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第五章 求むるは何を欲するものなり

第九十三話 館の中は

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 死霊の館の小さい入口の中は、厨房のような場所だった。

 三号に先に行くように懇願するが行ってくれないので
泣く泣く俺は先を行く。

 レウスさんが先だと敵かどうわかりづらいからだ。

 案の定地面に倒れてる赤色の骨がパキパキと組みあがり
襲ってくる。ほらね……怖いよ。

 ただ相手が骨なら格闘はかなり有利。
 
 俺は封印箇所を外して指定しておき、近づいて一気に赤骨を叩く。
 バラバラと崩れて封印出来た。

 相性悪い武器ならあの赤骨でも苦労しそうだな。
 警戒しながらその部屋を散策して、敵がいないことを確認する。
 奥の扉へと赴き扉をゆっくりあけると……キバットと目があってしまった! 
 こっちに向かってくるので俺は後ろに跳躍。

 そのままやつをこの扉の中に引き入れる。そのまま蛇籠手を使用して奴を捕縛する。

 ……やっぱりでてくるか。でてきたところをすかさずブロードソードで仕留めた。
 
 この蛇籠手は便利だが、牙のような鋭いものには
弱いらしい。

「おう、ルイン。その蛇の。かっこいいな。
俺も真似しよう。それ。俺を封印して籠手から出す。いいな?」
「え? これモンスター封印するやつだけど。
あっ!? もしかして攻撃して封印値たまればいけるのか?」
「やってみろ。もしかしたらできる。面白そうだ、な?」

 俺は蛇籠手の封印の一つを外すと、その場所を指定してレウスさんに殴りかかる。

 おお、一だけど封印値があがった。
ていうか今の攻撃で一って。本当に強いんだな。

 俺は容赦なくレウスさんをタコ殴りにする。

 息を切らしとにかく無抵抗な骨を……気が引ける。

 やっと百になったので封印してみると……。蛇籠手の中でレウスさんが
両手でピースしてる。

 おれはちょっと頭がくらくらしたが、再度レウスさんを出した。

「よーしよし。これで不浄なる俺も地上にでられるぞ。
あたりを持って帰れるなんて本当、日ごろの行いだな! 
やったな!」

 物凄く嬉しそうな骨に俺は何といえばいいかわからない気持ちになった。
 そういえば三夜の町にも骨のせっちゃんがいるけど、あそこは大丈夫なのか? 夜だから? 
 考えてもわからないのでもう一度レウスさんをアクリル板に戻して籠手にはめる。

 身体能力は……浮遊? あれ、まじかよ。空飛べるの? 
 俺は少しだけ地面に浮いた。
 
 けど十センチくらいだけだな。疲れはしないけど。
 俺はそのまま扉から出て、館内を見てみる。

 丁度いい! 床に穴とかあいてるしこのままいけば
ショートカットできるんじゃ? 

 俺はすいすいとそのまま穴のあいてる床を通り抜けて
上への階段にさしかかる。
 こういうでかい階段を上がるのは嫌な予感しかしないんだよな。

 俺はレウスさんの浮遊を一旦解除して地面に降りて慎重に階段を上る。

 五十段ほど登ったところで巨大な模型のようなものが目に入った。
 全長何メートルもありそうなその模型が邪魔で、先がよく見えない。

 まだまだ先のはずなんだがな。
 とりあえずレウスさんに出てきてもらう。

「どうだった? 浮くのは楽しかったか? 楽しかったろ?」
「ええ、新鮮な感じがしましたね。
ところでそこの模型が邪魔で、先がよく見えないので
見てきてもらっていいですか?」
「模型? ありゃ模型じゃないぞ、おい」
「え? なんですか、あれ」
「どう見ても俺と同じモンスターだろ、あれ? 見えないか?」

 俺の背筋がざわつく……すると正面の模型が動き出した。

「あれはドラゴントウマのトウマさんだ。友達だ」

 絶対噓だろそれーーーーーー! 
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