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お風呂から上がると五色叔父さんはソファで紅茶を飲んでいた。叔父さんは丁寧に茶葉から入れる派。
このマンションはもともと俺たち家族が住んでいて、両親が亡くなった後、その空いた部屋を叔父さんが使っているんだけど、ティーカップを持ちくつろぐ優雅な姿はまるでこの家の主みたい。
「凱、はらへったー。もー今日はなんか頼もうぜ」
嶺にいちゃんは缶ビール片手にソファに寝転んで長い脚を組んでいる。テーブルには外国のビールが二本空になって置かれていた。どちらも違う銘柄で今はスーパードライを飲んでいる。嶺にいちゃんは色んなビールを飲むのが好きだ。
「ああ。そうだね」
俺は凱にいちゃんのTシャツの袖を引っ張る。
「俺、今日ごはんいらない。部屋で宿題する」
叔父さんとご飯なんて吐くかも。
「ん?そう?スープくらいは食べた方がいいからあとで持っていってあげるよ。宿題もみてあげるから僕の部屋で勉強しなよ」
俺の部屋、机もないしね。
「今日は俺のとこだろ!京!俺の部屋にいろよ」
嶺にいちゃんが声を上げる。
五色叔父さんがこっちをみた。
「いつも二人と寝てるの?」
「はい。順番で。ね、京」
凱にいちゃんが代わりに答えた。
「じゃあね」
俺は叔父さんを見ないようにして嶺にいちゃんの部屋に向かった。
しばらくするとどう考えても三人前はある夕食を嶺にいちゃんが持ってきてくれた。
「一緒に食おう」
このマンションはもともと俺たち家族が住んでいて、両親が亡くなった後、その空いた部屋を叔父さんが使っているんだけど、ティーカップを持ちくつろぐ優雅な姿はまるでこの家の主みたい。
「凱、はらへったー。もー今日はなんか頼もうぜ」
嶺にいちゃんは缶ビール片手にソファに寝転んで長い脚を組んでいる。テーブルには外国のビールが二本空になって置かれていた。どちらも違う銘柄で今はスーパードライを飲んでいる。嶺にいちゃんは色んなビールを飲むのが好きだ。
「ああ。そうだね」
俺は凱にいちゃんのTシャツの袖を引っ張る。
「俺、今日ごはんいらない。部屋で宿題する」
叔父さんとご飯なんて吐くかも。
「ん?そう?スープくらいは食べた方がいいからあとで持っていってあげるよ。宿題もみてあげるから僕の部屋で勉強しなよ」
俺の部屋、机もないしね。
「今日は俺のとこだろ!京!俺の部屋にいろよ」
嶺にいちゃんが声を上げる。
五色叔父さんがこっちをみた。
「いつも二人と寝てるの?」
「はい。順番で。ね、京」
凱にいちゃんが代わりに答えた。
「じゃあね」
俺は叔父さんを見ないようにして嶺にいちゃんの部屋に向かった。
しばらくするとどう考えても三人前はある夕食を嶺にいちゃんが持ってきてくれた。
「一緒に食おう」
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