15 / 1,085
第一部 主と紡ぐ道 第一章 出会い編
第十四話 三夜の町
しおりを挟む
三夜の町にかなり近づいただろうか。辺りが少し変わってきた。
「なんか暗くなってきたな。雨が降りそうな感じではないけど」
「そうか? パモ、スッパム出してくれよ。腹減ったよー」
「ぱーみゅぱーみゅー!」
「お主、物を収納できるのか。珍しい生物とは思ったがすごいのう!」
それから更に一時間程歩いた。思っていたより遠いな。
今日は町で一泊するか最悪野宿か……と考えていたが、遠くにようやく
建物らしきものが見えてきた。
あれが三夜の町か。外壁は結構高さがある。
入口には兵士らしき人が立っている。
メルザ以外の人を見るのは初めてだな。
「おう親父! ちゃんと金持ってきたから今度は入れるよな!」
「んー? あぁ、こないだの小汚いガキじゃねえか。随分上物の
服着てやがったから気付かなかったぜ。そっちのつれはー……お前は剣士か。
見たとこそんな強そうじゃねえな。あとは……マジックアイテムとペットだな。
んじゃ入場許可証二人分で銀貨四枚だ」
パモとカカシの分はいらないのか。こいつはラッキーだ。
銀貨一枚の価値がよくわからないが、兵士に銀貨を渡した。
「はい確かに。これが通行証だ。騒ぎは起こすんじゃないぜ?」
「ああ。そうだこの町にいい宿はあるか? 俺たち今日はここに
泊まって行きたいんだが」
「宿ならいくつかあるが、安くて飯がうまいのは
セサミの宿だな。変わった奴だが綺麗好きで飯は最高だぜ。
この町の地図もあるが買っていくか? 銀貨一枚でいいぜ」
かなりでかい町だし地図があると助かるな。
この兵士に印象付けれるし買っておくか。
「わかった、どんなものか見てからでいいか?」
兵士は頷くと俺に地図を見せてくれた。
地図には現在地である入口と目印となる中間地点などがはっきりかかれている。
お店も名前入りで相当な数があるな。これは有難い。
兵士に銀貨一枚を渡すと地図を手に持ち礼を言う。
兵士は俺たちを見送ると門番に戻った。
「わし、道具扱いされたわい……とほほ」
「ぱむー! ぱむぱみゅぅ!」
「あはは……おかげで銀貨四枚も浮いたんだ。美味いものでも食べようぜ」
「うまいもの……久しぶりに違うものが喰えるのかぁ」
「その前に宿取りに行くぞ。あれ、あっち側もう明かりがついてるな」
時計を持ってないから時間はわからないが、まだ暗くなるには早い気がする。
「ここは三夜の町じゃ。三段階に分かれる夜の町でな。夜しかないんじゃ」
カカシが教えてくれた。豊富な知識は凄い助かる。
「へー、夜の町か。しかも三種類の夜ね。一体どんな夜なんだ?」
「明かりつきの夜、賑わい祭りの夜に真なる夜の三つあるが
わしも実際に見たことはない。動きまわれぬ身体じゃったから
このように移動できるのは嬉しゅーてのう」
「ぱみゅぱーみゅー」
悲しい声をだすカカシをパモが慰めようとしている。優可愛い。
しかし明かりつきの夜ってことはこのあたりは明るいからここなんだろうな。
教えてもらったセサミの宿もこの辺りだ。
しばらく歩いてそれらしき宿に着いた。
「あらいらっしゃい。まぁいい男ね」
「すみません間違えました失礼します」
「お待ちになって! ちょっと!」
入口で面食らった俺はすぐ外に出ようとした。
なんだか入っちゃいけない気がしたんだ。
なぜなら……店主はどう見ても骨だった。
服着てるから顔だけかもしれないが、どうみてもスケルトン。骨である。
「あら、そんなに見つめて照れるじゃなーい……あ、ちょっと
出ていこうとしないで! ちゃんとするから! セクシーポーズもするから!」
「骨のセクシーポーズって誰得だよ! 門番の兵士に勧められてきたんだが」
「んまぁ、あの男。やっぱり私に気が合ったのねぇ! いやらしい目で
じろじろみていたし。美しいって罪ね。
私はここの女将のセサミよ。気軽にせっちゃんって呼んでね」
「なぁなぁせっちゃん、飯うまいって本当か? 俺様もう腹ペコで」
「んまぁ! かわいい子! 嫉妬しちゃうわ! でも素直そうな子ね。
素直な子は嫌いじゃないわよ。泊まるならすぐに料理を出してあげるわ」
「本当か!? なぁなぁルイン、ここにしようぜ。俺様もう疲れたよー」
「わかったよ。一泊……いや二泊でいくらになる?」
「食事は朝と夜の二回。そっちは……マジックアイテムにペットね。
ペットのご飯もつけるとして、食事は三人分かしら。銀貨八枚と
銅貨五枚ね」
お金を払うと、町の事がさっぱりわからない俺は女将に尋ねる。
「なあ女将。俺たちこの町に来るの初めてで。物の相場や町の雰囲気とかよくわからない
んだが色々教えてもらえるか?」
「……せっちゃんでしょ?」
「すみません。その……せっちゃん!」
「それじゃ食事の時にでも話すわね。今日はあまりお客もいないから
丁度暇つぶしにもなるわぁ。ひとまず部屋へ案内するわね」
せっちゃんが指をはじくと小さい骨Aが現れた! どうする?
戦う
防御
道具
→逃げる
しかし後ろにまわりこまれてしまった! メルザに裾を引っ張られた!
「なんか暗くなってきたな。雨が降りそうな感じではないけど」
「そうか? パモ、スッパム出してくれよ。腹減ったよー」
「ぱーみゅぱーみゅー!」
「お主、物を収納できるのか。珍しい生物とは思ったがすごいのう!」
それから更に一時間程歩いた。思っていたより遠いな。
今日は町で一泊するか最悪野宿か……と考えていたが、遠くにようやく
建物らしきものが見えてきた。
あれが三夜の町か。外壁は結構高さがある。
入口には兵士らしき人が立っている。
メルザ以外の人を見るのは初めてだな。
「おう親父! ちゃんと金持ってきたから今度は入れるよな!」
「んー? あぁ、こないだの小汚いガキじゃねえか。随分上物の
服着てやがったから気付かなかったぜ。そっちのつれはー……お前は剣士か。
見たとこそんな強そうじゃねえな。あとは……マジックアイテムとペットだな。
んじゃ入場許可証二人分で銀貨四枚だ」
パモとカカシの分はいらないのか。こいつはラッキーだ。
銀貨一枚の価値がよくわからないが、兵士に銀貨を渡した。
「はい確かに。これが通行証だ。騒ぎは起こすんじゃないぜ?」
「ああ。そうだこの町にいい宿はあるか? 俺たち今日はここに
泊まって行きたいんだが」
「宿ならいくつかあるが、安くて飯がうまいのは
セサミの宿だな。変わった奴だが綺麗好きで飯は最高だぜ。
この町の地図もあるが買っていくか? 銀貨一枚でいいぜ」
かなりでかい町だし地図があると助かるな。
この兵士に印象付けれるし買っておくか。
「わかった、どんなものか見てからでいいか?」
兵士は頷くと俺に地図を見せてくれた。
地図には現在地である入口と目印となる中間地点などがはっきりかかれている。
お店も名前入りで相当な数があるな。これは有難い。
兵士に銀貨一枚を渡すと地図を手に持ち礼を言う。
兵士は俺たちを見送ると門番に戻った。
「わし、道具扱いされたわい……とほほ」
「ぱむー! ぱむぱみゅぅ!」
「あはは……おかげで銀貨四枚も浮いたんだ。美味いものでも食べようぜ」
「うまいもの……久しぶりに違うものが喰えるのかぁ」
「その前に宿取りに行くぞ。あれ、あっち側もう明かりがついてるな」
時計を持ってないから時間はわからないが、まだ暗くなるには早い気がする。
「ここは三夜の町じゃ。三段階に分かれる夜の町でな。夜しかないんじゃ」
カカシが教えてくれた。豊富な知識は凄い助かる。
「へー、夜の町か。しかも三種類の夜ね。一体どんな夜なんだ?」
「明かりつきの夜、賑わい祭りの夜に真なる夜の三つあるが
わしも実際に見たことはない。動きまわれぬ身体じゃったから
このように移動できるのは嬉しゅーてのう」
「ぱみゅぱーみゅー」
悲しい声をだすカカシをパモが慰めようとしている。優可愛い。
しかし明かりつきの夜ってことはこのあたりは明るいからここなんだろうな。
教えてもらったセサミの宿もこの辺りだ。
しばらく歩いてそれらしき宿に着いた。
「あらいらっしゃい。まぁいい男ね」
「すみません間違えました失礼します」
「お待ちになって! ちょっと!」
入口で面食らった俺はすぐ外に出ようとした。
なんだか入っちゃいけない気がしたんだ。
なぜなら……店主はどう見ても骨だった。
服着てるから顔だけかもしれないが、どうみてもスケルトン。骨である。
「あら、そんなに見つめて照れるじゃなーい……あ、ちょっと
出ていこうとしないで! ちゃんとするから! セクシーポーズもするから!」
「骨のセクシーポーズって誰得だよ! 門番の兵士に勧められてきたんだが」
「んまぁ、あの男。やっぱり私に気が合ったのねぇ! いやらしい目で
じろじろみていたし。美しいって罪ね。
私はここの女将のセサミよ。気軽にせっちゃんって呼んでね」
「なぁなぁせっちゃん、飯うまいって本当か? 俺様もう腹ペコで」
「んまぁ! かわいい子! 嫉妬しちゃうわ! でも素直そうな子ね。
素直な子は嫌いじゃないわよ。泊まるならすぐに料理を出してあげるわ」
「本当か!? なぁなぁルイン、ここにしようぜ。俺様もう疲れたよー」
「わかったよ。一泊……いや二泊でいくらになる?」
「食事は朝と夜の二回。そっちは……マジックアイテムにペットね。
ペットのご飯もつけるとして、食事は三人分かしら。銀貨八枚と
銅貨五枚ね」
お金を払うと、町の事がさっぱりわからない俺は女将に尋ねる。
「なあ女将。俺たちこの町に来るの初めてで。物の相場や町の雰囲気とかよくわからない
んだが色々教えてもらえるか?」
「……せっちゃんでしょ?」
「すみません。その……せっちゃん!」
「それじゃ食事の時にでも話すわね。今日はあまりお客もいないから
丁度暇つぶしにもなるわぁ。ひとまず部屋へ案内するわね」
せっちゃんが指をはじくと小さい骨Aが現れた! どうする?
戦う
防御
道具
→逃げる
しかし後ろにまわりこまれてしまった! メルザに裾を引っ張られた!
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話
白木 白亜
ファンタジー
突如として異世界転移した日本の大学生、タツシ。
世界にとって致命的な抜け穴を見つけ、召喚士としてあっけなく魔王を倒してしまう。
その後、一緒に旅をしたスライムと共に、マッサージ店を開くことにした。卑猥な目的で。
裏があるとも知れず、王都一番の人気になるマッサージ店「スライム・リフレ」。スライムを巧みに操って体のツボを押し、角質を取り、リフレッシュもできる。
だがそこは三度の飯よりも少女が絶頂している瞬間を見るのが大好きなタツシが経営する店。
そんな店では、膣に媚薬100%の粘液を注入され、美少女たちが「気持ちよくなって」いる!!!
感想大歓迎です!
※1グロは一切ありません。登場人物が圧倒的な不幸になることも(たぶん)ありません。今日も王都は平和です。異種姦というよりは、スライムは主人公の補助ツールとして扱われます。そっち方面を期待していた方はすみません。
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
【R-18】寝取られが合法の世界に転生したので種付け師としてヤりまくる
そーだえんそ
ファンタジー
特に夢を持たないままブラック企業へ就職し働きすぎで過労死してしまった男は、異世界へと転生した。
転生した世界ではなんと「種付け師」という、寝取ることを専門にした役職が存在していた。
フールとして新たな人生をはじめた男は「種付け師」となってヤりまくる生活を送ることに!
※♡喘ぎあり
※数字の後に♡:R-18シーンあり ♥:中出しあり
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる