図書館は職場なので迫らないでください

ミネ

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うだるような真夏の暑さのなか俺の職場は快適で静か。図書館の誰でも受け入れてくれるオープンな、でも人の声や物音のほとんどしない密やかな広い空間が俺は好きだ。

俺のシフトは9-17か12-20のどちらかで編成されていて、今日は17時上がりだ。昼休みに唯継からLINEが来てて、今日は迎えに来てくれるらしい。

こうやってちょくちょく唯継は図書館に俺を迎えにくる。時計を見ればもうすぐ17時。静かに入り口の自動ドアが開いて、スーツ姿のキマった唯継が入ってくる。

俺のことを見つけると、軽く腕を上げて指先を少し動して小さく手を振ってくる。俺も目を合わせこくりと小さくうなずくと、上がるための作業に取り掛かった。

エプロンを着替えて外に出れば、目の前に黒塗りの高級外車が。もちろん運転手付き。俺と唯継が来る時を見計らって入り口のポーチぎりぎりに止めてくる。

唯継が初めてここの図書館に来た日もこの車で来たんだろうな。簡単に想像できる。そんでこうやって図書館前に車を止めて、雨に濡れずにやってきたのだろう。

涼しい車内に二人で乗り込むと「おつかれ様」って唯継が声を掛けてきて軽く頬にキスされる。唯継とのキスは慣れてきたけどこうやって人前ですんのはどうかと思う。

ちょっと前にそれを言ったら「ふふ」って笑って流された。

「唯継さあ、よく迎えに来てくれるけど仕事平気なわけ?」

迎えに来てくれるのは嬉しいがちゃんと仕事してるのか少し心配になるわ。

話を聞けば唯継には一個下のすんごい優秀な妹がいて、その妹がゆくゆくは田宮文具の代表取締役になるとかならないとか。

唯継もすでに役職持ちで、妹のサポートに就く予定らしいけどあんまり当てにされてないみたい。まあ、こんな時間にちょくちょく俺迎えに来てるようじゃな。

つまり真面目そうなふりが上手い遊び人のボンボンなんだな、唯継は。

なんかその緩さが俺を少しほっとさせる。だってさ、金持ってて、顔とスタイルがくそほど良くて、恋愛し慣れてて。そんなの恋人(小声)として自慢だけど、同じ男としてちょっと引け目あんじゃん。

しょうがないやつだな、と少々の上から目線でにやにやしていると、そんな俺を見た唯継がちょっかいを掛けてくる。

「何笑ってるの?」

「べっつに」

にやついた俺の頬を唯継がつんつんと突く。いつもならやめろやめろ、ってなるとこだけど今気分がいいから突かせてやる。




唯継のハイグレードマンションに着くと俺は勝手知ったる振る舞いでキッチンの冷蔵庫に直行する。ドアを開けば俺の好きな銘柄のビールがたくさん。それを一本取り出し、プシュと開け、一気に飲み干した。

唯継は俺のためにビールをいつも用意してくれてる。ありがたや。

「ああ~!!」

仕事上がりのビールうめえええ!!

「もも、手洗ってから」

そんな俺を優しくたしなめる。

「はーい」

飲みかけの缶ビールをキッチンカウンターへ置くと俺は洗面所に手を洗いに行く。律儀にそばで唯継が待ってる。別にお母さんみたいにちゃんと俺が手を洗ってるか監視してるわけではない。

俺が手を洗い終えると唯継がゆるく腕を広げる。

「はい」

ただいまのハグとキスして、だ。最初の時は家に家に上がると問答無用で何度も「いらっしゃい」のキスが降ってきて、少し慣れてくると俺からの「ただいま」のキスを催促されるようになって、いまここ。

「ん」

腕を広げる唯継の胸におずおずと俺も腕を回してハグ。少し唯継が屈んできたから、俺は近づいた唯継の頬に唇を寄せた。

唯継もすかさず俺の唇に軽くキスを返す。

「今日も泊まってく?」

「ん、うん」

最近はさらにお泊りも多い。唯継が図書館に迎えに来て、そのまま飯食って帰る日もあるけど、ほとんどはこうやってビールとか飯とか(相変わらず唯継の料理の腕はさほど上達してないから買って帰るかウーバーが大半だけど)用意してくれて、だらだら一緒に過ごして、帰るのめんどくなって、そのまま泊まる、って流れ。

いつのまにか俺の私物も増えた。

「ビールほどほどにね」

キッチンの缶ビールに戻ろうとする俺の背中に優しく声を掛ける。これは別にお母さんみたく、身体を心配して飲み過ぎ注意の言葉ではない。

「もも、すぐ寝ちゃうから」

「んー‥‥」

なんで寝ちゃだめかって言うとですね。



「もも、もも」

飯食って2本目の半分のビールを残して、ソファでほろ酔いになっている俺を膝の間に座らせて後ろから唯継がハグしてくる。

「んー」

ちょっとうとうとしていた俺に唯継は耳のあたりでふっ、と軽く息かけてきたり、喰んできたり、こしょこしょする。

「もも、しよ」

あー、あれですね。俺は酔いとは別に少し顔を赤らめてこくりとうなずく。帰ってきて寝ちゃだめだと言われたのはあれをするからだ。

しないで寝落ちすると唯継が俺をそのままベッドに運んでくれるけどそん時に「もう飲んじゃだめ」って冗談言ってくる。だから俺はすぐに反省する。めちゃかわでめちゃ男前な恋人を寂しがらせてはいけない。

と、その場では反省するのだが、飲むと気持ち良くなって2本目開けることが少々、‥‥ま、多々ある。俺は酒強くないからすぐ眠くなっちゃう。でもちょっとうとうとしてただけだからこれはセーフだろ。

俺の了解を取った唯継は耳のあたりにあった唇を今度は首に寄せ、軽くちゅっちゅっ、と何度か吸った。

「眠い?」

「眠くない」

俺を後ろから襲う唯継に振り返り、俺もキスを返す。最近はこの美しすぎる顔面にも慣れてきて、うっとりしながらキスできるようになってきた。唯継キス上手いし。

眠気が覚めてきた俺はそのまま唯継をソファに押し倒し、濃厚なキスを交わしながらごそごそと唯継の股間らへんをズボンの上から触る。

「ベッド行こうよ、ももちゃん」

唯継は甘くおねだりしてくるが、もうスイッチ入っちゃったしこのままここで致したい。

唯継のほうはまだそんなんでもないが俺のはキスだけで完全勃起している。早くやりたい。

「ここでしよ」

唯継の返事は待たずラフなルームウェアを下げるとぼろん、と唯継の半勃ちのそれが出てくる。おっきんだよな。唯継のやつ。

さわやかな美形男子のくせしてちんちんはちょっと邪悪が過ぎる。もっこりとえらが張ってて血管がびちびち巡ってて黒くてぶっとい。

まだやってないけど、俺が挿れる側で良かったよ。こんなん挿入される奴は死ぬよ。けつから死ぬ。本気で言える。

その点俺はフレンドリーな色と形をしてるから唯継に負担を掛けることはそんなにないであろう。安心してほしい。俺は心身ともに優しい男である。

しかしまさかちんちんのでかさで逆にマウント取れるとは思わなかったね。

ちょっとほくそ笑みながら俺は唯継のそれをしーこしことこすった。

そう考えるとこの使い道のない巨根もかわいそうなもんだと愛しく思える。せめて精一杯俺の右手で気持ち良くしてやろう。

「ももちゃん‥」

唯継も俺の完勃ちしているそれに手をかける。大きくてさらさらした手のひらが優しく俺を包んだ。

キスしながら二人でお互いのをしこしここしこしすんの気持ちいい。

俺に押し倒される形で下に寝ていた唯継がぐいっと腰を寄せ、唯継のそれを掴んでいた俺の手をゆるりと外す。今度は唯継の手が二人のそれをまとめて包み、扱く。

唯継のでっけえカリんとこが俺の亀頭に引っかかるようにこすってくんのたまんない。

「はあ‥、いつぐ‥」

ちゅこちゅことやらしい音を立てながら二本いっぺんに唯継は扱いてくる。

「ももちゃん一緒にいこ」

「うん、うん」

うなずくが気持ちいいので待てないかもしれない。俺は唯継の手コキに翻弄されるまま、うっとりと解放に至り、後を追うように唯継も俺の下っ腹に精液を散らした。

一息つくと唯継はソファから身体を乗り出しティッシュを取って手のひらに付いた俺の精液を拭い、そのあと俺の腹を濡らす唯継の精液を丁寧に拭いてくれた。

「お風呂いこっか?」

「先行っていいよ」

唯継がお風呂に誘ってくれたが、出したばっかで今だるい。ちょっとこのままソファでまったりしてたい。

「もも、この間そう言って寝ちゃってた」

寂しそうに言う唯継が可愛い。唯継は一緒にベッドで寝ないとすねる。

そう、あれとは一緒にオナることで俺たちはまだセックスをしていない。俺は何回もスマホで男同士のセックスのページを読み込み、日々勉強しているがなかなか先に進めないのだ。

俺ってどうやら淡白みたいでこうやって唯継とオナると一回で満足しちゃうんだよね。たまにそのままソファでうっとりしたまま寝ちゃうし。

そういえば俺、今までひとりの時は週1もしてなかったかも。

「もも、掴まって」

ソファでくったりしてる俺をどうやら唯継は抱っこして運ぼうとしてるらしい。やだよ。かっこわるい。

「風呂、行くから」

俺はへろっと立ち上がるとバスルームに向かう。あとから唯継もついてくる。

「一緒に入んの?」

唯継を見ればにっこりと微笑んでくる。

「洗ってあげる」

「いいよ」

「もも、めんどいでしょ」

まあね、そうだけどさ。俺、唯継と風呂に一緒に入るの好きくないんだよね。でもあんま拒否るのもかわいそうだし。ここは素直に洗わせてやるか。

そうこう言ってる間にバスルームに着き、丸メガネを洗面台に置くと、着ていたTシャツを脱いだ。下はリビングで脱いだまま忘れてきたのでそもそも履いていない。

湯船にはいつのまにか用意してくれていたのかお湯がはってあって気持ちよさそうだ。

「ほら、入ろ」

裸になった唯継が後ろから声を掛けてくる。湯船は男二人でも一緒に入れるくらい広い。

俺が湯船に浸かると向かいに唯継も入ってきた。ほら、これだよ。これ。

一糸纏わぬ姿の唯継はそれはもう、何かの神話の彫刻ですか?って言いたくなるくらいの肉体美を持っている。高級スーツの下に隠れているしっかりとした筋肉のついた完璧すぎるボディ。

つい、自分の生白い身体と比べてがっかりする。俺って情けねー身体。

俺はお湯の中に鼻から下を沈めてぶくぶくと消沈した。だから唯継との風呂はやだ。落ち込むから。

唯継はそんな俺に気づいた様子もなくにこにことほほえんでお湯の中で腕を広げてくる。

「もも、こっち」

ソファで座るみたいに唯継の身体に収まれって言ってくる。それもやだ。俺が女役みたいだろ。

ソファはいいよ。慣れたし諦めた。ベッドはいつのまにか気付くと後ろから抱っこされている。だから風呂ぐらいは俺が漢気を見せたい。

「唯継がこっちきて」

若干キレ気味ですねる俺。唯継はでれっとしながら俺の腰に手を添え、お湯の中で軽くなった身体をふわっと持ち上げると自分の膝の上に乗せた。向き合った形のまま俺たちはさらに密着する。

「うう」

なぜかまた唯継に男らしい態度を取られてしまった。

これはそろそろ二人でオナニーばっかしてる場合じゃないな。やらなくては。そして唯継をあんあん女の子みたいに鳴かせてやらないと俺の中の漢気が暴れて落ち着かぬわ。

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