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夏
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真夏のうだるような暑さの中、二度目の発情期がやってきた。兆候が現れた時に緊急抑制剤を打ったが効果は現れず、神楽と法正を頼る方が発情期の悶えるような性欲から解放されるのだと知った。
今は夏休みで、神楽は部活中で連絡がつかなく、法正は出先ですぐには戻って来れないらしかった。
俺は部活が終わる神楽を待てず、学校に向かった。学校にいる他のアルファに会うのが嫌でラグビー部の部室に入った。独特の雄臭さのなかに神楽の匂いを感じる。
ふらふらと匂いのする方に行き、開かないロッカーに頬を寄せた。
不意に部室が開く。
寺礁院だ。三年の先輩でラグビーでもフロントローを務める特に優れた体格の持ち主で彼もまたアルファだ。
神楽のラグビーチームが全国大会で勝利を収め、表彰された時も高校生では飛び抜けて大きなその体は一際目立っていた。
背中にじんわり汗が浮かぶ。危機を感じた。
「お前‥二年か?すげー匂い‥」
寺礁院はふらりと俺に近づく。
「やだ、やめ‥。お、おれ、神楽を、神楽を待ってて」
神楽の名前を出せば三年でも引くと思った。
「神楽の‥お前がそうか。獅子鳳山と神楽のオメガ」
「‥‥はい」
はっきりそんないい方をされると、なんだか従属しているみたいで嫌気が差したが、ここは認めたほうが得策だと思った。
寺礁院が何しに部室に来たかはわからないが練習中だったことは確かで、熱気の籠る分厚い体に流れる汗がラガーシャツを濡らしている。離れていても汗からアルファの濃い匂いを感じた。
俺がアルファの匂いに反応したのを感じたのか寺礁院は大きな体をさらに俺に近づけると片手で俺を抱き上げメタリックの首輪ごとうなじを舐めてきた。
寺礁院も神楽と法正の名前出しても平気なのか、オメガの匂いに理性を失っているのか定かではない。
熱い体とむせる匂いに俺は反抗していられず寺礁院の肩にもたれかかった。
耳元で荒く息をつくのをわかってか、寺礁院は俺の顔を自分の方に寄せるとキスをしてきた。逞しい体を彷彿させる分厚い舌が口いっぱいに入り込み舌が絡まり合う。
俺のネクタイを緩めボタンを外すと鎖骨を強く吸ってきた。
なんとか体を押し返そうとするポーズは出来るが目は熱くとろみ、アルファの雄を欲しがる表情は隠せない。
ベルトが外されシャツの中に大きな手が入り込み乳首を親指で押し上げられた。胸はすぐ反応し立ち上がる。寺礁院は満足そうに微笑むと制服を託しあげ、ぷっくりと弄ばれることを待つ乳首に吸い付いた。
空いた手で俺のズボンを下ろすと下着に糸を引いた性器が勢いよく飛び出した。寺礁院もラガーパンツから猛った性器を取り出すと互いを擦り合わせてきた。
「ん‥、ふ、あぁ‥‥」
二人の先走りで滑る性器はちゅくちゅくと小さな音を立てて絡まりあった。
俺はたまらずラガーシャツを強く握りしめた。
狭い部室は熱と二人の濃い匂いが籠り身体中には玉の汗が浮かぶ。
寺礁院は再びキスをすると、蕩けきった後孔に熱く太い怒張を深く差し込んできた。
ゆっくり抜き差しをされ、一番深い奥にたどり着くと俺は快感で身を反らした。
耐えられずに自分から体を揺らし、寺礁院の厚い胸板に縋りついた。
寺礁院は細い俺の腰を持つと抽送を早めた。
「や、やだ、せ、せんぱい、なか、なか、だ、だめ‥なか、しないで‥」
勢いよく性器を抜くと俺の口に当て射精した。俺の半開きの口は寺礁院の熱い精液を受け止めきれず、顔に飛び散った。
今は夏休みで、神楽は部活中で連絡がつかなく、法正は出先ですぐには戻って来れないらしかった。
俺は部活が終わる神楽を待てず、学校に向かった。学校にいる他のアルファに会うのが嫌でラグビー部の部室に入った。独特の雄臭さのなかに神楽の匂いを感じる。
ふらふらと匂いのする方に行き、開かないロッカーに頬を寄せた。
不意に部室が開く。
寺礁院だ。三年の先輩でラグビーでもフロントローを務める特に優れた体格の持ち主で彼もまたアルファだ。
神楽のラグビーチームが全国大会で勝利を収め、表彰された時も高校生では飛び抜けて大きなその体は一際目立っていた。
背中にじんわり汗が浮かぶ。危機を感じた。
「お前‥二年か?すげー匂い‥」
寺礁院はふらりと俺に近づく。
「やだ、やめ‥。お、おれ、神楽を、神楽を待ってて」
神楽の名前を出せば三年でも引くと思った。
「神楽の‥お前がそうか。獅子鳳山と神楽のオメガ」
「‥‥はい」
はっきりそんないい方をされると、なんだか従属しているみたいで嫌気が差したが、ここは認めたほうが得策だと思った。
寺礁院が何しに部室に来たかはわからないが練習中だったことは確かで、熱気の籠る分厚い体に流れる汗がラガーシャツを濡らしている。離れていても汗からアルファの濃い匂いを感じた。
俺がアルファの匂いに反応したのを感じたのか寺礁院は大きな体をさらに俺に近づけると片手で俺を抱き上げメタリックの首輪ごとうなじを舐めてきた。
寺礁院も神楽と法正の名前出しても平気なのか、オメガの匂いに理性を失っているのか定かではない。
熱い体とむせる匂いに俺は反抗していられず寺礁院の肩にもたれかかった。
耳元で荒く息をつくのをわかってか、寺礁院は俺の顔を自分の方に寄せるとキスをしてきた。逞しい体を彷彿させる分厚い舌が口いっぱいに入り込み舌が絡まり合う。
俺のネクタイを緩めボタンを外すと鎖骨を強く吸ってきた。
なんとか体を押し返そうとするポーズは出来るが目は熱くとろみ、アルファの雄を欲しがる表情は隠せない。
ベルトが外されシャツの中に大きな手が入り込み乳首を親指で押し上げられた。胸はすぐ反応し立ち上がる。寺礁院は満足そうに微笑むと制服を託しあげ、ぷっくりと弄ばれることを待つ乳首に吸い付いた。
空いた手で俺のズボンを下ろすと下着に糸を引いた性器が勢いよく飛び出した。寺礁院もラガーパンツから猛った性器を取り出すと互いを擦り合わせてきた。
「ん‥、ふ、あぁ‥‥」
二人の先走りで滑る性器はちゅくちゅくと小さな音を立てて絡まりあった。
俺はたまらずラガーシャツを強く握りしめた。
狭い部室は熱と二人の濃い匂いが籠り身体中には玉の汗が浮かぶ。
寺礁院は再びキスをすると、蕩けきった後孔に熱く太い怒張を深く差し込んできた。
ゆっくり抜き差しをされ、一番深い奥にたどり着くと俺は快感で身を反らした。
耐えられずに自分から体を揺らし、寺礁院の厚い胸板に縋りついた。
寺礁院は細い俺の腰を持つと抽送を早めた。
「や、やだ、せ、せんぱい、なか、なか、だ、だめ‥なか、しないで‥」
勢いよく性器を抜くと俺の口に当て射精した。俺の半開きの口は寺礁院の熱い精液を受け止めきれず、顔に飛び散った。
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