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第3部 天の碧落
第3章 雲中の階(きざはし) 2
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「あたしにこれ以上何をしろっていうの?」
簡潔な──それがマダム・ペリペの返答だった。
答えは最初から決まりきっていて、それ以外はありえない。それ以外の返事を期待してでもいたのかと言わんばかりの声だった。
「あたしはあんた達や姫君を首都から送り出す手助けをしたわ。──それ以上、何をしろと? まだ、それ以上を望むつもりなの?」声が切れるように冷たい。「それ以上をあたしに強請るつもり? あたしは慈善家じゃないわ」
オーウェンが喉の奥で潰れたように呻いた。
そのとおりだ。それが虫のいい話だということくらい、十分に分かっている。分かっていてなお、頼れるところが他にないのだから仕方がない。
仕方がないから、死の危険を冒してなお首都を目指して徒歩でここまで来た。
……国軍が蹂躙した、街道沿いの死に絶えた村々。そこで夜を明かす恐怖。小さな結界石で作り出した、小さな空間に膝を抱えて朝まで息を潜めて待つ時間の長さ。身じろぎ一つ出来ず、張り詰めた神経が切れそうになるのを尚耐えなければならない長い夜と、続く疲労の旅路。それらにすべて耐えたのは、残してきた町の住民の命をすべて背負っているからこそだ。
だからこそ歯がゆい。
自分たちは首都に他に頼れる者もなく、ここでマダムの助力が得られなければ、アイゼンメルドの民の命はすべて消えるのだ。
オーウェンは唇をきつく噛み締めた。鉄錆の匂いが口中に広がるのも気付かぬほどに。出し抜けに椅子を勢いよく引いて立ち上がったかと思うと、大きなその体をこれ以上ないほど丸めて額を床の上に擦り付けた。
「お願いだ……! マダム! どうか俺たちを助けて欲しい! あんたの助力が必要なんだ!」
野太い声を精一杯張り上げて、大の男が何度も土下座を繰り返した。
「あんた以外頼れる人がいないんだ!」
マダム・ペリペはぞっとするような冷たい瞳でオーウェンを見下ろした。ルイスがテーブルに肘を突いたままひとつ欠伸をした。
「あんたもよくやるね。ご苦労なこった」
ルイスの気のない台詞にもオーウェンは懇願をやめなかった。
「お願いだ! マダム!」
「あの町の連中なんて、あんたを見捨てた奴等だろ? あんたを『死を待つ者の家』に閉じ込めたんじゃないか。なんでそんな連中の為に命なんてかけるかね? おまけに土下座までしちゃってさ。意地もプライドも捨てるだけの価値のある連中かね?」
オーウェンが顔をあげてルイスを凄い形相で睨んだ。
「……確かにそうかもしれない、けど、あそこが俺の故郷なんだ。土下座ひとつで町の皆が助かるなら、俺のプライドなんざ安いもんだ!」
「そうですかねぇ」
「あんただって、一緒に戦った仲じゃないか! 姫さんの仲間なんだろっ?」
「仲間ねぇ……」ルイスは迷惑そうに顔を顰めた。「俺ってつくづく運がないよな。たまたまあの日この店にいたからってマダムに荷物持ちの片棒担がされてさ。結局逃亡者の仲間入りだろ。自分がおかれた状況の中で死なない方を選んで進んだら、しまいにはこんな状況まで追い込まれて──はっきり言って、いい迷惑」
ルイスはオーウェンが気色ばむのを見ても一向気にも留めず唇をすぼめた。
「ふうん? ──じゃ、貴方がここまで危険を冒してきたのって、道案内のつもりもあったけど、この人をここまで送り届けたら自分だけ姿をくらませようとかいう……そういう気持ちがあったわけ?」マダムが唇の端で冷笑した。「『裏切り者』(ふくろう)の名に相応しく?」
ルイスが片眉をあげてマダム・ペリペを見た。
「『裏切り者』?」
オーウェンが顔をあげた。その一言で今までの旅路であったであろう全てが納得できた、と言わんばかりの顔だ。
「あー。そのことなんだけどさぁ。迷い中なんだよね」
「迷い中? なぁに、それ?」
「うーん……」ルイスは胸元から何やら取り出し、手の中で弄び始めた。「これでも俺、ここ数年は『裏切り者』の謗りを受けるような行動はとってなかったと思うんだけど」
「そう言えばそうだったかしら?」
「最初はマダムの言うとおりにしようかとも思ってたんだけどさ」
「けど、何よ」
「俺にもひとつ自慢できることがあってさ。『裏切り者』の二つ名に恥じない自慢ごとだぜ?」
「……聞いて欲しいわけね? それで、何よ?」
マダムがため息をつくと、ルイスは極上の笑みを浮かべた。床上のオーウェンは完全に無視だ。
「自慢じゃないけど俺、『裏切り時』を読みたがえた事ってないんだぜ? ま──だからこそ、今まで生き延びてこられたんだけどな」
「はいはい。それで……? 今はまだ裏切り時じゃないとでも?」
「うーん、まぁ……まだ迷い中、かなぁ」
ルイスは手の中で弄んでいた物を広げ始めた。
「俺のカンに従えば、今ここらが潮時っぽいんだよな。……けど、抜け時を誤れば、あっさりとっつかまって首を刎ねられる訳だろうし。それよりも、こっちに賭けてみるのも手かな……とも思うわけよ」
「こっちって、何よ──ていうか、何よ。その薄汚いものは?」
マダム・ペリペは顔を顰めながらルイスが手の中で広げ始めた襤褸に目をやった。
「これ?」
ルイスが、ある意味、意地の悪い笑みを浮かべた。
広げた襤褸をマダム・ペリペがよく見えるように正面に向ける。視線をそれに固定したマダムが、襤褸の中に模様のように描かれた茶色い滲みに目をやるのを面白そうに見た。
マダム・ペリペの表情が明らかに変わった。事態の異常を悟ったオーウェンも顔をあげてマダムを見た。
「アレクからの言伝」
ルイスの笑みは相変わらず営業用の、いかにも作りましたと言わんばかりの爽やかなスマイルだ。
マダム・ペリペは極上の美人だ。
そこらの美人とは訳が違う。
美しさで言えば天使や悪魔の美しさは人外だが、人間に限っての表現が許されるなら、マダムの美しさもまた──人外の、という表現をしてもいいだろう。
そのマダムの表情が、見たこともない程一変した。
まるでこの世にありえない物を見たとでも言わんばかりに、土気色に……いや──その表現は、適切ではない。
マダムが喘ぐように息を吸い込んだ。
「あたしに、何をしろと」
搾り出すように言った声が、掠れ震えている。
ルイスは目の前にファイア・ドラゴンが現れたときでさえ、こんなこんな表情はしなかっただろうと思いながらマダムを見つめた。
「アレクの言葉じゃぁ、これを見せればマダムは協力してくれるはずだって事だったぜ?」
マダムは微かに首を振った。
「あたしはあの時アレクにちゃんと言ったのよ? 『可愛そうだとは思うけど、同情はしないって』」
穴が開くかと思うほど、食い入るように襤褸に描かれた模様を見つめている。マダムにはそこに描かれた模様の意味が分かっているようだが、残念なことにルイスには分からないし、オーウェンも知らないだろう。
「もしこれを見てもまだ愚図る様なら、とどめにこう言えって言われたぜ?『いいかげん目を覚ませってさ』」
マダムが顔をあげた。視線を襤褸からルイスに。幼子が所在を失って不安そうな顔を見せるときのような、そんな表情を一瞬だけマダムが見せた。そして──。
「──くっ……」
マダム・ペリペは自分の体を抱え込むようにして上半身を軽く折り曲げると、嘲る様に甲高い声で笑い出した。
(続く)
+-----------------------------+
| 「語バラ(裏)」
+-----------------------------+
ルイス:「きたきた! ついに来ましたよっ!」
トリニティ:「何がよ?」
ルイス:「なんと、今回の第3章は ”俺がっ!” 主人公なんだぜっ!?」
トリニティ:「へえー」
ルイス:「何だよ。気のない台詞だなぁ。一応、もう少し本編が進んだら、外伝とも連動して書いてくれるって、作者がさぁ──」
トリニティ:「へえ~~。あの人の言うこと、本気で信じてんの?」
ルイス:「──」
トリニティ:「あんまり信じてなさそうな目よね」
ルイス:「いや──えっと、でもさ。その……」
トリニティ:「あんたが主人公で、まともな話になると思う?」
ルイス:「いやっ! そこはだなっっ!!! 駄目だぜ? 姫さんっ!」
トリニティ:「な、何よっ」
ルイス:「こう見えても俺は超超超まじめなキャラなんだぜっ!!!」
トリニティ:「──へえ~~~~」
ルイス:「その信じてない目は止めろって! ホントだぜっ! 人生の暗さじゃあ、姫さんやアレクにだって負けてない自信あるぜ!」
トリニティ:「……不幸自慢してどうするのよ。……不毛ね。あなたって。ま、あたしは自分のこと不幸だなんて思ってないけど」
ルイス:「……………………」
トリニティ:「何とか言いなさいよ。大の男が涙ぐんだりしてさ」
ルイス:「……くっ……いいんだ……いいんだ……」
トリニティ:「だから何いじけてんのよ? 話先に進めなさいって言ってんでしょ! ちょっと、何よっ? 後ろ向いてイジイジしちゃってさ! 聞いてんのっ? こらーっっ!!!!!」
ルイス:「……嫌いだ……姫さんなんか……俺は本当はナイーブなんだぞ……誰も信じてくれないけど……」
簡潔な──それがマダム・ペリペの返答だった。
答えは最初から決まりきっていて、それ以外はありえない。それ以外の返事を期待してでもいたのかと言わんばかりの声だった。
「あたしはあんた達や姫君を首都から送り出す手助けをしたわ。──それ以上、何をしろと? まだ、それ以上を望むつもりなの?」声が切れるように冷たい。「それ以上をあたしに強請るつもり? あたしは慈善家じゃないわ」
オーウェンが喉の奥で潰れたように呻いた。
そのとおりだ。それが虫のいい話だということくらい、十分に分かっている。分かっていてなお、頼れるところが他にないのだから仕方がない。
仕方がないから、死の危険を冒してなお首都を目指して徒歩でここまで来た。
……国軍が蹂躙した、街道沿いの死に絶えた村々。そこで夜を明かす恐怖。小さな結界石で作り出した、小さな空間に膝を抱えて朝まで息を潜めて待つ時間の長さ。身じろぎ一つ出来ず、張り詰めた神経が切れそうになるのを尚耐えなければならない長い夜と、続く疲労の旅路。それらにすべて耐えたのは、残してきた町の住民の命をすべて背負っているからこそだ。
だからこそ歯がゆい。
自分たちは首都に他に頼れる者もなく、ここでマダムの助力が得られなければ、アイゼンメルドの民の命はすべて消えるのだ。
オーウェンは唇をきつく噛み締めた。鉄錆の匂いが口中に広がるのも気付かぬほどに。出し抜けに椅子を勢いよく引いて立ち上がったかと思うと、大きなその体をこれ以上ないほど丸めて額を床の上に擦り付けた。
「お願いだ……! マダム! どうか俺たちを助けて欲しい! あんたの助力が必要なんだ!」
野太い声を精一杯張り上げて、大の男が何度も土下座を繰り返した。
「あんた以外頼れる人がいないんだ!」
マダム・ペリペはぞっとするような冷たい瞳でオーウェンを見下ろした。ルイスがテーブルに肘を突いたままひとつ欠伸をした。
「あんたもよくやるね。ご苦労なこった」
ルイスの気のない台詞にもオーウェンは懇願をやめなかった。
「お願いだ! マダム!」
「あの町の連中なんて、あんたを見捨てた奴等だろ? あんたを『死を待つ者の家』に閉じ込めたんじゃないか。なんでそんな連中の為に命なんてかけるかね? おまけに土下座までしちゃってさ。意地もプライドも捨てるだけの価値のある連中かね?」
オーウェンが顔をあげてルイスを凄い形相で睨んだ。
「……確かにそうかもしれない、けど、あそこが俺の故郷なんだ。土下座ひとつで町の皆が助かるなら、俺のプライドなんざ安いもんだ!」
「そうですかねぇ」
「あんただって、一緒に戦った仲じゃないか! 姫さんの仲間なんだろっ?」
「仲間ねぇ……」ルイスは迷惑そうに顔を顰めた。「俺ってつくづく運がないよな。たまたまあの日この店にいたからってマダムに荷物持ちの片棒担がされてさ。結局逃亡者の仲間入りだろ。自分がおかれた状況の中で死なない方を選んで進んだら、しまいにはこんな状況まで追い込まれて──はっきり言って、いい迷惑」
ルイスはオーウェンが気色ばむのを見ても一向気にも留めず唇をすぼめた。
「ふうん? ──じゃ、貴方がここまで危険を冒してきたのって、道案内のつもりもあったけど、この人をここまで送り届けたら自分だけ姿をくらませようとかいう……そういう気持ちがあったわけ?」マダムが唇の端で冷笑した。「『裏切り者』(ふくろう)の名に相応しく?」
ルイスが片眉をあげてマダム・ペリペを見た。
「『裏切り者』?」
オーウェンが顔をあげた。その一言で今までの旅路であったであろう全てが納得できた、と言わんばかりの顔だ。
「あー。そのことなんだけどさぁ。迷い中なんだよね」
「迷い中? なぁに、それ?」
「うーん……」ルイスは胸元から何やら取り出し、手の中で弄び始めた。「これでも俺、ここ数年は『裏切り者』の謗りを受けるような行動はとってなかったと思うんだけど」
「そう言えばそうだったかしら?」
「最初はマダムの言うとおりにしようかとも思ってたんだけどさ」
「けど、何よ」
「俺にもひとつ自慢できることがあってさ。『裏切り者』の二つ名に恥じない自慢ごとだぜ?」
「……聞いて欲しいわけね? それで、何よ?」
マダムがため息をつくと、ルイスは極上の笑みを浮かべた。床上のオーウェンは完全に無視だ。
「自慢じゃないけど俺、『裏切り時』を読みたがえた事ってないんだぜ? ま──だからこそ、今まで生き延びてこられたんだけどな」
「はいはい。それで……? 今はまだ裏切り時じゃないとでも?」
「うーん、まぁ……まだ迷い中、かなぁ」
ルイスは手の中で弄んでいた物を広げ始めた。
「俺のカンに従えば、今ここらが潮時っぽいんだよな。……けど、抜け時を誤れば、あっさりとっつかまって首を刎ねられる訳だろうし。それよりも、こっちに賭けてみるのも手かな……とも思うわけよ」
「こっちって、何よ──ていうか、何よ。その薄汚いものは?」
マダム・ペリペは顔を顰めながらルイスが手の中で広げ始めた襤褸に目をやった。
「これ?」
ルイスが、ある意味、意地の悪い笑みを浮かべた。
広げた襤褸をマダム・ペリペがよく見えるように正面に向ける。視線をそれに固定したマダムが、襤褸の中に模様のように描かれた茶色い滲みに目をやるのを面白そうに見た。
マダム・ペリペの表情が明らかに変わった。事態の異常を悟ったオーウェンも顔をあげてマダムを見た。
「アレクからの言伝」
ルイスの笑みは相変わらず営業用の、いかにも作りましたと言わんばかりの爽やかなスマイルだ。
マダム・ペリペは極上の美人だ。
そこらの美人とは訳が違う。
美しさで言えば天使や悪魔の美しさは人外だが、人間に限っての表現が許されるなら、マダムの美しさもまた──人外の、という表現をしてもいいだろう。
そのマダムの表情が、見たこともない程一変した。
まるでこの世にありえない物を見たとでも言わんばかりに、土気色に……いや──その表現は、適切ではない。
マダムが喘ぐように息を吸い込んだ。
「あたしに、何をしろと」
搾り出すように言った声が、掠れ震えている。
ルイスは目の前にファイア・ドラゴンが現れたときでさえ、こんなこんな表情はしなかっただろうと思いながらマダムを見つめた。
「アレクの言葉じゃぁ、これを見せればマダムは協力してくれるはずだって事だったぜ?」
マダムは微かに首を振った。
「あたしはあの時アレクにちゃんと言ったのよ? 『可愛そうだとは思うけど、同情はしないって』」
穴が開くかと思うほど、食い入るように襤褸に描かれた模様を見つめている。マダムにはそこに描かれた模様の意味が分かっているようだが、残念なことにルイスには分からないし、オーウェンも知らないだろう。
「もしこれを見てもまだ愚図る様なら、とどめにこう言えって言われたぜ?『いいかげん目を覚ませってさ』」
マダムが顔をあげた。視線を襤褸からルイスに。幼子が所在を失って不安そうな顔を見せるときのような、そんな表情を一瞬だけマダムが見せた。そして──。
「──くっ……」
マダム・ペリペは自分の体を抱え込むようにして上半身を軽く折り曲げると、嘲る様に甲高い声で笑い出した。
(続く)
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ルイス:「きたきた! ついに来ましたよっ!」
トリニティ:「何がよ?」
ルイス:「なんと、今回の第3章は ”俺がっ!” 主人公なんだぜっ!?」
トリニティ:「へえー」
ルイス:「何だよ。気のない台詞だなぁ。一応、もう少し本編が進んだら、外伝とも連動して書いてくれるって、作者がさぁ──」
トリニティ:「へえ~~。あの人の言うこと、本気で信じてんの?」
ルイス:「──」
トリニティ:「あんまり信じてなさそうな目よね」
ルイス:「いや──えっと、でもさ。その……」
トリニティ:「あんたが主人公で、まともな話になると思う?」
ルイス:「いやっ! そこはだなっっ!!! 駄目だぜ? 姫さんっ!」
トリニティ:「な、何よっ」
ルイス:「こう見えても俺は超超超まじめなキャラなんだぜっ!!!」
トリニティ:「──へえ~~~~」
ルイス:「その信じてない目は止めろって! ホントだぜっ! 人生の暗さじゃあ、姫さんやアレクにだって負けてない自信あるぜ!」
トリニティ:「……不幸自慢してどうするのよ。……不毛ね。あなたって。ま、あたしは自分のこと不幸だなんて思ってないけど」
ルイス:「……………………」
トリニティ:「何とか言いなさいよ。大の男が涙ぐんだりしてさ」
ルイス:「……くっ……いいんだ……いいんだ……」
トリニティ:「だから何いじけてんのよ? 話先に進めなさいって言ってんでしょ! ちょっと、何よっ? 後ろ向いてイジイジしちゃってさ! 聞いてんのっ? こらーっっ!!!!!」
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