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第三章 闘技大会 後編
第五十六話 ベルディアvsリヒャルド ベルドvsルガール戦
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試合後、シュウさんと二人で雑談していた。
「やっぱり強いねルインさんは」
「シュウさんこそ、あそこまでニ刀を扱うには相当苦労したでしょう」
「ああ、かなり大変だった。うちの師匠は厳しくてね。
だが本選決勝までは行けると思ったんだがね」
「シュウさんは何でもありの方が残っているのでしょう? そちらの方が
ニ刀向きでは? 暗器も使うのでしょう?」
そう言うとシュウさんは少し驚いた表情を浮かべる。
「どうしてわかったんだい?」
「いや、なんとなくですよ」
俺の知る限りシュウさんの戦い方は侍のニ刀ってより忍者のニ刀に近いからな。
侍のニ刀は一撃が重い上間合いを取り、挑発されても近づかない。
日本刀のニ刀ならなおの事一撃で両断だ。忍刀と日本刀じゃ切れ味の格が違う。
「俺は何でもありの試合は棄権したのでそちらで頑張ってください」
「ああ、大会が終わったら一緒に飯でも食いに行こう」
「ぜひそうしましょう。応援してます。宿を教えておきますね」
そう言うとシュウさんと硬く握手をして、次の試合を見に行った。
「本選第一試合の興奮も冷めやらぬまま、まもなく第二試合が始まります! 凄まじい格闘術を見せたベルディア選手と
こちらも膝のトゲを利用して戦うスタイルの格闘! 実に見物です!」
「私も剣よりあちらの方が痛く無さそうで好きですっ」
「試合開始です!」
ベルディアはナックルニ本で左を前にして構える。
「いくっしょ」
刹那、瞬間移動の用にリヒャルドの顔面前にきて拳を叩きこむ。
「ひゃっはぁー!」
予測していたリヒャルドはすでに右膝を上空に上げていた。
しかしベルディアの構えは左構え。状態を左に少し反らして膝を回避する。
「自分の武器に過信しすぎっしょ」
ベルディアは膝の突起部を思い切り打つ。
「ぐあぁ!」
右足があらぬ方向へ曲がる。
ベルディアは追撃して左足右手、左手も同様に打ち付けた。
審判が止めに入る。
「物足りなさすぎるっしょ。拍子抜け。けど次はあいつね」
クスクスと笑うベルディアは会場を後にした。
「あいつは手こずりそうだな」
試合を見てそう呟く。ついでに次の試合も観ておくか。
「あっという間に終わってしまった第二試合でした!
ベルディア選手恐るべし! 準備が整いましたら第三試合に移ります!」
「おや、君は確かルイン君じゃないかい?」
見知らぬ男性に話しかけられる。
かなり警戒しているんだが、こいつの気配を感じなかった。こいつも相当やるな。
「……誰? 今ちょっと機嫌が悪いんだけど」
「これは済まない。妹の試合のせいかな?」
「あぁ、あんたもそうなのか」
「これは失礼した。長男のベルドだ。
この名前はベルディスさんから拝命したものだよ」
「そうか師匠の……ならやるときは容赦しない」
「望むところだ。次の試合よく見ていてくれ」
「まもなく本選第三試合が開始されます! これまで無傷のベルト選手。
両手に短めの槍を持っております。かなり珍しい! 対するルガール選手は相手を毎回血祭にしている狂暴な選手です! トゲのついた棍棒を握っております!」
「うへへっ おれはよう、相手が血をふいてぶっ倒れていく様をみるのが好きなんだ。おめぇもすーぐ血祭にしてやるからよぉ」
「下種が。話しかけるな。貴様など眼中にない。
私が興味があるのはあの男だけだ」
「うへっ、かっこつけやがって。これでも本選に残ってるんだぜ? よえーわけねえだろ」
「誰も貴様が弱いなどとはいっていない。油断など私にはない。
そう父に教わっただけだ」
「うへへっ。負けたらお父ちゃん助けてーってか?」
「安い挑発だな。その喋り方も演技だろう?」
「ちっ……こいつぁ俺もまじでやらないとダメだな」
そう言うとルガールは棍棒を肩に担いだ。
「それでは第三試合、はじめ!」
ベルドは短槍を一本前へ出す。するとそれは伸びて細長くなり
ランスのような形状となった。
「あれは……伸縮自在の槍か。槍は一種類扱いが長けるのに十年はかかるというが……恐らく二本つなげることもできるな。
そうすると二短槍、一短一槍、一槍一槍、一長槍。四種類の難しい槍術を極めんとする相手か」
ルインは遠くで観戦しつつひどく関心していた。
ルガールはちっと舌打ちしてトゲ棍棒を振り回しながら様子を見る。
「……来ないのか? こちらからいけば貴様は何もできずに終わるがそれでいいか?」
「んだとこら、なめてんじゃなえぞ!」
「……ばかめ」
ルガールが挑発されて思い切り棍棒を振り上げた瞬間を
ベルドは見逃さなかった。
こいつ自分でやっといてあっさり挑発に乗りやがった。
ランスがルガールの足に刺さりその足に刺したランスに乗りあげ、飛翔して
残りの短槍でルガールの棍棒を弾き飛ばした。
「うぎゃあああああいでぇえええええええ! 参った、おれのま」
「言わせる前にもう一発、父を侮辱した分だ」
そう言うとランスを持っていたほうの手でルガールの顔面を
思い切り殴り飛ばした。
「やっぱり強いねルインさんは」
「シュウさんこそ、あそこまでニ刀を扱うには相当苦労したでしょう」
「ああ、かなり大変だった。うちの師匠は厳しくてね。
だが本選決勝までは行けると思ったんだがね」
「シュウさんは何でもありの方が残っているのでしょう? そちらの方が
ニ刀向きでは? 暗器も使うのでしょう?」
そう言うとシュウさんは少し驚いた表情を浮かべる。
「どうしてわかったんだい?」
「いや、なんとなくですよ」
俺の知る限りシュウさんの戦い方は侍のニ刀ってより忍者のニ刀に近いからな。
侍のニ刀は一撃が重い上間合いを取り、挑発されても近づかない。
日本刀のニ刀ならなおの事一撃で両断だ。忍刀と日本刀じゃ切れ味の格が違う。
「俺は何でもありの試合は棄権したのでそちらで頑張ってください」
「ああ、大会が終わったら一緒に飯でも食いに行こう」
「ぜひそうしましょう。応援してます。宿を教えておきますね」
そう言うとシュウさんと硬く握手をして、次の試合を見に行った。
「本選第一試合の興奮も冷めやらぬまま、まもなく第二試合が始まります! 凄まじい格闘術を見せたベルディア選手と
こちらも膝のトゲを利用して戦うスタイルの格闘! 実に見物です!」
「私も剣よりあちらの方が痛く無さそうで好きですっ」
「試合開始です!」
ベルディアはナックルニ本で左を前にして構える。
「いくっしょ」
刹那、瞬間移動の用にリヒャルドの顔面前にきて拳を叩きこむ。
「ひゃっはぁー!」
予測していたリヒャルドはすでに右膝を上空に上げていた。
しかしベルディアの構えは左構え。状態を左に少し反らして膝を回避する。
「自分の武器に過信しすぎっしょ」
ベルディアは膝の突起部を思い切り打つ。
「ぐあぁ!」
右足があらぬ方向へ曲がる。
ベルディアは追撃して左足右手、左手も同様に打ち付けた。
審判が止めに入る。
「物足りなさすぎるっしょ。拍子抜け。けど次はあいつね」
クスクスと笑うベルディアは会場を後にした。
「あいつは手こずりそうだな」
試合を見てそう呟く。ついでに次の試合も観ておくか。
「あっという間に終わってしまった第二試合でした!
ベルディア選手恐るべし! 準備が整いましたら第三試合に移ります!」
「おや、君は確かルイン君じゃないかい?」
見知らぬ男性に話しかけられる。
かなり警戒しているんだが、こいつの気配を感じなかった。こいつも相当やるな。
「……誰? 今ちょっと機嫌が悪いんだけど」
「これは済まない。妹の試合のせいかな?」
「あぁ、あんたもそうなのか」
「これは失礼した。長男のベルドだ。
この名前はベルディスさんから拝命したものだよ」
「そうか師匠の……ならやるときは容赦しない」
「望むところだ。次の試合よく見ていてくれ」
「まもなく本選第三試合が開始されます! これまで無傷のベルト選手。
両手に短めの槍を持っております。かなり珍しい! 対するルガール選手は相手を毎回血祭にしている狂暴な選手です! トゲのついた棍棒を握っております!」
「うへへっ おれはよう、相手が血をふいてぶっ倒れていく様をみるのが好きなんだ。おめぇもすーぐ血祭にしてやるからよぉ」
「下種が。話しかけるな。貴様など眼中にない。
私が興味があるのはあの男だけだ」
「うへっ、かっこつけやがって。これでも本選に残ってるんだぜ? よえーわけねえだろ」
「誰も貴様が弱いなどとはいっていない。油断など私にはない。
そう父に教わっただけだ」
「うへへっ。負けたらお父ちゃん助けてーってか?」
「安い挑発だな。その喋り方も演技だろう?」
「ちっ……こいつぁ俺もまじでやらないとダメだな」
そう言うとルガールは棍棒を肩に担いだ。
「それでは第三試合、はじめ!」
ベルドは短槍を一本前へ出す。するとそれは伸びて細長くなり
ランスのような形状となった。
「あれは……伸縮自在の槍か。槍は一種類扱いが長けるのに十年はかかるというが……恐らく二本つなげることもできるな。
そうすると二短槍、一短一槍、一槍一槍、一長槍。四種類の難しい槍術を極めんとする相手か」
ルインは遠くで観戦しつつひどく関心していた。
ルガールはちっと舌打ちしてトゲ棍棒を振り回しながら様子を見る。
「……来ないのか? こちらからいけば貴様は何もできずに終わるがそれでいいか?」
「んだとこら、なめてんじゃなえぞ!」
「……ばかめ」
ルガールが挑発されて思い切り棍棒を振り上げた瞬間を
ベルドは見逃さなかった。
こいつ自分でやっといてあっさり挑発に乗りやがった。
ランスがルガールの足に刺さりその足に刺したランスに乗りあげ、飛翔して
残りの短槍でルガールの棍棒を弾き飛ばした。
「うぎゃあああああいでぇえええええええ! 参った、おれのま」
「言わせる前にもう一発、父を侮辱した分だ」
そう言うとランスを持っていたほうの手でルガールの顔面を
思い切り殴り飛ばした。
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