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アルベルト・バーンシュタインその4:アルベルトとオークとある女の話
オーク死すべし
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オークとヒナタの共同作業はそれはそれは凄かった。
何であんなものが入るのか理解できねえ。俺の腕よりあるんだぞ。女の身体ってのは不思議だよな。
喘ぎ声なのか叫び声なのか分からない声をヒナタはあげまくっていた。もはや一種のショーだったぜ。
やり終わったオークは小屋を出ていき、ヒナタは裸のまま床で伸びていた。全身が液体でどろどろ。顔も涙と涎でぐちゃぐちゃだ。
はっきり言って見ていてかなり興奮したが、流石に直後に手を出す気にはならねえ。汚ねえしな。
恩人に対して酷いって? ついさっきの感動はどこ行ったって?
何のことだかさっぱりだな。
だが俺にもちょっとした人の心ぐらいある。ベッドからのそのそと出てヒナタに近付く。
「うわ、ひでえ臭いだな」
しまった、本音が先に出ちまった。慌てて言い直す。
「あー、大丈夫か? 水飲むか?」
俺はヒナタの傍に水差しを置く。鼻を摘みながら。
それに気がついたヒナタが緩慢な動作で顔をあげる。
「あ……。ありがとうございます……」
どこか蕩けたような目をしているのは俺の気のせいだろうか。余計に興奮しちまう。臭いけど。
水差しに直に口をつけて水を飲む姿さえもどこか艶かしい。臭うけど。
あーもう我慢できねえ! とにかく臭いが酷すぎる!!
「ちょっと待ってろ!!」
俺は小屋から出ていき、空の小樽を引っ掴んで大型の樽に溜まった水を汲む。
無断使用だが、そもそもこの水も俺が川から汲んできたものだから使ってもいいだろ。
小屋に戻ってヒナタに水をぶっかける。
「わっ」
「許せよ。臭いが酷すぎる」
一回じゃ汚れが流しきれなかったので、もう一度水を汲んでくる。それを何往復か繰り返して、ヒナタの汚れをとる。
床が水浸しになったが、これは後で掃除すればいい。どうせ俺の仕事だ。
「すいません、助かりました」
「気にすんな。いいもん見れたしな」
水を汲む途中で盗んできた布を投げて渡しながら答える。しまった、余計なことを言った。まだいい人ぶっておく必要があるってのに。
「……お、お見苦しいところを」
顔を赤らめながらヒナタが布で身体を隠す。水の滴る豊満な胸や、引き締まった腹、少し丸みのある太腿が隠される。もったいねえ。
でも上半分しか見えてない胸もいいもんだな。
「身体隠してねえで拭けって。風邪引かねえために持ってきたんだぞ」
「でも……」
「ここ一週間でお前の裸なんざ飽きるほど見たっての。さっきも見てたし、今更だろ」
「うう……」
俺の説得に渋々といった様子だったがヒナタは納得した。のそのそと身体を拭き始める。おかげでまた俺はエロい身体を眺めることができるようになった。
「あ、あんまり見ないでくださいよ……」
「俺がお前の身体を綺麗にするために何往復したと思ってやがる。ちょっとぐらいいいだろ」
早くも俺はいい人ぶるのをやめていた。やっぱり俺には無理だ、向いてねえ。
「それは、ありがたいですけど……」
文句を言いながらもヒナタはそれ以上、俺を咎めることはしなかった。やっぱりこいつは底抜けのお人好しだな。
すっかり綺麗になった裸を見ていたら、いよいよ我慢できなくなってきた。いい加減、身体がだるいとか言ってねえで食っちまうべきかもしれねえ。
身体を拭き終えたヒナタに俺は近寄る。
「なぁ」
「なんですか?」
俺の意図など知らないヒナタは無邪気な顔で聞き返す。そそるぜ。
次の瞬間、小屋にオークが二匹入ってきた。
「水の無断使用はだめブヒ」
「罰としてやっぱり今日も働いてもらうブヒ」
俺は無言になっていた。恐らく顔も無表情だろう。
分かるか。ずっとお預けを食らっていたご馳走を食おうと思った瞬間に、邪魔が入る気持ちが。しかも拷問に戻れと言ってきている。
オークどもの豚面を見る。俺の頭の中で何かが切れた。
「ふざけんなぁあああああああああああっ!!」
絶叫。ぽかんとする全員を無視して俺は自分のベッド(藁)の中に手を突っ込み、隠しておいた魔導書を引き出す。錠前が外れて鎖が解かれる。
「大盤振る舞いだ、全員ぶち殺せぇええええええええええっ!!」
開かれた魔導書の白紙の上に魔法陣が展開。俺の呼び声に応えて召喚物が呼び寄せられる。
「やっと出番ね」「暇じゃったぞ」「久しぶりの外ですねぇ」「マスター切れすぎでは」「短気な男だからな」
黒い触手の塊が、頭部のない四脚獣が、巨大な被子植物が、円盤のついた銀色の球体が、漆黒の濃霧が、一気に魔法陣から溢れ出す。
「なにブヒ!?」
「反乱ブヒ!?」
驚愕するオークの顔面を黒い触手が叩きつけて押しつぶす。
「ねーねー、あたしは?」
「この際だ、お前も出ろ!!」
「やったー!!」
6号が答えた後、俺は魔導書を閉じる。
外が薄暗くなる。オークどもの叫び声と大気を震わせる低音。そして、巨大な地鳴り。
「な、な、なんですか!?」
揺れる地面に怯えたヒナタが身を屈める。俺は言ってやる。
「死にたくねえなら、外には出るんじゃねえぞ」
全ての召喚物を解放した俺は、のんびりと小屋の中で待つことにした。
──そして、ものの数分で静寂が戻った。
何であんなものが入るのか理解できねえ。俺の腕よりあるんだぞ。女の身体ってのは不思議だよな。
喘ぎ声なのか叫び声なのか分からない声をヒナタはあげまくっていた。もはや一種のショーだったぜ。
やり終わったオークは小屋を出ていき、ヒナタは裸のまま床で伸びていた。全身が液体でどろどろ。顔も涙と涎でぐちゃぐちゃだ。
はっきり言って見ていてかなり興奮したが、流石に直後に手を出す気にはならねえ。汚ねえしな。
恩人に対して酷いって? ついさっきの感動はどこ行ったって?
何のことだかさっぱりだな。
だが俺にもちょっとした人の心ぐらいある。ベッドからのそのそと出てヒナタに近付く。
「うわ、ひでえ臭いだな」
しまった、本音が先に出ちまった。慌てて言い直す。
「あー、大丈夫か? 水飲むか?」
俺はヒナタの傍に水差しを置く。鼻を摘みながら。
それに気がついたヒナタが緩慢な動作で顔をあげる。
「あ……。ありがとうございます……」
どこか蕩けたような目をしているのは俺の気のせいだろうか。余計に興奮しちまう。臭いけど。
水差しに直に口をつけて水を飲む姿さえもどこか艶かしい。臭うけど。
あーもう我慢できねえ! とにかく臭いが酷すぎる!!
「ちょっと待ってろ!!」
俺は小屋から出ていき、空の小樽を引っ掴んで大型の樽に溜まった水を汲む。
無断使用だが、そもそもこの水も俺が川から汲んできたものだから使ってもいいだろ。
小屋に戻ってヒナタに水をぶっかける。
「わっ」
「許せよ。臭いが酷すぎる」
一回じゃ汚れが流しきれなかったので、もう一度水を汲んでくる。それを何往復か繰り返して、ヒナタの汚れをとる。
床が水浸しになったが、これは後で掃除すればいい。どうせ俺の仕事だ。
「すいません、助かりました」
「気にすんな。いいもん見れたしな」
水を汲む途中で盗んできた布を投げて渡しながら答える。しまった、余計なことを言った。まだいい人ぶっておく必要があるってのに。
「……お、お見苦しいところを」
顔を赤らめながらヒナタが布で身体を隠す。水の滴る豊満な胸や、引き締まった腹、少し丸みのある太腿が隠される。もったいねえ。
でも上半分しか見えてない胸もいいもんだな。
「身体隠してねえで拭けって。風邪引かねえために持ってきたんだぞ」
「でも……」
「ここ一週間でお前の裸なんざ飽きるほど見たっての。さっきも見てたし、今更だろ」
「うう……」
俺の説得に渋々といった様子だったがヒナタは納得した。のそのそと身体を拭き始める。おかげでまた俺はエロい身体を眺めることができるようになった。
「あ、あんまり見ないでくださいよ……」
「俺がお前の身体を綺麗にするために何往復したと思ってやがる。ちょっとぐらいいいだろ」
早くも俺はいい人ぶるのをやめていた。やっぱり俺には無理だ、向いてねえ。
「それは、ありがたいですけど……」
文句を言いながらもヒナタはそれ以上、俺を咎めることはしなかった。やっぱりこいつは底抜けのお人好しだな。
すっかり綺麗になった裸を見ていたら、いよいよ我慢できなくなってきた。いい加減、身体がだるいとか言ってねえで食っちまうべきかもしれねえ。
身体を拭き終えたヒナタに俺は近寄る。
「なぁ」
「なんですか?」
俺の意図など知らないヒナタは無邪気な顔で聞き返す。そそるぜ。
次の瞬間、小屋にオークが二匹入ってきた。
「水の無断使用はだめブヒ」
「罰としてやっぱり今日も働いてもらうブヒ」
俺は無言になっていた。恐らく顔も無表情だろう。
分かるか。ずっとお預けを食らっていたご馳走を食おうと思った瞬間に、邪魔が入る気持ちが。しかも拷問に戻れと言ってきている。
オークどもの豚面を見る。俺の頭の中で何かが切れた。
「ふざけんなぁあああああああああああっ!!」
絶叫。ぽかんとする全員を無視して俺は自分のベッド(藁)の中に手を突っ込み、隠しておいた魔導書を引き出す。錠前が外れて鎖が解かれる。
「大盤振る舞いだ、全員ぶち殺せぇええええええええええっ!!」
開かれた魔導書の白紙の上に魔法陣が展開。俺の呼び声に応えて召喚物が呼び寄せられる。
「やっと出番ね」「暇じゃったぞ」「久しぶりの外ですねぇ」「マスター切れすぎでは」「短気な男だからな」
黒い触手の塊が、頭部のない四脚獣が、巨大な被子植物が、円盤のついた銀色の球体が、漆黒の濃霧が、一気に魔法陣から溢れ出す。
「なにブヒ!?」
「反乱ブヒ!?」
驚愕するオークの顔面を黒い触手が叩きつけて押しつぶす。
「ねーねー、あたしは?」
「この際だ、お前も出ろ!!」
「やったー!!」
6号が答えた後、俺は魔導書を閉じる。
外が薄暗くなる。オークどもの叫び声と大気を震わせる低音。そして、巨大な地鳴り。
「な、な、なんですか!?」
揺れる地面に怯えたヒナタが身を屈める。俺は言ってやる。
「死にたくねえなら、外には出るんじゃねえぞ」
全ての召喚物を解放した俺は、のんびりと小屋の中で待つことにした。
──そして、ものの数分で静寂が戻った。
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