異世界転生 我が主のために ～不幸から始まる絶対忠義～ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー

第五章 求むるは何を欲するものなり

間話 ずーっと見ていたい星

　キャットマイルドと戦った後。
　ミリルは一度父の元へ戻るといい、仕えのものとルーと一緒に故郷に戻った。

　俺はルーを見るのは初めてだが、親近感がわく。名前が似てるからか？　
　パモは元気になってパモパモしている。俺にとって最高のもふもふだ。

　真奈美はマーナという名前をもらったらしい。
　「こっちの世界っぽくていいじゃないか？」って言ったら喜んでいた。

　俺が受け止めた呪縛で、悪い夢は見なくなったようだ。
　ココットは相変わらずだ。ずっとココットといっている。
　けどこいつ兵器なんだよな。こいつ用の装備がみつかると大きく変わるのかな。

「なぁメルザ。今日はいっぱい話をしないとな」
「ああ、俺もいっぱいいっぱいルインの話をききたいな」
「ぱみゅー！」
　「ここだとまだ危険かもしれないし、船に乗って
トリノポートを目指すか」
「ああ、それなら」

　そういうと海辺あたりまで引っ張られる。

「パモ、頼む」
「ぱみゅー！」

　もにょーんとでかいオブジェクトの物が出る。
　そうでした。パモさんは最高でした。

「これってトラウマが……」
「だいじょぶだ、俺様が操作するから、その、支えててくれ！」

　メルザの用意した風斗車に乗る。メルザを後ろからぎゅっと
支えてやる。あれ、ちょっと揺れが
激しいんですけど、メルザさん！

　メルザの風斗車に乗って数時間でトリノポート付近に。
　船より何十倍も速い。波の影響も受けない。
　
　あたりは少し暗い。空を見上げれば無数の星が見えた。

「なあメルザ」
「なんだ？　もうちょっとで着くぞ」
「お前は俺の主で、誰よりも大事な存在だ。
そんなメルザが俺は好きだ」
「ば、ばか。今そんなこといって、ずるいぞ！　その……俺様だって。その、好きだ」

「よかった、さぁ帰って色々話するぞ！」
「ああ！」
夜空は絶え間なく光を放ち、二人の道筋を祝福していたようだった。