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外伝
約束の明日
しおりを挟む私が初めて姫君に出会ったのは、8つの時。彼女がまだ6歳の時だった。
歳が近いからと、話し相手兼守役に選ばれ、父に連れられて初めて登城したあの日の事は今でもよく覚えている。
大きな翡翠色の瞳をしっかりと見開いて私を迎えた姫君は、健康的な林檎色の頬をした、快活で可愛らしい姫君だった。
自分自身、身近な人々の中に歳の近い子供がいなかった事もあって、初めて出来た友達に気分が浮かれたものだった。
今にして思えば、父も、そして陛下も、将来を見据えた上での私たちの引き合わせだった訳で……つまるところ、世継ぎの君と将来の臣下という立場での対面だった訳だが、当時の幼い私には、そんな事情に考えは至らず、ただ素直に新しい友人と過ごす日々を楽しんでいた。
だが本当はそれはいけない事だったのだ。
自分は当時から外へ出て活発に遊ぶよりもむしろ、書斎に篭って本を読みふける事を好むような子供だった。
身近に歳の近い子供が居なかった事も理由の一つに挙げられるだろう。内気で、内にこもりがちな性質をした……世間知らずな子供だった。
小さな頃ならそれでも良かったかもしれないが、8歳ともなれば、貴族の子供にそれは許されない。
だが、物心ついた頃に魔術の才があるようだと知れてからは、ずっと、それが許されてきてしまっていた。
将来魔術師になるような子供は、幼い頃は魔力が安定していない。要らぬ感情の昂りが思いもかけぬ重大な事故につながる事もしばしばあったため、外界との要らぬ接触は出来るだけ避けて静かに過ごす事を推奨されていた。
だからと言ってしまえば言い訳になるが、自分はその年頃になってもまだ、世間知らずなままだった。
世継ぎの姫君の守役として過ごすという栄誉を預かる身になったのだから、それではいけなかったのだ。本当はもっと、自分の立場や家の立場、周囲の情勢や己の立ち位置。そして己に預けられた責任というものについて、よく考えなければならなかったのだ。
*
そんな、自分の臣下としての自覚がまったく足りていなかったと思い知る事になる日は、唐突にやってきた。
あの日の事は自分は今でもよく覚えているが、きっと姫君の方は忘れてしまわれただろう。なぜなら、姫君にとっては、きっととるに足らぬような事だっただろうから。ただしそれは、取るに足らぬようなつまらない事という意味ではなく、姫君にとって呼吸をするのと同じような、ごく自然な事だったという事だ。それ程にトリニティ王女というのは、朗らかで鷹揚で、心優しい姫君だった。
「あっ……」
上げた声はそれほど大きくはなかったが、続く音は意外なほど大きく響いた。
手のひらが偶然当たって、茶器がテーブルの下に落ちて割れた。まだ残っていた中身が厚く敷かれた絨毯の上に茶色い染みを作る。そして、姫君の衣服にも。
「だっ……大丈夫ですかっ!」
姫君のその日の衣装は多くの色彩を織り込んだ鮮やかなもので、膝の上に散った染みはあまり目立たなかったが、私は顔を青くした。
「や、火傷はっ……」
「大丈夫。たくさん着てるから、ちょっとしか熱くないわ」
大陸最北のこの国では、まだ肌寒い季節ではドレスの下にも幾枚もアンダードレスを重ねる。溢れた茶の量は多くはなかったかもしれないが、それでも、姫君に無礼を働いてしまった事は事実だった。
後ろに控えていた侍女達が素早く動き、一人は姫君の膝の上を布巾で押さえ、一人が床の上の染みを拭き取り、割れた茶器を集め始めた。
おろおろと慌てるばかりの私に、トリニティ王女は朗らかに笑った。
「大丈夫。大丈夫よ」
茶器はテーブルの端に置かれていたため、テーブルの上はそれ程汚れていなかった。だが、私はとても慌てていた。焦って立ち上がるとき、手にしていた書物をうっかりテーブルの上に置いてしまった。テーブルの上にはティーセットが広げられていて、僅かではあったが、やはり、そこにも茶は溢れていた。
持ち上げた書籍の裏表紙に、真新しい染みができていた。きっと、乾いても染み跡は残るだろう。
「あ……」
私は青くなった。
型押しに金彩色の施された凝った装飾の革製の表紙はそれだけで芸術品だ。そして、本はおしなべて高価だった。自分のような幼い子供に弁償できるようなものでもない。それに、割れた茶器も。
そこまで考えが及んだ時。
「この馬鹿者がっ!」
後ろ頭の左側から衝撃が来た。体が、姫君の居るのとは逆方向へ飛ぶ。ソファを転がり落ち、床に投げ出される。
厚い絨毯が敷いてあるとはいえ、その下は石の床だ。ソファの高さから落ちた私は頭と肩をしたたか打ち、うめき声をあげた。
「ウェリス!」
姫君が立ち上がった。
「姫君! どうか愚息の無礼をお許しください」
そう言って姫君の前に跪いたのは父だった。
私は突然体に受けた衝撃に、何がなんだか分からなかった。自分は今どうなったのか、理解が及ばず混乱した。
混乱しながらも体を起こそうとしていた私の首根っこを、誰かが強引に掴んで床の上に押し付けた。父だった。
「陛下も。どうぞお許しを」
父は体の向きを変え、陛下に向かって謝罪した。その間も私の頭は床に押し付けられていて、体は床に投げ出された時のまま、体勢を戻すこともできない。
「ふむ……。そなたの息子は少々不注意だったのだろう」
「は。二度とこのような事が無いよう、よく言って聞かせます」
「その方がよかろうな」
陛下と父は自分達とは離れた位置にあるテーブルで大人同士の話をしていた。二人だけという事はなく、さらにもう二人、宰相と補佐官が居たが、彼らはこちらの事に口出しするでもなく、ただ黙って様子を見ているだけだった。父と自分の様子をじっと見つめる視線が痛かった。
「ウェリスを離してあげて。辛そうだわ」
大人達の会話に、可愛らしい声が割って入った。
「姫君……。しかし」
「体が曲がっちゃってるわ」
重ねて言う姫君の言葉に、父がようやく私を押さえつける手を離した。私はなんとか体を起こすと、直ぐに父の叱責が飛んだ。
「直ぐに謝罪をせんか!」
「は……はい!」私は体を飛び上がらせた。「申し訳ありませんでした。姫君!」
手を離した父は再び姫君の前に丁寧に膝をついた。
「重ね重ね、ご無礼をお詫びいたします。どうか、ご容赦を」
「大丈夫よ。お茶も熱くなかったし……たまたま手が当たっただけだもの」
「今はまだ子供だからそれで済むが、帰ってよく言って聞かせるように」
陛下の抑揚のない声が室内に響く。
今すぐ退室せよと暗に言われたのだと、流石の私でもわかった。直ぐ隣に居る父の握りしめた拳が震えるのが見えた。
「ウェリス。明日もまた来てくれなくちゃ嫌よ? 本の続きを読んで欲しいから、しばらくは毎日来てね」
室内の重い空気の事など気付かないかのように、姫君が明るく言った。先程自分が誤って汚してしまった本を、大事そうに抱えていた。
「この話、とても興味があるわ! 明日も今日と同じ時間にね!」
父が無言で深く頭を下げた。それから、退出のことわりなど幾つもの言葉を父も私も言った筈だが、そこはあまり覚えてはいない。
ただ、城からの帰りの事はよく覚えている。
私は帰りの馬車に乱暴に押し込まれた。父の機嫌は最悪だ。
私は狭い馬車の中で押し黙ったまま、重苦しい空気に耐えなければならなかった。何も言わずとも判るほどピリピリとした剣呑な空気に私は生きた心地がしなかった。
しばらくの間そうやって押し黙ったままの父が眉間に深い皺を刻んだまま口を開いた。
「姫君に感謝するのだな。明日も城に上がるのでなければ、お前の横面を腫れあがる程叩いてやるものを」
私はハッとして、弾かれるように顔をあげた。そこには厳しい眼差しの父の顔があった。
「いくら鈍いお前でも流石に気づいたか? 気づかなければ、今すぐ馬車から放り出して、当家と縁を切ってやるところだ。……主人に守られるなど……愚か者め」
恥じ入るとはまさにこの事だった。
私は自分の愚かさ、鈍さ、呑気さ……世間の知らなさ……自分のありとあらゆる欠点を恥じた。
貴族である自覚と責任。
臣下としての自覚と忠誠心。
仕える者としての自覚や覚悟。
私には何もかもが足りなかったのだ。
私より年下の姫君でさえ持っていたというのに。
姫君は友人などでは決してなく、主人だったのだと、今更になって気付かされた。
トリニティ王女は私を庇って下さったのだった。
熱いお茶のかかった膝を、大丈夫だと言って。
私が父に叩かれないよう、明日もまた来るようにと言って。
陛下に守役を解任されないよう、しばらくの間毎日来るようにと言って。
書物を弁償する必要がないよう、汚れてしまった書物を抱きしめて。
庇ってもらったのだ。
私が咎められないよう、父は先に私を叱り飛ばしたのだ。
まだ物の道理を弁えぬ愚かな子供だと、だから事を荒げる必要は無いと、陛下はそういう事にしてくださったのだ。
だからあの場に居た他の大人達は何も言わずに、無かった事にして下さったのだ。
護られたのだ。大人達に。
私は己の不甲斐なさに、歯を食いしばって耐えた。きつく閉じた眦から涙がとめどなく流れた。
父が厳しい眼差しをこちらに向けている気配がした。やがて長い沈黙の後に、父は言った。
「姫君は良い君主になるだろう。今日の事を忘れず、しかと心得てよく仕えなさい」
「はい……」
私はそう答えるので精一杯だった。
*
あの出来事から数年が過ぎて、姫君が十歳になる頃。それまで病いとはほとんど縁のなかった姫君が体調を崩される事が多くなった。
数日前にも、「また明日」と約束したものの、夜には熱を出されたそうで、翌日の約束は反故になった。私は呑気にも、これまで同様、姫君が回復されたらお会い出来るものとばかり思い込んでいたが、結局、その約束が果たされる事は無かった。
数日後には、姫君は城内の何処とも知れぬ所へ幽閉されてしまったのだった。
そう。
トリニティ王女は呪われた王族となったのだった。
城は一変した。
それまで姫君を世継ぎの君と敬っていた者達が綺麗に消えた。まるで布巾でサッと拭ったかのように。
父もまた変わった。
父だけではない。城の誰も彼もが姫君の話題を口にしなくなった。トリニティ王女という姫君は最初から存在していなかったかのようだった。姫君の居た痕跡はそれほど綺麗に消し去られたのだった。
ただしそれは城の中だけの事で、街に出れば違った。城内では口に出来ない内容も、話題になっていた。それに城の中でも、薄暗がりに紛れてだが、そうした噂はひっそりと流れていた。
父が黙して語らぬ分、私はそうした噂に耳を傾けた。
噂は王家に時折現れる『呪われた者』についての事だったり、姫君の居場所についての事だったりした。
嫡子の証を持つ姫君を殺すようなことは出来ない。
女神イシリが王家に与える加護は極めて強力で、加護の力が世継ぎの君を守るため、人間が害をなそうとしても全くの無駄だった。毒殺も呪殺も、そしてもちろん剣を使った暗殺や事故に見せかけた暗殺に至るまで。
王の証と嫡子の証。その二つを持つ王族はあらゆる脅威から護られる。二人を殺す為には、事前に証を奪っておかなければならないのだ。
王と世継ぎの君は、女神が認めたこの国の後継者。人間達が自分達の都合で勝手に振舞ってはならないのだった。それが、この国の中の絶対だった。
この世界の主人は人間のものではないのだ。
だから幽閉されたのだ。
閉じた空間、粗末な食事。やがて緩慢に来る衰弱死か、発狂死を望まれて。
ではそれほど強力な加護が有りながら何故『呪われる』のか。何が王家を呪うのか。
本当のところは分からず、憶測はいくつかあった。
いくつか言われていた原因の一つである魔王ブラックファイアの呪いの場合、イシリもブラックファイアもどちらも同じ魔王だ。その力に優劣はない。
そのため、王女を守ろうとする証の加護と、王女を害そうとする呪いの狭間で苦しむのだろうと言われていた。
他にも噂はあった。
姫君の居場所についての噂だ。その噂について、私は自分で確かめて、それが事実である事を知った。
姫君は城の一角にある塔に閉じ込められていたのだった。
私は己の無力さ、不甲斐なさに泣いた。
あの時とは違う涙だった。
あの時は己の至らなさ故に泣いたのだったが、今度は己が無力な子供であるが故の涙だった。
大人であれば。力も権力もある大人であったなら、姫君をこんな困難な所から連れ出して差し上げる事が出来るのに。
私は己の無力さが憎かった。
そしてもっと力をつけようと、魔術を懸命に学んだ。
そして姫君の呪いを解くすべも懸命に探した。だがそれは見つからず、時間だけが無為に過ぎて行った。
私は焦っていた。
ただ過ぎていくだけの時間。
最年少で宮廷魔術師になっても、それで何かの権力を手にできるというわけでもない。姫君を塔から救い出す事は出来ない。
私は姫君に生き延びる希望を与えたが、ただ時間ばかりが過ぎて行き、いつしか八年もの歳月が経っていた。
そんな時だ。
アイゼンメルドのベルダ司祭の噂を耳にしたのは。これが最後の機会だと思った。
姫君を塔から連れ出し、アイゼンメルドへ行くのだ。
無為に過ぎるだけの時間を使い、私は塔の部屋の扉に掛けられた魔法の鍵の解除方法を探り当てていた。
私はもう子供ではない。
きっと処罰を受けるだろうが、そんな事は構わなかった。
かつて姫君が私の主人として私を守って下さったように、今度は私が臣下として主人を守りたかった。
果たせなかったあの日の約束。宙に浮いたままとなったあの約束の代わりに、今度こそ、この約束は果たしたかった。
扉を開き、八年ぶりに姫君と対面した時。
私は、姫君の八年間の辛苦がどれほどのものかを知った。
姫君は何の装飾もない毛織りの貫頭衣を身に着けていた。八年間一度も袖を通していないのだろう。しっかりと折り目のついた真新しい貫頭衣は、乳白色の生地が全体的に黄ばみ、所々に濃い染みが浮いていたが、それでも、今日初めて袖を通した事がハッキリと分かる物だった。
いつかこの塔を出る事が出来た日のために、どれほど寒い冬の日にも、袖を通さずにとっておいたのだろう。
かつてこの国で陛下に次いで、この国の殆ど全てを持っていた姫君は、今ではたった二つのものしか持っていない。
黄ばんだ貫頭衣と、そして私という臣下。
勇者ワーナーは陛下に許可を頂いて来たとお仰っていたが、臣下である私にまでそれは通用しないだろう。
ベルダ司祭に奇跡を願う事が望み薄ならば、次の方策を探らねばならない。
今この時にターナーという魔法使いと出会った事は、果たして偶然だろうか?
私はそうは思わない。
偶然であるはずがない。
きっと、魔王ブラックファイアは姫君に関わりがあるに違いない。
私は魔王を滅ぼす方法を探ってみるつもりでいる。
考えはある。
そのための方策も練った。
準備に万全を期して臨むつもりでいる。死力を尽くした魔術の行使になるだろう。きっと魔王を滅ぼす事が出来ると思うが、私は無事では済むまい。
だが、それでいい。
たとえ私がここから先、姫君に仕える日は来なくとも。トリニティ王女は良き君主だ。直ぐに多くの人々が彼女の元に集う事だろう。
私はただ。
姫君を呪いから解き放って差し上げたいだけだ。
自分自身に誓った約束を果たしたいだけだ。
そう。
差し上げたいのだ。姫君に。
明日という希望を。
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