叔父と双子の兄二人に溺愛飼育

おまけ

病院ごっこ

※京15歳、凱、嶺21歳、五色叔父さん41歳。



◇



五色ごしき叔父さんが入院した。

ちょっとした軽い骨折。叔父さんは建築士で建設現場に視察に行った時に事故って足の指を怪我しちゃった。

俺と凱がいにいちゃんは一週間ほど入院する五色叔父さんの身の回りの生活用品を持っていくことになった。

叔父さんから事故にあって入院するって連絡が来たのが昼過ぎで、凱にいちゃんも嶺りょうにいちゃんも大学だったから、そんとき家には俺しかいなかった。

俺一人ですぐに叔父さんがいる病院に行こうとしたんだけど、凱にいちゃんがすぐ帰ってきてくれるって言うから、俺は五色叔父さんの部屋で荷物をまとめながら凱にいちゃんの帰りを待った。

五色叔父さんの部屋のいい匂いを嗅ぎながら、クローゼットを開ける。叔父さんはギプスしてるから脱ぎ着しやすい患者衣っていうのを病院でレンタルするみたいでルームウェアとか下着はいらないみたい。

でも寝る前に羽織ってるガウンみたいなのは持ってきてほしいって。

サンダルウッドの香りのする叔父さんの衣類に顔を埋めてすんすん嗅いだ。叔父さんの匂い。

バスタオルって必要？お風呂入れるのかなあ？でもフェイスタオルは使うか。あと、洗面用具も必要だ。

そんなことを叔父さんとラインしながら、充電器とかノートパソコンを用意していると、凱にいちゃんが帰って来た。


「京けい、ただいま」

二月の終わり頃。真冬の寒い中きんきんに冷えたダウン姿ですぐに俺をぎゅっと包む。

「にいちゃん、冷たい」

「京、あっためて」

「やだよ」って俺は凱にいちゃんの腕を逃れると、にいちゃんは後ろから抱きついてきてハグとキスをしてきた。

あったかい家の中で凱にいちゃんだけが冷たい。俺はぶるっと身を震わす。嫌になってにいちゃんのダウンのファスナーを開けると、ダウンの中の熱のこもった厚い胸板に頬をよせ抱きついた。

「ぬくい」

「ああ、もう。かわいい。いっぱいちゅうしたい」

凱にいちゃんはダウンを脱ぐと、七部丈の薄いトップス一枚でも寒くないほど筋肉のついた分厚くてがっしりとした身体で俺を再び抱きしめ、ほっぺとかこめかみとか耳にちゅっちゅっしてきた。くすぐったくて首をすくめながら応戦する俺。二人でリビングでぐだぐだ遊んでいると五色叔父さんから『はやくおいで』って催促のラインが来た。

いちゃタイム終わり。

凱にいちゃんは再びダウンを羽織るとマンションの駐車場の白のBMWのミニバンの後部座席に用意した荷物を載せた。俺も助手席に乗り込む。

デパートに行ってルームシューズとか、ボディシートとか足りないものを買っていくことにした。

凱にいちゃんが来てくれてよかった。結構荷物ある。

到着した総合病院の駐車場に俺たちを乗せた車が入って行く途中、少し離れたところのバス停にバスがやってくるところが見えた。バスって俺ほとんど乗ったことないんだよね。

「うちの近所らへん通るかな？今度バスで来てみる？」

俺が乗りたそうな顔してのか、凱にいちゃんが提案してくれた。俺は満面の笑みで頷く。あとでバスルート検索しよ。楽しみ。