドラ。
てめぇじゃなきゃぶんなぐってるとこだぜ」
「これは失礼を。ご容赦下さり感謝いたします」
「おう。アンジャナとミューズがぶち殺された分の恨みは
はらすぜぇ。クルエダ、ラプス、オロソーはどこにいやがる」
「控室で命令を待っております」
「呼んで来い。指示を出す」
「失礼します! 伝令です!」
「ああん?」
「ベルータス様の御前だぞ!」
「申し訳ありません! 急遽お知らせしなければいけないことが」
「さっさと言え」
「後方に絶空を見たとの報告があります!」
「なんだと? ビノータスの奴、言いつけを聞かずに
出現したってのか?」
「わかりません! 遠目が聞く者の話ですので! 失礼しました!」
そういうと部下は立ち去り持ち場に戻る。どういうことだ?
いらつかせやがって。
ようやくt楽しみを思い起こして少し落ち着いたってのによ。
「おいリベドラ。オロソーに確認にいかせろ。念のためだ。
他はまだ待機でいい。
もしビノータスが乗っていたら半殺しにしていいと伝えろ。
ついでに帰ったら拷問にかけろと伝えておけ」
「承知しました」
「戻るまでここで待機だ。くそが、手間取らせやがって。
絶空は宝の一つだってのに勝手に持ち出しやがって」
そう言うとベルータスは近くの侍女から酒をひったくってあおり飲み、地面に叩きつけた。
侍女が悲鳴を上げたので、そのままひっつかんでスターベルから
放り投げ、ゲラゲラと笑う。
「あぁ、早くぶち殺してぇなぁ。残虐ってのはどうしてこうも楽しいのかねぇ」
オロソーを呼びに行ったリベドラは少し不安な表情を浮かべていた。
何故絶空がこんなところに? あの無駄三昧が無駄を好むのは知っているが、ベルータス
様に怒りを向けられれば、例え親族といえどただでは済まないはず。
だが主に逆らうような意見をすれば自分とて無事では済まない。
オロソーを呼びに行くしかない。
「なんだリベドラ。出陣か?」
「後方に絶空を見た者がいるらしい。ベルータス様より
お前に確認へ行けと
言伝を頼まれた」
「この血みどろのオロソーが偵察たぁ随分と扱いがひでぇな」
納得していない様子だが、無理もない。彼も七柱の一角だ。
「ああ、俺もそう思うがビノータスのお遊びにしては過ぎる。
用心していけ。もしビノータスなら半殺しにしていいそうだ」
「ほう、それなら喜んで行こう。あの野郎はベルータス様の親族だから、粋がってても
手が出せずにいてな。殺さなきゃいいんだよな」
「ああ、戻ったら拷問にもかけろとの事だ。任せたぞ」
「ククク、こりゃいい。行ってくるぜ」
そう言うと彼は外に出て絶空を見たという方面へ自らの翼で飛び立つ。
「本当に来てやがるな。おいビノータス! 出てこい!」
返事は帰ってこない。仕方ない絶空の中に入るか。
このまま攻撃したら絶空が傷ついて……いや、既にかなり傷ついている。
これじゃまるで自分がやったみたいに思われる。
怒り狂うベルータスを想像し、恐怖したその瞬間だった。
「ぐあああああああああバカな、この攻撃はああああああ!」
黒星の鎌が彼の胴体を真っ二つにした。
完全に油断していたため、防御すら取れない。
ベルータスを恐れるあまりにつくった隙をベルローゼが見逃すはずもない。
「実に運がいい。血みどろのオロソー。黒星とも最悪の相性のこいつが、不意打ちで
殺せるとはな。傷を負わせた対象の妖力を吸い上げるその力。
フェルドナージュ様に向けられる前に仕留められるとは。
だがこいつを殺したとなれば足止めはここまでか。
私も離脱しよう」
そういうとベルローゼは絶空を打ち捨てて影で移動する。
フェルドナージュ様の元を目指して。
しばらくして……「おい、リベドラ。オロソーはまだ遊んでるのか」
「まだ戻ってきておりません」
「あいつが命令に背くとは思えねぇ。お前が見に行け」
「承知しました。すぐに行って参ります」
不安が的中したか。急いで絶空に向かうが。
絶空は地に落下してかなりボロボロだった。これをどう説明すれば
いいのか。
リベドラの顔が真っ青になる。
そして地面には両断されたオロソーの死体。
ベルータス様の怒りは頂点に達するだろう。
リベドラは覚悟を決めて主の元へ戻っていった。
ああ、いらつきが止まらねぇ。
七柱のうち二柱も失った。あの蛇一族共はぶち殺すだけじゃすまねえ。
何度も死の淵まで落としてを繰り返してやる。
まぁあいつの懐刀二匹を捕縛したのはでけぇ。
こっちが攻めるにお誂え向けの条件を用意するたぁ
蛇女も間が抜けたもんだぜ。
タルタロスのくそ野郎にも使者を出し済みだ。
最悪に仲のわりぃフェルドナーガの野郎は動かないだろ。
ビノータスのあほ以外は連れて来た。
負ける要素はねえはずだ。
今から楽しみだぜぇ。蛇女の顔が歪んでいく様を見るのがよぉ。
「クックックッ。はぁーっはっはっは!」
「ご機嫌ですかな。ベルータス様」
「あぁ? 機嫌わりぃに決まってるだろうが。リベドラ。
てめぇじゃなきゃぶんなぐってるとこだぜ」
「これは失礼を。ご容赦下さり感謝いたします」
「おう。アンジャナとミューズがぶち殺された分の恨みは
はらすぜぇ。クルエダ、ラプス、オロソーはどこにいやがる」
「控室で命令を待っております」
「呼んで来い。指示を出す」
「失礼します! 伝令です!」
「ああん?」
「ベルータス様の御前だぞ!」
「申し訳ありません! 急遽お知らせしなければいけないことが」
「さっさと言え」
「後方に絶空を見たとの報告があります!」
「なんだと? ビノータスの奴、言いつけを聞かずに
出現したってのか?」
「わかりません! 遠目が聞く者の話ですので! 失礼しました!」
そういうと部下は立ち去り持ち場に戻る。どういうことだ?
いらつかせやがって。
ようやくt楽しみを思い起こして少し落ち着いたってのによ。
「おいリベドラ。オロソーに確認にいかせろ。念のためだ。
他はまだ待機でいい。
もしビノータスが乗っていたら半殺しにしていいと伝えろ。
ついでに帰ったら拷問にかけろと伝えておけ」
「承知しました」
「戻るまでここで待機だ。くそが、手間取らせやがって。
絶空は宝の一つだってのに勝手に持ち出しやがって」
そう言うとベルータスは近くの侍女から酒をひったくってあおり飲み、地面に叩きつけた。
侍女が悲鳴を上げたので、そのままひっつかんでスターベルから
放り投げ、ゲラゲラと笑う。
「あぁ、早くぶち殺してぇなぁ。残虐ってのはどうしてこうも楽しいのかねぇ」
オロソーを呼びに行ったリベドラは少し不安な表情を浮かべていた。
何故絶空がこんなところに? あの無駄三昧が無駄を好むのは知っているが、ベルータス
様に怒りを向けられれば、例え親族といえどただでは済まないはず。
だが主に逆らうような意見をすれば自分とて無事では済まない。
オロソーを呼びに行くしかない。
「なんだリベドラ。出陣か?」
「後方に絶空を見た者がいるらしい。ベルータス様より
お前に確認へ行けと
言伝を頼まれた」
「この血みどろのオロソーが偵察たぁ随分と扱いがひでぇな」
納得していない様子だが、無理もない。彼も七柱の一角だ。
「ああ、俺もそう思うがビノータスのお遊びにしては過ぎる。
用心していけ。もしビノータスなら半殺しにしていいそうだ」
「ほう、それなら喜んで行こう。あの野郎はベルータス様の親族だから、粋がってても
手が出せずにいてな。殺さなきゃいいんだよな」
「ああ、戻ったら拷問にもかけろとの事だ。任せたぞ」
「ククク、こりゃいい。行ってくるぜ」
そう言うと彼は外に出て絶空を見たという方面へ自らの翼で飛び立つ。
「本当に来てやがるな。おいビノータス! 出てこい!」
返事は帰ってこない。仕方ない絶空の中に入るか。
このまま攻撃したら絶空が傷ついて……いや、既にかなり傷ついている。
これじゃまるで自分がやったみたいに思われる。
怒り狂うベルータスを想像し、恐怖したその瞬間だった。
「ぐあああああああああバカな、この攻撃はああああああ!」
黒星の鎌が彼の胴体を真っ二つにした。
完全に油断していたため、防御すら取れない。
ベルータスを恐れるあまりにつくった隙をベルローゼが見逃すはずもない。
「実に運がいい。血みどろのオロソー。黒星とも最悪の相性のこいつが、不意打ちで
殺せるとはな。傷を負わせた対象の妖力を吸い上げるその力。
フェルドナージュ様に向けられる前に仕留められるとは。
だがこいつを殺したとなれば足止めはここまでか。
私も離脱しよう」
そういうとベルローゼは絶空を打ち捨てて影で移動する。
フェルドナージュ様の元を目指して。
しばらくして……「おい、リベドラ。オロソーはまだ遊んでるのか」
「まだ戻ってきておりません」
「あいつが命令に背くとは思えねぇ。お前が見に行け」
「承知しました。すぐに行って参ります」
不安が的中したか。急いで絶空に向かうが。
絶空は地に落下してかなりボロボロだった。これをどう説明すれば
いいのか。
リベドラの顔が真っ青になる。
そして地面には両断されたオロソーの死体。
ベルータス様の怒りは頂点に達するだろう。
リベドラは覚悟を決めて主の元へ戻っていった。
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