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今日は珍しく仕事で唯継の帰りが遅い。夜の8時過ぎ、仕事を終えた俺はひとりで帰る。電車乗るの久しぶりだ。最近はほとんど行きも帰りも唯継の運転手付きの車だったからな。
電車に揺られながらぼーっとしてると目の前のカップルが酔っているのか、ほんのり赤い顔でいちゃつき出した。
「るなちゃん」「しょうちゃん」ってお互いの名前を呼び合ってハートマークを周りに飛び散らせている。
ふたりは人目も憚らず、手を握ったり髪を触ったりしていて男はさらになんなら腰に回した手を伸ばして女の子の乳に触り出しそうな勢いだ。ちくしょういいな。乳。大は小を兼ねるから乳は大きい方がいいに決まってる。まあ俺の好みだけど。るなちゃんの乳はそれなりにふんわかしてほっこりしてぽわっとしてた。
「一生一緒にいようね」とかなんとか言ってるカップルを背にして俺は電車を降り、唯継と暮らすマンションに帰る。
今日の夕食は昨日唯継が作ってくれたカレーだ。市販のルーにくっそ高い和牛の塊り肉を入れた唯継特製「肉が異常に美味いカレー」である。
それを温めて、テレビを見ながらもぐもぐ食べてる途中で俺は重大なことに気が付いてしまったのだ。
俺、唯継と一生一緒にいたら童貞のままじゃねえ?
俺は思わず持っていたスプーンをテーブルに落としてしまう。カレーが付いたままのスプーンはカラン‥!と悲しい音を立てた。
俺は食いかけのカレーもそのままに立ち上がると財布の中身を数えたあとにスマホを見る。スマホの画面に映るのは顔を隠していやらしい下着を着たお姉さんたちだ。いける、金は足りる。今の俺には泡の天国、そう、ソープしかない‥!
俺だって本当はちゃんと恋愛をして女の子と童貞を捨てたかった。男には男のロマンがあるのだ。
しかし俺には唯継がいる。寝ている時にお腹をぽりぽり掻いてても格好良くて、俺が晩飯を作る時はいつもおにぎり(塩)だけでも美味しいねって文句ひとつ言わないで食べてくれる可愛い俺の最高の恋人だ。
その唯継がいるから、俺は黙ってひっそりソープに行ってこっそり童貞を捨ててこようと思う。
それくらいはいいだろう?そうだ。今思いついたが、手に余るくらいの大きなおっぱいを鷲掴みするのが俺の夢だった。夢を今すぐ叶えに行こう。
スマホを高速でスクロールし、童貞を捧げる店に目星をつけると俺は飛び出した。唯継はまだ帰ってこないし、さらに明日は仕事が休みである。神が味方をしている。これは童貞を捨ててこいとの思し召しかもしれん。
玄関を開け、エレベーターを降り、高級ホテルのようなロビーに出ると、しかしそこにはコンシェルジュに迎えられるびしりと上質なスーツに身を包む美形男子が居た。もちろん唯継である。
こんなに心臓に悪い美形男子見たことない。唯継は俺に気がつくと「ただいま」と笑顔でこちらに向かってきた。
「どうしたの?どこ行くの」
「え、‥ああ、うん」
ちょっと今からソープ行ってくる。とはさすがに言えないだろう。俺は背中に嫌な汗をじっとりかきながら目をきょろきょろさせて丸メガネのブリッジを上げて「コンビニ行く」と嘘をついた。
唯継が当たり前のようについて来るから俺は焦って唯継の肩をやんわり押した。
「来なくていいよ。今日、遅かったし疲れたろ?俺、なんか甘いもんでも買ってくるから」
そういうと唯継の返事も待たず足早に唯継の横を通り抜け、ハイクラスでハイグレードマンションを出たのだった。
そして、歓楽街───‥。
夜風はなんて冷たいのだろう。みなさんに俺のソープの結果だけ掻い摘んでお話しますとですね。
まあ、ソープのお姉さんのおっぱいはとっても魅力的だったのに、俺の愚息はうんともすんとも言いませんでした。だから「ちょっと飼ってるザリガニが死んでナイーブになってるわ」って言って逃げ出してきた。でも乳はちょっと揉んだ。泣いた。
泣きながら俺は唯継のマンションに帰った。女の子とセックス出来なかったことが悲しかったんじゃない。俺はそん時気付いたんだ。唯継を愛してるって。だって身体は正直で、女の子にぴくりとも反応しなかった。身体が反応しないってこと心も反応してないってことだろ。
ばかな俺は他の人と触れあうまでそんなこともわからなかったんだ。
唯継、ごめんよ。って玄関を開けてリビングに行けば静かにソファに座ったままいつもみたいに出迎えもしてくれない唯継。
「唯継‥?」
いつもの穏やかでふんわりとした雰囲気がどことなく冷たい。俺はどきどきしながら唯継をもう一度呼んだ。なんだか浮気してる亭主みたいな気分だ。
「コンビニ、どこまで行ってたの?」
何もかも知ってそうな口調で俺に尋ねる唯継。恋愛慣れしている唯継は俺のぎこちない態度や雰囲気で俺が何かやましいことをしてきたのを察している素振りをみせる。
いやいや、強気だ。俺。悟られてはいまい。
しかしソープまでの往復移動時間、さくっとやってさくっと帰るつもりだった40分コース(実際居たのは20分くらいだが)の間、俺はずっと唯継を待たせていのだ。
時計をちらりと見ればもう日付けが変わろうとしている。
「そ、その食べたいスイーツが無かったからハシゴしてた‥」
「こんな時間まで?」
たしかに。不自然だ。迷子の子供が‥、いや、こんな時間に子供は無理があるな。迷子の子猫を見つけて‥。俺が必死に考えていると唯継は立ち上がり俺のそばに寄るとすん、と鼻を嗅いだ。
「いい匂いがするね?」
そういやソープでシャワー浴びたな。
あっ、あー‥‥、もしかしてこれ、言い訳ができないやつですかね‥?
電車に揺られながらぼーっとしてると目の前のカップルが酔っているのか、ほんのり赤い顔でいちゃつき出した。
「るなちゃん」「しょうちゃん」ってお互いの名前を呼び合ってハートマークを周りに飛び散らせている。
ふたりは人目も憚らず、手を握ったり髪を触ったりしていて男はさらになんなら腰に回した手を伸ばして女の子の乳に触り出しそうな勢いだ。ちくしょういいな。乳。大は小を兼ねるから乳は大きい方がいいに決まってる。まあ俺の好みだけど。るなちゃんの乳はそれなりにふんわかしてほっこりしてぽわっとしてた。
「一生一緒にいようね」とかなんとか言ってるカップルを背にして俺は電車を降り、唯継と暮らすマンションに帰る。
今日の夕食は昨日唯継が作ってくれたカレーだ。市販のルーにくっそ高い和牛の塊り肉を入れた唯継特製「肉が異常に美味いカレー」である。
それを温めて、テレビを見ながらもぐもぐ食べてる途中で俺は重大なことに気が付いてしまったのだ。
俺、唯継と一生一緒にいたら童貞のままじゃねえ?
俺は思わず持っていたスプーンをテーブルに落としてしまう。カレーが付いたままのスプーンはカラン‥!と悲しい音を立てた。
俺は食いかけのカレーもそのままに立ち上がると財布の中身を数えたあとにスマホを見る。スマホの画面に映るのは顔を隠していやらしい下着を着たお姉さんたちだ。いける、金は足りる。今の俺には泡の天国、そう、ソープしかない‥!
俺だって本当はちゃんと恋愛をして女の子と童貞を捨てたかった。男には男のロマンがあるのだ。
しかし俺には唯継がいる。寝ている時にお腹をぽりぽり掻いてても格好良くて、俺が晩飯を作る時はいつもおにぎり(塩)だけでも美味しいねって文句ひとつ言わないで食べてくれる可愛い俺の最高の恋人だ。
その唯継がいるから、俺は黙ってひっそりソープに行ってこっそり童貞を捨ててこようと思う。
それくらいはいいだろう?そうだ。今思いついたが、手に余るくらいの大きなおっぱいを鷲掴みするのが俺の夢だった。夢を今すぐ叶えに行こう。
スマホを高速でスクロールし、童貞を捧げる店に目星をつけると俺は飛び出した。唯継はまだ帰ってこないし、さらに明日は仕事が休みである。神が味方をしている。これは童貞を捨ててこいとの思し召しかもしれん。
玄関を開け、エレベーターを降り、高級ホテルのようなロビーに出ると、しかしそこにはコンシェルジュに迎えられるびしりと上質なスーツに身を包む美形男子が居た。もちろん唯継である。
こんなに心臓に悪い美形男子見たことない。唯継は俺に気がつくと「ただいま」と笑顔でこちらに向かってきた。
「どうしたの?どこ行くの」
「え、‥ああ、うん」
ちょっと今からソープ行ってくる。とはさすがに言えないだろう。俺は背中に嫌な汗をじっとりかきながら目をきょろきょろさせて丸メガネのブリッジを上げて「コンビニ行く」と嘘をついた。
唯継が当たり前のようについて来るから俺は焦って唯継の肩をやんわり押した。
「来なくていいよ。今日、遅かったし疲れたろ?俺、なんか甘いもんでも買ってくるから」
そういうと唯継の返事も待たず足早に唯継の横を通り抜け、ハイクラスでハイグレードマンションを出たのだった。
そして、歓楽街───‥。
夜風はなんて冷たいのだろう。みなさんに俺のソープの結果だけ掻い摘んでお話しますとですね。
まあ、ソープのお姉さんのおっぱいはとっても魅力的だったのに、俺の愚息はうんともすんとも言いませんでした。だから「ちょっと飼ってるザリガニが死んでナイーブになってるわ」って言って逃げ出してきた。でも乳はちょっと揉んだ。泣いた。
泣きながら俺は唯継のマンションに帰った。女の子とセックス出来なかったことが悲しかったんじゃない。俺はそん時気付いたんだ。唯継を愛してるって。だって身体は正直で、女の子にぴくりとも反応しなかった。身体が反応しないってこと心も反応してないってことだろ。
ばかな俺は他の人と触れあうまでそんなこともわからなかったんだ。
唯継、ごめんよ。って玄関を開けてリビングに行けば静かにソファに座ったままいつもみたいに出迎えもしてくれない唯継。
「唯継‥?」
いつもの穏やかでふんわりとした雰囲気がどことなく冷たい。俺はどきどきしながら唯継をもう一度呼んだ。なんだか浮気してる亭主みたいな気分だ。
「コンビニ、どこまで行ってたの?」
何もかも知ってそうな口調で俺に尋ねる唯継。恋愛慣れしている唯継は俺のぎこちない態度や雰囲気で俺が何かやましいことをしてきたのを察している素振りをみせる。
いやいや、強気だ。俺。悟られてはいまい。
しかしソープまでの往復移動時間、さくっとやってさくっと帰るつもりだった40分コース(実際居たのは20分くらいだが)の間、俺はずっと唯継を待たせていのだ。
時計をちらりと見ればもう日付けが変わろうとしている。
「そ、その食べたいスイーツが無かったからハシゴしてた‥」
「こんな時間まで?」
たしかに。不自然だ。迷子の子供が‥、いや、こんな時間に子供は無理があるな。迷子の子猫を見つけて‥。俺が必死に考えていると唯継は立ち上がり俺のそばに寄るとすん、と鼻を嗅いだ。
「いい匂いがするね?」
そういやソープでシャワー浴びたな。
あっ、あー‥‥、もしかしてこれ、言い訳ができないやつですかね‥?
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