異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー

紫電のチュウニー

文字の大きさ
上 下
11 / 1,085
第一部 主と紡ぐ道 第一章 出会い編

第十話 最奥部の巨大宝箱

しおりを挟む
 戦闘の息切れがようやく整ってきた。
 片手を掲げてグルグル円を描きながら、倒れたでかけろりんに
メルザが近づいていく。

 そしてやっぱりつんつんする。好きだなつんつん。
 早く食べたいのか土斗で焼くスペースを造っている。

「肉肉肉ー、こいつは食べ応えーがありそうーだー」
「めっきゅきゅー」

 二人で呑気に歌ってるがパモ、お前もそれ喰うつもりか!? 
 俺が額に手をやると、その手が先ほど水鉄砲を受けたせいか痛む。

「メルザ、悪いがさっきの宝箱に入ってた石、使わせてもらうぞ」

 「おう!」とメルザがサムズアップする。
 パモも真似してサムズアップならぬハネズアップする。
 おまえら息ぴったりだな……うちのチームには突っ込み役が足りない。

 俺は幻薬を握って傷が治るように祈った。
 すると先ほど感じた痛みはほとんどなくなった。
 メルザを癒した時も思ったんだが効き目が早い。

「おい、ルイン! でかけろりんの腹んとこにでっけぇ宝箱があるぞ!」

 うつ伏せになって倒れたでかけろりんをひっくり返して
 肉を喰おうとしていたのだろう。

 その下敷きになっていたでかい宝箱を指さして、メルザは
ワクワクキラキラしているようだ。

 俺も珍しいアイテムを手に入れてからどんな物が入っているか
楽しみだったし気持ちはわかる。
 
 さっきと似たような形状の窪みがあるということは……
 先ほど切り倒した葉っぱの方を見ると二つに割れた板が落ちていた。
 割れてても入るよな? 

「おいルイン。宝箱開けるのは後にして先にこいつを喰おーぜ! その剣貸し手くれよ。
俺様もうおなかぺこぺこだよ」
「ぱみゅぅ~……」
「わかったよ、ほら」

 俺は剣をメルザに渡した。メルザはそれを軽く振ってみる。

「結構重たいんだな。こんなのよく軽々と触れるなルインは。
あれ? なんだこの剣ちっとも切れやしねー」

 メルザは何度か試してみたが
 でかけろりんの肉は切れそうにない。

「おかしいな。俺が戦っていた時はよく切れたぞ?」
 
 メルザから剣を受け取ると、俺はでかけろりんを強く切った。
 肉はあっさり切れた。切れすぎたくらいだ。

 三人で首をかしげて? ポーズをとる。
 これはやっぱり剣闘士ジョブの効果だろうか? 

 まぁいいやとメルザは食事の準備をする。
 ブレスレットを外してその上に肉をのせて……おやめなさい! 

 燃斗を放てる武器なんだし、この剣で焼かせよう。
 俺は剣を串焼き代わりにして肉を刺し、メルザに渡す。

「ルインは頭いいな! これで焼いたら喰いやすそうだ!」

 メルザが肉を焼いている間に俺は巨大な宝箱を念のためにアナライズする。 
 このでかさでトラップがあったら大変だしな。

 巨大宝箱をアナライズしたらこんな情報が入ってきた。

 宝箱(大)
多くのアイテムが詰まっていることがある
何が出るかは運次第
最低一つはセミユニークアイテム以上が入っている



 これは楽しみだ。
 小さかった宝箱にセミユニークが入っていたのは運がよかったようだ。

 焼けたカエル肉の匂いがする。俺も一切れもらうか。
 背に腹は代えられん。

 メルザが剣をそのまますーっと俺の顔の前にだす。
 怖いって! 喰ってみるけどさ。
 このカエル肉、意外と美味かった。
 そしてパモも喰っていた。

 閑話休題

 改めて割れた板を広い、巨大宝箱に差し込む。
 宝箱は無事開いたので、問題なかったようだ。

「前の時みたいに中身見てくれよ。俺様じゃよくわからないからな!」

 俺は目を閉じると中身に意識を向けた。

 落月のナイフ(月光付与) 【ユニークアイテム】

 別名落ちゆく月のショートソード
 持つものに光の癒しを継続的に与える
 その昔 月の欠片をウェアウルフが鍛えてできたという
 逸話がある 使用しすぎると壊れる可能性がある

 落人の籠手(心眼付与)【ユニークアイテム】

 過去の戦乱中敗れた者が身に着けていたとされる籠手
 相手の隙を見出し、強烈な一撃を叩き込む力が上がる
 防御性能はそれなり

 赤薔薇のワンピース(幻燃斗付与I)【セミユニークアイテム】

 真っ赤な見た目が強く印象付けるワンピース
 着るものの魅力を引き立て注意を引くが
 少し敵するものに狙われやすくなる

 小麦の種三キログラム(即成長)【ノーマル】

 一見普通の小麦の種だがすぐ育つ
 あっという間に収穫できる

 幻薬(小) 【ノーマル】

 対象の傷を(小)回復する
 使用すると無くなる


 以上の物が入っていた。ユニークが二つも入っているとは! 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...