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それから何軒かショップで服を見て、五色叔父さんと夕食を取るために予定のバルに向かった。

凱にいちゃんは厚手のカーディガンと白のパンツを、嶺にいちゃんはモスグリーンとグレージュのチェックのマフラーを買った。
俺は部屋着が欲しかったんだけど、凱にいちゃんがサンリオのクロミのセットアップ(お尻がクロミのカオになってるやつ!)を強気で勧めてくるから結局何も買わなかった。


店に着くとすでに五色叔父さんは俺たちを待っていて、ゆったりとスペースに余裕のある4人掛けのソファ席でシャンディガフを飲んでいた。
ぴしりと背筋が伸びていて、色気をまとって目を惹いて、離れていてもすぐわかる。その姿は昔、小学生の頃、家族旅行のドイツで見たブナの木を思い出す。それはブナ林の中で一番際立っていた。樹皮が真っ白で美しくて、太い幹は雄大で、神様の梯子みたいって思った。神様がこの世に降りてくるときに触れる梯子。
すこし近寄りがたいオーラ。

だから広く賑わう店内でそこだけ少し静かで叔父さんの存在感を感じるのは気のせいのような、そうじゃないような‥。


嶺にいちゃんが五色叔父さんの隣に座り、凱にいちゃんが俺の背中を軽くふれて席に着くよう促した。

ええー‥、俺叔父さんの目の前?

しょうがなく座るけど、落ち着きない俺。
目のやり場に困る。ずっとメニュー見続けるわけにもいかないしなぁ‥。

「楽しかった?」

「え?」

注文を終えてもまだメニューを閉じずにそんなこと考えてると五色叔父さんが話しかけてきた。ちょっと低くて甘い声。落ち着いてゆったりしたトーン。長くて整った指がメガネのフレームを上げた。

「今日。ゲームは買えた?」

「え、あ、うん。買えたし、楽しかった‥」

注文した黒毛和牛のカルパッチョとか、ハラミのステーキとか、エビときのこのアヒージョとか、トマトのカプレーゼとかがテーブルに並ぶ。嶺にいちゃんが二杯目のビールを頼んだ。


正直、ジェラートとケーキ食べたしそんなにお腹減ってない。というか、叔父さんが目の前にいるとなんか胸がざわざわして食欲失せる。

五色叔父さんは和牛のカルパッチョをお皿に取って、口に運ぶ。なめらかな首筋を人よりも少し大きな喉仏が押し上げて上下する。


‥なんか、俺、ヘン。

変な気分。五色叔父さんが帰ってくる前までは、凱にいちゃんにあーんとかされたりすると、叔父さんにされた事思い出して気持ち悪くなってたのに。

なのに、実際に五色叔父さんを目の前にしたら、たしかに気持ち悪いのもあるんだけど‥。変な気分だ。正直言ってちょっとやらしい気持ち。体の奥の方が何かが重く渦巻く。

脳の中でご飯と、五色叔父さんと、えろが繋がっちゃったみたい。五色叔父さんがご飯食べてるのをみると、えろいこと思い出して変な気分になる。


やだなあ‥。俺、変態みたいじゃん。

こんな気分バレたくなくて、凱にいちゃんがお皿に取ってくれたクリームスピナッチを俯き加減でちまちま食べる。

「おやつ食べ過ぎた?お腹いっぱい?」
となりから凱にいちゃんが聞いてくる。

「んー‥」

「どうした?気分悪い?」
凱にいちゃんが心配して顎を上向かせて顔を覗き込んできた。

「あ‥」
凱にいちゃんの少し驚いた顔、目が合う。やばい。気づかれた?
四人掛けのテーブルに変な空気が流れる。五色叔父さんの態度は変わらないよう見えるけど、嶺にいちゃんからはすっごい視線を感じるし、凱にいちゃんは俺の肩を抱いて少し身体を寄せてきた。
完全に俺のやらしい気分が伝わってる気がする。

めっちゃ恥ずかしい‥!
なんで俺はこんなとこでムラムラしてんの?自分で自分がわからない。ちょっと泣きたい‥!

「僕、トイレ。京、ちょっとお手洗い付いてきて」

「え‥」
凱にいちゃんは俺の二の腕を掴むと力を入れて立ち上がらせる。

男子トイレに入るなり、俺は逞しい腕に腰のあたりを持ち上げられ三つある個室の一番奥に入れられた。
小便器を使ってる人がこっちを見て少しびっくりしてた。

鍵をかけるとすぐに凱にいちゃんがキスをしてきた。優しく噛みながら下唇を離すと、周りに聞こえないよう小声で話す。

「‥やらしい顔。僕、我慢できない。京、なに考えてたの」

答える間もなく再び口を塞がれる。今度は舌が入ってきて絡みつくようなちゅう。

「‥は」
厚い胸板を強く押し返さないと息継ぎもできない。
「やだ」
俺は小さく答える。

「京が悪いんだよ。‥京、京、キスだけだから」

凱にいちゃんは便座に腰を下ろすと膝の上に俺を跨らせた。

「ほら、ちゅうしよ、京。」

「ん‥っ」
首筋を唇や舌で何度も舐めたり吸ったりする。柔らかな唇、湿った熱い舌、昂りを堪えているような吐息。薄い首の皮膚にそれがあたると俺のなかのうずうずした気持ちが強くなる。

「‥一週間えっちしなかったから?やらしい気持ちになった?」

そうかもしれない。一週間もえっちしなかったから、やらしい気持ちになっちゃっただけなのかも。決して五色叔父さんにムラムラしたわけじゃない‥!


ちょっと熱っぽく見つめた後、長いキス。舌をちろちろと浅く絡める。上顎をくすぐられるとたまらない。もっと、もっと、ってねだるように俺は凱にいちゃんの舌を舐める。にいちゃんも興奮してるのかキスは激しい。

「‥あっ」

凱にいちゃんの指さきが俺のちんちんにふれる。

「‥ちゅうだけって言った‥」
とか言ってるけどちんちんは勃っちゃってるからキスだけで終わるのも切なくて、自然と甘ったるい声を出してる。うう。やだな、もう。

「つらくない?」

「ぜったい、やだ、えっちはやだ」
こんなとこでしたくない。

「じゃあ、ほら、下脱いで。抜いてあげる」

「手だけ?手だけだよ‥」

俺は自分でデニムと下着を下ろした。嫌だって思ってる。こんなとこで、こんなことして。でも、我慢できない。嫌なはずなのに、全然萎えない。早くさわってほしい。

「声が出ないようずっとちゅうしてよう」

そう言うと凱にいちゃんはまた唇を重ねてくる。同時に大きな手がちんちんを扱いてきて親指が先端をこするとにゅくにゅくと俺の先走りが音を立てた。

手コキは気持ちいいけど、俺のお尻がきゅんきゅんしだしてる。凱にいちゃんのぶっといちんちん挿れて、何度も何度もこすってほしい。ちょっとお尻がもじもじ揺れる。
凱にいちゃんも腰をこすりつけてきた。ちんちんが硬くなってる。ああ、やらしい気持ち。

物足りなくってもどかしさをキスで散らそうと、口づけを深くする。

口の端から飲み込めずにいる涎があふれるけど気にしてらんないくらい夢中でキスをくり返す。

息、息したい。苦しくて凱にいちゃんの顔を両手のひらで挟んで離そうとするけど、応えてくれない。

「京、京、好きだよ、かわいい、好き、好き、かわいい‥」

俺のちんこを握る凱にいちゃんのピストンが早くなる。

あ‥。いきそう。

俺は少し身体を丸めて、震えた。

どくどくと凱にいちゃんの掌に射精する。

あー、お尻にちんちん挿れられたい。
‥やだなあ、ほんとやだ。こんなの普通の男じゃないよね?

俺はすこし息の上がる小さな頭を凱にいちゃんの首筋に埋めた。
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