異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー

紫電のチュウニー

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第五章 求むるは何を欲するものなり

第九十話 修業!

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「あいつから行くぞ、三号!」
「……」
 
 俺は今一人なのでスライム三号こと三号に話しかけて自我を
保っている。

 この世界にきて一人きりで行動していた事が
殆どない。
 
 しかもこんな幽閉の辿りという廃墟の牢獄
みたいな場所だ。心細くもなる。

 スライムは答えてくれないが、まぁいい。
目の前にいるのは一匹のコウモリのような奴だ。

 だがコウモリよりはるかに長いサーベルタイガーのような牙を
持っている。

 あれでザックリいかれたら痛いじゃすまないだろう。

 俺は様子を伺いながらじりじりとにじみより隙を伺う。
投擲武器が今はない。
 だが考えはある。

 崩れた壁に隠れている俺は、左側からコウモリに蛇籠手を放つ。
 
 籠手はみるみるうちに蛇に姿を変えてコウモリに襲い掛かった。

 それに気づいたコウモリは蛇に攻撃をしようとするが
右側から勢いよく飛び出した俺の
右拳をまともにくらった。

 すると、三十メートル位吹き飛んでやつは消滅した。

 あれ……やりすぎたか? このあたりはもしかしたらまだそんなに強くないらしい。

 ならばともう一匹同じ個体がいたので、そいつを蛇籠手は使わず対峙する。

 飛翔しながら俺に襲いかかるが、全然見えるし
動きも遅く感じる。

 バックステップしてから今度はブロードソードを
奴にめがけて投げると、簡単に
突き刺さり消滅した。

 あれ? こっちでも一撃か。

 さらにもう一度同じ個体をさがす。

 封印するために一度装着していた一つをアクリル板に戻してあけてある。

 後ろから軽めに蹴りを入れると、一撃封印で終わった。

 牙のあるコウモリだからキバットとでも呼んでおこう。

 次に見かけたのは打ち上げられた緑色のタコみたいなやつだった。

 青のりでゆでたような色だ。
 どう見ても打撃では不利なので、ブロードソードを構える。

 奴がいきなりスミらしきものを吐いてくる! 

 俺は急いで回避。右に跳躍したが、飛びすぎた! そのまま右の崩れかけた壁に手を
つこうとしてマッドシールドというイメージが湧く。
 
 ……これマッドラココが使ってたやつだ。
 
 マッドシールドを使用すると、激突した壁の部分に泥ができてダメージが吸収された。
 
 防御面があまいので、こいつは助かるな。疲れるけど。

 俺は青のりタコに的にならないようジグザグに動き
蛇籠手をけしかける。
 
 蛇はぱくっと青のりタコを食べた。ちょっと美味しそうだな……それ。

 あ、ダメージが回復するってのはこんな感じか。
 
 あのタコなら蛇から逃れる術はないと思ったが、予想通りだったようだ。

 蛇佩楯の使い道は今のところ見出せないが、蛇籠手の方は

 かなり使える。捕縛網並みなのではないか?
 いや、あの捕縛網はサラを捕らえた時に、サラが死にかけていた。
 
 サラはリルよりは弱いだろうが、それでも相当な猛者だろう。
 
 単純に使用者のレベルに左右され、俺がまだまだ弱いってだけだな。

 俺は引き続き敵を探す。先ほどの青ノリタコも勿論封印した。
 
 しばらく歩くと瓦礫や廃屋が点在する場所にでる。
 出会いがしらに襲われると危険だな。

 俺は三号をしまった。

 道なりに行ってくださいという様な道をそのまま進むほど不用心ではない。

 ここでいよいよ蛇佩楯の出番だ。頼みますフェルドナージュ様。

 俺は高く跳躍して廃屋の上に乗る。

 隙間から下を見るとうじゃうじゃと何かいるのがみえる。
 
 持っててよかった跳躍力! 

 ジャンプして攻撃するだけが手段じゃないんだ。

 俺は蛇佩楯の正しい使い方を駆使して少しずつ先へ進んだ。

 すると……「あれ、こんなところに?いやこんなところだからか」

 そこには久しぶりに見る、紫電の宝箱があり、思わず呟いていた。
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