74 / 1,085
第三章 闘技大会 後編
第六十五話 団体戦 初戦 デンジー三兄弟
しおりを挟む
「さぁいよいよ団体戦初戦が始まります! 今回の初戦注目はやはり! 個人船優勝者の
ルイン選手がいるチームです! あの優勝候補ベルド選手を倒した逆転劇! 感激して
好きになってしまった女性は多いのではないでしょうか!」
耳をふさぐはずだったのに……おい、まじでやめろ……毎回いじられすぎだろ!
「しかーし! 残念ながら彼には思い人がいるようです! ぜひ皆さんで、応援して
やりましょう! がんばれー!」
会場からがんばれーと声があがる。恥ずかしすぎる……穴があったら入りたい。
「けっ。兄者ぁー! あの野郎のことみたいですぜ。気に入らねぇ!」
「まーったくだ弟よ。わてら三兄弟を無視して女の話たぁよ!」
「げーっ、げけっ」
「われらデンジー三兄弟!長兄エレギー!」
「次男、ジーキ!」
「げーっ、げけっ」
「……三男、ソウゴー!」
「「三人合わせて! デンジー三兄弟!」
「……」
「貴様らをぐちゃぐちゃにして、そっちの女どもをわてらの恋人にしてやる!」
「願望が詰まってるやつらだな……」
「いくぞっ!」
「いやまだ試合始まってないから」
「なにぃ!?」
漫才トリオみたいなのが出てきた。
和気あいあいで楽しそうだがとりあえず初戦で負けるわけにはいかないな。
「それでは試合開始!」
俺たちは練習通りに俺が最前線。
ミリルはメルザを守るようにメルザの正面やや左程度に後衛に置いた。
「そんな離れて貴様一人で戦うつもりかぁー!」
「ちげーよ」
ジーギが二本の刀を両手で前に出して頭から突進してくる。これはダサい!
ちょうど新しい武器の試し打ちにはなるな。
流星錘を射出してジーギに飛ばす。
とんでもない速さで射出され、ジーギの正面にぎぃんという音とともにぶちあたる。
ジーギを後方に大きく吹き飛ばした。
流星錘は凄い速さでがしゃりと俺の元へ戻ってきた。
便利すぎるな、これは。
メルザはその間の隙に詠唱する。
個人戦では使用するのにも一苦労だが、相手が阻害しなければ楽々使える。
「主として権限を行使。
火、土の斗。改元せし二つの理。
燃流出乃、土流出乃を我が元に」
メルザは右手で円を描き二対のエレメンタルを解き放った。
明らかに燃流出乃エレメンタルがでかい!
付与でこんなに変わるのか?
続けざま、メルザはソウゴーに燃臥斗を放つ。
「げーっ げけっ」
「危なーい、弟よ!」
エレギーが飛び込んでソウゴを庇う。
エレギーの背中にメルザが放った燃臥斗が当たった。
「ぐああ! っ……だ、大丈夫か弟よ……!」
いや、今あんたがくらいにいかなきゃ普通に避けたんじゃないか?
それに弟さんはさっきから「げー、げけっ」しか喋ってないんですが。
ゲッコ族ですか? このやろー。
「ぐぅ、わては動けん。頼んだぞ、弟たちよ!」
「兄者ー! おのれぇ、よくも兄者を!」
起き上がったジーキが俺を睨む。磁力バリバリだ。
「……もう片付けていいか?」
「なにぃっ?」
後ろからメルザが超でかい燃斗をエレメンタルと一緒に叩き込もうとしていた。
フル装備にさらに強化したソレは絶対くらいたくない。
三兄弟は固まり、震えながら場外へ飛び降りていった。
おまえら、絶対ネタ参加だろっ!
俺たちはどっと疲れて初戦を勝利した。
ミリルさん、出番なかったな。
ルイン選手がいるチームです! あの優勝候補ベルド選手を倒した逆転劇! 感激して
好きになってしまった女性は多いのではないでしょうか!」
耳をふさぐはずだったのに……おい、まじでやめろ……毎回いじられすぎだろ!
「しかーし! 残念ながら彼には思い人がいるようです! ぜひ皆さんで、応援して
やりましょう! がんばれー!」
会場からがんばれーと声があがる。恥ずかしすぎる……穴があったら入りたい。
「けっ。兄者ぁー! あの野郎のことみたいですぜ。気に入らねぇ!」
「まーったくだ弟よ。わてら三兄弟を無視して女の話たぁよ!」
「げーっ、げけっ」
「われらデンジー三兄弟!長兄エレギー!」
「次男、ジーキ!」
「げーっ、げけっ」
「……三男、ソウゴー!」
「「三人合わせて! デンジー三兄弟!」
「……」
「貴様らをぐちゃぐちゃにして、そっちの女どもをわてらの恋人にしてやる!」
「願望が詰まってるやつらだな……」
「いくぞっ!」
「いやまだ試合始まってないから」
「なにぃ!?」
漫才トリオみたいなのが出てきた。
和気あいあいで楽しそうだがとりあえず初戦で負けるわけにはいかないな。
「それでは試合開始!」
俺たちは練習通りに俺が最前線。
ミリルはメルザを守るようにメルザの正面やや左程度に後衛に置いた。
「そんな離れて貴様一人で戦うつもりかぁー!」
「ちげーよ」
ジーギが二本の刀を両手で前に出して頭から突進してくる。これはダサい!
ちょうど新しい武器の試し打ちにはなるな。
流星錘を射出してジーギに飛ばす。
とんでもない速さで射出され、ジーギの正面にぎぃんという音とともにぶちあたる。
ジーギを後方に大きく吹き飛ばした。
流星錘は凄い速さでがしゃりと俺の元へ戻ってきた。
便利すぎるな、これは。
メルザはその間の隙に詠唱する。
個人戦では使用するのにも一苦労だが、相手が阻害しなければ楽々使える。
「主として権限を行使。
火、土の斗。改元せし二つの理。
燃流出乃、土流出乃を我が元に」
メルザは右手で円を描き二対のエレメンタルを解き放った。
明らかに燃流出乃エレメンタルがでかい!
付与でこんなに変わるのか?
続けざま、メルザはソウゴーに燃臥斗を放つ。
「げーっ げけっ」
「危なーい、弟よ!」
エレギーが飛び込んでソウゴを庇う。
エレギーの背中にメルザが放った燃臥斗が当たった。
「ぐああ! っ……だ、大丈夫か弟よ……!」
いや、今あんたがくらいにいかなきゃ普通に避けたんじゃないか?
それに弟さんはさっきから「げー、げけっ」しか喋ってないんですが。
ゲッコ族ですか? このやろー。
「ぐぅ、わては動けん。頼んだぞ、弟たちよ!」
「兄者ー! おのれぇ、よくも兄者を!」
起き上がったジーキが俺を睨む。磁力バリバリだ。
「……もう片付けていいか?」
「なにぃっ?」
後ろからメルザが超でかい燃斗をエレメンタルと一緒に叩き込もうとしていた。
フル装備にさらに強化したソレは絶対くらいたくない。
三兄弟は固まり、震えながら場外へ飛び降りていった。
おまえら、絶対ネタ参加だろっ!
俺たちはどっと疲れて初戦を勝利した。
ミリルさん、出番なかったな。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
D○ZNとY○UTUBEとウ○イレでしかサッカーを知らない俺が女子エルフ代表の監督に就任した訳だが
米俵猫太朗
ファンタジー
ただのサッカーマニアである青年ショーキチはひょんな事から異世界へ転移してしまう。
その世界では女性だけが行うサッカーに似た球技「サッカードウ」が普及しており、折りしもエルフ女子がミノタウロス女子に蹂躙されようとしているところであった。
更衣室に乱入してしまった縁からエルフ女子代表を率いる事になった青年は、秘策「Tバック」と「トップレス」戦術を授け戦いに挑む。
果たしてエルフチームはミノタウロスチームに打ち勝ち、敗者に課される謎の儀式「センシャ」を回避できるのか!?
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く
burazu
ファンタジー
冒険者に憧れる魔法使いのニラダは補助魔法しか使えず、どこのパーティーからも加入を断られていた、しかたなくソロ活動をしている中、モンスターとの戦いで自らに補助魔法をかける事でとんでもない力を発揮する。
最低限の身の守りの為に鍛えていた肉体が補助魔法によりとんでもなくなることを知ったニラダは剣、槍、弓を身につけ戦いの幅を広げる事を試みる。
更に攻撃魔法しか使えない天然魔法少女や、治癒魔法しか使えないヒーラー、更には対盗賊専門の盗賊と力を合わせてパーティーを組んでいき、前衛を一手に引き受ける。
「みんなは俺が守る、俺のこの力でこのパーティーを誰もが認める最強パーティーにしてみせる」
様々なクエストを乗り越え、彼らに待ち受けているものとは?
※この作品は小説家になろう、エブリスタ、カクヨム、ノベルアッププラスでも公開しています。
【3部完結】ダンジョンアポカリプス!~ルールが書き変った現代世界を僕のガチャスキルで最強パーティーギルド無双する~
すちて
ファンタジー
謎のダンジョン、真実クエスト、カウントダウン、これは、夢であるが、ただの夢ではない。――それは世界のルールが書き変わる、最初のダンジョン。
無自覚ド善人高校生、真瀬敬命が眠りにつくと、気がつけばそこはダンジョンだった。得たスキルは『ガチャ』!
クラスメイトの穏やか美少女、有坂琴音と何故か共にいた見知らぬ男性2人とパーティーを組み、悪意の見え隠れする不穏な謎のダンジョンをガチャスキルを使って善人パーティーで無双攻略をしていくが……
1部夢現《ムゲン》ダンジョン編、2部アポカリプスサウンド編、完結済。現代ダンジョンによるアポカリプスが本格的に始まるのは2部からになります。毎日12時頃更新中。楽しんで頂ければ幸いです。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる