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第一部 主と紡ぐ道 第一章 出会い編
第四話 ジャンカの森
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「こっから先がジャンカの森だ。俺様は高いところに上手く登れねーから、いつも
木の上の物は取れねーんだ。でも今ならルインがいるからよ。上の果物もきっと取れるだろ?」
メルザは木の上を指さしながらぴょんぴょん跳ねている。
「木登りは経験が無いからわからないが、やってみるよ」
そういうと俺は手をかけて木に登ろうとする。
先ほど外で歩いていた時にも感じたが、自分の身体が力強く動く。
これもあの幻魔の宝玉とやらの影響なのだろうか?
木の途中まで登ると俺は地面を見下ろした。
メルザが下でニハハと笑っている姿が見える。
こうして上から景色を見るとすごく気持ちがいい。
今まで味わった事が無い新鮮な感覚だ。
「おぉーいルイン! そこにある実、こっちに落としてくれ!」
俺は言われた通り謎の果物をもぎとってメルザのいる周辺に投げて落とす。
メルザは着ている服を折り曲げてキャッチしている。
片手なのに器用だな。ちょっとヘソが見えるが。
「おーしどんどん落としていいぞー! いっぱい持って帰ろう!」
しばらく果物を下に落とすと俺はゆっくり木から降りた。
「こいつがこんなに大量に取れるなんて嬉しいぜ。なかなか下に落ちてないし
落ちてても食べられてるか潰れてるもんよ。湖で洗って早速食おうぜ」
「メルザ、ちゃんとした水で洗った方がよくないか? どんな細菌がいるかわからないだろ、この水」
「細菌? なんだそりゃ。水は綺麗なもんだろ?」
俺はメルザに菌について簡単に説明した。
「へー、ルインは物知りだったんだな。
さすが俺様の子分だ! んじゃちっと待ってろ
燃斗と氷斗を合わせて……これでどうだ?」
メルザの親指とひとさし指の合わせた先からボタボタと水が流れている。
これって綺麗なのか? とも思ったが、生成した水なら大丈夫な気がする。
メルザの水で下に置いた果物を綺麗に洗っていく。
ちょっと変な色の果物だが、メルザが食べているのなら大丈夫なのだろう。
一応毒味で先に食べるか。
「メルザ、まずは俺が先に毒味してもいいか?」
「あぁ、毒なんて心配ないけど先に喰ってくれ。なにせ俺様はお前の親分だからな!」
そういうとメルザはニハハ! と笑う。
俺は一口この謎の果物を食べてみた。洋ナシとオレンジを合わせたような味だった。
見た目と違って美味しい。何より腹がすごく減っていた。
メルザを見ると、首を傾げている。どうしたのだろう?
「あれ、絶対すっぺー! ってなると思ってたのにな。おかしいな……俺様にも喰わせてくれよ」
果物を割ってメルザの口に入れてやる。腹が減ってたのか俺の手ごと喰おうとする。こら、指を舐めるな!
「おぉー、落ちてたのより断然うまいなこれ! もぎ立てだからか?」
メルザも腹が減ってたのかガツガツ喰いだす。俺たちは腹いっぱい変な実を食べた。
「これ、なんて名前の食べ物なんだ?」
「知らねーよ、最初喰って酸っぱかったから、スッパムって俺様は呼んでるぜ!」
スッパムか……確かに酸味は十分にあるし間違ってはいないな。
腹いっぱい食べて少し休んだ後、俺たちは少し森の先に行くことになった。
すると……「あ、ガラポン蛇だ! あいつにあの実を喰わせようぜ! 逃げちまわないうちに!」というメルザ。
ガラポン蛇? モカゲ狩はいいのか!?
木の上の物は取れねーんだ。でも今ならルインがいるからよ。上の果物もきっと取れるだろ?」
メルザは木の上を指さしながらぴょんぴょん跳ねている。
「木登りは経験が無いからわからないが、やってみるよ」
そういうと俺は手をかけて木に登ろうとする。
先ほど外で歩いていた時にも感じたが、自分の身体が力強く動く。
これもあの幻魔の宝玉とやらの影響なのだろうか?
木の途中まで登ると俺は地面を見下ろした。
メルザが下でニハハと笑っている姿が見える。
こうして上から景色を見るとすごく気持ちがいい。
今まで味わった事が無い新鮮な感覚だ。
「おぉーいルイン! そこにある実、こっちに落としてくれ!」
俺は言われた通り謎の果物をもぎとってメルザのいる周辺に投げて落とす。
メルザは着ている服を折り曲げてキャッチしている。
片手なのに器用だな。ちょっとヘソが見えるが。
「おーしどんどん落としていいぞー! いっぱい持って帰ろう!」
しばらく果物を下に落とすと俺はゆっくり木から降りた。
「こいつがこんなに大量に取れるなんて嬉しいぜ。なかなか下に落ちてないし
落ちてても食べられてるか潰れてるもんよ。湖で洗って早速食おうぜ」
「メルザ、ちゃんとした水で洗った方がよくないか? どんな細菌がいるかわからないだろ、この水」
「細菌? なんだそりゃ。水は綺麗なもんだろ?」
俺はメルザに菌について簡単に説明した。
「へー、ルインは物知りだったんだな。
さすが俺様の子分だ! んじゃちっと待ってろ
燃斗と氷斗を合わせて……これでどうだ?」
メルザの親指とひとさし指の合わせた先からボタボタと水が流れている。
これって綺麗なのか? とも思ったが、生成した水なら大丈夫な気がする。
メルザの水で下に置いた果物を綺麗に洗っていく。
ちょっと変な色の果物だが、メルザが食べているのなら大丈夫なのだろう。
一応毒味で先に食べるか。
「メルザ、まずは俺が先に毒味してもいいか?」
「あぁ、毒なんて心配ないけど先に喰ってくれ。なにせ俺様はお前の親分だからな!」
そういうとメルザはニハハ! と笑う。
俺は一口この謎の果物を食べてみた。洋ナシとオレンジを合わせたような味だった。
見た目と違って美味しい。何より腹がすごく減っていた。
メルザを見ると、首を傾げている。どうしたのだろう?
「あれ、絶対すっぺー! ってなると思ってたのにな。おかしいな……俺様にも喰わせてくれよ」
果物を割ってメルザの口に入れてやる。腹が減ってたのか俺の手ごと喰おうとする。こら、指を舐めるな!
「おぉー、落ちてたのより断然うまいなこれ! もぎ立てだからか?」
メルザも腹が減ってたのかガツガツ喰いだす。俺たちは腹いっぱい変な実を食べた。
「これ、なんて名前の食べ物なんだ?」
「知らねーよ、最初喰って酸っぱかったから、スッパムって俺様は呼んでるぜ!」
スッパムか……確かに酸味は十分にあるし間違ってはいないな。
腹いっぱい食べて少し休んだ後、俺たちは少し森の先に行くことになった。
すると……「あ、ガラポン蛇だ! あいつにあの実を喰わせようぜ! 逃げちまわないうちに!」というメルザ。
ガラポン蛇? モカゲ狩はいいのか!?
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