お前が俺の運命の番だなんて絶対に認めない!

ミネ

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‥‥あの後、保健室の先生が誰かと話しながら帰ってくる気配を感じて、俺たちは慌てて校庭に面した通用口から逃げ出した。

二人とも一度射精したことでフェロモンが落ち着いて冷静さを取り戻している。

「‥‥おまえ、あれはないから」

「あれって?」

とりあえず人の居なそうな屋上に向かう。

「あの気持ちわりいセリフだよ。やってる時の‥!」

「えっ‥‥、で、でもみいみいも喜んでたし‥」

「みいみいって呼ぶな!」

俺の強い口調に稜冠逗は首をすくめる。

「み、皆斗‥‥」

三階の踊り場に着き屋上の扉を開ける。まだ肌寒い春の風が俺たちを包んだ。

「俺は喜んでねえからな!勝手に口から出ちゃうんだよ!おまえに合わせて‥」

「え‥‥」

稜冠逗は驚いた顔をした後、鼻の穴を膨らませて期待に満ちた表情を向けてくる。

「な、なんだよ」

「じゃ、じゃあ‥‥、えっちのときはお、俺にさ、逆らえないってこと‥?」

「ち、ちがう‥‥!」

とっさに否定したけどこれはかなりまずい。

稜冠逗が目をギラつかせてにじり寄ってくるからじりじり逃げると屋上の壁に背中が当たる。稜冠逗は両手を俺の顔の横について逃げられないよう囲んだ。「みいみいは俺に逆らえない‥俺の性奴隷‥」なんかぶつぶつ気持ち悪いこと言ってる!!


にちゃりと微笑むと稜冠逗は高らかに宣言する。

「み、みいみい、俺、たくさんえっちなこと勉強するから、こ、これからも、いっぱいいっぱいいろんなプレイしよう‥‥!!!」

「い、いやだ‥‥」

俺は首を振るが稜冠逗はそんなのまったく目に入っておらず、うっとりとどこか遠くのほうへ眼差しを向けている。

「飽きるほどやったら、いっぱい種付けしてたくさん孕ませよう‥‥。子どもはサッカーチームが出来るくらい作るんだ」

ぐふ、ぐふ、と稜冠逗は笑う。

こいつイケメンのくせになんでこんなに気持ち悪く笑えるんだろう。

‥いやだ!認めない!!

絶対に認めたくない‥!

こいつが俺の運命の番だなんて。



俺は力いっぱい拳を握る。

「ああ、はやく発情期ヒートが来ないかなあ‥。みいみい今からこんなんで発情期ヒートがきたらどうなっちゃうんだろうね‥!」

再び稜冠逗は気味の悪い笑い方で肩を震わせた。

俺の硬い拳が稜冠逗の腹に直撃する。


調子に乗るなよ!!稜冠逗‥!!
俺は絶対おまえを認めないからな!




これは運命の番(認めないけど)との大して長くもない最初の話。



稜冠逗のにぶい呻き声が春の青空に響き渡たる。


「‥えぼお!!」





⁑⁑おわり⁑⁑

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