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ストーリー
最悪の目覚めからの出会い
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夢を見ていた。
教室の真ん中で正座している少年がいて、その周りを性別の分からない人達が囲っていた。
俺はその顔を見ようとしたが見えなかった。
目の辺りだけにモザイクがあったからだ。
その周りを囲む人達は少年に向かって何かを言い始めた。
『キメェんだよ、お前』
『豚は豚らしくブウブウ鳴きゃあいいんだ
よ』
『パシリのくせに生意気なんだよ』
それはどう考えてもいじめのシーンだった。
これは俺の記憶なのか?
俺には記憶が無かったから分からなかった。
次第にその人達が少年にボールペンや教科書などを投げつけ始めた。
少年は必死に耐えるように手でガードしていた。
投げつけている人達は笑っていた。
ニタニタと気持ち悪いほどに。
俺はただその行動に耐える少年を見て何故か怒りが湧いてきたのだ。
俺は少年に向かって
『何故やり返さないんだ、お前は!!』
と言った。
すると少年はガードしながら目線をこちらに向けてこう言った。
『お前が選んだ道だろ?』
、、、何を言ってる?
その道を俺は知らないんだ。
俺はそいつにこう尋ねた。
『お前は俺の何を知ってるんだ?』
少年はふっと笑って、
『お前の全てだよ、クソ野郎。』
そうそいつが言った直後、眩しい光が俺の身体を包んだ。その光は何故か優しく、懐かしい感じがした。
そして、光で周りが見えなくなっていく中で、少年が
『また会おう、もう一人の僕』
そう言ったのが頭の中から離れなかった。
目の中に光が差し込んできた。
俺はゆっくり目を開くとそこは教会だった。
真っ白な壁に女神らしい人物が書かれたステンドガラス、立派な神の像があった。
俺は見間違いかと思って辺りを見渡すと、神に祈りを捧げている人、賛美歌を練習している人など草原ではありえない事が広がっていた。
「大丈夫ですかな?よかったですな。」
「ええ、神父様ありがとうございました。」
声がした方を向くと青い服を着た神父と見た事のない女性がいた。
俺は神父に向かって、
「貴方が俺を草原から運んできて、生き返さ
させたのですか?』
と尋ねた。すると、神父は優しい顔をしてこう返した。
「生き返させた私ですが、貴方のカードを私
に持ってきたのは彼女ですよ。」
そう言って神父は隣にいた彼女に手をむけた。
その彼女は長い黒髪で黒い瞳を持つ、日本人のような女性だった。
僕がお礼を言おうとすると彼女は俺に向かってこう言った。
「別に大した事じゃないし、お礼なんて言わ
なくていいよ。」
「当たり前の事をしただけだから。」
そう優しい声で言った。
「いや、でも、、、」
そう言いかけた時、彼女は
「あ、時間だわ。みんなが待ってるわ。
またね。クエスト頑張って!」
そう言って教会から走り出して行ってしまった。
これが僕と彼女の始めの出会いだった。
恋などした事が無い僕に始めてできた感情だった。
その後、俺は生き返った理由について調べる事にした。理由は実に簡単だった。俺が死んだ時に落ちていたカードだった。
神父から聞いた話ではそのカードはこの世界では誰でも持っていて、魂の情報が書かれているらしい。
つまりこのカードが残っていれば、例えば骨すらなくなっても元の体型、髪形などに戻る事が出来るのだ。
さすが異世界だなーと思いつつ、俺は神父にお礼を言って教会を出た。
教会の外には街が広がっていた。
笑い声などがあふれている活気のある街だった。俺は、教会を背にして駆け出していった。
教室の真ん中で正座している少年がいて、その周りを性別の分からない人達が囲っていた。
俺はその顔を見ようとしたが見えなかった。
目の辺りだけにモザイクがあったからだ。
その周りを囲む人達は少年に向かって何かを言い始めた。
『キメェんだよ、お前』
『豚は豚らしくブウブウ鳴きゃあいいんだ
よ』
『パシリのくせに生意気なんだよ』
それはどう考えてもいじめのシーンだった。
これは俺の記憶なのか?
俺には記憶が無かったから分からなかった。
次第にその人達が少年にボールペンや教科書などを投げつけ始めた。
少年は必死に耐えるように手でガードしていた。
投げつけている人達は笑っていた。
ニタニタと気持ち悪いほどに。
俺はただその行動に耐える少年を見て何故か怒りが湧いてきたのだ。
俺は少年に向かって
『何故やり返さないんだ、お前は!!』
と言った。
すると少年はガードしながら目線をこちらに向けてこう言った。
『お前が選んだ道だろ?』
、、、何を言ってる?
その道を俺は知らないんだ。
俺はそいつにこう尋ねた。
『お前は俺の何を知ってるんだ?』
少年はふっと笑って、
『お前の全てだよ、クソ野郎。』
そうそいつが言った直後、眩しい光が俺の身体を包んだ。その光は何故か優しく、懐かしい感じがした。
そして、光で周りが見えなくなっていく中で、少年が
『また会おう、もう一人の僕』
そう言ったのが頭の中から離れなかった。
目の中に光が差し込んできた。
俺はゆっくり目を開くとそこは教会だった。
真っ白な壁に女神らしい人物が書かれたステンドガラス、立派な神の像があった。
俺は見間違いかと思って辺りを見渡すと、神に祈りを捧げている人、賛美歌を練習している人など草原ではありえない事が広がっていた。
「大丈夫ですかな?よかったですな。」
「ええ、神父様ありがとうございました。」
声がした方を向くと青い服を着た神父と見た事のない女性がいた。
俺は神父に向かって、
「貴方が俺を草原から運んできて、生き返さ
させたのですか?』
と尋ねた。すると、神父は優しい顔をしてこう返した。
「生き返させた私ですが、貴方のカードを私
に持ってきたのは彼女ですよ。」
そう言って神父は隣にいた彼女に手をむけた。
その彼女は長い黒髪で黒い瞳を持つ、日本人のような女性だった。
僕がお礼を言おうとすると彼女は俺に向かってこう言った。
「別に大した事じゃないし、お礼なんて言わ
なくていいよ。」
「当たり前の事をしただけだから。」
そう優しい声で言った。
「いや、でも、、、」
そう言いかけた時、彼女は
「あ、時間だわ。みんなが待ってるわ。
またね。クエスト頑張って!」
そう言って教会から走り出して行ってしまった。
これが僕と彼女の始めの出会いだった。
恋などした事が無い僕に始めてできた感情だった。
その後、俺は生き返った理由について調べる事にした。理由は実に簡単だった。俺が死んだ時に落ちていたカードだった。
神父から聞いた話ではそのカードはこの世界では誰でも持っていて、魂の情報が書かれているらしい。
つまりこのカードが残っていれば、例えば骨すらなくなっても元の体型、髪形などに戻る事が出来るのだ。
さすが異世界だなーと思いつつ、俺は神父にお礼を言って教会を出た。
教会の外には街が広がっていた。
笑い声などがあふれている活気のある街だった。俺は、教会を背にして駆け出していった。
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