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6.お姫様は、遊びたいし、愛されたい

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『お兄様へ。
お兄様元気でしょうか。ボクは元気にしております。
こちらはたくさんのヒトやネコがいるので馴染めるか心配でしたが、なんとかやれております。
ご隠居さまも大変良い方で、可愛がっていただいています。
あと、お友だちもできました。綺麗でしっかりしているコです。少し不感症気味で心配ではあるのですが。
毎日楽しく過ごしておりますので、お兄様もお身体に気をつけてお過ごし下さい。

追伸、お兄様のご主人様へ伝言をお願いします。プレゼントをお送りいただきありがとうございます。とても、とても嬉しいです。』

クロトはつまらなさそうな顔をしてそれを読んだ。
読んだ後に“ご主人様”のベルに渡して、腰を上下に動かした。
程なくして射精してくたりとベルの胸に倒れる。
ベルは手紙をサイドチェストに置いて、ぐったりしたクロトの髪で遊んだ。

「むくれないの。弟取られてショックなのはわかるわよ?元気そうで良かったじゃない」
「すぐ泣いて帰ってくると思ったのに」
「そうね。アタシもそう思ったわよ。…あの子をアナタなしじゃいられないようにするつもりで教え込んだものね?残念ね」
「途中から玩具とか女装に走るとはおもってなかったよ。それさえなければ上手く行ってたと思うのにな」
ベルはふふふと笑う。
「アタシはプロだもの。アナタに負けるわけにはいかないの」
脚を広げて奥にねじ込むと、敏感な胎がうねり、首を仰け反らした。
「弟が、欲しいなら、アタシに言えば良かったのに」
「それは、意味がない、……じぶんで、えらばないと」
「そうね。そう。それこそ調教だもの」

深く口付ければ、クロトの目が快楽を追い始める。
弟のことは頭からするりと抜けた。ベルを悦くして、愛されること以外が考えられなくなる。
ベルが中に射精すると、うっとりと笑って「しあわせ」と呟いた。





ボクだって服の下にローターを仕込む玩具趣味は最近まで封印していたんだ。
だって普通じゃない。可愛い服の下で玩具を仕込んで悦んでいるのは普通じゃないと散々お兄様に言われていたので、たまにこっそり楽しむくらいにしていた。
それでは足りなくなってくる。
なにせ、ずっと胎が疼いていて、ずっと入れていてほしいのだ。
お兄様がいた時は、お兄様にたくさんしてもらえていた。甘やかされていた。いまはお兄様がいない。
『いつでも帰ってきていいんだよ?』
そう見送ったお兄様の顔を思い出す。とてもお優しいお兄様は、意地が悪い。ここで帰ったらなにを言われ、なにをされるか、想像すらしたくなかった。
ノラが相手してくれる時は良い。けれどノラは野良だから、気まぐれに消える。
他のネコのことも考えた。けれど無理だ。
もう、他のネコに犯されるのはいやだし、中途半端なのは一番だめ。
となるとやっぱり玩具に縋るしかない。
せっかく、お兄様のご主人様がたくさんプレゼントを送ってくれたのだ。使わないともったいない。


「ソレはそんなに良いのかのう?」
畳の上に寝転がったノラが聞いてくる。
ボクはご隠居様の膝に座り、外見は完璧に整えて、小さな振動を中で楽しんでいた。
たまに甘イキしてしまうのはご愛嬌。
ふっくらとしたスカートの下にパニエを着ているので、多少濡らしても大丈夫。完璧だ。

「気になるなら教えてあげようか?」
「遠慮する。わしは、そんなの覚えとうない」
「ノラと一緒ならもっと楽しいと思ったのに、残念」
「シィロはその顔すれば全部許されると思うてないかの?」
「?」
「無意識とは、残酷じゃ」
そこで、ご隠居さまが身じろぎした。
「ぁ、あ、ご隠居さま?そ、それはお待ちください、入れたら」
「であれば、オレはいつまでお預けを食らわねばならん?お嬢の趣味も悪くはないがオレにも付き合え」
「ふ、は、はいっいつでも、あ、でも一緒に入れるのは、ぁっあっっ」

ローターをそのままに、ご隠居さまのソレが中に入ってきた。さらにリモコンを操作され振動が強くなり、身体が跳ねる。

「これはこれで、なかなか良い。お嬢は良い趣味を持ってるな。…なぁに全部は入れん。オレにもコレで遊ばせろ」

そう口付けながら言われれば、頷くしかない。奥にいくそれが気持ちよかった。
ノラが擦り寄ってくる。

「仕方ない、姫さまのこれは服が汚れないようわしがいただくとしよう」

舌を舐めて美味しそうにそれを咥えた。
ノラの口の中は熱くて気持ちいい。小さい口なのですぐに喉に届いてしまう。小さな舌にほじくられるとたまらない。

「ぁーーぁあっっイ、く、あ、イきますーーぁあッッ」

腰が跳ねてノラの喉を突いてしまう。
ノラは上手に飲み込んだ。
その余韻も束の間、ご隠居さまに抱えられた。

「お嬢の遊びは終わりだ。あとはオレに付き合え」
「はぁい」
玩具を抜き取られる。
「ノラ逃げるな。お前も来い」
逃げようとしたノラを捕まえて褥に向かった。



シィロは目立つ。
可憐な容姿に、ネコとは思えないほど清らかそうな佇まい。
化粧をしなくとも頬は赤みがかり、唇も紅が取っているかのよう。
実のところ、趣味を突き詰めた結果そうなっただけであり、本質は立派なネコだ。
隠居のネコというレッテルがなければ、間違いなく狙われる。いや、レッテルがあってもそれなりに狙われてはいた。隠居がいない時を狙って。
それを追い返していたのはノラだ。
いままで気ままに生きてきたもののシィロを守るという使命は肌に合っていた。
ただの人間だった頃そういうことをしていたのを思い出して懐かしくなる。
人間としての自分は、姫のために生きて、姫のために死んだ。だから、また守れるものができたのは嬉しかった。最初は素直に嬉しかった。
そのうち、姫が喜ぶことをしてあげたい。
姫の喜びが自分の喜び。姫のためならなんだってする。
そういう気持ちが芽生えてしまう。

「今日はだめな日なの。ご隠居さまはいらっしゃらないし、玩具もたのしくない。ううん、ノラと一緒なら楽しい、かも?」

透けた下着だけを着て脚をあげる。
玩具の使い方は大体覚えた。たまに間違えるけれど姫の喜ばせ方はわかる。
玩具箱の中から太いそれを取り出して、濡れたそこに入れてやる。
スイッチをいれてやるとあとは勝手に腰を振る。

「や、ぁあっっっきもちっは、ぁっ動かして?たくさん中かわいがって?」
「承知した」

動かすと腰が激しく動きよがり、何度か達する。かっくんと力が抜けたところでそれを抜いた。
たまらずその玩具についた愛液を舐める。

「可愛い。ノラ、ソレじゃなくてボクをたくさん舐めて?」
愛らしく、小首を傾げるシィロの身体についた精液と愛液を舐めて綺麗にして、後腔に口をつけて中を舐める。
「ノラっあっそれ、いい、すきっ、ノラもすき」
入れて、入れて、そこに入れて。
望みのままに緩く勃起したそれを入れる。
シィロには物足りないのはわかっているが、それでも。
「大丈夫。ノラのコレ好きだよ。ずっと入れてられるたくさん遊べるもの」
「ん。シィロは、わしを喜ばせるのがうまいのぅ」
カリカリと爪で乳首を弄ってやる。
「ふ、ぁあ、すき、す、き、それすき」
「当たり前じゃ、シィロが整えているんじゃから、こっちも」
ペニスも弾くと中でぎゅっと締め付けられた。
「ぅん、キスしよ、きす、口溶けちゃうやつ」
「甘えたがりじゃのう」
望みのままに舌を舐め合う。
そうやってドロドロに溶かしていく。
シィロとの行為は長い。入れたり入れられたりしながら一日平気でそうしている。



そして。
たまにそうしていると招かれざぬ客が訪れる事がある。
隙を狙ったようだが、なぜこちらに隙があると思うのか。

「あぁ、また猫が入り込んだようじゃの。様子を見に行くゆえ、ちぃとばかり大人しくしておれ」
「………ん、わかった、おとなしく、まってる」

顔は不満そうだが、シィロは聞き分けがいい。
愛い子を放置するのは忍びないが、こればかりは仕方がない。
ネコか、魔物か、魔族かは知らないが、はやく消えてもらわねば……姫が退屈してしまう。



隠居が帰って来れば、シィロは取られる。
仕方がない。それは本能に従っているだけだ。
ノラが隠居とシィロの交尾をぼんやり眺めながら、身体を丸める。
長時間弄られた身体は平常に戻るまでに時間がかかった。
これを経験すると、もう他のと交尾するなんてごめんだと思う。目の前でシィロを犯している隠居ですらいらない。
隠居のモノはノラには入りきらないし、気持ちよくない。餓死しそうになったら考えるが今はシィロだけで良い。
良いというのに。
ノラの身体を抱えて首に噛みつかれる。

「随分楽しんでいるじゃないか」
「……ありがたいことに、とても、よい。他が受け入れられなくなるくらいよい」
「いいではないか。お嬢が気に入っているんだからな。お揃いの首輪でもつけてやろうか?」
「わしはおぬしのモノになるつもりは毛頭ないぞ」
「使えるものは使え。いつでもシィロの近くにいることができると思えば良いと思わんか?」

この男、何を企んでいるのか。
ただ面白いからという理由かも知れないが、なにか薄らさむいものを感じる。
シィロと同じここの家のペット…隠居のペットという立場であれば、共にあることは当たり前に思われるだろうか。
そして、野良でなければ周りからの目も変わる。

「……たしかに、他のネコ共から変な嫉妬をされずに済むのぅ」
「考えておけ」
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